| 第154回通常国会 |
| 2002年7月10日 予算委員会 |
||||
| ○又市征治君 社民党の又市です。 総理、あなたが重要法案だと位置付けた有事法制が、四十二日間も大幅に会期を延長してもなお、国民の反撃に遭って、衆議院で今、立ち往生の状況です。 なぜか。それは、これがやっぱり時代錯誤の、憲法停止をして戦争を準備する法制であるということ。そして、不況あるいは雇用問題の無策に加えて、今ほどもありましたが、国民に負担ばかりを押し付ける健康保険法の改悪が出されてきているということ。にもかかわらず、鈴木宗男氏や総理の盟友加藤紘一さん、そして前参議院議長の井上裕さん始めとした政治家の相次ぐ汚職にも残念ながらほとんどメスが入れられる、あるいはその腐敗をただしていくということに対して無策であるなどということに対して国民の不信や怒りが非常に高まっている、こういうことなのだろうと思うんです。今朝の新聞でも、そういう意味では、国の政治が不信だという人が八七%に達して、森内閣末期と同じレベルだというふうに伝えているわけです。この点については答弁は要りませんが。 そこで、一問目、総理は、今度の延長国会の際に当たって、政治倫理の問題も重要課題だと、こんなふうにおっしゃいました。今、参議院で与野党のあっせん利得処罰法の改正案、審議中であります。四野党は一致をして、政治公務員のすべての秘書をこの対象に加えるなど、九項目の改正を求めて今審議をやっているわけですけれども、今ここで一定の立法的な前進がなかったらば、本当に国会には政治腐敗の自浄能力というのは全くないんだ、こんなふうに宣言するにも等しいことになってしまうんだろうと思うんです。 総理として、また与党自民党の総裁として、この改正にイニシアチブを発揮する考えはおありかどうか、まずその点をお聞きしたいと思います。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治不信を招くようないろいろな不祥事が噴出して、多くの国民もこの政治に対して不信感を持っている世論調査、私も憂えている状況でございます。 今回、今、委員が言われたようなあっせん利得処罰改正法案も今審議中でございますし、今までよりも一歩進んだ形でこの法案を成立させようということで努力しているわけであります。官製談合防止法、あるいは政治資金の在り方について一歩進んだものを出さなきゃいかぬと。 同時に、政と官との癒着の問題、本当に国家公務員、地方公務員が選挙運動なんかしていいんだろうかという、実際は政治的に中立であると、選挙運動はしてはいかぬということにもかかわらず、かなりルーズに扱われているんじゃないかという面もあります。これはもう与野党を通じてであります。与党だけじゃない。野党だって国家公務員、地方公務員に選挙運動させていいのかと、国民はおかしいと思っています。 そういう点も含めて、一歩でも二歩でも前進させるような方策を講じなきゃならぬということで鋭意、今検討し、努力をしているところでございます。 ○又市征治君 私、今お聞きしているのは、あっせん利得処罰法の改正の問題を話しているんですよね。自分の都合のいい格好で、余りすり替えをなさらぬように。 特に、今、やはりあっせん利得処罰法、与野党の案を出し合って、そして今出ているのは、残念ですが、単に国会議員の私設秘書だけを今度の場合に増やそうと。この間、この場所でいろいろと参考人お呼びしました、与党側推薦人、野党側推薦人、委員長推薦人の。皆さん一致して、こんな秘書の問題について言うならば、地方議員や首長の私設秘書も全部これは加えるべきだ、こういう御意見ですし、一緒にそういうものが、幾つも一致したものがございました。 そういう点を、今、もうメンツにこだわっているときではない。そういう意味で、今、私申し上げているのは、総理がしっかりと、このあっせん利得処罰法を今度の国会でしっかりしたものが立ち上がるように是非イニシアチブを取ってほしい、このことを申し上げているわけです。 次に、時間がありませんから、移ります。 有事法制の問題ですが、まず初めにお聞きをいたしますけれども、冷戦時代よりもどこの国が一体攻めてくるおそれが増大をしたというのか。武力攻撃事態だとか有事だと、こう騒いでいるわけですが、そのことがまず明らかにされなきゃならぬと思います。唯一国交のない北朝鮮もその一つだというふうにお考えなのかどうか、これがまず第一点目であります。 ここに、私、実は六月二十九日の朝日新聞の切り抜きを持っているんですが、長年、日朝議連、そして拉致議連の会長をなさっておりました中山正暉議員の投稿がここに載っております。中山議員はこの中で、特に日本にとって何よりも今肝要なことは北東アジアの平和と安定だと、こう断言をされて、日朝の国交正常化を急ぐべきだ、こう明快に答えておられます。 そこで総理、戦争の備えをすれば戦争になる、平和外交の備えあれば有事の憂いがない、これは正に歴史の教訓、古今東西の歴史の教訓だろうと思います。それに伴って、平和外交こそが最大の備えだろうと思うんですが、この観点から、特にアジアの中における日朝国交正常化を最優先の外交課題にする考えはおありでないかどうか、お聞きしたいと思います。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては、北朝鮮との国交正常化交渉に真剣に取り組んでいるということを常にいろいろなルートを通じて先方に伝えております。これは、拉致問題を取り上げていることにつきましても、国交正常化したいからこそ北朝鮮側も誠意ある対応をしてほしいというメッセージなんです。拉致問題を取り上げる、相手の気に食わない問題を取り上げるからこれはもう国交正常化なんか無理だよと言う方もおられますが、私はそう思っていない。むしろ、お互い嫌な問題も乗り越えて平和の道を探ろうじゃないか、対話の道を探ろうじゃないかということで、私は今いろいろ努力している最中であります。 今回の北朝鮮と韓国における漁船、艦艇の銃撃戦におきましても、私は先週、金大中大統領とも会談いたしましたけれども、金大中大統領も憂慮しておりますが、これは決して、北朝鮮を対話の場に引き出そう、国際協調の道を取ることが北朝鮮にとっても日本と韓国の上においても世界にとってもふさわしいんだということで、いわゆる金大中大統領が掲げている太陽政策、この原因によって銃撃戦が起きたのではない。確かに太陽政策という、支持する者にとってはこの太陽政策が傷付いた一面がある。しかしながら、太陽政策というもの、包容政策というもの、北朝鮮との対話路線はこれからも続けていくという金大中大統領の考え方に私も賛意を示しております。 そして、この問題は単に日本と北朝鮮だけの問題ではありません。韓国と米国といろいろな連携協力を取りながら北朝鮮との国交正常化に真剣に取り組んでいくことが日本の平和と安定のためにも大変重要であるし、北朝鮮半島のみならず、韓半島、あの地域、世界平和にとっても大変重要なものであるということを認識しております。 ○又市征治君 一つ目の答えがなかったんですが、冷戦時代にあっても、戦争放棄を宣言をした日本が有事法制を検討すること自体が仮想敵国を刺激をして戦争になりかねない、招きかねない、こういう格好でタブーだったわけですね。これを変えるべき情勢や環境はどうなったのかということを先に聞いたわけです。 私は、その有事法制の準備よりも、日朝国交正常化を始めとした北東アジアの平和外交の推進を図って、そして、やはりこんな有事法制要らない、こういう方向に持っていくよう、まず撤回を求めて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
||||