| 第154回通常国会 |
| 2002年7月22日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 この改正案は、昨年十二月の区割り画定審議会の勧告を踏まえたものでありまして、現在よりも一票の格差、価値の格差が縮まるという点では一定の評価をしたいと思います。 しかし、政府の法案提出後も与党の中で、今も出ましたけれども、三増三減あるいは二増三減などという修正を目指すこんな動きが見られて、これによって国会の審議開始が延びた、そして審議入り後もまだもめていたと、こういうふうに伝えられています。 そこで、まず審議会の権能と政府の責任についてお伺いをしたいと思いますが、元々、区割り画定審議会を設けたのは、区割り案の策定に際して利害関係者である政治家の恣意的な介入を防ごう、そして客観的、中立的な立場から案の作成を行うためだという、こんなことでありまして、とりわけ今回は初めての区割り変更なわけですから、極めて重要だろうと思います。 政権与党が介入するということは、公平中立であるべき審議会の結論が政党の横やりで修正されたり、そしてあしき前例を作ることになりかねない、あるいは審議会の在り方そのものが問われるということになりかねないというふうに思うんです。党利党略的な案を勝手に議員提案するのはともかくとしても、政府は基本的に審議会の勧告を尊重して提案をして政党の介入をやっぱり排除する、このことはまず基本的に求められるんだろうと思います。 その点の大臣の確認を求めたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 今のような選挙区の画定の仕組みを作っていただいたのは国会なんですね。それで、法律を作っていただいて、審議会はそれに基づいて粛々と方針を決めたり基準は作っておりますけれども、それに従って区割りの案を出していただいたわけでありますから、これをお願いした政府の方はもう最大限尊重すると、こういうことでございますので、勧告をそのまま今回の法案にして国会に出させていただいたわけでありまして、制度としてはこれは尊重するのが当然のことだと、こう考えております。 ○又市征治君 与党側といいますか、多数党のやはり謙虚さというか、そういうことが非常に大事、今日とりわけ求められているような気がします。特に、この党利党略の問題、今回初めてじゃなくて、区割りについてだけではなくて、最近だけでも二〇〇〇年初めに衆議院比例区の定数が二十削減される、こういう改悪がありました。また、同じくその年の秋には、この参議院比例区をかつて悪名高かった銭酷区と言われるくらいの非拘束名簿方式へ変えられた。与党のこれが強行採決によってなされたという、こういう経験があるわけであります。 そんなことを踏まえて、十九日の、先ほど朝日新聞が出されておりましたけれども、十九日の毎日新聞の社説は、この二つの改悪についてこんなふうに述べています。「与党のエゴ丸出しだ。」、「連立維持とか、党利党略が優先して、選挙のあるべき姿の検討は二の次だった。国会議員が競う土俵を自ら決めることに疑問を抱かざるを得ない。」、こういうふうに批判をしているわけですね。 つまり、区割りに限らず、選挙制度全般にわたって国会議員から独立した第三者的なやっぱり機関が不可欠だという趣旨なんだろうと思うんです。このことについて、大臣、どのようにお受け止めになっているか、お伺いしたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 先ほどもお答えしましたが、やっぱり選挙制度あるいは選挙区というのはそれぞれの議員さんにとっては本当に死命を制するような重要なことでございますから、各党が各党で御研究になる、個人も御研究になる、いろんなことの御意見を言われる、私はそれは一向構わないと思いますが、制度というものは最終的には国会で法律として決めるわけでございまして、そこでは、その国会で議論すべき案をどういう形で出すか。 いろんな出し方があると思いますけれども、今のおおよその考え方は、選挙制度審議会という諮問機関を作りまして、ここで権威ある中立公正な有識者の方に御議論賜って、それを一つのベースにしようと、こういうことではほぼ各党の合意がいただいているということから現在の選挙制度審議会というものが存在するのではなかろうかと、こう思っておりまして、先ほども御答弁いたしましたが、いずれにせよ、この法案成立後、第九次の審議会立ち上げのための具体的な準備に入ろうと、こういうふうに考えております。 ○又市征治君 ところで、審議会のそういう努力にもかかわらず、先ほども出ましたけれども、それでも二倍以上の格差が九つの選挙区で残ると、こんなことになりました。その理由の一つが審議会設置法の第三条二項、こういうことになります。つまり、各都道府県にまず一議席という基礎配分議席によるところが大きいことは御案内のとおりでありますけれども、一票の格差を是正するにはこの基礎配分の一議席の制度を廃止をする、つまり過疎地配慮策を削らなきゃならぬという、こういう問題が出てくると思います。 他方で、今後も、じゃ、これはもちろんのこと政府の地域政策にもかかわってまいりますけれども、全国の人口の過密過疎の二分化が進むとすれば、基礎配分制度を存続しておれば一票の格差がもっと広がっていく、こういうことになって、都市住民はまた逆の意味で不公平を被り続けるということにならざるを得ない、こういう矛盾があると思うんですね。 そうすると、この小選挙区を維持する限りはこの二者の間の矛盾が繰り返されるということになります。国民全体にとっては大変不幸なことでありまして、このことについてどういうふうな改善策があるというふうに大臣の方はお考えになっているのか。そういう選挙制度そのものについて、これからもまた論議がされていくということだと思いますが、総務省として何かそこらのところは検討されているのかどうか。ありましたら、御見解をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 今の選挙区画定審議会法によりますと、二倍を超えないことを基本としている、こういうことでございまして、今回の案では二・〇六幾らでございまして、二倍を超えているのが九つありますけれども、それはほんのわずか二倍を超えているわけでありまして、この法律の解釈上あるいは憲法の趣旨からいっても許容できるんではないかというのが審議会の先生方の意見でございまして、ああいう答申をいただいたわけでございます。 それは、はっきり言いまして二倍を超えるものがないというのが最高裁なんかのお考えからいうと私は一番いいと思いますけれども、しかし、やっぱり今言いましたようにいろんな制約の中での区割りをやるとする、配分をやるとすれば、どうしても二倍をわずかに超えるということは起こり得ると、こういうふうに考えておりますが、それじゃ、そうだからといって制度をどういうふうに変えていくか、これはなかなか難しい問題で、これはやっぱり何度も申し上げますけれども、選挙制度に満点はございませんし、議会民主主義の根幹でございますから、いずれにせよ、関係者といいますか、各党各会の十分な議論の上での合意できる制度がいい制度だと、こういうふうに考えざるを得ないんではないかと思っております。 ○又市征治君 お互いに知恵出し合おうと、こういうことでありますけれども。 続けて、同じことなんですが、この基礎配分議席制度について、過密過疎対策とかかわる政治的な意味合いというのは今私が述べたとおりだろうと思うんですけれども、もう一つ、この制度の時間的な流れという視点から、十九日の毎日新聞の社説が次のように述べています。 大臣ももうお読みだろうと思うんですが、タイトルが「日本政治の恥部「一人別枠」」、こういうことで非常にショッキングな見出しになっておって、いわく、「もう一つ必要なのは、法律に規定された「一人別枠」の撤廃だ。」、「法律が目標とする二倍未満にならなかった。」、「九つ残った。 その理由が「一人別枠」だ。」と、こう言っているわけであって、そして続いて、「制度導入時この仕組みは激変緩和のためとされた。二回の選挙を経てもう完全比例に戻していい時期に来たのではないか。」。 これは、先ほど小川議員が御指摘になったように、朝日新聞も同じような主張だと、こう思います。この点はどういうふうにお考えになっているのか。つまり、基礎配分議席制度は激変緩和措置だったと、こういう時限立法的な措置なのかどうか、そこらのところはどういうふうに御認識されているのか、この点をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 制度としては、暫定的だとか時限的なことになっておりません。 そこで、これについてはいろんな意見がありまして、私はいろんな意見があってもいいと思いますが、あのときの法律を作る国会では大議論の末に均等配分の上でと、こうなったわけでございまして、私が今言いましたように、都道府県というのは一つの単位だから、まず都道府県の発言権というものをある程度保障してやろうと、人口だけでなくて。参議院でもそうなっているんですね。参議院の場合には半数改選ですから、だからどうしてもその倍率が高くなるわけですね、小さい県と東京都とこう比べますと。これはこれでやむを得ないんで、参議院の場合には。 衆議院の場合にどこまで許すかというのは、これは全く正に私は国会で決めることではないかと、こういうふうに思っておりまして、この一人均等配分は賛成論、反対論両方私は成り立つと、こう思っておりまして、国会においてどういうふうな御判断をなさるかということではないかと、こういうふうに、お答えにならないかもしれませんが、思っております。 ○又市征治君 いつも歯切れのいい大臣としては、ちょっとやっぱりお答えにえらい歯切れが悪いですな。 そこで、また今回、六十八もの選挙区で線引きが変更されています。これについても、マスコミではえてして議員や候補者のうろたえぶりばかりが報道をされている、こういう現実になっているんですが、しかし、民主主義の上でより本質的な被害は、実は議員や候補者ではなくて有権者の側にむしろ私はあるんだろうと思うんですね。 つまり、審議会が幾ら尽力されても、小選挙区制である限りは、今後も区割り改定のたびごとに有権者の選挙権が切り刻まれる、選ぶ権利が翻弄される、こういう事態というのはずっと続くんだと思うんですね。これは、参政権がむしろ軽んじられて、ひいては政治への無力感を増すことになるんではないか。本当に、市町村合併が出てくるとか、こんな格好、ますます今から進んでいくということになってくると、くるくるくるくるこの線引きが変わっていく、こういう事態が次々に起こってくるわけですから。 こういう点について、一体、大臣どういうふうに見ておられるのか。この点、やはりもう少し有権者にもっと目を向ける、こういう点が非常に大事ではないか。またこれも、いや、国会でもっと議論してくれと、こういうお話なのかもしれませんが、是非もう少し踏み込んだ御見解を賜りたいと思いますけれども。 ○国務大臣(片山虎之助君) 区割りは余り変わらない方がいいというのは確かにそうですね。しょっちゅう変わるということは安定感という意味ではいかがかと思いますが、今回の区割りにつきましては、審議会が方針というものを作りまして、それから方針に基づく基準を作って、これは公表したんですね、作業に入る前に。 そこで、それに基づいてやって、できるだけ動かさないように選挙区の安定も配慮するということの中で、しかしどうしても二倍以上をできるだけ出さないということでやりますと、ああいうことになるんですね。六十八の選挙区をいじると、こういうことになるわけでありまして、中にはいろんな議論を生むようなあれも私も正直言ってあると思いますけれども、しかし我々がお願いした審議会としては、全く中立公正の立場で最大限の努力をしてあの区割り案をまとめられた、その努力は私も外の方で承知いたしておりますから、これはこれでいろんな意見があっても、考え方があっても、これはもう尊重するのが筋ではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。 ○又市征治君 本当に選挙制度だけに、非常に大臣、慎重で、次の議論に向けて何か問題提起という枠が余り出てこないので、最後はひとつその点をお願いしたいと思うんですが、こうした様々な矛盾を抱えておって、そういう意味ではその根本的な理由がやっぱり小選挙区制じゃないかなと、こういうふうに私は思います。 今の小選挙区制は、かつて複雑な政治過程の中でこれが成立をしてきたということは紛れもない事実でありますが、決して最善でもまた永久でもないわけでありまして、私たちはいつまでも拘束される必要はないんだろうと。そういう意味で、大臣、先ほどからおっしゃっているように、もっとやっぱり議会の中でもしっかりと各党も、それぞれ議員もまた論議をしていかなきゃならぬ、こういう問題だろうと思うんです。 特に、この小選挙区制が得票率と議席率の大幅なずれを、現実にこれ二回やってきてみてあちこちで起こしている。そして、死に票が非常に多く生まれておる。そしてまた、一票の格差の拡大などということがあちこちで生まれておるわけでありまして、民意の反映を弱める大きな欠陥をそういう意味では示しているんではないか、このことがだんだん明らかになってきたんではないかと思うんです。 より公正な選挙制度へ再改革をやっぱり志向すべき時期にあるんではないかと、私はそのように思うわけですが、これらの矛盾を解消する方策としての比例代表制のメリットを再評価する時期に来ているんではないか、こんなふうにも思うわけですが、ここは少し踏み込んで、今後の論議というそういう意味で、大臣いつも、本当は総務委員会でかなりやり取りを随分やりますけれども、今日は慎重にも慎重な答弁に終始しておって、私の持ち時間随分と余ってくるんですが、是非少し、今日ここで論議させてもらうぐらいのつもりで御答弁いただきたいと思うんですけれども。 ○国務大臣(片山虎之助君) 今、世界の選挙制度を見ますと、委員言われますように、大きくは小選挙区制度と比例代表制度ですね。それは国民がどっちを選択するかということですが、小選挙区制度につきましては、これは政権を選択する選挙になる、だから政権の交代が大変やりやすい制度で、同時に政権の安定があると。しかし、言われますように、少数意見が反映されない、死に票が多いと、こういうことも事実でございますし、党しか選択できない、候補者の選択ができないと、こういうことが制度の欠陥としては言われております。 一方、比例代表制につきましては、これも御承知のように、鏡のような多様な民意がそのまま選挙に反映する、少数意見も十分な議席を確保し得ると。こういう反面、小党分立になる、政権が不安定になると、こういうふうな欠点も指摘されておりまして、そこで、平成六年のときの大改正では、小選挙区をベースにしながら比例代表もドッキングしようと、ジョイントした制度にいたしたわけでありまして、その比率もあのときは三対二ですね、三百対二百になった。これは、世界でも珍しい制度であると思います。併用制というのはありますよ、ドイツなんかも。並立制というのは、ちょっとあったそうですけれども、私は詳しく知りませんけれども、大変珍しい制度だと。小選挙区制の良さと比例代表制の良さを一緒にした制度なんだと、こういう説明でございました。 その結果、今日まで選挙はそれで行われてきたわけでございますが、いろんなこれまた議論がございまして、又市委員もよく御承知のように、選挙制度というのは百点はないんですから、だからどういう制度をみんなで選択するかと、こういうことになるわけでございまして、そこで、この結果を見ていろんな議論が各党に現にあり、それが第九次選挙制度審議会立ち上げの一つの導火線になったと私は理解しておりますので、これはどういう形で第九次審をスタートさせるかということはありますけれども、そういうことの設置の中等で今までの制度の利害得失、その点検というんでしょうか、総括というんでしょうか、そういうことの上に議論が始まるということは当然私は期待されるんではなかろうかと、こういうふうに考えております。 ○又市征治君 私どもも選挙制度についてはいろいろと検討もいたしておりますし、更にお互いに各党ともにそういうものを深めながら、こういう場面で更に論議ができるように私ども努力をしていく、そんな決意も含めて申し上げて、私の方の質問を終わりたいと思います。 |
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