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○又市征治君
社民党の又市です。今日は政治と金の問題、そして特例交付金の問題についてお伺いをしたいと思います。
先ごろの坂井衆議院議員の事件は、政治資金規正法の明白な違反、こういうことだろうと思いますが、今後、労働政務次官としての受託収賄等の問題も出てくる可能性が濃厚だと、こんなふうに言われております。いつもこんな政治家と金の問題、情けない思いをするんですが、一方で現在の世論は一歩進んで、公共事業受注企業であるとか公的融資を受けている企業、また公的資金と連動した形で債権放棄を受けている企業からも政治献金を受けるべきでないと、こういうのが大勢になってきていると思うんです。
自民党長崎県連の事件はたくさんの疑惑が錯綜していますけれども、長崎地検は、取りあえず県請負企業の知事選に関する献金で公職選挙法第二百条、つまり政治家側の要求を適用して浅田前自民党県連幹事長を逮捕しているわけですね。この二百条にせよ、また百九十九条にせよ、いつも問題になるのは、選挙に関してというこの規定が非常にあいまいなんではないかというふうに思うんですが、選挙部長、どうですか。
○政府参考人(高部正男君=総務省自治行政局選挙部長)
お答えを申し上げます。
御指摘ございました指定、特定寄附の禁止にかかわる規定につきましては、昭和二十五年に公職選挙法ができたときから入っている規定でございまして、この「選挙に関し」という用語は、従前から、選挙に際し選挙に関する事項を動機としてというふうな意味に解されているところでございます。
この「選挙に関し」という規定ぶりにつきましては、公選法の他の条文にも使われているところでありまして、例えば戸別訪問の規定でも、何人も選挙に関して戸別訪問することができないというような形で使われているところでございまして、特にこの規定ぶりについて問題があるものというふうには考えていないところでございます。
○又市征治君
では、実例を挙げて大臣にお伺いをしてまいりますが、今年の一月一日の朝日新聞で、小泉総理など四人の閣僚の一人として(片山)大臣の名前も挙がっているわけですけれども、すなわち前回の総選挙及び、参議院選の一か月前に国の公共工事を施工中の二十三社から四人で二千六百五十万円、片山さんの場合二百十万円ということらしいですが、それぞれ自分が代表者である自民党支部に献金を受けた、これが公選法百九十九条等の選挙に関する寄附に当たるのではないかというふうに指摘されている。
業者側は、選挙の年は以前から増額しているとか、陣中見舞いとして出したと言っているわけですが、大臣にも寄附した企業もそんなふうに認めたと書いているわけですね。片山大臣自身も、適法に処理をしたんだと、選挙前に集中したのはたまたまだろうと、こう答えたというふうに報道をされています。当然だろうと思います。高潔な片山大臣ですから、当然そうだろうと思いますが。
しかし大臣、私は、あなたはもうほかの閣僚や議員とは一段違う立場、直接に公職選挙法の運用をつかさどる立場ですから、やはり国民の目から見ますと厳正さに欠けているんではないかと、こう見られると思うんですよ。そこで大臣、この点はどうお考えですか。
○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣)
これは、この寄附は何度も予算委員会その他でも答弁させていただいておりますが、政党支部に対します政治活動資金としての寄附でございまして、選挙の特定寄附ではないと、こういうふうに報告を受けておりますし、一々私が全部あれするわけじゃございませんので、それはそのとおりだと。常々私は私どもの事務所の者にはそういうことを言っておりますので、そう思っております。
○又市征治君
適法だ、大臣おっしゃっているこの点については当然政治資金規正法上のいうことなんですが、じゃ公職選挙法上はどうなんだという点でいうと、どうも限りなくグレーゾーンではないかというこういう識者もいるわけです。
そこで、受注企業の問題について私は今日申し上げたいわけですが、国の事業を請け負った企業がいて、その企業から政治家が献金を受ければ、結果的にその金は税金の一部を形を変えて政治家が私物化するということになるわけで、選挙に使おうが政治活動に使おうが、納税者あるいは有権者から見れば不正利得ではないか、こういうふうに見られておる、そのことが非常に今問題になっておる、こういうことだろうと思うんです。
そこで、さっき一番冒頭にお聞きをしたように、「選挙に関し」という規定を外して、国と契約のある企業については政治献金を禁止すべきではないか、その点について片山大臣に是非そのイニシアチブを取っていただく、そういう努力をされてはいかがだろうかと、こう申し上げたいわけですが、その見解をお伺いしたい。
○国務大臣(片山虎之助君)
この百九十九条、二百条関係は昔から議論があるところでございまして、それで請負というのは、これは契約関係ですからね、対等な。補助金をもらうとか特別の利子補給付きの融資を受けるとかというようなことでないから、これ選挙の公正を守るために選挙だけにしようと、こういう国会での取り仕切りなんですね。
それで今御承知のように野党の各党が案を出しておりまして、与党の方でもいろんな御意見があったり検討が進んでおりますので、民主主義のコストですから、これをどうやって国民の皆さんに納得いくような形で御負担いただくかというのは正に国会において各党各会派でお決めいただく、基本的には今までもそういうことをやってまいりましたので、内閣が出しゃばるんじゃなくて、立法府で御議論賜わると、こういうことでございますので、立法府の皆さんに関係あることでもございますし、そういうふうに考えております。議論が深まることを期待いたしております。
○又市征治君
その問題になると、えらく片山総務大臣も慎重になられるわけですが。
ちょっと今歴史の問題出ましたからちょっと調べてみましたけれども、一九六一年、池田内閣のとき、随分古い話なんですが、第一次の選挙制度審議会では、請負の当事者は選挙に関するもののほか政治活動に関しても寄附をしてはならない、こういう答申をされているわけですね。極めて明快です。昨年五月以来、私ども野党四党も提案をしているんですが、これとほぼ同じ原則に立って、今、大臣おっしゃったように提案をしているわけです。
ところで、小泉総理はどうおっしゃっているか。昨年の三月の時点は、与党の党首会談では、公共事業にまつわる政治献金の在り方は一歩踏み込んで法的な対応も必要だ、国会で成立できるようにと、こういう踏み込んだ発言があったんですが、ところが今年の一月二十三日、衆議院で私どもの横光議員が公共事業受注企業からの献金禁止を提案したのに対しては、何のことはない、「法律を幾つ作っても違反するやつがいるんだからこれはどうしようもないんだ」と、全くこれ居直ったような話で、去年の三月におっしゃったことと全然食い違う話、百八十度違うと言ってもいいぐらいのこんな話なんですが。
そこで、大臣は正に公選法や政治資金規正法を厳正に実施する、そのことを取り締まっていこうというこういう立場であるわけで、この総理の二通りの正反対の発言があるんですけれども、むしろそういう意味では、古い話までいたしましたけれども、きちっとこうした公的な公共事業受注企業のこういう献金禁止という問題を、今の話じゃなくて、やはり積極的に前に出すべきじゃないですか。もう一度、そこら辺の決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君)
総理の法律を幾ら作っても守らなければ意味がないということは、まず現行法を遵守することも必要だと、こういうことですね。今法律があるんですから、それをきちっと守ってもらうということが必要だと。それから、その次にいろんな指示をして一歩でも二歩でも進めたいとか、いろんな検討をすべきだというようなことを言われておりますが、これは立法政策としてどういう、今、又市委員が言われたような含めて、そういう政治と金の関係で国民の皆さんに納得ができるような政治資金上の仕組みを作ることができるか検討してほしいと、こういうことですから、現行法は守れ、これから新しい仕組みを作るについては大いに検討してくれと、できるだけ各党各会派でと。こういうことですから矛盾はないですね、それは、現行法守るのは当たり前なんで。それから、立法政策としてこれからどういう制度を作るか、これは各党各会派で十分議論の上、意見を集約して合意してくれと、こういうことだと私は総理の答弁を聞いておりまして、基本的には私も同じような意見でございます。
○又市征治君
ちょっと片山大臣、尊敬する大臣ですから、ちょっと残念ですな。やっぱりこれだけ今もう次々次々とこうした政治と金にまつわって、政治家が何を国会で議論したってみんな信用されない。いろんなところで、お前さんはみんな一緒じゃないかと、こういう格好の空気が蔓延している。これでどんないい議論したって、政治というのはやっぱり私は生きた教育だと思うんですけれども、子供たちにそういう意味で物を言えるのか。やはりこれだけ世論も上がっているときに、私は片山大臣の総務省がもう少し前へ出て、こんな程度はどうかというのも出されることも一つの私は決断ではないかと、こう思うんで、先ほどそういう点でお尋ねしているわけですが、是非そういう姿勢を持っていただきたいということを申し上げて次に移りたいと思います。
そこで、先ほども同僚議員からお話がございましたけれども、合併問題に絡んで少し合併特例債についてお伺いをしたいと思うんです。
そういう意味で、総務省が非常にアメとムチを振るって、やっぱり私は率直なところ、合併どんどんやれやれ、こういう声を掛けていると思うんですよ。それは、そういう点ではいかにも自主合併だ、自主合併だとおっしゃいますけれども。
そこで、この合併特例債の問題があるわけですが、この間、合併が幾つか進んできているわけで、実績は三か年で五つの市だそうですけれども、この総額それから平均額それから今後の見通し、こういうものについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(伊藤祐一郎君=総務大臣官房総括審議官)
お答えいたします。
合併特例債の制度は平成十一年に創設したわけでありますが、平成十一年度から十三年度までの合併特例債の発行団体数は五団体でございます。許可額は約二百十一億四千三百万、一団体当たりの平均発行額は約四十二億二千九百万円となっております。また、平成十一年度から十四年度までに十二件の合併が実現若しくは確定しているところでありますが、これらの合併市町村の合併特例債の発行限度額は合計で約二千八百九十六億円程度、一団体当たりの平均発行上限額が約二百四十一円程度となっているところであります。
○又市征治君
どうも今お聞きをしますと、実績は必ずしも芳しくないようなんですけれども、しかし仮に今、総務省が、「できれば一千ぐらいの市町村の合併に」と、こう言ってこられたわけでありますが、これができて、そしてこれに満額こうした合併特例債を出していくということになりますと、今の平均でいきますと、一市町当たり二百四十一億円でしょう。そうしますと、二十四兆円という数字になりますよね、大雑把に言いますとね。そして、これを十年でならすと、一年に逆に言えば二兆四千億円ということになるわけですけれども、対象事業の種類も大盤振る舞いで、今まで起債を認めていなかった庁舎建設もオーケーですと、こうこの特例債の場合は言っている。ほとんど何でもオーケーなわけですが、私はどうも重大な矛盾が二つあるように思えてならぬのです。
一つは、元利償還の七割を交付税で見るという、こういうことなんですけれども、この概算でいくと元金だけで年額七割なわけですからね、さっき申し上げた数字の。そうすると年額一兆六千八百億円と、こういう数字が出てくると思うんです。これは、交付税の別枠で出すということになるのか、それとも現在の交付税の総枠の中で出すのか。この点、どうお考えですか。
○政府参考人(伊藤祐一郎君)
お答えいたします。
今御指摘ございましたように、現在、全国で市町村合併の論議が大いに盛り上がっておりまして、盛り上がっておりますが、現時点ではその合併の組合せが必ずしも明確となっておりませんので、合併特例債の総額及び交付税措置の総額等々を今の段階で明確にすることはできないものと考えております。
なお、合併特例債につきましては、御案内のとおり、地方交付税の算定に当たりましてその元利償還金の七〇%を基準財政需要額に算入することといたしているところでありますが、合併特例債を含め地方債の元利償還に関する経費につきましては、毎年度の地方財政計画の策定に当たりまして歳出に公債費として適切に計上いたしまして、地方財政の運営に支障が生じることのないように地方交付税等々必要な地方財源の確保を図ることといたしているところであります。
○又市征治君
何かややこしい言い方ですが、交付税の枠内ということですよね。
そこで、この現在の総枠が、地方交付税が十八兆円ですから、その約九%にさっき申し上げた数字は当たるわけですけれども、十年間毎年引かれることになるわけで、これは合併するところもしないところもすべての自治体に降り掛かる共同の負債ということになるわけだと思うんです。それと別に自分の元々持っておった元利償還は、これは三割分は払わなきゃいかぬ、こういうことになっていくわけで、そうしますと、特に合併しない市町村にとっては、特例債は適用されないで共同のマイナス分だけを背負わされるという、こんな格好になるんじゃないですか。だから、そうすると、さっき同僚議員が聞いた、財政局長が言われたそういう格好で、そういう不均衡が起きないとか、そこのところが減っていくということはなりませんとかという話とはちょっと矛盾してくるんじゃないですか。
それからもう一つは、二番目の矛盾は、特例債を発行すれば当然、起債依存度が上がることになるわけでして、しかし、従来から起債制限比率というハードルもあるわけでありますが、これは先ほどもお名前が出ましたが、昨年十一月、これは十四日だったかと思いますけれども、全国市長会で総務省の香山総務審議官が起債制限比率は守ってもらわなきゃならぬと、こう言っておるわけですね。
これは、そういうふうにお答えになったということは確認できますか。
○政府参考人(伊藤祐一郎君)
まず、起債制限比率の点からお答えをさせていただきたいと思いますが、合併に伴いまして合併特例債を発行いたします。その結果の、その起債の償還につきまして、それが起債制限比率上どういう形で計上されるか、算定されるかということでございますが、これはもちろん起債制限比率の算定上カウントされるわけでありまして、御案内のとおり、自己負担分につきましては、交付税で措置される分は控除されるわけでありますが、自己負担分につきましては起債制限比率の算定の根拠となるわけであります。
また、一番最初にお答え、御質問のございました、全体として交付税の先食いといいますか、交付税全体の財源を、合併特例債を発出することによりまして、それを食うことになるのではないかというお尋ねだったかと思いますが、その点につきましては、全体の地方財政計画を策定する中で、全体の起債の償還財源を地方財政計画に適切に計上いたしまして適切な財源措置を図るということに制度上なっております。
○又市征治君
いや、そういう何か適切にとか地方財政計画と言ったって、現実に地方交付税で削っていくことになるじゃないですか。そういう言い方が誤解を生じると言っているんですよ。
そこで、大臣に、時間がございませんから最後に提案の形になりますけれども、合併を考えている市町村の大半は、こうした今申し上げたような合併特例債の問題点なり、あるいはこの交付税全体がその枠内で、共同でこの七割の償還分というのは取られていくということなんかもあって、合併しないところはそういう意味では大変に損失を被る、こういう格好のことはよく知られていない。こういう格好でどうも惑わされているということがあると思うんですね。これでは私は、今日の地方分権だ、地方自治の時代だ、そういう点であるときに、やっぱり国と、とりわけ総務省とこの自治体との信頼関係を失っていくことになりはせぬか、こういう点をやっぱりもう少しきちっと公開をしていただかないといかぬのじゃないかと思うんです。
ある東北地方の市長さんは、いみじくも「馬の鼻面につるされたニンジンだ。食べようとして食べることはできない」こういう合併特例債の問題をこういう格好でうまく言われているけれども、中身は、実質はこういう本質なんだということで、こう言っておられるわけですけれども、やはりもう少しこういうことを透明化をして言わないと私はだんだん不信だけが高まっていく、こういうことになるんだろうと思います。
ですから、そうした甘い話ばっかりではなくて、この中身、行き着く先の問題もきちっとやっぱり提起を示していただく、そういう不信感をなくしていくということを是非努力をいただくことを大臣に最後にお願いをして、時間参りましたので、終わりたいと思います。
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