| 第153回臨時国会 |
| 2001年11月26日 行政監視委員会 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査 |
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| 政府参考人 |
厚生労働省老健局長 厚生労働省保険局長 |
堤修三君 大塚義治君 |
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| ○又市征治君 本日は、医療制度改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。 厚生労働省が九月に公表されました医療制度改革に関する試案には、患者の三割負担を初め、とても認められない改悪が幾つも含まれております。当然、高齢者の皆さん初め多くの国民の皆さんから不安やらあるいは反対の声が寄せられているわけでありますけれども、きょうは私、高齢者の長期入院問題に絞ってお伺いをしたいと思います。 九月及び十月に中医協に対して厚生労働省は高齢者の長期入院に係る診療報酬のあり方の見直しを提案をされました。その内容は、簡単に言えば六カ月以上の入院患者について外来治療に相当する分、つまり検査、投薬など、これを特定療養費と名づけて保険で見ることにする、それ以外の入院に係る基本的な費用、つまり医学管理だとか看護、室料等は保険の枠から外して自己負担にする、こういう概要だろうと思うんです。 これは中医協で了承されたのかどうか。もう一つ、またこれはいつごろから実施に移したいというふうに今お考えなのか。この二点、お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(大塚義治君) ただいま御質問ございましたように、ことしの秋に公表いたしました厚生労働省試案の中で長期入院の患者さんに係る給付の見直しという項目が入っているわけでございます。 具体的には、現在関係の審議会、お示しのございました中医協で議論をしておるところでございまして、最終的な結論ということではございませんけれども、何度かにわたりまして論議が交わされていると。年末にはそれらの基本方向については全体としての取りまとめをお願いするという予定になっております。 お話しの内容でございますけれども、今回に限りませず、医療を患者の状況に応じ適切にサービスの提供をする、あるいはそれに関連をいたしまして介護サービスとの連携を図るという基本方針のもとにさまざまな制度改革が進められてきておるわけでございますが、かつてはいわゆる一般病床の中に長期に入院される患者の方がおられるということがいわゆる社会的入院という言葉で御指摘があり、それに対する対応策のお求めが強くございました。 今日、いわゆる一般病床の中での長期入院の状況につきましては、介護保険制度の施行などによりまして大きく激減をしておるというふうに感じておりますが、現在は、例えば療養病床と言われます長期の療養を対象としたベッドの患者さんの中にも、本来であれば在宅での療養あるいは他の施設への移転、そうしたことで対応できるそういう方々が相当数おられる。これは患者さんにとりましては…… ○又市征治君 短くしてください。 ○政府参考人(大塚義治君) 恐れ入ります。 ○又市征治君 いつごろからこれを実施したいのかということです。 ○政府参考人(大塚義治君) そうした観点で今見直しを進めておるわけでございますが、結論を得られれば来年度からスタートをさせたいということでございます。 なお、今回の御提案では六カ月を一つの目安にいたしまして、その時点で医療のサービスの必要性が低い、逆に申しますと、在宅あるいは他の施設での対応が可能という方につきましては、特定療養費制度、特定療養費というものを支給をするということを前提に給付のあり方を見直す、こういう考え方でございます。 ○又市征治君 資料を今お配りさせていただいたんですが、富山県の保険医協会がこれは試算したものでありまして、脳梗塞の後遺症と高血圧で医療保険適用型の療養病床に入院している患者の自己負担額のシミュレーションになるわけです。 現行制度では、入院期間が六カ月を超えると一カ月の総医療費は四十二万七千円ですけれども、入院基本料の九割と食事代の約三分の二が医療保険で賄われるために、自己負担は五万九千六百十円で今済んでいると。ですが、今厚生省が出されているこの試案が実施をされますと、検査や投薬など外来治療に相当する七千円程度しか医療保険の対象にならなくなって、患者の自己負担は現在の七倍の月四十二万円にもはね上がる、こういうふうに試算がされているんですが、こういうケースが出てくるのかどうか、これをまずお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(大塚義治君) ただいまちょうだいをいたしました資料に沿って御説明をいたしますと、一番右側の六カ月超というところが問題になるわけでございますが、この四十二万円がすべて自己負担ということは毛頭考えておりませんで、この六カ月超の例で申しますと、四十二万プラスその他の治療費がございます。このうち相当部分は当然のことながら療養費という形で支給をするという考え方でございまして、いわば入院外、つまり在宅で医療を受けておられる方とのバランスでありますとか、通常必要となる医療、最小限入院に必要なコスト、こういったものはある程度特定療養費という形で支給をする。いわば手厚い看護でありますとか手厚い介護、あるいは頻回な診療といったような入院に伴うそうした経費につきましては御負担をお願いすることが出てくると思いますけれども、この四十二万を自己負担でお願いするとは毛頭考えておりません。 ○又市征治君 では、幾らぐらいの負担というふうに試算をされているんですか。半額でも二十万円ということになってしまうんですが。 ○政府参考人(大塚義治君) これはちょうど今関係の審議会で御議論をいただいているところでございますけれども、具体的に今幾らということは申し上げかねるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、入院外でおられる、つまり在宅でおられる方との費用負担のバランスだとかそういうことを総合的に勘案して、具体的にはこれからの論議というふうに考えております。 ○又市征治君 中医協で方向性は大筋了承されながら試算もつけていないというのはどうも解せないわけで、これはいつになったら出せるんですか。これ、年末までに出るんですか。それから、本来ならば何通りかのそういう試算を示してからむしろ中医協で了承を得るべきじゃなかったんですか。 ○政府参考人(大塚義治君) こうした考え方について妥当かどうかということが、まずその関係者の間で一定の意思統一が図られるかどうかということが今日まで議論の中心でございましたから、さらにその具体論ということになりますと、来年三月までが最終的な診療報酬の具体的な点数の決める時期でございますが、それまでには決める必要がございますし、また先ほどいつからと、私、来年度からと申しましたが、年度当初からというような実施はこれはなかなか事務的にも難しゅうございますから、今のところ、私ども事務方として念頭に置いておりますのは、来年度の半ば、他の制度改正と一緒にスタートをするというような、私どもの基本的な考え方はそういう前提で議論をお願いしているところでございます。 ○又市征治君 それじゃ観点を変えて、どのような老人が六カ月以上この療養型病院にいるというのか、厚生労働省としては実態を把握されておりますか。 ○政府参考人(大塚義治君) こうした論議の一つのきっかけになりましたのは、さまざまな調査もございますけれども、民間研究機関などのデータがございます。非常に大ざっぱな結論の部分だけ申しますと、療養型病床群と言われるような長期の入院を対象とした施設の中で四割強の方々が自宅あるいは他の施設へ転院可能というような数字がございます。そうした民間調査機関のデータなどをもとに議論をしているわけでございます。 ○又市征治君 そうしますと、今回の提案ではおおむね四割もの人が保険外入院にする可能性があるということになりますよね。 今先ほど申し上げた富山県の保険医協会の実態調査によりますと、県内七十の病院の老人患者で医療保険適用の療養型病床にいるのは千三百九十二人、そのうちの八百八十九人、つまりは六四%が六カ月以上の患者だそうであります。この人たちの四割が数十万円もの、四十二万とは申しませんが、大変莫大な自己負担増になると、こう言われたら大変なことになるわけでありまして、厚生労働省としては一体この人たちをどういうふうにしようというのか。まさに老人難民にするなどということが言葉で言われていますけれども、どういうお考えなのかお聞きしておきたいと思います。 ○政府参考人(大塚義治君) 多少繰り返しがございまして恐縮でございますけれども、もともとこの問題の基本的な問題意識は、病院に入院をしておられる方が病院に入院しておられる事情の専らあるいは大部分が患者側の家庭的なあるいは社会的な状況にある、最も適切なサービスを提供するという観点からすれば、今のまま病院でお過ごしをいただくということが適当ではないのではないかという議論から始まったわけでございます。 したがいまして、関連する介護施設も含めました整備あるいは在宅医療の充実といったような関連の施策も進めてまいらなければなりませんし、また一方では、一定の費用負担をお願いした上で病院に、もちろん全く医療の必要がない方はこれは給付の対象になりませんけれども、ある程度の医療の必要もあるということであれば、費用負担をお願いした上で一定期間病院に入院をしていただくという道もある意味では開くわけでございます。総合的な対策が必要であろうと思いますけれども、そうした観点で体制整備を進めてまいりたいと思っております。 ○又市征治君 国の医療保険が財政が大変だ、したがって介護保険でいける人はいってほしい、つまり市町村の財政で面倒を見ろと、こういうことになるわけですが、じゃ、その受け皿の中心である特別養護老人ホームなどの設置状況はどうか。これも先ほど私取り上げた富山県の保険医協会の調べで、今月なんですね、ことしの十一月の調べですが、県内の調査では待機者が一施設当たり平均七十八人いる、県全体では推計で三千六百人になると、こう言っています。つまり、今特養にいる人の大体九割ぐらいに当たるこういう入所待ちがあるというわけです。 どこで待っているかというと、自宅が三四・四%ぐらいで、老人保健施設にいて、六カ月でありますから、特養に行きたいと言っているのが二六・五%、そして私きょう問題にしております病院での待機者というのが二一・六%と、こんな格好です。 こういう実態というのは、やっぱり全国的にも大体同様なんではないかと、こう思うんですが、つまり特養に行けないので仮の姿として病院にいる、この人たちを今提案をされているこの値上げによって病院から追い出すとなると、あとは一体どうなるのか。現実の問題として、特別養護老人施設、これは追いついていないわけですね。大変にやっぱりこの実態がおくれておる、こういう状況です。 例えば、富山県の例で申し上げますと、来年度十施設、六百人の特養建設を予定をしていますけれども、なかなかこれが全体削減の中で国庫の枠もとれない。大変重点要望で厚生労働省に要望していますけれども、こういう状況にある。待機者は先ほど申し上げたような大量の人がいる。追っつかない。追っつかないのに、さあできるならば来年の半ばからでもやりたい。こんな格好じゃ、まさにさっき私が申し上げたような老人難民になってしまうんじゃないですか。 この点を本当の意味でどういう格好でやっていこうとされておるのか、もう一度改めてお聞きします。 ○政府参考人(堤修三君) 特別養護老人ホームなどの介護サービスの基盤整備ですけれども、各市町村で地域の実態に応じて計画的に各市町村が事業計画をつくって、それを都道府県が全体計画としてまとめて、その計画に基づいて整備をしております。平成十五年度からこの新しい第二期の事業計画を策定をするということになっておりますので、その際には、今の長期入院の実態も踏まえて、さらに市町村の介護保険料の水準にも配慮しながら、特養ホームとかあるいは老健施設、あるいはグループホーム等新しい受け皿もできておりますので、そういうものについて必要なサービスの量を見込んでいただく。 そして、国としてもこの市町村の事業計画の見直しに合わせまして、今推進しておりますゴールドプラン21をまた見直しをいたしまして、地域の実情に合った介護サービスの提供量の確保に計画的に努めていきたいというふうに考えております。 ○又市征治君 大臣にお伺いをしたいと思います。 それはその方がいいと思うんです。ただし、介護保険は市町村の財政で、医療保険から押し出される分だけ、例えば先ほど言われた約四割を余分に介護施設で整備をしなきゃならぬ、こういうことになってくるわけでありまして、医療と介護の双方に責任のある坂口大臣にお伺いをするわけですが、国はこれによる市町村の介護サービスの増加に財政的にも責任を負うと、こういうことでございますね。 ○国務大臣(坂口力君) 高齢者の医療なりあるいは介護なりを受ける人たちを一体どうするかというのは非常に大きな問題でございます。特に、余り毎日毎日大きな医療行為を受けなくてもいいような皆さん方で、しかしそうはいっても家庭に帰ることのできないと言われた、いわゆるそういう範疇にある皆さん方というのはかなりお見えになると私も思います。その皆さん方が今病院の中で全部おれるかといえば、現在、三カ月なり六カ月なりしますと、だんだんと病院のいわゆる逓減型というんですか、何費というんですかね、あれ、費用がだんだん安くなってくるものですから、現実的にはその皆さん方、かなり病院を出なければならないという実態があることも事実でございます、現在既に。 その皆さん方をこれからどうしていくかというのは、一つは今話がありましたように、老健やあるいは特養、それからケアハウス、そうしたところを充実することによってそこで一つは受け皿をつくる。それからもう一つは、一番いいのは、家庭に引き取っていただいて在宅介護を受けていただくという形が一番いいんだと思うんですが、在宅介護並びにそうした施設を充実をして、そこでひとつお過ごしをいただくというのが本来の筋だろうというふうに思っております。 そういうふうな形にするためには、今御指摘になりましたように、一つの老健施設にもたくさんの待ちの人たちがいるではないかというお話ございますが、これも地域によってかなりな実は差がございまして、五、六十人、確かに一つのところでお見えのところもございますし、また病院が充実しているところにおきましては、病院の療養型病床群の方に全部行かれて、ほとんど町の人がなくなってしまっているとの府県も実はあるわけでございます。 こうした状況を考えますと、その老後の、おうちにお帰りになることのできない皆さん方をどうするかというのは全体で考えていかなきゃならない問題でございますから、トータルで計画を立てて、そしてこの問題もどうするかということを考えなきゃならない問題だというふうに思っておりますので、総合的な全体のプラン、大体全国で各都道府県にどのぐらいの町の人がお見えなるかということもわかっておりますから、その人たちを考えながら、そして最終的な判断をしなければならないというふうに思っておる次第でございます。 ○委員長(森本晃司君) 又市君、時間がもう過ぎておりますので。 ○又市征治君 時間が来ましたので、もう言いません。 ただ、最後に申し上げておきたいのは、この医療保険と介護保険でうば捨て合戦になるようなことにならないように、本当に老人を二つの行政の谷間に落とすような政策はやらないように、十分今後の中で御検討いただくようにお願いをして終わりたいと思います。ありがとうございました。 |
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