第154回通常国会

2002年4月18日 総務委員会








○又市征治君 社民党の又市です。
 昨年の九月一日に四十四名が亡くなるという痛ましい歌舞伎町の火災事故がありまして、私はその二十一日にこの委員会で事故後の対策について質問をいたしました。その際、私は、同じような事故が起きないうちに短期に集中して違反を是正するよう、そのためには、消防力基準に照らして慢性的に不足している消防職員や建築基準法の審査に当たる自治体職員を充足をして増員することを求めたわけです。
 同時に、その一つの緊急の方法、臨時の人材活用手段として、小泉不況が深刻化をするという中で、たくさんの失業者を生かす道としても、経験豊富な建設業やあるいは不動産業部門の失業されている方々にこうした消防法違反や建築基準法違反の調査や是正指導に当たってもらうことも提案をいたしました。
 具体的には、このとき補正予算で提案されようとしておりました緊急地域雇用創出事業の特別交付金を活用してまずは短期でもよいから雇用創出と消防防災を図るという、こういう方法を提起もさせていただきました。その後、補正予算、そして二〇〇二年度の予算が付いて、これが行われつつあるわけですけれども、消防防災に関する緊急地域雇用創出特別交付金の活用実績はどういう状況にあるか、まずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の九月における委員の本委員会での御指摘も踏まえまして、緊急地域雇用創出特別交付金につきましては、その実施例の一つとして消防防災支援要員というものが正式に盛り込まれたものでございます。この事業といたしましては、違反是正指導の支援、あるいは定期点検報告制度の趣旨の徹底のための啓発、また電子申請等に伴う届出の事務の支援などを行っているところでございます。これの雇用実績でございますけれども、平成十四年度、今年度につきましては四十四の道府県におきまして約千七百人の雇用が予定をされているところでございます。
○又市征治君 この臨時雇用による支援要員活用の取組を府県別に見ますと、大分凸凹があるようですね。全国平均で対象物の数八千四百件余りに対して、臨時雇用の要員が今お話があった一千七百三人。一人当たり持ち分は四・九件ということですが、私の出身の富山県では一人当たり〇・三件と少なく、つまりそれだけ丁寧に支援、指導ができるということになるんだろうと思うんです。逆に持ち分の多い府県では、同じ北陸地方で見てみましても、一人当たり十三・二件といった府県もあるわけでありまして、ここで全国平均並みに丁寧に活動をしてもらうためには今の二・七倍の要員を雇う必要があるんではないか、こういう計算が出てまいります。
 この数値だけではもちろん比較はできませんけれども、今回の趣旨は、個別の物件をやっぱり丁寧に、場合によっては繰り返し支援、指導することにあるわけですから、国としてはこうした点も更に府県に周知をすべきでないかと思うんですが、その点の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) この消防防災支援要員、この交付金制度を活用してやるというのはなかなか、委員の御指摘もありまして、いい事業だと思っておるんでございますが、この消防防災支援要員の業務というのは、違反是正指導を始めとしまして、本来の消防職員とお互いに協力しながらやっていくという性格のものでございますので、今、委員御自身がおっしゃいましたように、必ずしもこの消防防災支援要員の数が多いか少ないかだけでその個別の物件への丁寧な指導ができているかどうかというのは一概には言えないだろうと思いますけれども。
 ただ、せっかくのこういう制度でございますから、支援要員の数が極端に少ないような都道府県につきましては、私どもも改めて今回こういう仕組みができたということも周知徹底しまして、恐らく、先ほど来議論出ていますように、予防関係、人が足りないということが割にどこの県、市町村でもあるんじゃないかと思いますので、是非活用していただくように私どもとしても努力してまいりたいと思っております。
○又市征治君 ありがとうございました。
 先ほど来ありますように、十四年度予算では、今のところ全国で延べ千七百三人、一人当たり約二百万円ということになるわけですけれども、臨時雇用されたのはどういう資格、経験を持った人たちなのか、事業はどのようなルート、つまり自治体の直接雇用なのか指定法人等への委託なのかという問題、そしてどのような研修をしているのかということの概略をお示しをいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 消防防災支援要員の確保の具体的な方法等でございますが、まず各県の消防設備保守協会や防災指導協会等の消防防災の分野に一定の実績を有している法人に委託を実施しているなど、各地方公共団体の実情に応じた対応が図られていると認識しております。地方公共団体によっては、消防防災支援要員として消防設備士や消防設備点検資格者等に限らず幅広い人材に門戸を開いている地域が多いとも認識しております。
 そして、この消防防災支援要員でありますが、この要員に対しては、基本的に民間人でいわゆる失業中ということで、単年度雇用というのが原則でありますが、当然再雇用も認めているという前提の下に、この要員に対しましては、消防法令や点検制度の概要などについての研修を行うように推奨しておりまして、県によっては若干の差異がありますが、おおむね数日間程度の研修を行っているものと把握しております。
○又市征治君 長官に改めてお聞きをいたしますが、消防庁で通知文書を出されておりますけれども、その中に、違反是正支援員が立入検査にならない範囲内でという箇所があるわけですけれども、これはどういう意味なのか、まず一つですね。
 つまり、法的権限のない臨時雇いの支援員が立ち入るのに、相手が、先ほど来から出ておりますけれども、風俗営業等もあるわけですから、トラブルや御苦労も大変あるんだろうと思うんです。
 一方、我々が求めてきた趣旨としては、従来、職員数の不足でできなかったきめ細かな是正指導というものをベテランのこういう人たちが時間を掛けて親切丁寧に行っていただく、説得的な効果があるんだろうと、こう思うんですが、こうした良しあし両面を含めて、現場での運用状況をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 消防法の第四条に基づきまして、消防職員については、この防火対象物に対する立入検査を行うことができると、こうされておるわけですが、消防防災支援要員につきましては、今のには当たらないものですから、立入検査を行う権限は残念ながら法律上はないわけであります。
 これらの方々は、今話に出ましたが、いろんな消防関係の資料作成でございますとか、それから名あて人の特定などのほか、例えば、防火対象物に係る任意調査ですとか防火対象物の関係者への照会への対応など、いろんな事業に、事務に従事していただいておりまして、幸い平成十三年度中にトラブルが生じた例というのはお聞きしておりません。
 違反是正支援要員の支援効果というのを全国調査まだしておりませんけれども、例えば山梨なんかで聞きますと、十三年の一月から三月までの間に立入検査の執行率が二倍近くになったと。そういう支援要員を雇用させていただいた結果、本来の消防職員がそれだけ立ち入れるようになったと。
 それから、委員の地元の富山県にも念のために聞いてみましたけれども、大変、この台帳整理ですとか防火対象物関係者との連絡といったような内部事務にやっていただいていますけれども、その結果、本来の消防職員が立ち入ったりいろんなことがしやすくなったというふうな報告を受けておりまして、なかなかうまくいっているんじゃないかと、こういうふうに思っております。
○又市征治君 せっかくこうした方々を、そういう意味では雇用もし、防災に当たっていただこうということなんですが、権限がないために極めて補助的な、事務的なという、こんな格好で、ここらのところはもう少し何かできないものか。これはひとつ御検討を是非いただきたいなと、こう思います。この意見だけ述べておきたいと思います。
 大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、最終的に違反が改善をされて町の安全が高まってほしいわけですけれども、これまでのところ、成果は上がっているというふうに御認識されているのかどうか、まず一つ、そんなところ。
 それから、職員による是正と支援員による効果とを区別して比較することは不可能だと思いますけれども、この間の取組すべて合わせて、結果としてどれだけの違反の解消につながってきたのかという点。
 あわせて、今後の体制整備、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、平成十四年の地財計画では、予防職員一千七十七人増員して、四十八億円ですか、予算措置をしているというふうにおっしゃっていますが、先ほど来からの各委員の指摘からいえば、特に人員について、職員によるものと、もっと増員をすべきだと、あるいは一方ではまた、緊急雇用によるこうした臨時雇用の両面があるんだろうと思いますけれども、今後のそうした体制整備というものをどのように図っていこうとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) この法律を早急に改正が成立しまして施行に入れば、私は相当効果があると思います。
 先ほども申し上げましたが、十月末九三%の違反率が、一月末は七九%まで減った。一六、七%、一四、五%ね。これ、立入検査しただけですよ。だから、もう少しこれから計画的に立入検査やる、法律に基づく措置命令も出すと、こういうことなら、私は相当違反は減少していくんではなかろうかと、こういうふうに思っております。
 それから、今の消防防災支援要員ですね、今度の臨時雇用の。千、今七百ですか、ぐらいじゃ、私も、県にばらつきがありますからね、少ない県は少し増やしてもらうように努力いたしたいと、十四年度入りましたんで、そういうふうに思います。
 それから、消防職員の方は十五万三千人で、私はかなりな数字だと思いますけれども、特に救急が増えているんですね。で、これからは予防、査察を増やす必要があると思いますんで、本年度は千七十七人増やしましたけれども、今後とも、全体の定数の状況を見ながら増やしていきたいと。どうもこのところ、警察と消防はかなり増えているんですよ、警察、消防、福祉が。一般の方はどんどんと減らしていますからね。その辺の見合いがありますが、なお努力いたしたいと、こういうふうに思います。
○又市征治君 ありがとうございました。
 今お話がございましたけれども、違反が一四、五%、相対的には減っているということですけれども、そうはいっても、大変な違反の数があるわけでありまして、余り自慢できる数字ではない、このことだけは率直にお互いに認め合わなきゃならぬのだろうと思うんです。
 残念ながらイタチごっこの面もあるわけでありまして、違反を減らす間には、何回も継続して現地を調査をして、あるいは是正勧告や命令を出して、この命令の部分はかなり強化をするということでございますから、点検をしていくということが大事なんだろうと思います。
 そのためには、今法定されている検査のインターバルを縮める。例えば、六か月となっている対象建築物を三か月にするといったことも必要でもありますし、今度の法改正そのものは私どもは賛成でございます。同時に、これを実効あらしめるためにも、引き続き、やっぱり監視指導要員の確保と究極はその恒常化、正規職員化が必要であるということは先ほど来から他の委員も指摘をされておるところでありまして、その点を改めて求めまして、終わりたいと思います。