第153回臨時国会

2001年10月22日 行政監視委員会

政府参考人

厚生労働大臣官房審議官

鶴田康則君

○又市征治君 社民党の又市征治です。
 本年の六月八日、総務省は厚生労働省に対して医薬品に関する行政評価・監視結果に基づく勧告を行われました。その中の「患者への医薬品情報提供の在り方の見直し」に関連をいたしまして幾つかの点を厚生労働省から見解をいただきながら、片山総務大臣、最後に恐縮でございますが、ひとつ見解も承ってまいりたい、このように思います。
 今、政府は法律で定めたいろんな許認可制度の見直し、つまり規制緩和を進めています。それは、法規制が国民の自由な経済活動を制限し、景気停滞の一因ともなっているという理由のようでありますけれども、その規制緩和を論議する総合規制改革会議は、その一環として、本年の七月二十四日に中間取りまとめを出しております。
 その中で、「医薬品販売における範囲の見直し」を取り上げまして、一般小売店でも医薬品の販売を可能とするための制度の整備を平成十四年度中に実施すべきである旨を指摘をしているわけであります。
 そこで、この論議に入る前に、この総合規制改革会議に医薬品や医療の専門家が入っているのかどうか、厚生労働省の立場からひとつお答えをいただきたい。

○政府参考人(鶴田康則君) 医薬品は薬局の開設者や薬事法に基づく販売業の許可を得た者でなければ販売等をできないこととされており、医師の処方せんの要否にかかわらず一般小売店で医薬品を販売することはできないというふうになっております。
 一方、本年四月に、先ほど先生から話がありましたように、内閣府に設置されました総合規制改革会議が七月二十四日に取りまとめました重点六分野に関する中間取りまとめでは、「一般小売店でも医師の処方箋などを必要とする一部の分野を除いて、医薬品の販売を可能とするための制度の整備を実施するべきである。」との総合規制改革会議の考えが記載されております。
 これに対しまして、厚生労働省といたしましては、医薬品は国民の健康や生命に直接かかわるものであり、また過量使用とか副作用のおそれがあること、そういった専門的知識を有する薬剤師等の管理のもとで使用されるべきものであり、一般小売店で医薬品を販売することは認められないと従来より主張しているところであります。
 厚生労働省といたしましては、今後とも国民の安全性を第一に、医薬品が適切に国民に提供されるよう、安易に取り扱われることがなきよう、業務に取り組んでいく考えであります。
 総合規制改革会議の委員や専門委員には、一般企業の役員のほか病院の理事長や大学医学部の方も任命されておりますが、薬剤師はいないと承知しております。

○又市征治君 いや、私どもの調べでは、十五人の委員のうち十人が産業界代表で五人が学者なわけですが、医薬品や医療の専門家は一人も入っていない、こういう格好になっているわけで、この医薬品や医療の専門家が一人もいないでこうした医薬品分野の規制緩和を云々するというのは大変問題だ、こう言わざるを得ないと、こう思っているわけです。
 今ほど厚生省から説明ありましたように、こうした中間取りまとめに対しては、内閣の改革工程表にもその意味で厚生省の御努力もあってこの件は入れられなかった。厚生労働省としては、このような不適切な規制緩和はすべきでないと、こういうふうに考えているというふうに受けとめてよろしゅうございますか。

○政府参考人(鶴田康則君) 先ほど申しましたように、医薬品は国民の健康や生命に直接かかわるということから、また過量に使用したり、または副作用の発生がある、こういったことを防止するために専門的知識を有する薬剤師の管理のもとで使用されるべきものであると、こういうふうに考えておりまして、一般販売店で医薬品を販売することは認められない、認めるべきでないということは従来より主張しておりまして、今でも変わりません。

○又市征治君 今お話がありましたように、そもそも医薬品の販売許可制度は、人の命と健康を守るための安全性の確保を目的にした大事な私は許可制度なんだろうと、こう思います。
 そういう意味では、経済的な規制ではないわけでありますし、まして日本の場合は現在全国に薬局、薬店などは約七万五千軒、配置販売業が一万二千軒余りも存在をする、こんなふうに調べてみましたが、大変きめ細かな医薬品の流通網が形成をされておる。そういう点では、薬事法による許可制度が経済活動をまた制限をしているというような、こういう実態にないということも私はそのように認識をしておりますが、厚生労働省はどういう認識ですか。

○政府参考人(鶴田康則君) 薬事法は衛生法規でございまして、経済活動について規制している法律ではございません。

○又市征治君 ちょっと後でまたもう一遍聞きます。少し答弁、食い違っていますが。
 そこで、医薬品分野におけるヒューマンエラーは、研修制度の充実などをもって極力避けなきゃならぬと、こう思います。医薬品関係団体でも生涯学習制度の充実を必須としてきているというふうに聞いておりますが、ちなみに医師会や薬剤師会でも生涯学習の必要性を認識して認定医制度だとか研修認定薬剤師制度をとり始めたというふうに聞いていますけれども、医薬品についても消費者に、消費者というのはここで言うのは医薬品の使用者といいますか購入者、これに対面による、相対してという対面による積極的な情報提供あるいはそういう薬に関する指導が求められているのだろうと、こう思います。
 このとき、こうした先ほどもお話がございましたけれども、総合規制改革会議がコンビニでもこのような薬を売ってもいいということになるとすると、余りにも実態を知らなさ過ぎるというだけではなしに、薬害拡大のそういう意味では規制緩和になりかねない、こういう問題が持っているんだろうと思いますから、今後ともこういうことの答申とか、こんなことにならないように今からきちっと具申をしておいてほしい、こんなふうに今思っています。これは答弁要りません。
 ところで、薬事法に定められている薬局、薬店でも所定の薬剤師が常時いる、こういう状態になっていない例が非常に多いというふうに聞くわけですけれども、この点に関して平成十年に厚生省が立入検査を行ったというふうに聞いているんですが、その調査結果をお知らせいただきたいと思います。

○政府参考人(鶴田康則君) 平成十年秋に首都圏においてチェーン展開を行っております一般販売業に対しまして行われた都道府県の立入検査の結果、薬局では九・一%、一般販売業では三一・四%におきまして立ち入り時に薬剤師が不在であることが判明いたしました。
 厚生労働省といたしましては、こうした状況を踏まえ、都道府県を通じまして薬局を含めた一般販売業に対しまして、開局中または開店中は少なくとも一名の薬剤師を常時配備すること等を指導しているところでございます。その後、全国における一斉監視指導の結果によれば、薬剤師が不在であったという指摘がなされた施設は、平成十一年度では薬局三・四%、一般販売業二二・八%、昨年の平成十二年度では薬局二・六%、一般販売業一九・一%ということになっておりまして、着実に改善しつつあります。
 今後とも、このような実態を踏まえまして、都道府県とともに一般販売業に対する監視指導に努めてまいりたいと考えております。

○又市征治君 今の十年の報告から昨年までの話がありましたけれども、実際、私はもっと低い、こんなふうに思います。
 今もありましたように、指導の一層の徹底を求めておきたいと思いますが、特に最近はやりの薬スーパーなどでは、例えばよく効く風邪薬をと言うと、例えばよく言われるんですが、ピリン系だとか非ピリン系だとか、その人の体質だとか薬歴も聞かないで、現実にはそこに薬剤師がいても、残念ですが、その薬剤師が対応しない。パートだとかアルバイトの人が実は売れ筋の薬を出すという、こういう実態が多いというのはむしろ皆さん方も御存じなんじゃないですか。そういう意味ではかなりここら辺のところはしっかりと御指導をいただきたいと思います。
 今まで長い間、比較的安全で使いやすいとされてきた医薬品におきましても大変問題が出てきています。昨年、我が党からもSJS、つまりスティーブンス・ジョンソン症候群についてただしまして、厚生労働省や関係団体もその対策を講じてこられたわけでありますが、それ以外にも一般用の解熱鎮痛剤含有の風邪薬であるとか解熱鎮痛薬の副作用としてライエル症候群だとかインフルエンザ脳症だとか、さらには食欲抑制剤PPAなどについても問題がマスコミに最近取り上げられているわけです。ちょっと今申し上げたようなことなどについて、この症状だとか要因について簡潔にひとつ御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(鶴田康則君) 御指摘のとおり、一般用医薬品につきましては、スティーブンス・ジョンソン症候群のほか、重篤な副作用として肝機能障害とか、それからアナフィラキシーショック等がまれに起こることが報告されております。これらの副作用が起こることのある一般用医薬品の添付文書にはその症状がわかりやすく記載されておりまして、またその症状が起こった場合には直ちに使用を中止いたしまして医師または薬剤師に相談することなども記載されております。

○又市征治君 このように見ていきますと、医薬品に関する専門家の対面指導というのは非常に大事ではないか、こんなふうに思うわけです。これは釈迦に説法ですが、医薬品は有効性と安全性のもろ刃の剣とよく言われるわけですけれども、使用量や使い方によって思わぬ副作用が出てしまう、そんなことの例も今お示ししたわけですが、医薬品に詳しい専門の人によって取り扱われるべきだということは当然であります。
 この点、先ほども申し上げたんですが、薬事法によって大衆薬の販売許可制度は薬局、薬店、配置販売業あるいは特例販売業ときめ細かなシステムで、かつ対面指導販売というのがそういう意味では原則的にやられておるわけで、世界でも最もすぐれた形態になっているのではないか、そんなふうに厚生労働省とても御認識されていると思いますが、ぜひこうした対面指導というものをもっと重視をしていくような、そうした今日の日本のこのシステムそのものを一層活用するように努力を求めておきたいと思います。
 最後に、時間がありませんので、片山総務大臣にお伺いをしたいと思いますが、六月の行政監視勧告でも、患者への情報提供を文書によることを原則とするよう指導を求めておられるわけでありますけれども、やはり文書にさえすればそれでいいということにはならないんではないか。
 特に、薬なんか見られるとおわかりのとおり、瓶だとか何かに、小さい字でよく物が見えない、こういうものなどもある。高齢者だとか、とりわけやっぱり子供たちといいますか、そういう人々への配慮も考えますと、もっと見やすくてわかりやすい、ちゃんと大きい文字で書かれるような、こういう文書での情報提供にすることとあわせて、今、さっきからずっと私申し上げてまいりましたが、本当に日本の制度としては大変すぐれた薬品、薬局、薬店、あるいは配置販売業などを含めて八万数千店という、こういう店舗展開がやられておる、そして対面指導という格好がやられているわけで、こうした対面指導という方策も併用する、こんなことが非常に大事なんだろうと思います。
 そういうことを含めまして、今後とも、国民、消費者の立場に立ったこうした医薬品関係の監視を続けていくことを大臣としても確認をいただいておきたいと、こういうふうに思います。

○国務大臣(片山虎之助君) 今、又市委員からいろんな御指摘がありましたが、先般、厚生労働省に、薬品の副作用に関する薬品企業の情報収集と、それを薬局や病院に上手に提供して患者さんにわかってもらう、こういうことの勧告をいたしました。厚生労働大臣もしっかりやりますと、こういう御回答をいただきましたので、いずれにせよ、それははっきりした数字でそのうちいただかにゃいかぬと、こう思っております。
 今、又市委員言われますように、やっぱり薬というのはこれは大変特殊な製品でございますので、対面の指導その他、今も薬剤師さんを各薬局に置いてちゃんと管理させろと、こういうお話がございましたが、私もかなり同感の部分がございますので、今後の行政監視・評価等につきましては、御指摘の点を踏まえて対応してまいりたいと考えております。

○又市征治君 終わります。ありがとうございました。