| 第155回臨時国会 |
| 2002年10月16日 決算委員会 |
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(1)公務員制度改悪 (2)人勧マイナス改定遡及の違法性 (3)構造改革特区等を理由としたタクシー類似行為等の問題点 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 まず初めに、公務員制度についてお伺いをしたいと思います。 去る十一日の報道によりますと、勤務条件決定の権限のうち、給与と勤務時間だけを人事院に残して、能力評価と業績評価の基準と手続及び効率的な人員配置のための基準については内閣に移すというふうに報じられておるわけです。私は、これはまあ理不尽のそしりを免れないなと、こう申し上げざるを得ません。 そもそも、これら公務員の勤務条件に関する権限がなぜこれまで直接の雇用主である政府ではなくて中立的な第三者機関である人事院に置かれてきたのか。言うまでもなく、人事院の存在と機能は、公務員労働者から労働基本権を奪って、自らの労働条件を自らが交渉し、最終的には争議権によって確保するということを禁じてきた、このことの代償措置として置かれて機能してきたわけでありますが、これを全く無視した乱暴な方針じゃないか、こう言わざるを得ないからであります。 この点について、まず人事院総裁の見解を伺いたいと思います。 ○政府参考人(中島忠能君=人事院総裁) お答えいたします。 御存じのように、公務員は労働基本権が制約されております。したがいまして、制約されておる状況の中で、制約が現状と同じであるにもかかわらず勤務条件の一部を使用者である政府というものが決定するということは、ごく通常の法律感覚からいうと理解できないということだと思います。 やはり、労働三権の制約が現状と同じであるならば、勤務条件を決定するシステムは現在と同じと。すなわち、法律で決める場合には、人事院が政府と労働団体の方から意見を聞いてその意見を国会と内閣に申し上げる、それに基づいて法律が制定されると。そして、法律ですべて決めるわけにいきません。それを規則で決める場合には、政令ということになりますと、労働三権がない公務員に対する勤務条件が政府で一方的に決められるというのもまずかろうというので、現在、人事院規則で決めるようになっておると。そこはやはり尊重されなければ、バランスが制度として取れないということになろうかというふうに思います。 ○又市征治君 全くそのとおりだろうと思うんです。 そこで、行革事務局にお伺いいたしますが、いずれにしてもこの能力評価と業績評価の基準と手続などは明らかに勤務条件に関する事項ですから、労働組合との協議が当然必要だろうと思うんです。行革本部はこれらの事項について協議をいつからどのように行うのか、明確にお答えを願いたいと思うんです。これまで何度も会見をしているとほかの委員会でも聞きましたけれども、そうお答えになるかもしれませんけれども、少なくともこの能力評価と業績評価の基準と手続などについて協議が進んでいるとは聞いておりませんが、それを踏まえて明確にお答えをいただきたい。 また、あわせて、今回政府が行おうとしている法改正は、国際労働基準に照らして公務員労働者の労働基本権の回復を幾らかでも前進させた上で行おうとするものなのかどうか、この点も併せてお聞きをいたします。 ○政府参考人(春田謙君=行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長) お答えをいたします。 今、先生の方から十月の十一日の新聞の記事を基にお尋ねをいただいたところでございます。職員の処遇に係りますところの人事制度、現在私どもも法律改正に向けていろいろと検討をしておるところでございまして、実はこの点につきましてはどういう形で人事制度の設定をしていくかということをまず議論することが必要だろうというふうに思っておりまして、そのためのまずたたき台というものを取りまとめまして、このたたき台を基に今お話がありましたような職員団体とも誠実に交渉、協議していきたいというふうに思っております。 実は、今日御質問いただいてあれなんですが、私どもも今鋭意そのたたき台の取りまとめを行っているところでございまして、もうできましたら、早ければ今日の例えば夕方とか、そういうようなところでもたたき台について職員団体の皆さんにも議論を始めるというぐらいの取組で進めてまいりたいというふうに思っております。 それから、ILOの関係でございます。 ILOの関係につきましては、労働組合の方から公務員制度改革につきましてILOに提訴がなされているということは承知をしているところでございます。私ども、公務員制度の昨年の末の閣議決定の中でも、労働基本権につきまして、これを制約するということにつきまして昨年の閣議決定で決めさせていただいたところでございますが、方向を決めさせていただいたところでございますが、今後とも、これに代わる相応の措置を確保しながら、現行の制約を維持するということでまとめられたところでございます。 私ども、労働基本権の問題に関しましては、それぞれ各国の歴史的あるいは社会的背景を踏まえて決定されるべき問題であるということで、その対応につきましても先進諸国においても一様ではないという状況になってございます。 政府といたしましては、今後、法制化を進めていくに当たりましては、職員団体とも十分議論をしていくことが必要であるというふうに考えております。 ○又市征治君 今も出ましたけれども、連合官公部門連絡会あるいは他の国際労働団体もがILOに提訴をしておるという状況にあります。それは、国際的に見てこのような労働基本権の乱暴なじゅうりんが例がないからということだろうと思うんです。使用者側の違法行為に対して、法を遵守をしてそれを確保するように執行すべき立場にある政府が、事もあろうに国際労働基準にもとる違法行為を行おうということは許されないことでありまして、これは強く抗議を申し上げると同時に、誠意を持って対応するよう強く求めておきたいと思います。 次に、公務員給与の取扱いについてお伺いをしたいと思いますが、八月八日の人事院勧告、そして九月二十七日に閣議決定されておるわけですが、これは様々問題点があるように思います。今日は一点だけ、給与のマイナス改定を十二月の一時金で行う点について伺いたいと思います。 言うまでもなく、人事院勧告は、地方公務員を含めて四百三十四万人と言われる公務員にとどまらずに、多くの公共サービス部門や人勧に準拠して給与が決まっている中小、未組織の労働者、あるいは連動する政府の社会的給付に頼る多くの国民の生活をも直撃するということになります。したがって、このマイナス改定の不利益を四月にさかのぼらせるという今回の方針は、一つは労働法規の観点から見ても違法性が強いんではないか、二つ目に現下の経済情勢を無視したデフレ政策ということにも、そういうそしりも受けるんではないのか、こういうことがあるわけですが。 そこで、片山大臣にお伺いをいたしますけれども、まず一つは、この措置について組合側と協議、合意ができたのかどうか、これが一つであります。二つ目に、総務大臣自身もこの措置については苦慮されているようでありますが、給与の不利益不遡及の原則への抵触について、法的正当性、この問題をどうするのか。人事院や法制局との間でも協議をして明確な回答を示すとされてきたようでありますけれども、人事院含めて、三者の統一見解はできたのかどうか、この点をお聞かせいただきたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣) 組合とは二回お会いしまして、現状での人事院や内閣法制局とのいろいろ相談しておる結果をお話し申し上げて御理解を求めました。結構ですという御返事じゃございませんが、承りますという返事でございました。 それで委員、こういうことなんですね。人事院勧告は何でやるかというと、あれ、官民均衡といいますか民間準拠ですよね、勤務条件、基本的な考え方は。そこで、民間を調べて給与をやりましたら今年は二・〇三%下げろと、こういうことだった。それは年間を通じてバランスを取るんですよ。だから、今まで払ったものを返せといって言っているんじゃなくて、これから払う十二月の期末手当で年間分の調整をやるということでございますから、これについては、人事院もこれは十分そういう解釈というんでしょうかね、法律上の解釈は成り立つし、内閣法制局も同じだと、こう言っていますからね、私どもの方も大体同じだと。 こういうことでございますんで、そこは是非御理解を賜りたい。差し上げたものを取り上げるんじゃないですよ。年間を通してバランスを取るんで、これから払う十二月の期末手当で調整しますと。それは、差っ引かれる方は面白くないですけれども、これは年間でバランス取るんだから、そこのところはひとつ御理解を賜りたいと思います。 ○又市征治君 ここに、九月十七日だと思うんですが、総務省の見解の写しがございまして、その引下げに関する部分の前段では、「既に適法に支給された給与を遡って不利益に変更することは、法的安定性や既得権尊重の観点から慎重であるべきものと考える。」と、こう記されているわけですね。当然だろうと思うんです。本給の引下げ分を期末手当で減額調整するというのは明らかにすり替えだと。これはちょっと筋が通らないと思うんですね。 期末手当は期末手当で今年の本給とは関係なしに昨年の民間の一時金の実績に準拠して決めるというのがこれまでのルールだったわけですが、これを変更されるというのかどうか。ここのところの説明を求めたいと思います。 ○政府参考人(久山慎一君=総務省人事・恩給局長) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、既に適法に支給されました給与をさかのぼって不利益に変更することは、法的安定性や既得権尊重の観点から慎重であるべきものと考えておるところでございます。 今回の措置はこの考え方を踏まえつつ、従来どおり官民の年間給与の均衡を図るとの観点から、法施行日以降に支給される期末手当の額により調整を行うこととしたものでございまして、既に適法に支給された給与をさかのぼって不利益に変更するものではございません。 また、本年の給与の官民の逆格差につきまして、官民の年間給与の均衡を図るとの観点から、期末手当の額により調整を行うことは、国家公務員法に定める情勢適応の原則に照らしまして十分合理性があるものと考えておるところでございます。 この措置は、期末手当の生活補給金的な性格、調整措置を早期に終了させることができることなどを勘案すると最も適当な手段であり、これをもって期末手当の一時金としての性格を何ら変更するものではないと考えているところでございます。 ○又市征治君 大変論争のあるところですが、都合のいいところだけ情勢適応の原則を出されてもこれは困るんですが、これが一体民間にも波及したらどうなるか。企業経営者が九月決算やってみたら大変悪かった、四月にさかのぼって賃下げする、政府だってやっているんだからと、こう言い出したら一体どうするのか。際限ない無権利の悪循環ということになりかねない。労働者に対して使用者が不利益を遡及させてはならぬというのが法の立場なんだろうと思うんです。 このようなあしき前例を政府は作るべきではない。一月分からこれはもう減額をしていくというなら分かるけれども、こういうやり方というのは大変問題がある、こう言わざるを得ないので、今日のところはこの点だけ御指摘申し上げて終わらせていただきます。 続いて国土交通大臣にお伺いをしてまいりますが、新聞には国土交通省が福祉輸送の規制緩和へ踏み出すことが報じられておりますね。タクシー会社が運行する正規の福祉タクシーは今千二百業者で約二千三百四十台ある。十年前に比べると三倍近くに増えたものの、まだ供給不足だというふうに言われているそうであります。 そこで、交通空白地では民間非営利団体、ボランティアの移送サービスが障害者や高齢者にとって重要な役割を果たしているそうでありまして、これはそういう意味では意味がよく分かります。しかし、一面で欠かせないのは安全面の担保、このことも大事です。これをどのように確保していくかということだろうと思うんです。 緩和しようとしている自家用車、つまり白ナンバーになりますけれども、有償旅客運送は明らかにタクシー類似行為ということになるんだろうと思うんです。一方で、タクシーが規制緩和されて過酷な増車や低運賃競争に突入している中ですから、例えばボランティアでも、お客の命を預かる事業、これは青ナンバーですが、その自覚を持って事故のときの補償額も無制限として安全輸送に努めるべきではないか、こう思います。 国土交通省は十一月末まで実験中で、年度末にもガイドラインを出されるというふうにお聞きしていますが、どういう検討を行っておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。 ○政府参考人(丸山博君=国土交通省自動車交通局長) ただいま福祉輸送の拡大についてお尋ねがございました。 先生御指摘のとおり、高齢者でございますとか身体障害者などの福祉行政につきましては、民間事業者が行っております福祉タクシーというようなものから、あるいは地方公共団体が行っております福祉行政の一環として併せて輸送も提供するという公的な輸送サービスまで幅広い取組が行われております。そこの中でボランティアもその担い手として含まれているというものと私どもは認識しております。 一方、先生からただいま御指摘ございましたように、一般に、福祉輸送を含めまして他人の需要に応じまして有償で自動車を利用して旅客を運送する場合につきましては、当然のことながら一般自動車運送事業の許可を取得するということが必要になります。その際、輸送の安全確保等の要件が付されているというのは当然のことでございます。 したがいまして、このような意味で、ボランティアと称しまして、先生からも御指摘ございましたが、営業類似行為を行うということにつきましては認めることができないというのが私どもの立場でございます。ただ、ボランティア精神に基づきまして適正に行われるサービスにつきましては、今後ともその役割を果たしていくべきだというふうに考えております。 このような観点から、現在、札幌でスペシャル・トランスポート・サービスの実証実験を行っております。私どもとしましては、実証実験の結果を踏まえまして、先生御指摘の旅客の安全の確保ということと利用者利便の保護ということ、二つ図っていくということを基本にしながら、今後、法的にどう取り扱っていくべきかということを検討してまいりたいというふうに思っております。 ○又市征治君 事故の問題について警察庁と国土交通省自動車局長にお聞きしたいと思ったんですが、時間の関係でちょっとこれは省略をせざるを得ないわけですが、これはまた後ほど資料をいただくことにして、かなりこの関係の事故の状況あるいは白タク行為の取締り状況、さらに事故が起きた場合のこの福祉サービスの関係の補償問題、かなり実態がどうも不明のようでありますね。補償もタクシーに比べるとかなり不十分だということは容易に想像が付くわけでありますが、その関連で、どうも今、構造改革特区の問題も言われておりまして、こうした運送事業の関係の道路運送法にかかわる特区の問題も言われているわけですが、特にその中でやはり利便性だけでなくて安全のための制度と公的責任、このことは今ほどもお答えがありましたけれども、これが非常に大事だろうと思うんです。 そこで、大臣にお伺いをしてまいりますが、今もお話がございましたが、何でも実験中というだけでなくて現段階でも経験則で分かることがたくさんあるんだろうと思うんです。そういう点で、それらのことはしっかりと条件を付けておくべきではないか、こう思うわけでありまして、この介護輸送にかかわる車はやっぱり特定車両として扱っていくべきでないか、こんなふうに私は思います。 そこで、もう少し具体的に申し上げますと、一つはこの車に事業用としての青ナンバーを交付すべきでないか、二つ目に運行管理者を配置をするということが必要ではないのか、三つ目に二種免許を保有する運転者を選任する必要がある、四つ目にタクシーと同等の十分な保険をやっぱり義務付ける、こうした四つぐらいのことが必要ではないかというふうに私は考えるわけですが、そうした専門家の皆さんなどの意見も聞きながらこんなふうに思いますけれども、こうした方向で検討される考えはございませんかどうか、お聞きをしたいと思います。 ○国務大臣(扇千景君=国土交通大臣) 今伺っておりましても、我々、次は自分がその身になるという大変厳しい状況といいますか、現在、日本の高齢者状況、しかも今年の発表で少なくとも百歳以上の皆さん方が少なくとも一万七千九百三十四人ですか、もう二万人近くなるという、百歳以上が。特に女が多くて申し訳ないんですけれども、それくらい我々は高齢社会を迎えますので、今おっしゃったような専門家のタクシー、バス、それだけでは支え切れないと。少なくともバスとかタクシーというのは旅客輸送の安全を確保して、あるいは不当な料金を取っちゃいけないとか、あるいは安全を確保しなさいよという、その規制の中で限られておりますけれども、これだけ多くの老人が老人社会になりますと、それだけでは福祉の面で運送が足りないというのは現実でございます。 ですから、今おっしゃったような皆さん方が、NPOの皆さんがボランティアで、しかも利便性を考えてやってくだすっているということに対しては、我々は本当に有り難いなと思って頭の下がる思いをいたしますけれども、はてさて、じゃそこで、安全性はどうなのか、料金はどうなのかという現実がやってまいりますので、今おっしゃったような、青ナンバーでありますとかいろんなことをおっしゃいますけれども、少なくとも私は、ボランティアの、ボランティアたる精神を持った皆さん方が、いざ何かあったときに逆にそれが逆効果になって不利益になる、ボランティアの皆さん方に負担が掛かるというようなことになっては申し訳ないということで、今現実的に、先ほども局長が言いましたように、実証をしながらどうあるべきかということを今いたしておりますので、今後、安全の確保あるいは利用者の料金の問題、そして営業者とボランティアの皆さん方のNPOのバランスの問題、あらゆる面で我々は高齢社会にふさわしい新たな輸送サービスの形態というものをこの参考資料をもって検討していきたいと、そう思っておりますので、今は実験過程であるということを御理解賜り、是非御協力賜りたいと思います。 ○又市征治君 構造改革特区、これが叫ばれておりますけれども、これを隠れみのにこれまで積み重ねてきた運輸政策審議会の論議が吹き飛んだんじゃ何の意味もないわけでありまして、やはり上から押し付けるんではなくて、関係者の論議の場を保障すべきだろうと思います。 とりわけ安全面の確保とそして事業を営む者の社会的責任の確保、こんな点を十分懸案いただいて対策を取っていただくようにお願いをして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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