| 第154回通常国会 |
| 2002年6月11日 総務委員会 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 今回の地方税法の改正案につきましては、国の連結納税制度創設に伴って地方税への影響を遮断するためのものだということでありますから、地方財政の立場から、基本的に賛成を表明しておきたいと思います。 その上で、国の一方的な措置によって地方税が減額される仕組みがほかにもたくさんあるわけでありまして、今日はその点について質問をしたいと思います。 まず一つ目は、租税特別措置による地方税の減収額は全体で八千二百六十億円、こんなふうに言われていますね。このうち、主に法人や事業にかかわる減免はどんなものがあるのかお示しいただきたいと思います。 ○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方税におきます非課税等の特別措置に伴う減収の見込額につきましてのお尋ねでございます。 全体といたしましては、ただいま御指摘がございましたとおり、八千二百六十億円でございますが、そのうち法人住民税の減収額が七百三十億円、それから事業税の減収額が千七百五十億円ということでございます。 その主なものを申し上げますと、法人住民税につきましては、中小企業の投資促進税制、それからエネルギー需給構造改革推進投資促進税制、それから医療用機器等の特別償却といったようなものが主なものでございます。それから、事業税につきましては、地方税独自のものといたしまして、社会保険の診療報酬の所得計算の特例に伴うものが九百億円となっておりますが、それ以外はただいま申し上げました法人住民税の場合と同様なものが影響しておるという状況でございます。 ○又市征治君 しかし、なくもがなの制度もあるわけで、例えば医師の事業税の計算ですね。今、減収額九百億円なわけですから、特例による地方の減収額、今、八千二百六十億と、こう言われましたが、その一割強、こういうことになります。事業税の減収額一千七百五十億円に限れば、その半分強を占めるわけですね。しかも、国税では優遇が縮小されたのに、なぜかこの府県税では残っているという、こんな状況にあります。 度々答申が出ているのになぜ改善がされないのか、その点をお聞かせください。 ○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま御指摘ございましたとおり、事業税におきましては、社会保険診療に係る収入につきまして、所得金額の計算上、総収入金額などに算入せず、またその社会保険診療に係る経費につきましては必要経費に算入しないという形で、社会保険診療報酬については実質的に非課税という仕組みとなっているわけでございます。 この特例措置は、昭和二十七年にさかのぼるわけでございますが、議員提案によりまして創設され、現在に至っているものでございます。この特例につきまして、累次の政府税制調査会の答申におきましてもその見直しが指摘されておるところでございまして、十四年度税制改正に係る答申におきましても、「税負担の公平を図る観点から、速やかにこれを撤廃すべきであり、少なくとも段階的な見直しを図ることが必要」というふうにされております。 ただ、この特例措置につきましては、一つには、社会保険診療の公益性なり公共性に照らしまして一般の営利事業と同視することができないのではないか、二つ目には、社会保険診療報酬の水準が不十分であるという考え方もございまして、こういった立場も考慮に入れて、これまで現在の制度が維持されてきたという実情にございます。 我々総務省といたしましては、税負担の公平を確保するという観点から、その見直しを図ることは適当と考えておるところでございますが、今後、保健・医療政策との関連も踏まえながら、引き続き見直しに努力してまいりたいというふうに考えております。 ○又市征治君 お医者さんすべてがもうけているとは思いませんけれども、常識的に見て、今日お見えの委員の皆さん、全体的に見ても、税の負担能力のある階層にお医者さん方が属しているということは、これはだれもが認められているんだろうと思うんです。古くからの宿題でもありまして、せめて国税並みに是正をされることを強く求めておきたいと、こう思います。 次に、市町村税では租税特別措置による減収の大きなものとしては固定資産税があります。中でも、主として事業者に掛かっている償却資産への課税を見ますと、国の租税特別措置によって一千三百十億円という大きな額が減免されていますね。この減免のリストも非常に多岐にわたりますが、特に多数の項目があって額が大きいのが電気、鉄軌道、ガス、船舶関係などの課税というふうに見られます。 この一千三百十億円の主な内訳を示していただくこと、またこれについて改善の考えなりそういう余地があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。 ○政府参考人(瀧野欣彌君) 償却資産に対します固定資産税の非課税等特別措置についてのお尋ねでございます。 十四年度の減収見込額は、ただいま御指摘ございましたとおり、千三百十億円程度になっているわけでございます。その主な内訳といたしましては、ただいま御指摘ございましたが、一般電気事業者の変電所なり送電施設に対する課税標準の特例で約四百二十億円、ガス事業用の償却資産に対します課税標準の特例で約百億円、公害防止用施設に係ります課税標準の特例で約百億円、それから国際路線に就航いたします航空機に係ります課税標準の特例措置で約七十億円というようなものが主なものでございます。 こういった非課税等特別措置につきましては、特定の政策目的の実現に資するため講じられているというものでございますが、税の原則でございます公平、中立、簡素というような立場から見ますと、やはり社会情勢の推移を見極めながら見直しを行う必要があるというふうに考えております。特に、固定資産税は市町村の基幹税目でもございまして、広く土地、家屋、償却資産に課される税でございますので、特例措置の整理合理化というものを図る必要性は大きいというふうに考えております。これらを踏まえまして、平成十四年度の改正におきましても、償却資産に関する特別措置につきましては、五件の廃止、三十二件の縮減という見直しを行ったところでございます。 今後とも、固定資産税の性格なり個々の特別措置が設けられました理由の今日的な妥当性というものを踏まえまして、引き続きこれらの措置の整理合理化を進めてまいりたいというふうに考えております。 ○又市征治君 個別の特別措置についてもう一つお伺いをします。これは総務省と財務省から、お尋ねをしたいと思います。 エネルギー需給構造改革推進投資促進税制という項目がありまして、これによって事業税、つまり府県への減収影響が百十億円、また市町村民税への減収影響が五十億円あるわけですね。この特別措置は、財務省の「創設後長期にわたる企業関係租税特別措置」という、言わばいつまでも続けているのはおかしいという、こういうブラックリストにも載っている、こういう中身ですね。昭和五十四年の創設でもう二十年以上もたっているという、名指しで改善を求められておりますけれども、これの廃止あるいは地方税への影響を遮断する、そうした見通しについてお伺いをしたいと思います。 ○政府参考人(石井道遠君) お答えいたします。 今、先生御指摘になられましたいわゆるエネ革税制と呼んでおるものでございます。これは昭和五十六年度に創設をされたところでございますけれども、その意図するところは、いわゆるエネルギー対策の観点から創設されたものでございます。我が国のエネルギーセキュリティーの確保という観点、あるいは地球温暖化問題を始めといたします地球環境問題への対応等の観点から創設されて今日に至っている制度でございます。 五十六年度に創設以来、もちろん社会情勢の変化等に対応いたしまして所要の見直しを行ってまいりました。平成十四年度税制改正におきましても、対象設備等の見直しを行いますとともに、設備の基準取得価格を引き下げました上で二年間延長するというような見直しを行いつつ存続してきたものでございます。 今後の取扱いの問題でございますが、御承知のとおり、租税特別措置が公平、中立、簡素という租税大原則の例外でございますから、絶えずその政策目的あるいは効果等を十分吟味いたしまして、真に有効な措置となるようにその整理合理化を行っていく必要があろうというふうに考えております。したがいまして、このエネ革税制につきましても、今申し上げましたような視点から今後ともその見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。 ○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方税の課税におきましては、法人住民税の場合には法人税額が課税標準でございますし、法人事業税の場合にはその所得計算は法人税における所得計算の例によるというふうにされておりますので、制度上は、特に排除する規定を設けない限りは、国税の特別措置の影響は法人住民税、法人事業税に影響を与えざるを得ないシステムになっているわけでございます。 そういったシステムの中で、特に排除するような規定を設ける場合でございましても、その判断基準といたしまして、国の租税特別措置の中にやはり地方税においても同様の取扱いを行うことが適当なものもあるわけでございますし、二つ目といたしましては、国の特別措置の影響を完全に回避しようといたしますと、先ほど申しましたようなシステムになっている中で所得計算が非常に煩雑になりまして、納税者と課税庁双方に大きな労力とコストが負担されることになる、こういうような事情もございまして、基本的には、租税特別措置の取扱いといたしましては、法人税の取扱いに準拠するという考え方を取っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、既存の租税特別措置に対しまして、エネ革税制を始めといたしまして整理合理化の必要性は当然あるわけでございますので、そういった状況も見つつ、また地方税の税体系の中で簡素な税体系を作っていくという要請も踏まえながら対応していく必要があるというふうに考えております。 ○又市征治君 私、今日、地方税の減収要因である国の租税特別措置について幾つかただしてまいりましたけれども、今、自民党政府が国税、地方税を含めて様々な増減税の案を出しておりますけれども、その多くは、景気へのてこ入れを理由に企業減税や金持ち優遇税制を更に進める一方で、広く薄くという口実で大衆課税を強化する案となっているんではないか、このことを危惧するからであります。 しかし、現在の長い不況の出発点となったのは、消費税の引上げと医療制度の改悪という政府の政策の誤りによる国民大衆の消費や購買力の低下にあったことはもう今や明らかなんだろうと思うんです。法人減税は、例の恒久減税でもう十分にやられてまいりました。地方財政においても、その影響はいまだに毎年、三兆四千五百十億円、地方の慢性的な財政不足の原因に今なっているわけです。税制調査会でも、心ある委員から地方税の課税主体の自主性を強めろということが主張されています。 そこで、大臣に伺うわけですが、今回、単独立法したのですから、今後も租税特別措置の影響遮断ぐらいは大臣の提唱で法改正できるのではないかというふうにも思うんですけれども、地方財源確保の点から、是非その点については努力を願いたい、この点について大臣の見解を伺いたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 国もまける、地方も必要があればまける。しかし、必ずしも国と同じである必要はありませんね。今後とも、特別措置については十分審査してまいりたいと。 もう今、特別措置、多過ぎるんですよ。もっとこれを少なくして集中した方がいい、そういう議論を今、経済財政諮問会議でもしておりますので、今後、地方税もそういう方向でやってまいりたいと思います。 ○又市征治君 終わります。 |
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