第154回通常国会

2002年3月20日 総務委員会








○又市征治君 社民党の又市です。
 まず第一番目に、特別交付税の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 特別交付税は、交付税法第六条の二で交付税全体の六%と定められておりまして、十三年度の場合は一兆二千二百十億円というふうになっております。これの団体による内訳、都道府県分と市町村分の割合、また市町村の規模別の割合を簡単に紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 平成十三年度の特別交付税の交付額についてのお尋ねでございますが、総額は一兆二千二百九億八千九百万円でございます。内訳でございますが、道府県分が一千九百三十一億四千三百万円、それから大都市分が三百九十九億三千五百万円、それから大都市を除きます都市分の数字は四千七百七十四億八千二百万円、それから町村分が五千百四億二千九百万円となっております。
○又市征治君 割合をお聞きしたんですが、金額を聞きたいんじゃないんですよ。
 そこで、まず伺いますが、普通交付税は総務省の交付税課が算定をしている。これに比べて特別交付税は財政課が配分しているというふうに聞いていますが、この理由は何ですか。
○政府参考人(林省吾君) 普通交付税と特別交付税の担当課について御指摘をいただいたわけでありますが、ともに普通交付税も特別交付税も地方団体の財政需要を算定するものでありますけれども、そのうち、普通交付税につきましては、法律に基づきまして、地方団体の財政需要のうち人口や面積等、客観的な指標を用いて算定することが可能な財政需要を対象といたしておりますのに対しまして、特別交付税は、これも法律に記されているわけでありますが、普通交付税の言わば画一的な算定方法では捕捉できない特別の財政需要算定の対象としておりまして、その意味では、普通交付税と特別交付税は、性格あるいは算定の方法あるいは対象としている財政需要が異なっていることもございまして、担当課を今別にいたしております。
 なお、同じ交付税でございますので、経緯的なことをちょっと申し上げますと、この普通交付税あるいは特別交付税は、過去におきましては同じような交付税でございますので、財政課におきましてともに担当いたしておったわけでございますが、その後の算定事務の増大であるとか、あるいは毎年度の法律改正事務等もございまして、昭和三十六年に交付税課を作りまして、そこで普通交付税を担当するようにしたと、こういう経緯もございます。
○又市征治君 今言われたように、算定あるいは配分の担当部署も違い、基準も違うということですが、問題は、普通交付税に比べて特別交付税は言わば一件算定的になるわけで、算定の根拠が必ずしも明らかでない、こういう面が出てきます。どうしても配分する側の、そういう意味では政治的というのか、判断が入る余地があるということだろうと思うんです。
 そこで、特別交付税の趣旨、目的別の配分ですけれども、まず地方交付税法第十五条、簡単におさらいをしていただいて、特に普通交付税の目的別算定のメニューとどう違うのかということを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 普通交付税と特別交付税、それぞれにおきまして算定いたしております財政需要の違いでありますが、普通交付税は各地方団体に共通をいたします普遍的な財政需要を対象といたしておりまして、全国各地方団体におきまして標準的な事務事業を行いますために必要な需要を算定すると。したがいまして、人口、面積であるとか、あるいは道路の延長であるとか、あるいは児童生徒数と、こういうような客観的な指標を用いて捕捉し、算定ができるようなものを対象といたしているわけであります。
 これに対しまして、特別交付税は、御指摘がございましたが、地方交付税法の第十五条に記されておりますが、特別交付税は基準財政需要額の算定方法、つまり普通交付税の算定方法でございますが、この方法によっては捕捉されなかった特別の財政需要があること等を考慮して交付すると、こういうことにされておりまして、例えば災害に係る財政需要あるいは除排雪経費のような年度ごとに違ってまいります突発的な財政需要であるとか、あるいは毎年出てまいりますが、生活バス路線の運行維持であるとか、というような特定の地域に限られて出てまいります財政需要、こういうものを算定することといたしているわけであります。
○又市征治君 さっきの話に戻りますが、金額で、局長、話が出ましたが、十三年度分の団体別の配分の割合で言いますと、道府県が一五・八%、市町村が八四・二%という割合になって、市町村のうち大都市が三・二%、都市が三九・一%、町村が四一・八%。これは間違いないですね。
○政府参考人(林省吾君) 仰せのとおりだと思いますが、もう一回確認しておきますと、道府県分が一五・八%、大都市分が三・三%、都市分三九・一%、町村分四一・八%でございまして、御指摘の、ちょっと端数を除きまして、御指摘のとおりでございます。
○又市征治君 そこで、特別交付税、特別の財政需要があることと明記をされているわけですが、さっきの説明でも、どうも普通交付税とダブったような費目に支出されている部分も間々ある、こういうふうに思います。
 私の手元に、当局からいただいた資料で、十三年度の「主な算定項目と算定額」というのがありますが、これを見ますと、(1)から(9)項目までありまして、目的別に列挙されています。この中でも一番多いのが(5)の「過疎対策のための特別の財政需要」であって、これが一千七百八十四億円ですか、これは特別交付税総額の中の一四・二%。二番目が(6)の「公営企業健全化のための特別の財政需要」で一千二百二十四億円、一〇%ちょうどですね。
 そのほか、多い順に言いますと、環境保全対策で三・九%、都市対策で二・八%、防災対策で二・五%などの費目が書かれているわけですが、いずれもどうも普通交付税で一度は算定されているのではないかと思われる費目も出ている、こういうわけです。中には、阪神・淡路大震災の被災地域における災害対策という費目も二・六%挙がっていますが、私は、もちろん阪神・淡路に出すのが悪いということを言っているんじゃなくて、阪神・淡路のように既に時間もたっておって十分検討されて、平年度の財政措置として恒常的、計画的にされていなければならないはずの費目が特別交付税という臨時的、個別算定的なこの制度の中に潜らされているということが実は問題じゃないかというふうに思うわけです。
 しかも、以下いただいた資料、数字の、さっきから申し上げた(1)から(9)までありますが、これ全部足し算いたしましても四二%弱ということで、あとが分からないわけですね。これでは特別交付税の全体像がどうも明らかになってこない、こう言わざるを得ないわけです。
 そこで、大臣に二点お伺いをしたいんですけれども、特別交付税が実際上も普通交付税と違う基準で配分されているという、この保証は一体どこにあるのか。この点、まず第一点お伺いをしたいと思います。
 それから第二点目に、大臣は、地方交付税は本来的に地方に権利を持つ税源で、言わば国が地方に代わって徴収する地方税、国税の形を変えた地方税だ、こういうふうに明快に交付税の性格を説明をされておりますし、そういう立場から見ますと、一見逆のようですけれども、交付税そのものは、自治体の財源を税収の乏しい団体にも均てんをさせて一般財源として自治自律的に使うことを保障するための制度だろうと思うんです。特別交付税も余り細かく算定せずに、例えば段階補正ではありませんが、小さな自治体でも自律していけるような形で総合的にやっぱり算定すべきではないかというふうに思うんですが、以上二点、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も自治財政局長から答弁いたしておりますように、恒久的で外形的にしっかり捕まるものは普通交付税、毎年の事情で変わってくるもの、それから当初に予期せざるもの、そういうものは特別交付税、これが伝統的な分け方でございまして、典型的なものを出せといったら災害ですね。災害、雪、今年ではBSEですね。
 過疎や都市対策は恒久的じゃないかと。ややそうなんですが、過疎対策の中身は都市再生、都市対策の中身が変わるものですから特交に入れておりまして、特交というのは、省令を見ていただけばいいんですけれども、事細かに書いていますよ。省令に全部ある、もう何十項目も。あれに基づいて機械的に算定しているんですね。私は、細か過ぎるじゃないかと個人的には思っているんですよ。細かいことが好きですから、財政局は。細かく細かくやっているので、私は、そういう意味では、今、委員が言われますように、もう少し大ぐくり、中ぐくりでもいいんではないかと。普通交付税は細かく精緻にしなきゃいけませんが、特別交付税はもう少し中ぐくりでもいいじゃないかという感じを持っておりますけれども、伝統的に積み上げてきていますからなかなか難しいんですが、今後、特別交付税の在り方も検討しなければいけません。
 いずれにせよ、赤字地方債を発行してもらって一般財源の補てんをしてもらうようにしておりますから、交付税は減るんです、今後。今年も減りましたよね、四%ぐらい。ただ、赤字公債と合わせると四・五%プラスですけれども、交付税は生では四%減なんですよ。だから、来年も減になると思います。そういう意味で、特別交付税の総額も減ってきますので、特別交付税の在り方を検討しなければいかぬと思いますし、いずれにせよ、我々は税源移譲、これを実現しようと思っています。税源移譲をやるということは、それに見合う、ある程度見合うもので国庫支出金が減る、地方交付税が減るということですから、だから地方交付税については、大体、財源保障と財政調整と両方の機能がありますが、できるだけ財政調整の機能を強くしていくと、特化までいきませんけれども。
 そういう意味で、そういう中で特別交付税をどう考えるか、こういうことは今後の大きい課題だと思っておりますので、御指摘の点も踏まえて検討させていただきます。
○又市征治君 ありがとうございました。
 私、昨日の委員会でも、実はこの合併のための交付金、この問題について幾つか御指摘をいたしましたが、合併推進と称して都道府県が一億円だとか二億円だとか五億円だとか、こうした、大した算定根拠もないのにこうした丸い金をぽんぽんと交付をする、こういうことが行われているじゃないかということを申し上げました。これに対して総務省が特別交付税で半額を裏打ちをすると、こういうことがあるわけですが、果たしてこれが交付税法第十五条に定めた特別な財政需要というふうに言えるのかというので私は疑問を呈したんですけれども、十四年度は三億七千五百万、予算化をされている。大した額でないということにはならぬと思うんですね、私は、今現在の金はこうでしょうけれども。各府県によって違いがありますけれども、仮に一市町村に対して二億円をじゃ交付をしますよと。で、二千市町村が合併をする場合には、これ四千億円という数字になってくるわけでありまして、その半額が府県で見ます、残りの半額は特別交付税で出すことになる、こういう制度なんだろうと思うんです。
 そうしますと、今、大臣がおっしゃったような豪雪だとか災害だとか、個別、特別の需要が生じた自治体に配分すべき額がおのずとこれは削られるということになってくるんだろうと思うんですね。百歩譲って、合併によって特別の需要が生じたんだというふうに算定されるとしても、その実際の需要額を厳密にやっぱり算定すべきであって、今回のような億単位の金をどんぶり勘定的に半額を見ますよという、こんなずさんな算定というのは問題があるんじゃないのか、これはもうそういうやり方はやめるべきではないかというふうに私は昨日も御指摘したつもりでございますが、明快な答弁がありませんでした。大臣の方から、これについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 本年度の特別交付税は一兆二千二百億ですからね、委員。三億七千五百万ですよ、もうほんのわずかですよ。
○又市征治君 この後が増えていくんです。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、だから、これはパイロット事業で呼び水だから特別に見ているんですよ。そんなものみんなやり出したら見ませんよ。とにかく先行的にやってもらう、モデル的にやってもらうんで、呼び水としてそういうことを特別交付税で見ているんで、これが今三億ですけれども、五十億になる、百億になるといったら我々も考えなきゃいかぬと思っています。
 ただ、今これだけ合併の大きないろんな御要請があって、その中で先行して頑張っているところに都道府県が応援をしたいと、都道府県が都道府県のお金で応援したいと、こういうことの場合に、まあ半分ぐらいはそれじゃ特別交付税を補てんしてやろうと、こういうことでございまして、都道府県も考えて助成しているんですから、都道府県もそれぞれ。それについてはパイロット的に半分ぐらいは特交で見てやろうと、こういうことでございまして、これが全国的に広がって、全部見ておったら都道府県の財政はもちませんし、こっちの特交ももちませんよ。
 だから、そういうことを我々は考えておりませんので、当面の、今何度も言いましたように、奨励的な、先行的な、呼び水的なそういうことに対する都道府県の助成に対する補てんと、こういうふうに御理解賜りたいと思います。
○又市征治君 ただ、これは論議をいたしませんが、各府県がやられておるこの交付金は向こう五年と、こういう年限などを切っていますから、今、大臣がおっしゃったような形で、今パイロット的だと言うけれども、向こう五年間、向こう約束してしまっているという、こういう制度が各府県のやろうとしている中身ですから、ちょっとそれはよくお考えをいただきたい。
 時間がありませんから次の問題に移らせていただきまして、二つ目は、これも大臣にお願いしたいんですが、地方の長期負債の額を明示することについての質問であります。
 三月六日の衆議院総務委員会において、我が党の重野委員が、来年度末の地方の借金は百九十五兆円と一律に言うが、その中には国の責任である部分が多いと、このうち六十一兆九千億円は国の責任額として明示すべきではないかと、こういうふうに質問したのに対して、若松副大臣らが両方が含まれているというふうに認めた後で、より明確には今日御出席の林財政局長が、そういう意味では、百九十五兆円の内訳として、六十一兆九千億円に財源補てん債、財源対策債、減収補てん債、臨時財政対策債、加えて特会借入金のうちの地方負担分が入るというふうに答えられておりますね。内容について、これ、そういう意味では副大臣も財政局長も一致をしているわけですから、この国の責任を地方財政の債務の別表という形で明記することが政府の説明責任ではないかと、こういうふうに思うわけですが、是非、大臣、ここのところは積極的なお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(林省吾君) 法律的な事項でございますので、ちょっと私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 御指摘をいただきました数字は、委員の方からは特例的な借入金という形で御指摘をいただいたわけでありますが、それぞれこれらの借入金は、背景、今後の償還責任、いろいろ違ったものを含んでおります。ただ、特例的な借入金ということで分類をいたしますと御指摘のような六十一兆という数字が確認できることは私も御答弁を申し上げたわけであります。
 ただ、それぞれにつきまして国の責任がどういう形になっているか。例えば、交付税特別会計の借入金につきましては明確な国の将来の償還責任がございまして、これにつきましては法律の中で年度ごとの国の責任額を明記するというような措置もされているものがございますが、ただ、それ以外、例えば減収補てん債と、こういうようなものはまた違った取扱いになるようなものもございまして、すべてが同じような国の責任で償還をしていかなければならないというものではないということをまず御理解をいただきたいと思います。
 そこで、御質問の、法律に別表を付して明記すべきではないかという点でございますが、地方交付税法の中におきましては、地方交付税の総額に直接関連いたします交付税特別会計の借入金の状況であるとか、あるいは将来の償還計画、償還予定額であるとか、あるいはそのうちの国の責任で負担していただかなければならないもの等につきましては、確かに法律で明記をする必要がございますので、現在でも地方交付税法及び交付税特別会計法におきまして明らかに計数を、具体的な数字を掲げて記述をいたしているところであります。
 ただ、その他の借入金等につきましては、必ずしも交付税に関係するものでないものもございまして、地方交付税のみならず地方税等も含めた地方一般財源全体により償還すべきものもございます。そういう意味では、必ずしも交付税の総額に関係するものではございませんので、交付税法の中に表という形で規定するのは、法律の趣旨、性格からしてなじまないのではないかと私ども考えていることを御理解をいただきたいと思います。
 しかしながら、御指摘のように、恐らく......
○委員長(田村公平君) 林局長、時間が来ておりますので手短にやってください。
○政府参考人(林省吾君) はい。
 地方財政運営にとりまして大変重要な課題でございますので、その都度、私どもとしてはその残高あるいは状況につきまして適切にお示しをしてまいるように努力したいと思います。
○又市征治君 終わります。