第153回臨時国会

2001年9月21日 総務委員会

副大臣
総務副大臣
遠藤 和良君
事務局側
常任委員会専門員
入内島 修君
政府参考人
警察庁生活安全 局長
警察庁刑事局長
消防庁長官
消防庁審議官
国土交通省住宅 局長
黒澤 正和君
吉村 博人君
中川 浩明君
東尾  正君
三沢  真君

○又市征治君 社会民主党の又市征治でございます。
 アメリカのあの同時多発テロ事件が発生をしたためにというか、それに隠れてこの歌舞伎町で発生した雑居ビルの火災、二十日間しかたっていないわけですけれども、非常に国民の皆さんから記憶に遠くなっている、こういう感じがいたしますけれども、こうした小規模の防火対象物としては大変な、過去に例のない大惨事だと、こういうふうに言われておるわけでありますし、関係当局鋭意この火災原因の究明と再発防止に御努力をされていることは先ほど来の委員への答弁で一定理解をいたしております。しかし、まだ幾つか問題点があるんではないか、こんなふうに思います。
 そこで幾つかお聞きをしてまいりますが、まず一つは、先ほど消防庁の方は九月三日に特別査察のそうした案内を全国の消防機関にお出しになったということでありますが、国土交通省なり警察庁では同様の何か通達を出され、またいつごろまでにその報告を求めようとされておるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(三沢真君) 今回の火災にかんがみまして、国土交通省では九月三日に消防部局と連携して、小規模雑居ビルについて重点的な査察の実施をするようにということで各都道府県知事あてに通知をしております。
 この査察の内容といたしましては、特に三階以上の階を風俗営業等の用途に供する小規模雑居ビルというものに重点を置いて、査察によって防火関係法令の遵守の徹底を図る、こういう趣旨で査察をお願いしているところでございます。
 現在、各特定行政庁におきまして鋭意その査察を実施しているところでございまして、ただ、やはり対象となる建築物が非常に多いということでございますので、この結果については十月末の時点で御報告いただくようにということでお願いしているところでございます。

○政府参考人(黒澤正和君) 警察庁におきましては、九月の三日付でございますけれども、全国の警察に対しまして「風俗警察活動の強化について」という生活安全局長通達を発出いたしまして、風営適正化法による風俗営業所等への立ち入りを強化するとともに、違反行為があれば厳格に取り締まりを行うよう指示いたしたところでございます。

○又市征治君 この消防庁の特別査察要請に対して、先ほども出ましたけれども、東京消防庁の五日間の査察の実施状況は、先ほどもお話がございましたが、対象約四千件のうち一千四十六件がやられた。そのうち九一・五%に当たる九百五十七件で違反がある、その違反項目が一万一千九百八十一件と、ちょっと正直言ってびっくりしているんですが、一雑居ビル当たり何と十二・五項目の違反に上るという計算になるわけですけれども、これは消防庁としては予想しておったような数字なのか、全く予想に反して大変な数字だという御認識なのか、まずその点、先にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(中川浩明君) 九月三日付で各消防本部に立入検査についてお願いをいたしておりますが、その結果につきましては十月末までに報告をいただくということにしておりまして、現在まだその報告はございません。
 東京消防庁においてそのような状況について発表されたということは聞いておりますけれども、具体的な中身についてはまだ承知をいたしておりません。したがいまして、その点についてのコメントはなかなかできないわけですけれども、今お聞きした限りの数字で申し上げれば大変な状況である、このように認識をいたしております。

○又市征治君 大変な数字だというお話ですが、こんな認識でいきますと、いつまたこうした雑居ビルの火災や死亡事故が起こってもおかしくない、こんなふうに私は受けとめるわけです。本当にそのことに対してさまざま、先ほど来から出されておりますけれども、消防庁なりあるいは国土交通省でも、再発防止のために有識者と、あるいは関係者で対策委員会を設けて対策をとるなどやられているようですけれども、もっと迅速にやるべき課題がたくさんあるのではないかという気がしてなりません。
 例えば、問題になっているこの小規模雑居ビル火災の再発防止を本格的にやろうというのであれば、どうもやっぱり縦割り行政の問題が大きな弊害になっているのではないかという気がしてなりません。先ほども御報告ございましたけれども、今それぞれ消防庁もあるいは国土交通省も特別査察を要請されたのは、全部三階以上が娯楽、飲食等の用途に用いられている小規模な雑居ビルの立入検査、それぞれがその系統でいって、同じところを調べているというこんな格好になってくる。もちろん調べる対象が違うんでしょうけれども、こういうことがある。ビルの建築確認だとか保安点検は市区町村だ、防災は消防署だ、そして風俗営業は警察だ、飲食業は保健所だ、こう分かれておる。
 とすると、本当に今緊急にやらなきゃならぬのは、こうした縦割り行政を横につないで、横断的、一体的な連携による対応策の検討、こういうことになるのではないか。だとすれば、なおのこと、先ほども出ていましたけれども、学識経験者や関係省庁だけではなくて、現場のそうした消防職員であるとかあるいは建築関係の職員であるとか、こういう人々も交えた形でないと本当の意味での対策というのは立てられていかないのではないかという気がいたしますが、これは双方にお聞きするしかございませんね。よろしくお願いしたいと思います。

○政府参考人(東尾正君) まず、消防の対応でございますけれども、先ほど来御答弁申し上げておりますように、これまでも国土交通省や警察とは十分連携をとってきたわけでございますが、しかしながら今回のような多数の法令にわたる違反事案もございます。
 これらの問題について総合的にどう対処すべきかは、議員御指摘のとおり重要な課題でございますので、私どもからお願いをいたしまして、関係省庁から構成される小規模雑居ビル火災安全対策連絡協議会というものをこの九月に立ち上げたわけでございます。この場におきまして、ただいま御指摘のような点について協議を行いまして、小規模雑居ビルという観点でどのように総合的に行政として対応すべきか、これを関係省庁間で十分連絡、連携をとりながら総合的な対策を打ち出したい、このように考えております。

○政府参考人(三沢真君) 関係省庁間の連携につきましては、今消防庁からもお話しあったとおりでございまして、私どももそこは非常に大事な点だと思っております。その点については、私どもきちっとまたやっていきたいと思っております。
 それから、現場の人間も入れて検討すべきじゃないかというお話につきましては、私どもの防火安全対策検討委員会の中には東京都にもお入りいただきまして、東京都を通じまして、当然そういう現場の特定行政庁のいろいろな悩みなり、あるいは実際に現場で指導するに当たっての問題点、これが非常に大事だと思いますので、これをまた東京都を通じて把握しながら検討を進めていきたいというふうに考えております。

○又市征治君 それぞれ消防庁も国土交通省も有識者の対策検討委員会、設置をされているわけですけれども、このメンバーを見ますと、ちょっと私よくわからぬのですが、この二つの対策検討委員会、この検討結果というのはほとんど同じ内容になるんじゃないですか。
 といいますのは、消防庁の関係の委員会は十四名、国土交通省の関係は、委員が十名で事務局が三名、合わせて十三名ですが、構成されておる双方に八人の方がダブっているわけで、これこそ何かよくわけのわからぬ、何か先ほどの説明だと、いや連絡、連携がとれるために少し委員もダブってもらっているんだという話だけれども、そんなことではなくて、そんなにダブっているならば一つにすればいいわけですし、もっとやはり、さっきも申し上げたような、例えば保健所の問題だとかあるいは警察、こういうところの方が入っているかという問題を私今御指摘申し上げているわけですが、もっと言うならば、今の新宿の問題でいうならば、先ほども出ましたけれども、本当にその地域においでになる、そういうところの消防団とかこういう人々も含めて入れていくような、そういう中で本当の意味で再発防止という問題が検討を深められるんじゃないかという気がするんですが、ここのところをどうも二つにわざとダブらせて八人もダブっていると、半数以上がダブっているわけですから、よく意味がわかりませんし、それならなぜ一つにしないのかというところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(東尾正君) 小規模雑居ビルに対応する対策委員会が両省庁で二つ別々にあり、かつ委員が重複しているんじゃないかと、こういう御指摘でございますが、確かに議員御指摘のとおり、両方の所掌事項というものが相互に密接に連関しておりますので、私どもといたしましては、委員会立ち上げにおいて国土交通省と協議いたしまして、一つの考え方といたしましては、ただいま議員御指摘のように、合同委員会のようなものを立ち上げまして、そして消防部会あるいは建築部会というような構成で議論するということも一応考えたわけでございますが、私どもといたしましては、やはり消防法それから建築基準法、それぞれの所掌分野が現在の法体系でも明確に区分されていること、また相互の議論が同一に行われますと議論がふくそうしてしまうと、このようなことからかえってスムーズな運営ができないというようなことも考慮いたしまして、それぞれの委員会に共通の委員をお願いしながら、相互に連携をとりながら議論を進めていこうと、このような結論に至ったものでございまして、実質的には議員御指摘のような効果をねらうというふうに考えたものでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

○又市征治君 ちょっと今の御答弁は納得いかない面があるんですが、時間がありませんから、具体的なこの後の再発防止に向けてのいろんな措置の問題について少しお伺いをしたいと思います。
 例えば、先ほども出ておるんですが、消防法の規制の強化を図っていくという、こういう問題について言うならば、本当にこの誘導灯であるとか自動火災報知機あるいはスプリンクラーの設置、こういったものもこうした小規模雑居ビル、こういうところにも義務づけをしていく、当然法改正が伴うんでしょうけれども、そういう問題。あるいは、これは指導の問題ですけれども、先ほどもお話がございましたけれども、雑居ビルはテナントの入れかわりが非常に頻繁だと、こういう現状がある。だからなかなか徹底ができないという声がありますけれども、逆なんでありまして、むしろそうであるからこそ立入検査を、消防の関係でいうならば五年に一回よりもむしろ二年に一回や三年に一回に縮めて徹底をしていくという小まめな指導やチェックができる体制づくりこそが必要じゃないのか。そういうことについて、これは消防庁、そういうお考えがおありになるのかどうか、決意を含めてお伺いしておきたいのが一つです。
 それから、先ほども高嶋委員からお話がございましたけれども、あるいはほかの委員からもありましたが、職員が足りない、予防の職員が足りない、こういうことであるわけですが、言ってみれば、充足率が全国で見ますと、職員の算定数は二十万三百九十八人に対して、現員数は十五万三千三百六十三人だ、充足率は七六・五%、つまり四分の三しか充足していないと、消防職員は。こういう数字になっているわけでありまして、予防の方はもっと少ないんだと、こういうお話でありますから、これはもう何としても、今現実にそういう方針を出しているわけですから、ぜひそれは早急に充足をしていくという努力をしっかりやっぱりやるべきだ、やらないでおって、これ大変な数値が出ておると、東京都のこの例だけ見てもちょっと背筋が寒くなるような思いがするわけですが、そういう点をしっかりやってほしい。
 これはもう時間がありませんから、遠藤副大臣にお尋ねをしたいわけですが、ぜひ今それでは政府の方も雇用対策、一方で一生懸命やらにゃいかぬ、こう言っているわけですし、そういう意味では、森林の保護だとか青年の試験的雇用だとかさまざま雇用対策も打ち出されておるわけですけれども、やはりこういうところに消防職員の補充、充足をきちっとやるということを含めて、まだまだやっぱり足りないということになってくるわけですから、そこらのところを今度の機会をとらえて、本当に雑居ビル等での消防法あるいは建築基準法のこういう基準に適合していない部分がたくさんあるということがあるわけですから、ぜひ徹底的な査察をやっていく。そのためにもこの違反を、常に査察をし、フォローしていく、こういう努力を要員増を含めてやっていただく、その決意をお伺いしたいと思います。

○副大臣(遠藤和良君) ただいま政府部内におきまして、この国会、臨時国会でございますけれども、で補正予算の審議をお願いしようと思っておりまして、我が省といたしましても、できましたら、今若干お話があったわけですけれども、消防防災支援要員という形で、雇用の関係も含めまして、そういうものを政府部内で今要求いたしておりまして、それを実現する形でぜひ補正予算の御審議をしていただきたい、このように考えております。
 本当に消防の予防という観点から考えましても人員不足ということはかなり深刻でございますから、こうしたことにもこの支援要員というものが役立つと思いますので、ぜひ御理解をいただきたい、また応援もいただきたいと心からお願い申し上げる次第でございます。

○政府参考人(中川浩明君) 今回の事故にかんがみまして、これからの小規模雑居ビルに係る対策といたしまして、大きく防火安全対策の基準、これはハード面、ソフト面両面あろうと思いますが、この基準のあり方、そして基準適合確保方策のあり方、この二つがその調査検討を行うべき事項だと考えております。
 御指摘の要員の問題、さらには査察の頻度、やり方の問題等についても、この基準適合確保方策のあり方という面から積極的な検討を加えてまいりたいと考えております。