第155回臨時国会

2002年12月4日
政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会



(1)清水達夫議員(自民)の政治資金規正法違反
(2)公益法人による政治連盟(自民党宅建支部)強制加入問題



○又市征治君
 社民党の又市です。
 提案をされております二法案(公職選挙法改正案・地方選挙期日等の臨時特例案)については大筋について賛成であるということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 議題となっている公選法と表裏一体の関係にある政治資金規正法の重大な違反だと問われているのが先ほど来からも出ました、清水達雄議員の事件だろうと思います。党員でない者が党費を立て替えた場合、規正法第五条で、これは党費ではなく寄附であるとみなされております。しかも、第二十二条の六項で、政治活動の寄附は必ず本人名義でなければならない、出す方も受ける方も罰則が規定をされておるわけですが、これらの点から今回の清水議員の党費立替えは違法性が濃厚であります。
 十一月十三日の衆議院で片山総務大臣は、一般論としては法に抵触する旨の答弁をなされているわけですが、先ほど来の論議を含めて改めて見解を求めたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣)
 衆議院の審議で申し上げましたのは、何人も本人の名義以外の名義又は匿名で政治活動に関する寄附をしてはならないと、また受ける方も受けてはならないと、こういうことを申し上げたわけで、全くの一般論でございまして、個別の事案は具体の事実に即して判断すると、こういうことでございます。
○又市征治君
 そこで、先ほど選挙部長から立替え党員であった場合、第三者が立て替える場合があり得るというお話があったんですが、この立替え合法論みたいなこういう解釈がもしあるとすれば、これがむしろ規正法を骨抜きにしている側面があるように思うんです。今の具体的な例、報道されている中味などに即して言えば、新規と継続で七万人がだれ一人党費を払うお金がなかったなんてあり得ぬ話なわけですね。それとも、不動産政治連盟の事業目的や規約に会員の自民党費を立て替えること、そして請求しないことなんか書いてあるのかどうか、そんなことあるわけないと思うんです。
 大臣は、前回の衆議院でも言われておりますが、実態がなければと言われたので、問題は明白だろうと思うんですが、実は党員集めは全部政治連盟がやった、個人の承諾など取っていないのですから党員の実態がないわけですね。したがって、大臣の理屈でも他人名義の寄附に当たり違法だということを申し上げておかなきゃならぬと、こんなふうに思います。
 ところで、先ほども出ましたが、この全宅連、全宅保証、更に全政連、この三団体及び自民党宅建支部というのも別にあって、ところが場所や役員が同一であるという実態、これは既に衆議院でも、そしてまた今日も同僚議員から出ているわけでありますけれども、この三団体の強制加入が争われた訴訟がございます。
 花巻市の六十四歳の男性が不動産業を開業するために宅建保証協会と県の宅建業協会に入会を申し込んだわけですけれども、ところが政治連盟にも加入しろと言われたのでこれについての保留をしたところ、協会の加入を断られたと、この男性は九九年二月に訴訟を起こして結局二〇〇〇年一月、四月に被告である二つの協会が解決金二百万円を払って事実上原告の勝訴になったところであります。
 そこで国土交通省にお聞きをいたしますけれども、正にこの保証協会というのは公益法人ですね。これに加入する際に、宅建業協会や政治連盟への加入が強制をされ、拒否をすれば事実上加入できないようなこんな状態というものを行政は容認をしているのかどうか、改めてお聞きをしておきます。
○政府参考人(三沢真君=国土交通省総合政策局長)
 まず、全宅保証協会の会員資格でございますけれども、これは協会の定款、施行規則等で定められておりまして、ここでは宅建業協会の会員であること、これは要件とされておりますけれども、不動産政治連盟の会員であるということは要件とされておりません。
 それで、昨年、今度、宅建業協会と政治連盟との関係でございますけれども、昨年、都道府県の宅建業協会の入会に当たりまして不動産政治連盟への入会を義務付けているという不適切な事案が問題になりまして私どもで調査いたしましたところ、県によってはそういうところもあるということでございますので、これはきちっと是正しなければいけないということで、都道府県及び全宅連に対して通知を行いまして、都道府県の宅地建物取引業協会と不動産政治連盟の明確な仕分をするようにという指導をしたところでございます。
 なお、先ほど申し上げました全宅保証協会でございますけれども、これは宅建業法上義務付けられている営業保証を集団で保証する組織でございまして、宅建業協会の会員を要件とするということは必ずしも不適切とは言えないというふうに考えております。
○又市征治君
 私の手元にも昨年十月の総合政策局不動産業課の出した宅地建物取引業協会の入会に係る定款等の調査結果というのがございますが、現在は全くそういう意味では完全に分離されて問題はないんですね。改めてお聞きします。
○政府参考人(三沢真君)
 昨年調査いたしました時点で、これは昨年六月でございますけれども、例えば定款で不動産政治連盟の入会を条件としているもの六県、それから入会申込書等によって不動産政治連盟の入会を義務付けているもの三県、それからパンフレットとかホームページに同時入会等の表現を用いているもの十二都道府県という事実が判明いたしました。これらについてはその後指導いたしまして、フォローアップをして、すべて訂正、改善されていることを確認しております。
○又市征治君
 指導したのは各県の宅建業協会についてでしたけれども、保証協会の方が公益性が強いので、当然こちらも区分すべきだろうと思います。
 ところが、実はこうした強制加入の根拠規定が全国組織である保証協会にあったわけですね。国土交通省、これは御存じだったですか。
○政府参考人(三沢真君)
 先ほど申し上げましたように、全宅保証協会の会員資格で、宅建業協会の会員であるということは要件となっておりますけれども、不動産政治連盟の会員であるということは要件とされておりません。
○又市征治君
 実は、この定款ではなくて定款施行規則というものに載っておったんですね。第三条第一項、本会の会員は全宅連会員の所属構成員、つまり各府県の宅建業協会の会員でなければならないというふうにあるわけでありまして、これを定款に入れたかったけれども、昭和六十三年に当時の建設省に拒否された。つまり建設省は、言ってみれば違法性を知りながら定款ではなく施行規則ならというふうに暗黙に承認していたという、こういう流れになるわけですね。
 そこで、次に移りますが、公益法人については、指導監督基準の運用指針で、理事の数は余りにも多数であれば運営に負担になる、また形骸化し特定の理事の専横を招くとして、多い場合でも三十人以内というふうにこの運営指針は示しておるわけですね。ところが、現在この保証協会は、何と八十六人も理事がおいでになる、しかも基準の本文の、同一の業界が占める割合は二分の一以下という点にも反して、業界人ばかりですね。
 正に、そういう意味では、指摘をしたとおり、ここの藤田会長の専横、政治利用を招いた、こういうことが現実にこの運用指針などに照らしてみてもなるわけですけれども、これは当然次の総会で改正がやられるんだろうと思いますが、公益法人を所管している総務省の方から、この改正方、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(衞藤英達君=総務大臣官房審議官)
 お答えいたします。
 平成八年の公益法人の指導監督基準におきまして、委員御指摘のように、特定のグループが理事の多数を占めることは公益法人の適正な運営を確保する上でよろしくないということで、同一業界関係者が理事数の二分の一以下となるように求めているところでございます。ただし、これにつきましては経過規定がございまして、かつて法人取得の手段が民法三十四条のほかになかった場合には、こういう場合には抜本的改革を待って対応するというような規定がございます。これに御指摘の業界団体も該当するのかなということでございます。
 この二分の一ルールに絡む数字でございますが、国所管公益法人におきましては、直近の数字の平成十三年十月一日現在で、同一業界関係者が二分の一以上を占める法人は千四十八法人、それから同一業関係者が理事全員を占める法人は三百三法人となってございます。
 それから、先生がお話の理事の定数でございますが、お話ございましたように、多過ぎてもよろしくない、少な過ぎてもよろしくないということで、これにつきましては法人の事業内容、規模に応じた適切なものにするということが必要だというような規定がございます。ただ、これにつきましては、数字ではっきりこの範囲じゃなくちゃいかぬというようなことはございませんで、状況に応じて適切なものとすることが必要だというふうに考えてございます。いずれにしましても、理事の構成等につきましては、指導監督基準等を踏まえ、各所管官庁を通じて適切に指導してまいりたいと思っております。
 関連しまして、抜本改革が今進んでいるわけでございますが、内閣官房で進んでおりますこの抜本改革の中で、公益法人等のガバナンスといいますか、法人自治を確立しようというような動きもございますので、総務省といたしましても、役員数でありますとか理事構成でありますとか、これらの問題につきましても検討を深めていきたい、かように考えてございます。
 以上でございます。
○又市征治君
 指導をしっかりお願いをしたいと思います。
 そこで、この保証協会は公益法人ですから、その入会は当然オープンにして、宅建業協会とも、政治つまり具体的には政治連盟とも切り離すべきだろうと思います。いわんや、自民党宅建支部とはもう論外のことであります。KSD事件のときも同様なやっぱり職域支部というのが党費肩代わり、違法献金の隠れみのになったことは記憶に新しいところでありまして、そこで大臣にお伺いするんですが、選挙の公正と政治資金規制の立場からも、公益法人を政治連盟や政党支部から切り離すように、人的、物的、財務上のガイドラインをやっぱり示すべきじゃないのか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君)
 公益法人の政治活動についてでございますが、公益法人であること自体により禁止されているものではございません。公益法人の政治活動を制限することにつきましては、団体の政治活動の自由との関連を十分考慮する必要があると考えております。また、政治団体が公益法人とは別の団体であり、政治活動の自由を有していることは基本的には尊重しなければいけないと理解しております。
 この問題につきましては種々議論がございまして、いずれにしても公益法人の業務運営に当たりましては、設立目的に沿った適正な業務運営がなされるべきものと期待しているところでございます。
○又市征治君
 何か、都合のいいところだけ政治活動の自由みたいな話をされるのは納得できないですね。
 問題は、政治資金規制とすべての公益法人の中立を守らせるという立場に、そういう意味では総務省あるわけですから、そこの点はやっぱり特にきちっとしてほしい。本当にそうした公益法人と政治連盟あるいは政党支部からちゃんと分離をするということを、今これだけ問題になっているんですから、是非しっかりとやってもらいたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 最後になりますが、先ほど来から出ておりますけれども、在宅の難病患者の投票権が事実上奪われているということで、十一月二十八日にこれが違憲状態だという判決が出たわけでありまして、速やかにこうした違憲状態をなくして、これらの人々の投票権が確保できるように、先ほど来から御答弁いただいておりますが、しっかり取り組んでいただくことをお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。