| 第154回通常国会 |
| 2002年4月11日 総務委員会 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 まず初めに、電波利用調査についてお伺いをしたいと思います。 電波の逼迫状況に対処するために、今回の改正で利用状況の調査、公表を行おうとすることは理解をいたします。ただ、その結果、三年ごとの調査をすることで再配分につながっていくということですね。 そこで、第一に、再配分ということは免許の取消しを含むわけですね。今回の改正では、それを直接定めてはいないわけですけれども、大臣権限でいつでも取消しできるという考えなのかどうか。それから二つ目に、この調査が使用頻度ということ以外に、例えば放送や通信の内容にわたって判断をし、事実上の検閲になることはないという保障があるのかどうか。この二点、お伺いをします。 ○政府参考人(鍋倉真一君) 今回の法律改正には先生御指摘のとおりございませんけれども、電波の再配分ということになりますと、従来ですと電波が豊富でしたので、例えばAという波を使っていましたけれども、ここにほかのものを割り当てるのでBというところに引っ越しをしてくださいという方式で対処をしてまいりました。 ところが、今度はAという波からBというBの場所がないというようなことになりますので、結果的には、例えば光ファイバーに移っていただくだとかということで、もう電波を使っていただくのをおやめいただくことに、そういうお願いをするということになるんだろうというふうに思います。ただ、その際にはどういう保障をするかということは今検討をしているというところでございます。 それから、検閲の話でございますけれども、調査につきましては、どういうふうに効率的に使われているか、技術的に最先端のもので効率的に使っているかどうか、あるいは一日にどのぐらい量を使っているかどうかというその量を把握する、言わば形式を把握するものでございまして、その中身について調査をするというものではございません。 ○又市征治君 次に、有事法制の問題と電波の関係についてお伺いをします。 有事法制という名で、土地建物、船舶などの輸送手段だとか、あるいは医療資源、食糧や燃料、技術労働力の軍事利用というのが来週の十六日にも閣議決定をされて国会に出されようというわけですけれども、こうした中、一つは、今回の電波法改正案による調査が電波の軍事利用優先あるいは民生利用の制限や一時停止あるいは取上げに道を開くものではないというふうに言えるのかどうか。 第二点目は、現在、有事法制の整備案では電波はどうなっているのか。一九五六年以来の有事法制検討のリストの中には電波の円滑な利用が挙げられているわけですね。総務省は、今回、内閣官房等から意見を当然求められたんだろうと思いますけれども、電波の軍事優先化についてどういう意見を述べられているのか、あればお聞かせをいただきたいと思います。 ○政府参考人(鍋倉真一君) 今回の有事法制とそれから今回お願いをしております電波法の改正での調査というのは全く別の次元の話でございますので、結論から申しますと関係がございません。私どもはあくまでもこの調査は将来をにらんだ電波の最適な再配分ということで調査をお願いをしているというものでございますので、有事というものとは関係のない話でございます。 なお、有事法制について、電波の関係についてどのようなことを考えておられるかということでございますけれども、有事法制につきましては、これまでの研究結果を踏まえまして、現在、内閣官房と調整を進めておりますけれども、今後の整備項目の一つとして、先生御指摘のように電波に関する項目が盛り込まれる方向で検討中でございます。ただ、どういう形で盛り込むかということは、今後関係省庁、特に防衛庁になると思いますけれども、そういった関係省庁と協力をしながら具体的な措置についてはこれから検討していくということでございます。 ○又市征治君 このこととの関連で、海上保安庁にもお越しをいただきましたが、えひめ丸事件の問題との絡みでお伺いをしたいと思います。 電波が軍事優先で運用された場合、どのように人命が軽んじられるかという例が昨年二月、ホノルル沖でのアメリカの潜水艦に一方的に衝突されて九人が亡くなったえひめ丸事件だと思います。 まず、事件の前の段階での電波の利用の問題でお聞きをいたしますけれども、日本が国際的に参加している船舶交通の安全情報システムとして、国際航行安全情報、ナブテックスがありますけれども、海上での軍の訓練などの情報は事前周知の警報として五日前から流すことに今国際協定では決まっているわけですね。日本ではどのような情報を発信をされているのか、種類、内容など具体例を二、三お聞かせいただきたいと思います。 ○政府参考人(縄野克彦君) ナブテックスの航行警報につきましては、IMOと、これは国際海事機関でございますが、それと国際水路機関の共同の決議によりまして、広域にわたることもある航海の安全に影響を及ぼす特殊な作業、例えば海軍の演習、そういうものにつきましては、できるだけ予定される五日前以上に始めなければならない、このようにされておりまして、我が国では防衛庁などが実施します射撃訓練あるいは爆撃訓練などにつきまして、私どもが情報を得てナブテックス航行警報を発信しておるところでございます。 ○又市征治君 このホノルル近海での潜水艦グリーンビル号の浮上訓練は、このナブテックス通信でアメリカ沿岸警備当局から予告をされていたのかどうか、まずこれはお聞きしておきたいと思います。されていれば、えひめ丸の事故はなかったんだろうと思うんですね。この訓練について情報を流さなかったとすれば、アメリカ側は重大な義務違反ではないかと思うんですが、その点をお聞かせいただきたいと思います。 ○政府参考人(縄野克彦君) えひめ丸事故に際しまして、私どもからアメリカの沿岸警備隊、USコーストガードに確認をいたしましたけれども、グリーンビルの緊急浮上につきまして航行警報は出されていない、出していないという回答でございました。 ○又市征治君 今申し上げたように、だとすれば重大な義務違反だということになりますね。 そこで、次に、この関連で総務省にお聞きをいたしますけれども、遭難後の電波の問題です。 グリーンビル号が、すぐに救助できたのは今言うまでもないことなんですけれども、電波の問題に限っても、このグリーンビル号がえひめ丸の代わりに発信していれば、日本でもホノルルでもすぐに受信できたはずです。まず、この点はどういうふうにお受け止めになっておるのか。 電波法では第六十六条で、遭難通信を受信した者は他の一切の無線通信に優先して直ちに通報しなければならない、こういうふうにあります。また同法第百五条では、それを怠った者に罰則一年以上の有期懲役を定めているわけですね。したがって、このことが一体全体どうなっておったのかということが第一番目です。 第二に、ところで、電波法に基づく無線局運用規則では、遭難した船以外の者、例えば衝突の相手方や目撃者に対してどんな義務を課しているのか、お伺いをいたします。 ○政府参考人(鍋倉真一君) 船舶の事故等を目撃をしまして船舶が遭難していることを知った船舶局は、遭難している船舶が遭難警報又は遭難通報を送信することができないときには遭難警報を送信しなければならない旨、総務省令であります、今、先生御指摘の無線局運用規則に定められておりまして、このような場合には代わりに送信することが可能であるということでございます。 ○又市征治君 したがいまして、グリーンビルは、仮に我が国の国内法によるならば、第六十六条及び今御説明あった運用規則で、他の一切の無線通信に優先して直ちに遭難通報しなきゃならないわけですね。また、電波法は各種の国際法規に準拠しているわけですから、米国の国内法でも同様のはずだろうと思います。 ところが、グリーンビルは、ここが軍隊の官僚的、しかも非人道的なところですけれども、遭難通報しないで、何と自分の上部機関である潜水艦隊司令部にあてて普通の通信で、つまり秘密に報告をしているわけです。これが潜水艦隊から更に普通の通信で救助に当たるべき沿岸警備隊に伝わったのは、えひめ丸の遭難通信の発信から八分たってからやられている、こういう状況だったんだと聞いています。しかし、その二分後にはもうえひめ丸は沈没をしたわけですね。正に軍隊の秘密主義的な電波の利用が人命救助を決定的に妨げている、極めて残念なこういう例だろうと思うんです。 そこでお聞きを、総務省にお聞きをするんですが、もしこれが日本で起きていたら、電波法違反は明らかじゃないですか。 ○政府参考人(鍋倉真一君) 電波法六十六条では、遭難通信を受信した船舶局は、遭難している船舶を救助するため最も便宜な位置にいる無線局に対して通報する等、救助の通信に関し最善の措置を取ることが求められております。また、この電波法第六十六条に違反した場合には一年以上の有期懲役の罰則が設けられておりまして、仮に米軍の潜水艦の例を電波法に照らしたとすると、第六十六条に違反している場合にはこの罰則が適用されるということになると考えております。 ○又市征治君 時間がありませんからこれ以上それは言いませんが、最後に総務大臣にお伺いをしてまいりたいと思いますけれども、今申し上げてまいりましたように、軍による電波の独占あるいは電波利用における人権や財産の侵害は、とりわけ戦時下の法体系、今で申し上げるならば有事法制の下でもっとそういうことが拡大をするのは必至だというふうに言われています。その結果、人命が守られるかといえば、今見たように、軍艦は、あるいは軍隊は、目の前の人命を救助しないばかりか遭難通報すらしないという、こういう状況がこのグリーンビルの例で明らかだろうと思うんです。 したがって、先ほど来から大臣もおっしゃっていますように、国民共有の財産である電波ですから、こうした軍事独占あるいは人命軽視に決して手をかさないよう強く求め、大臣の見解を求めておきたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 有事の際における電波の問題につきましては、自衛隊の電波利用の具体的な必要性等を踏まえまして十分協議してまいりたいと思いますけれども、又市委員の言われる点も念頭に入れてまいりたいと思います。 ○又市征治君 終わります。 |
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