| 第154回通常国会 |
| 2002年3月14日 総務委員会(1) |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 大臣は、十二日の所信表明で、市町村合併については今年は正に正念場だ、合併の推進に更に積極的に取り組んでまいりたいと、こういうふうに述べられて、地方自治法等の一部改正案の早期成立を要請をされたわけです。これは大変重大な問題を多く含んでおりますので、午後からその法案審議ということになるわけですけれども、それに先立って、今国会冒頭の総務委員会で、市町村合併と住民投票の制度について大臣の見解を伺いたいというふうに思っています。 住民が合併協議会の設置を発議をしたけれども議会がこれを否決したときは、六分の一以上の住民の連署による請求があれば住民投票に付すことができ、その投票で過半数の賛成があれば、議会が合併協議会の設置を議決したものとみなすと、こういうのがこの合併特例法の改正案ですね。 そこで、お尋ねをするわけですが、議会が議決もしていない、いやむしろ否決したものを住民投票の過半数によって議決したものとみなすということになるわけです。これは憲法九十三条で議会制度、つまり代表制民主主義を取ると規定をしておるわけですが、この憲法の規定、総務省が最も大事にされてきたところだと思いますが、この原則を否認する法改正になるんじゃないですか。 ○国務大臣(片山虎之助君) 今の地方自治制度が代表制民主主義、間接民主主義であることは御承知のとおりでございますが、合併の住民、合併の前提となる協議機関である合併協議会を住民が発議して、発議が成立して出たものを議会が放置するなり否決した場合に、住民発議制度の手続の一環というか延長としましてもう一遍、住民が元々発議したんだから、住民の皆さんに協議会を行うか、いいのかどうかだけ住民投票で決めてもらおうと、こういうことでございまして、それ以上のものじゃないんですね。 したがって、合併そのものを決めるかというと、これは議会の権限です。協議会を住民が発議したものが議会によってアウトになった場合に、もう一遍住民投票で置くか置かないかをチャンスを与えようと、こういう考え方でございまして、いろんなこれは評価があると思いますが、地方分権改革推進会議が、地方分権推進委員会が、そういう提言をしたものですから、それを受けて我々は今回の地方自治法の改正でこれを制度化したいと、こう思っているわけであります。 ○又市征治君 既にこの問題、衆議院でも相当突っ込んだ論議をされております。例えば、十一月二十九日の我が党の重野委員と大臣とのやり取りですけれども、その中で大臣は、この改正案は、今もありましたが、地方制度調査会の答申に沿ったものだとしながらも、調査会は場合によっては合併そのものもという感じがあったんですけれどもと、つまり住民投票に、合併そのものも住民投票に掛けるということの文意でおっしゃったんだろうと思うんですが、その後、協議会の設置は住民投票でやるということまでは、憲法の中では許されるのではなかろうかと。しかし、これも大変論議があるところです。だから、立法府において大いに議論をしていただいて、ちょっと中飛ばしますけれども、最終的にはやはり立法政策というか、国民の選択だ、このように思って、今回は答申の趣旨を生かしてこういう制度に云々と、こういうふうに述べておられるわけですね。 大変謙虚で民主主義的な提案ぶりですけれども、言い換えれば、合併協議会の設置に限ってこのような措置を取ることに大臣としてはちょっと無理があるのかなと、そんなふうに思いつつ国会で論議をしていただこうというのが大臣の本音じゃないかというふうに私はこれ読ませていただいたんですが、ここのところの真意、どうですか。 ○国務大臣(片山虎之助君) この住民発議による合併協議会を置くか置かないかのこの議会で否決された場合の再度の住民投票は、これは地方分権推進委員会の意見なんです。 地方制度調査会は、第二十六次ですけれども、これは市町村合併そのものについて住民投票制度の導入を図ることが適当であると、こういうことを言った上で、制度化に当たっては、関係団体の意見を十分聴取の上、円滑な運用が図られるものとすることが適当だと。考え方としては、合併そのものに住民投票をと、しかしそこは円滑にやってくれと、制度化に当たっては。こういうことなんで、そのことを衆議院の総務委員会で申し上げたと、こういうふうに思います。 ここでいろんなそれこそ見方、議論があるんですけれども、私は、住民が発議した合併協議会が否決されたり放置された場合に住民投票にもう一度掛けてみるということは、それは今の代表制民主主義の中では許容範囲だろうと、そこまでは認めてもいいんではなかろうかと。ただ、合併そのものを住民投票で決めるというかつての昭和の大合併のようなやり方はいかがかなと私は思っております。 ○又市征治君 憲法で規定をする代表制民主主義の原則がそういう意味では脅かされる。議決していないものを議決をしたとみなすというのは、ちょっとこれは余りにも無理、むちゃですよ。そういう意味で、住民投票が合併推進のための抜け道作りに矮小化をされるというこういう見方、非常にやっぱり学者の中にもあるわけですね。そういう意味では、大変御都合主義の法改正の見本だという批判は、私はやっぱり一方では免れないのではないかと。 なぜこんなに無理して、そういう意味ではまだまだいろんな意見が様々あるんですが、慌ててこういう無理を承知で提案をされたのか、これがよく分からない。そういう意味では、どうも合併特例法が十七年の三月までにという期限、こんなことがあるものだから、これは無理してでもということになっているんではないのか。やはり、本来はもっと様々な関係方面の意見を聞いてやらないと、私は、これは制度的には大変に無理がある、こんなふうに思うわけですが、改めてお聞きをいたします。 ○国務大臣(片山虎之助君) この合併協議会は合併をするためのものじゃないんですね。合併をするかしないか、そこで議論をしてもらう、要するに入れ物を作るだけなんですね。合併をするかしないかを最終的に決めるのは議会なんですよ。議会の権限なんですよ。ただ、入れ物を作って議論ぐらいしたらどうかというのが地方分権推進委員会の意見でございまして、地方制度調査会がそれ以上に合併そのものも住民投票でどうかと、こういうことを言っておられるので、そこまでは、先ほども言いましたがいかがかなと、合併そのものを住民投票で決めるのは。ただ、合併がいいか悪いかを議論する協議会を作るのはこれは住民投票でも、推進委員会が言っておりますし、許容されるのではなかろうかと、こういうふうに思っております。 無理をしているんじゃないかということですが、合併特例法が十七年の三月末までですから、我々は合併を進めたいと、こういうことで、平成十二年十二月の行政改革大綱で与党三党がやる千を踏まえて、千にしろという意見を踏まえて合併を推進するということを正式に政府として決めたわけですね、行革大綱で。それに基づいて合併支援本部を作り、合併支援プランを作り、都道府県でも同じようなことを今お願いしているわけでありますから、合併に消極的じゃありません。 我々は合併を推進した方が二十一世紀の地方分権のためにいいと、こう考えておりますが、何度も申し上げますけれども、かつてのような半強制的なああいう合併じゃなくて自主的な合併をやろうと、こう思っておりまして、そういう意味で合併というのは市町村長さんと議会だけで決めればいいという意見もありますが、私は、やっぱり住民参加というのがあってもいいので、その住民参加は合併協議会を作るところまでの住民投票ではないかと、こう思っております。 ○又市征治君 いや、私も言っている意味は理解しているんですよ。住民投票がむしろ合併推進のための抜け道作りにされているんじゃないかというふうに申し上げているので。 そこで大臣、せっかく、いや、これは立法政策だ、最後は国民の意思だと、こういうふうにおっしゃっているわけですから、憲法に規定する間接民主主義の原則、これを否認をしないで、尊重しながら、同時にやはり直接民主主義、住民自治の原則も尊重し生かしていくということが今求められてきているのではないかと。大臣の方は、いや、合併そのものは住民投票はいかがかと、こうおっしゃるけれども、むしろ住民の意思を尊重して議会で再議をする方法をむしろ取るべきであって、この住民投票の問題、直接請求を議会が否決をした場合は住民投票にかけることこそむしろ制度化をすべきだというふうに私は考えるんですよ。そこら辺の考え方はどうですか。 ○国務大臣(片山虎之助君) それが地方制度調査会の意見なんですよ、第二十六次の。合併そのものも議会でなくて住民投票で決めちゃえと、議会がそれを否決したりなんかする場合には。昭和の大合併がそうだったんですね。内閣総理大臣や知事が勧告をして、勧告を聞かない場合には住民投票で決めると、一気に。 そういう意見もありますが、私は、この地方分権の二十一世紀の時代はやはりそうでなくて、それぞれが代表制民主主義の下で意思決定をしてもらうのが正しいんじゃなかろうかと、こう思っておりますが、権威ある第二十六次の地方制度調査会が合併そのものも住民投票で、こういうことですから、そういう意見があってもいいと思いますし、もしこの国会でそういうことが多数の御意見なら、私はそれはそれでも、憲法に違反しているとは必ずしも思いません。 ○又市征治君 いや、私も憲法に違反していると言っているんじゃなくて、逆にそれをゆがめてしまう、それも生かしつつ、そういう意味では直接民主主義も生かす努力をやっぱりすべきだと、こう申し上げているわけです。 そこで、この住民投票について、私たちはちょっと政府とは違ってもう少し一般化をすべきだと、こういうふうに考えています。既に御案内のとおり、地域の具体的な要求から出発をして条例化の盛り上がりだとか幾多の創意ある条例、事例の積み上げが行われてきているわけですね。 そういう意味で、やはり私は、もう法制化の機は熟してきたのではないのかと。これを見過ごして合併協議会の設置に限定をして住民投票制度を導入をする、こういうことは本当にいかがかと。そのことが逆に合併をごり押しをする御都合主義ではないかと、こういう批判をあちこちから招いているわけでありますから、そういう意味で更にこの住民投票だけを、いったん住民が発議したものが否決されたからまたそれは住民投票にかけるんだという、こんな例というのはほかにないわけですよね。したがって、こうしたごり押しは御都合主義だという批判を更に受けてくるのではないか。 今、大臣もおっしゃいましたが、国会の中でそういう論議が多数であればと、こういうお話ですから、是非この院の中でも、総務委員会でも今日の午後からさらに十九日まで論議をすることになるんだと思いますが、やはりこうしたもう少し整合性を持たせていくという、こういう立場でしっかりと論議をすべきなんだろうと思いますけれども、大臣、もう一遍改めて、そういう意味で整合性を持たせて間接民主主義と直接民主主義、そして今の情勢の中でそういう意味では合併そのものも住民投票にやはりかけていくという、そういう考え方はございませんか。 ○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども言いましたが、住民投票そのものを法制化したらどうか、こういう意見は前からあるんですね、いろんなことの意思決定を、今は議会、市町村の議会が意思決定をやるんですけれども、その全部じゃなくて分割をして、あるものについては住民投票で、こういう意見がありますけれども、これはやっぱり憲法で言う今の間接制民主主義、代表制民主主義を取っている以上、私は、私個人はいかがかなと、こう思っておりますし、恐らく私どもの役所も同じ見解に立っていると思います。 しかし、今の地方自治制度は大統領制ですから、国と違いまして直接制民主主義も部分的に認めているわけです。リコールだとか条例制定だとか、特定の公務員の解職請求だとか。そういう中で、私は、住民が合併協議会の発議をした場合に、合併協議会を置くことについての住民投票はやはりその範疇に属することなので、部分的には直接制民主主義があってもいい。ただ、合併というものはその団体の将来を決する最大の意思決定ですよね。それを議会でなくて住民投票でやるというのは、私は今の段階ではやはり疑問を持たざるを得ない、こう考えておりますが、しかしそれは正に立法政策の問題で、国会でお決めいただければそれはそれで私は一向に差し支えない、こういうふうに思っております。 ○又市征治君 先ほども申し上げましたとおり、この議論は本格的には今日の午後からということになってくるわけですが、今日は、今の段階では住民投票制度の問題について絞らせていただきましたが、どうも合併の進め方、大変期限を区切って、非常にあめとむちのような随分とやられ方があるんじゃないのかということについて地域で大変に混乱、いやあるいは自治の破壊につながるのではないかと危惧されることがたくさんございます。今日の午後からの質疑でその具体例を申し上げながら総務省側の慎重な対処を求めたいというふうに思っております。 以上で私の質問を終わります。 |
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