第155回臨時国会

2002年11月26日 総務委員会



(1)郵便事業のユニバーサルサービスを崩す特別扱い




○又市征治君
 社民党の又市です。
 今回の最高裁の違憲判決に伴う郵便法の改正については賛成でございますが、関連して暴力団への配達を特別扱いしていた事件についてお伺いをしたいと思います。
 昨年の十二月に読売新聞が報道したのがきっかけでありましたけれども、収集した局がこれらの郵便物を別途その局で用意した封筒に入れて、そこにマル暴という判こを押し、通信事務扱いにして配達先の局へ送っていた。暴力団からの郵便物が集配中に汚れたり破損したりなどいわゆる因縁を付けられて脅される例が多いので、それを防ぐために特別に慎重に扱っていたという理由だったということのようであります。はがきをも封書扱いにしたり、普通郵便で出されたものを速達扱いにしていたという、こんなこともあるようですが、理由はともあれ特別サービスをしていたわけですね。その数量と場所などについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君=郵政事業庁次長)
 今、ただいま委員御指摘のとおりの報道がございまして、私どももそれにつきまして全国の郵便局に対しまして実態調査をいたしました。
 その結果でございますが、これは昨年の十月から十二月の三か月間でございますけれども、全国の集配郵便局四千八百九十四局について特別な取扱いをしたかどうかという事実を聞き取り調査をいたしました。その結果、全国で三百四十四の郵便局でこうした特別な取扱いが行われていたというようなことでございます。
○又市征治君
 今ありましたように、昨年の十月から十二月まで三か月分だけですね。結果は三百四十四の集配郵便局でこれをやっていたと。しかし、郵便物の件数は公表されておりませんね。局の数でいうと、今あったように、当初は、二月の発表では一・四%と言っておられましたが、今ありましたように四千八百六十余りの集配をしている局で割ると七・一%だと、こういうことですね。しかし、三か月分だけでなくて十二か月分を調べますと、これはもっと、むしろ四倍前後になるかもしれないわけですね。いずれにしても、暴力団への特別扱いをやっていた局が府県別に出されておりますけれども、ゼロだった府県は七つ、そして大多数の四十の都道府県の局でやっていたと、こういう結果のようです。
 このことについてマスコミにコメントされている郵政事業庁の発表では、いつから始まったか分からない、相当前から行われていたようだと、他人事のようにコメントされておりますけれども、しかし中央からの通達もなしにどうして、全国の大多数でマル暴の判こまで作ったり速達扱いなど全く同じやり方がやられているわけですね。自衛的に始まったものが広がったというふうに説明されていますけれども、もしこれが本当だとすれば、中央の指導もなしにすごい横の連携をしていたことになるわけで、ちょっと私には信じられないわけですね。一体どこの局から、またいつからこういうものが始まったのか、どうやって全国化したのか、これらの調査をされたのかというのが一つ。
 もう一つ、私は、どうもこれにはもっと暗い裏の事実があるんではないかという疑念がわいてまいります。どこかの局で実際に暴力団に乗り込まれてゆすられてお金を払った経験があるのではないか、そういう気がしてまいります。これだけ大掛かりに全国でやられているんですから。それともその際、断固抵抗したのなら警察に届け出た記録があるんでしょうし、そういう経過についても調査をなさったのかどうか、この二点についてお聞かせいただきます。
○政府参考人(有冨寛一郎君)
 今御指摘がありましたようなことにつきまして、私どもも今年の二月に調査をいたしました。どういうような背景があって、いつからそういったようなことになったんだろうかということで調査をいたしましたが、なかなか具体的な点について確認できませんでした。
 私どもの事務的なことを申し上げますと、暴力団関係の差し出しの郵便物についての特別な取扱いについて、私どもの方から指導したというような事実はありません。また、郵便局が組織的に、どこかの郵便局が、先生御指摘のようなことがあって、横の連絡で何かあったんじゃないんだろうかというようなことについても確認できておりません。
 したがって、調査をいたしましたが、具体的な点について、二点目の何か裏にあったんじゃないかということにつきましても、残念ながら明確になっておらないというのが現状でございます。
○又市征治君
 私は、いわゆる民間的手法の導入よって郵便事業のユニバーサルサービスが崩されたり、あるいはクリームスキミングされて公社の経営が成り立たなくなるようなそんな方式、またそれに伴う職員の労働強化などについては反対をして、前回の国会でも郵政関連四法案については討論に参加をしてまいりました。
 であればこそ、こうした不適切な特別取扱いは組織上の経過を徹底的にやっぱり解明すべきだろうと思うんですね。そういう意味で、大臣、やはりそこらのことはいや分かりませんだけで済むのかどうか、再調査をすべきじゃないのか、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣)
 再調査を死に物狂いしても、恐らく分からないと思いますし、その苦労よりは今後一切やめる方がずっと未来志向で結構なんですよ。相当前からだそうですからね。恐らく、又市委員言われるように、汚れたものが届いて暴力団関係者が怒ったかどうかでしょうね。そして郵便局にクレームを言って。こういうことはすぐ伝わりますから、口コミその他で。そこで、その関係のところは、それじゃそういう扱いしようかと、こういうことになったと思うんですよ。私は、本当に残念に思うのは、何で警察に相談しないかということですよ。ユニバーサルサービスですから暴力団関係者も同じように扱わなきゃいけません。特別な扱いする必要は一つもないんですよ。
 だから、是非今後はもうそういうことが一切ないようにしますので、過去ばかり見ずに、ひとつ未来を見ていただいて、今後は一切ないように公社になればいたします。
○又市征治君
 過去を見るなとおっしゃいますが、わずか一年前のことを、どうも分からぬとか、あるいはもう今、大臣言われたように、もう改めたから原因は調査しないとかというんじゃなくて、私は、それでは世論もやっぱり参入をねらう企業も納得しませんよ。そういう格好でまたこんなことが問題になってくると思うんですよ。独立の郵政監察制度もあるし、そして総務省の行政管理局の調査だってあるわけでありますから、是非そういうものをしっかり調査をなさって、そしてこんなことが再びないように、そしてやはり世論も納得するような、こういう形でやはり改めていくということが非常に大事ではないか、そんなことを申し上げて、私の方の質問を終わりたいと思います。