第154回通常国会

2002年7月15日 行政監視委員会








○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、この委員会で毎回天下りによる行政のゆがみや、あるいは無駄な出費について取り上げてまいりました。今日指摘をしたいのは、その特権官僚の中でも超エリートと言われる外務官僚の天下りで、しかもそれは宗男汚職と言われるこの本命、北方三島の発電所建設を不正に落札した疑いのある、先ごろそれで摘発をされた三井物産のケースを取り上げたいと思います。
 まず外務省に伺いますけれども、去る十二日の朝日新聞の報道内容、これが出されておるわけですが、ちょっと整理をしてみますと、まず第一に、都甲ロシア大使は、三島の発電所のうち色丹と択捉の入札時、つまり九九年二月には例の支援委員会の代表として案件を左右する立場にあった。第二に、九九年十二月に退官し、翌一月には三井物産の顧問となり、ロシア関係の事業に対応してきた。第三に、この就職は外務省が九九年夏ごろ三井物産から持ち掛けられて、都甲氏がロシア大使であり、支援委員会の代表であった在任中にこのあっせんが行われた。第四に、給与は大使時代が約三千万円でありまして、三井物産でもそれに近い額だった。第五に、顧問就任直後の二〇〇〇年四月、三井物産は国後の工事を二十億九千万円余りで落札し、請け負った。こういうふうになると思うんですね。
 これは事実なのかどうか。もし違っておるところがあるのならば、簡潔に述べていただきたいと思います。
○政府参考人(齋藤泰雄君=外務省欧州局長) まず、第一点について私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 色丹島及び択捉島のディーゼル発電施設の入札が行われたときに、都甲岳洋ロシア駐箚日本国大使が支援委員会の日本側代表であったということは事実でございます。
○又市征治君 違うところだけでいいんですよ、事実と。
○政府参考人(齋藤泰雄君) しかしながら、都甲前大使の在任期間中、支援委員会は全く開催されておりませんでしたので、都甲大使が支援委員会日本側代表として、色丹、択捉のディーゼル発電施設の案件に関与していたという事実はございません。
○政府参考人(北島信一君=外務大臣官房長) 退官の経緯と顧問就任の経緯等でございますが......
○又市征治君 そうじゃない、違うかどうかを聞いているんだ、私は。違うところを聞いているんですよ。長々と説明してもらいたくないんだ。
○政府参考人(北島信一君) 一般論として、退官を間近に控えた在外職員の再就職を側面支援するべく外務省が関連情報の受渡しを仲介することはございますけれども、個別具体的なケースについて申し上げることは、企業との関係等もあり、差し控えたいと思います。
 それから、ロシア大使のときの給与額いかんという給与についてのお尋ねが......
○又市征治君 聞いていません、そんなことは。
○政府参考人(北島信一君) 三井物産での顧問としての報酬額については、外務省として把握するべき立場にございません。
○又市征治君 聞いたのは、私は、これは事実かと。簡潔に、違うならばその点を答えてくれと言っているんですよ。余りだらだらと変な答弁しないでください。
 そこで、大使や公使は特別職だからという理由で、取引先企業への天下りの規制が対象外ですね、これ。これが外務省には定数で百二十八人もおいでになる。一体どのぐらい企業や公益法人等に再就職されているのか、これ一つ。また、今、都甲氏の場合は、一般職の定年をはるかに超えて六十七歳まで特別職を保障されて、さらにその六十七歳から再就職まで見てもらった。これが一体、外務省の普通のルールなのかどうか、この二つをお聞きします。
○政府参考人(北島信一君) 最初のお尋ねの点でございますが、過去十年間を取りますと、過去十年間に外務省を退職した特命全権大使等の特別職の職員は約二百名でございますが、そのうち当省として把握している範囲では、特殊法人、公益法人に再就職した者は約七十五名、民間企業に再就職した者は約七十名でございます。
 年齢についてお尋ねがありました。外務省退職時の年齢には幅がございますけれども、特命全権大使を務めて退職する場合、六十二歳から六十四歳程度の年齢で退職するのが一般的でございますけれども、先ほどの都甲大使の関連で、国家公務員法第百三条との関係というのがいつも議論されますが、その点では何ら問題がないというふうに考えております。
○又市征治君 次に、大臣にお伺いしますけれども、このように九九年十二月まで発電所を買い付ける側の外務省のそれもロシア大使、翌一月にはそれを売り込む側の企業に天下り、しかも支援委員会の会議は開かれていなかったというけれども、支援委員会の代表を務めているわけですね。その在任中に外務省があっせんをしている、この就職を。三島分を合わせて、たしか最後に四十二億六千五百万円ぐらい、全部これ三井物産に行くわけですけれども、こうした入札が行われているさなかに都甲氏が三井物産に天下っているという、こういう状況なわけです。それも、三井物産からどうでしょうかという話が来て、それで外務省はそこへどうかというふうにあっせんをした、こういうことですね。企業はもう高い給料を払っても元が取れるわけですよ、四十二億何千万というこんな金ですから。
 これ以外にも、例の友好の家、通称ムネオハウスと言われていますが、これをめぐる入札妨害事件で摘発された日本工営には昨年の五月に前ベトナム大使が、同じく日揮には昨年七月に前アルジェリア大使が天下っておる、こういう格好ですね。だれが見たって外務省が、この鈴木宗男汚職と、こう言われることについて構造的に支えている、だれもがそう見ているんじゃないですか、これ。
 そこで、外務大臣、あなたの名前で出されましたこの北方四島住民支援に関する調査報告書、今年の三月に出されてありますけれども、このムネオハウス問題については鈴木氏の関与を認めた記述をされておりますよね。ところが、三島の発電所については一体全体これどうなのか。この十ページ、十一ページにわたってちょっと載っているんですが、結論は「鈴木議員の関与は確認されなかった。」、こうあって、その後に、八行掛けて入札の疑惑に反論をされているわけですが、大臣、これ今もこのまま全くの公式見解なんですかね。これはまず一つお聞きしたい。
 そして、その際、この都甲氏の今申し上げたようなこうした問題については調査をされているのかどうか、これ二つ目にお伺いし、三月時点で安易にシロの結論を出したわけですけれども、これはもう今の段階で早計だというふうに思われませんか、そこは。ちょっとその点、これは通告していなくて申し訳ありませんが、ひとつお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 一番最後のは......
○又市征治君 今、この三月の時点のこれは早計だったと思いませんかということ。
○国務大臣(川口順子君) 三つ御質問がございましたけれども、まず、鈴木議員の関与があったかどうかということについての報告書ですけれども、これはその当時、国会でこういうことが問題ではないかということを御指摘いただいたことについて、園部参与に調べてもらったということでございます。したがって、その時点でこれが問題だといって表に出ていなかったことについては対象としなかったということです。
 そして、「確認されなかった。」というふうに書いてございますのは、外務省として、これは強制的に捜査をする権限があるわけではございませんので、任意のヒアリング等で、あるいは資料で分かったこと、分からなかったことを書いてあるわけでございまして、したがいまして、そこについては「確認されなかった。」というふうに書かせていただいているわけでございます。
 それから、早計だったかどうかということについてですけれども、これは当時、そういうことで調査をいたしましたので、国会の御要望があってできるだけ早くということで調査をさせていただいて、それで十分でない部分については、四月に入りましてから新日本監査法人にお願いをいたしまして、これも任意の調査ということで限界が当然あるわけですけれども、そこで調べたということは発表させていただいたと。
 したがって、外務省として分かる範囲のことは調べて、確認できたことは確認できた、できなかったことはできないというふうにお書きをしているということでございます。
○又市征治君 大臣に引き続きお聞きをいたしますが、この天下り問題ですけれども、百二十八人も定数で特権的な外交官だけが取引相手の営利企業に天下りは勝手放題。正に官業癒着、汚職構造を成していると、だれもがこういう疑惑を持つような事態になっている。問題だとあなた自身は思われないかどうかということが一つ。そして、外務省改革のメニューにもこの問題は全然入ってないんですよね、あなたが出しておられる。このことについて問題だと思わないのか、あるいは改革していく考えはないのかどうか、この点をお聞きしたい。
○国務大臣(川口順子君) 今、官と民の間の人事の交流について様々な御意見が国民の間にあるということは私はよく承知をいたしております。その中で、どういう形で行われるのがいいのかということは、これは外務省の問題、外務省のみの問題ではなくて、広く政府として今議論をしていただいて、一定のルールが今既に存在をしているということだと思います。
 私は、そういうルールがありますから、そのルールにのっとって行われている限りは、それで人間が、適材が適切なところで能力を発揮するというのは、私は日本国のためにとって基本的にいいということでございますから、外務省には民からも大勢来ていただきたいと思っていますし、現に大使やそれから本省の幹部に登用を今しつつございますし、官から民に行くということについてもルールにのっとって行われるということが大事でして、あまねく、いやしくも国民の疑惑を招くようなことというのは十分に注意深くなければいけないと思いますけれども、やはりこれもルールにのっとって、透明性を持ってということではないかと思っています。
○又市征治君 大臣、私が申し上げているのは、さっき申し上げたように、年末までは発注者側のところにいて、年明けた途端に業者側に行っていますと。こういうことが、今あなたがおっしゃるなら、私はルールだと思いませんよ。もしそんなことだとするならば大問題なんであって、そのことが今大きなあちこちで問題になっている。そして、さっき申し上げたように、ムネオハウスの問題についても、ここに大使が行っているじゃないか、こういうことを申し上げているわけで、これはこの委員会でもさっきも天下り問題が出ました。こういうことが単なる適材適所、ルールにのっとってという一般論の話とは訳が違う。ちょっとこれは外交官が特権階級だったという時代はもう終わっているわけですよ。ここのところはやっぱり私は大変改革が必要だと思う。
 時間がありませんから、最後に、人事院総裁においでいただきましたから。
 特別職は公務員法第二条に今規定をされておりますけれども、最新の第十七号に独立行政法人の役員だって天下りの規制が適用されるわけですよね。だから、だが、この十一号の大使、公使はこれを免れている。しかし彼らには、しかも彼らには懲戒処分制度すらないと、こういう状況なんでしょう。この人事制度は私はもう明らかに欠陥だと思うんですよ。
 そういう点で、これをどう改めるべきだというふうにお考えか。あるいはまた、これは本当はさっき、行革大臣においでいただけばよかったんですが、政府の、人事院総裁に聞いて申し訳ないけれども、公務員制度改革大綱にこういうものが触れられているのかどうかを含めてひとつお伺いをしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君=人事院総裁) 大公使というのは特別職でございます。したがいまして、人事院の所管外ということでございますが、ただ、懲戒処分の問題にいたしましても天下りの問題にしても、一般職職員と非常に関係がございますので、私たちも非常に関心を持って見ております。
 いずれにいたしましても、対象外でございますので、法律で定められたルールというのが今ないわけでございます。したがいまして、先般から議論が出ておりますように、又市議員もおっしゃいましたし、続議員もおっしゃいましたが、やはりこの天下りの問題につきましては国会でよく議論していただいて、特に承認基準等については法律で決めるべきだというお話がお二人からございました。そういうことを含んでいただきまして、やはりだれの目から見てもはっきり分かるような承認基準というのを法律で定めていただいて、それに従ってそれぞれ処理していただくというのがいいんじゃないかというふうに思います。
○又市征治君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。