第156回通常国会

2003年3月25日 総務委員会


(1)市町村合併強要の道具にされている地方交付税


○又市征治君
 社民党の又市です。
 地方交付税は地方財政の根幹を成す制度ですけれども、現実は巨額の特別会計の借入れの上に、国の責任を地方に転嫁する臨時財政対策債という負担の導入で既に破綻状態にあります。もはや交付税率を引き上げる以外に解決策はないのじゃないか、こんなふうに思います。
 ところが、政府は土俵を広げて三位一体の改革でやるんだと、こうおっしゃるんですが、今回の予算案を見ましても、税源移譲はほとんどゼロ、補助金の削減だけは進めて、交付税は借金を増やすばかりで押し切ろうという格好になっています。
 また、今日の市町村合併政策についても、地方財政の規模を圧縮をして、それで交付税需要額を削減し、国の義務を軽くするという、言わば自治体デフレ政策ともいうような格好になっています。

 こうした交付税制度の根本矛盾をわずか二時間の質疑、採決というのはいささか問題あり、こう言わざるを得ないわけでありますが、今日は私も与えられた時間、非常に少ないですから、特別交付税に絞ってちょっと何点かお聞きをしたいと思います。
 ちょうど一年前、昨年の三月もこの問題、論議をいたしました。私は、そのときに多くの府県が合併持参金とも言うべき根拠もない「つかみ金」を一市町村に二億円だとか五億円だとか、こういう単位で大盤振る舞いをして、それを国が半額裏打ちをしているということについて問題にいたしました。
 地方交付税法第十五条では、特別交付税は特別の財政需要があることに対して算定をする、こうなっていることはもう言うまでもないことですが、今申し上げたように、特定の県が、はい、あなたのところは二億円、いや、ここは五億円、こんな格好で何ら根拠のない「つかみ金」を出すものが一体、この十五条の特別の需要というのは、私は無理がある、こう思うわけですけれども、府県がこういう算定根拠のない金を出していて、国はどういう根拠でこれに半額を特別交付税で交付を、特別交付税を交付できるのか、その点をお聞きしたいと思います。
 あわせて、この二〇〇三年度、二〇〇二年度及び二〇〇三年度の予算と実績、また今ほど申し上げたようにこの法的根拠、これについてまず示していただきたいと思います。

○政府参考人(林省吾君=総務省自治財政局長)
 特別交付税は、先ほど御指摘いただきましたように、法律の十五条におきまして、普通交付税による言わば画一的な算定方法によっては捕捉されない特別の財政需要を算定の対象といたしているものでございまして、具体的には災害に係る財政需要であるとか、あるいは除排雪であるとか、あるいは生活バス路線の運行維持に要する経費とか、あるいは病院事業等々、地域的な特別の財政需要を算定の対象といたしているところであります。
 今回、御指摘いただきました合併市町村に対する補助金、交付金に係る財政需要につきましても、各地域における合併の進捗状況等に応じまして地域的に異なった財政需要として生じているものでございますし、また合併の進展に対応して年度途中における需要の発生も見込まれるものでありますことから、地方交付税法第十五条に規定する特別の財政需要に該当するものとして特別交付税の算定の対象といたしているところであります。
 なお、算定の仕方につきましては、この十五条の規定に基づきまして総務省令に具体的に規定をいたしているところであります。
 算定額についてのお尋ねもございましたが、平成十三年度におきましては五億円でございましたが、平成十四年度におきましては約十五億円を算定いたしたところでございます。

○又市征治君
 あなた方がお出しになった合併特例法にすらこれは根拠がなくて、それは今御説明がございましたけれども、地方交付税法第十五条のこの特別の需要という格好に当たらないと思う。それは根拠がちょっとない、こう思うんですね。
 県がこの根拠のない算定をして、なぜ、ある県は二億円とこう言っている、ある県は五億円と言っている、ある県は二億五千万と言っている。国がその二分の一を上乗せするのはとても十五条の特別の需要とは言えないんじゃないですか、これ。
 そこで、大臣にお伺いをしてまいりたいと思うんですが、昨年、私は、合併期限の十七年度末にかけて、この今数字が出ましたけれども、十倍や百倍というのはオーバーかもしらぬけれども、そういうふうに増えていくんじゃないか、こう申し上げましたけれども、現実には、今お話がありましたように、一年で三倍に増えているわけですね。
 交付税は、あくまで地方財源の偏在をなくして均填化をするということ、あるいは弱小団体でも先ほど大臣がおっしゃったように財政的自立ができるように重点的に配分する趣旨だ、ましてやこの特別交付税はより一層そのことが特別緊急の需要であるべきなんだろうと思うんですね。
 したがって、今出ましたように、総務省令でこの二分の一助成というのを決めているんですと、こうおっしゃいますけれども、交付税法の十五条にはやっぱり違反するんではないのか、少なくともその趣旨には反するんではないかと、こう思うんでして、大臣、この点を明確に御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣)
 いやいや、一つも違反しませんよ。特別の財政需要なんです。当初では予定していないものが年度途中で合併がばっと進むんで、それで都道府県にある程度こういうことについては判断してもらって都道府県が一定のお金を出すと。財政需要をちゃんと、合併する市町村の財政需要を考えて都道府県が出す、出したものについては二分の一を我々が補てんしましょうと。こういうことで、合併というのは国の政策なんですよ、これは閣議でも決定し、いろんな支援プランをやって進めているんですよ。
 何のために進めるかといったら、財務省が言ったでしょう、受皿を作ってくれ、受皿を作ってくれ、権限移譲、財源移譲の受皿がない、今の市町村では駄目だと。彼らが言うことだけでやっているわけじゃありませんが、私どもも、やっぱり権限や財源移譲をするためには、単位の市町村が強くならにゃいかぬと、そういうことを今進めているんで、それを一生懸命県が応援する。特別の財政需要が生ずるのは当たり前ですよ、合併するんだから。それを応援する、どこも悪くない。
 私、褒めていただけるのかと思ったらそうではないようで、大変そういう意味では、思っております。

○又市征治君
 どうも見解が違うようでありますが。
 実は、これ以外にも合併絡みで特別交付税を使って、合計で昨年は三十六億円、今年度は百九十九億円ですか、百五十九億円と、四倍になっていますね。合併しない市町村にとってはやっぱり原資の目減りという形の、現実にはやっぱり差別が起こっているわけですよ。他方では、特別交付税でマイナスの査定、つまりペナルティーも行っているわけですね。去る、今日は詳しいことを申し上げませんけれども、十八日に省令を改定をされて、給与改定のマイナス幅について国の意の沿わなかった自治体に対しては特別交付税の減額を決められている。逆に、例えば長野県のように、ガクッと減らしたところを逆に補てんしてやるのかと、こう言いたくなるわけでありまして、こういうやはり、何か知らぬけれども、これは今、こうした中身は、地方人事委員会、むしろ総務省自体が形骸化をする、自治権の侵害と言わざるを得ない、こういう中身もあるわけです。特別交付税には、こうしたやっぱり、どうもあめとむちが強く組み込まれているというふうに言わざるを得ません。
 地方分権、あるいは国と市町村は対等だと、こう言いながら、このように総務省のさじ加減というのは依然として残されている、これ温存されているということを言わざるを得ぬと思うんです。交付税制度全体が危機にさらされているときに、その六%をこうした露骨な自治体差別のシステムとして使うという、こんなことが残っているというのは私は理解し難い、こう申し上げざるを得ないわけで、こういう特別交付税の決め方それ自体、もう少しやっぱり見直されるべきでないか。
 大臣は、褒められるべきだとおっしゃるけれども、私は、ちょっと違うんじゃないか。もう少し、今申し上げたようなことも含めて検討なさる点があるんではないか、この点について御質問したいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君)
 特別交付税は昔は八%だったんですよ。それを今六%に下げまして、やっぱりそれをそのくらい確保していないと、災害だとか雪だとか、富山県や新潟県も雪多いですから、そういうときに対応できないんですね。
 そういう中で、合併についてもその一つの算定ルールの中に入れたわけでありまして、その点は是非御理解を賜りたいと思いますし、今後とも、きちっとしたルールの上で特別の財政事情に対応する制度として我々は考えていきたいと思っております。

○又市征治君
 終わります。