| 第156回通常国会 |
| 2003年3月26日 総務委員会 |
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| (1) 交付税を先喰いする臨時財政対策費 (2)公務員採用試験は内閣ではなく中立な人事院に |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 今日、第一に、交付税の財源不足対策について伺いたいと思います。 交付税制度が破綻の危機に瀕しているというのは昨日も申し上げたんですが、二〇〇一年度からこの不足額の半額を臨時財政対策債として地方負担にされたわけですけれども、その額が、二〇〇一年度が約一兆四千五百億、二〇〇二年度はその倍で二兆九千八百億円、二〇〇三年度はまたその倍で五兆八千七百億円、累計十兆三千億円になるわけですね。 この返済をすべて地方交付税に算入するというわけですが、各年度の返済は一体どのぐらいになるというふうにお考えになっているのか、財政局長、お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(林省吾君=総務省自治財政局長) 臨時財政対策債の償還見込額についてでございますが、この臨時財政対策債、一部を除きまして基本的には二十年償還、うち三年据置きというものが大勢でございますので、その条件の下に理論償還方式により算入いたしているところでございますので、その前提でお答えをさせていただきます。 平成十三年度につきましては御指摘のように一兆四千五百億円程度の発行となったわけでありますが、その償還条件の下で試算をいたしますと、平成十四年度から十六年度までは利子分のみでございまして、百九十七億円の償還となりますが、その後、平成十七年から元本償還が始まりますので一千億円台の償還となりまして、平成三十、平成二十三年ごろまでは一千億円台でございまして、それから少し低減いたしてまいりまして、平成三十三年ごろ八百億円台の償還額となります。なお、償還額のピークは平成十七年度の一千四十五億円と見込んでいるところでございます。 それから、十四年度、十五年度につきましてもお尋ねでございますが、利子等につきまして現時点で確定的なことは申し上げられませんが、一応仮定を置きまして試算をいたしますと、同じような傾向で二十年償還の額が出てくるわけでありますが、ピーク時だけ申し上げておきますと、十四年債、十五年債を合わせまして、また十三年債のピーク時も合わせまして、三年間の発行額の合計で見ましたピーク時は平成十九年度となりまして、約七千二百億円程度と見込まれるところでございます。 ○又市征治君 私も、今、資料配らせていただいて、私なりに試算をしてみたんですが、この二〇〇一年度の分の償還の条件と同じ格好でやってみましたら、若干の数字が違っていますけれども、私の試算で言いますと平成十九年度でピークが七千三百九十四億円ということになっていますが、そんなに大差ございませんが、そんな格好になります。そこから八年間で年額七千億円台の償還が続いていくわけですね。つまり、この額だけその年に自治体に本来交付されるべき地方交付税が天引きされることになるわけですよね。交付税の総額が十八兆円というこういう状況ですから、約四%ということになります。 しかし、言うまでもなく、地方全体の既往の莫大な借金があるわけでありまして、これは言われているとおり百九十九兆円と、こういうことなんですが、交付税特別会計借入れの現在の残高と当面数年間の必要な償還額は一体幾らか。私もちょっとそこ、横の方に出してみましたけれども、こういうことで大体合っているのかどうか、財政局長、もう一度お願いしたいと思います。 ○政府参考人(林省吾君) 交付税特別会計の借入金でございますが、平成十五年度末には四十八・五兆円となる見込みでございまして、そのうち地方負担分に係る残高は三十一・八兆円となっております。 この借入金は、法律に定めております償還計画に従いまして、地方負担分につきましては平成三十八年度までの各年度におきまして償還をすることとなっておりますが、その償還額は平成十六年度の一兆円から始まりまして、ピーク時は平成二十一年度の三兆円超となっております。 ○又市征治君 これと臨時財政対策債の償還のピーク年度とがほぼ同じ時期に重なってくるわけですね。資料の、私の出した資料でいえば、一番右の列、二〇〇九年度では二つ合わせて三兆七千四百億に達する、交付税総額の約二一%相当、こういうことになるんだろうと思います。 このほかにも自治体が共同で返済しなければならない借金は幾つかあるわけですが、ここではもう一つだけ、去る二十日の質疑で私言いました合併特例債の分も出てくるわけですね。試算をしてみますと、総務省の言うとおり千の合併があって満額使えばということですけれども、その七割分を自治体共同で十年にわたって返済しなきゃならぬと、こういう理屈になるわけでして、これまた交付税総額の、総枠の九%ぐらいに相当するんだろうと思います。ただし、今申し上げた試算は、総務省は、いや、反論もしないけれども肯定もされぬと、こういうお話でありましたから、これは一応おくとしましても。 そこで、大臣にお伺いをしたいんですが、今申し上げたように、全体として交付税総枠の二一%という格好でこの特会の返済と臨財債の返済が掛かっていくと。大変な格好になっていくわけですが、これ本当に、非常に地方の財政はますます厳しくなっていくという状況、これあると思うんで、ここのところどうお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣) 正に又市委員言われるとおり大変なことですね。三兆七千億というと大変大きな額でございまして、二〇・六%と。 ただ、こういうことなんですね。この交付税特会の借入れは、個々の団体は借金じゃないけれども、特会の借金ですね、特別会計の借金、グロスの借金。地方団体、オール地方団体の借金。これは法律で何年度に幾ら返すと全部書いているんですよ、法律に書いている。それから、この臨時財政対策債は、これで十五年度で三年目ですけれども、これは個々の団体の借金なんですよ、個々の団体の。全体の借金を個々の団体にばらしたということ、簡単に言うと。それで、その個々の団体の借金の臨時財政対策債の元利償還は基準財政需要額に全部入れると、これも法律で書いているんです。どっちも法律で、国の法律で、全部交付税で見るって言っているんですよ。 そこで、例えば三兆七千億になって、それは二十一年度ですか、何かの交付税の総額が足りなければもらうよりしようがない、増やすより。それはもう当然ですよ。地方財政計画の策定を通じて地方団体の財政運営に支障がないようにして、しかもこれらがうわっと増えてこの分だけ交付税が増えるのは、これはもらわなしようがない。法律で国民に約束しているんですよ、国会が。だから、その点は毎年度の地方財政計画の策定を通じて法律に基づいて措置していくと。これは財務省も納得しておりますので、我々はそういうふうにしてまいります。 ○又市征治君 今ありましたように、本来は全額が交付税制度上の固有の権利であり、償還は国の責任だということだろうと思うんですが、そのためにも、やっぱり私はもうここまで来ると交付税率の引上げという問題が一方では避けられぬじゃないのかと、こういう感じがしてしようがありません。 しかし現実には、残念ですが、交付税総額あるいは需要額を減らそうという、こういう邪道も時として見え隠れしたり、小泉さん、塩川さん流の一兆円削減論がまず先に出てきてみたりというこういうことがあって、自治体側も非常に不安、あるいは時には本当に心配をしている、こういう格好もあるわけだろうと思います。 実はもっと正道な道は、総務大臣が一生懸命おっしゃっている税源移譲だと思うんですね。この税源移譲こそが正に正道だと思うんですが、これは地方の声を踏まえて、大臣が大変熱意を持ちあるいは努力もいただいてようやく日の目が見そうだと、こういうことなんですが、昨日の論議じゃありませんが、財務省側のえらい抵抗があると、こういうお話なんで、残念ですけれども、大変御努力いただいたけれども、今回の予算でも微々たる格好に終わっている。より一層の努力をいただきたい、こういうことでありますが、一方で、特に税源の弱い自治体を考えれば、やはり昨日もおっしゃっていますけれども、交付税をやっぱり守って原資を増やす、こういうことが必要なんだろうと思います。 そこで最後に、この問題の最後に、交付税率についてお伺いをいたしますけれども、交付税率は歴史的に固定不変のものではないことは私も十分承知をしておりますが、一番近いところでは法人税については三二%を三五・八%に増やされているわけですね。この理由、また数値の根拠は一体どこに置かれたのか、お聞きをしたいと思います。 ○政府参考人(林省吾君) 法人税に係る交付税率でございますが、御指摘のように、平成十一年度に三二%から三二・五に、また平成十二年度から今日まで三五・八%に引き上げられております。 これは、平成十一年度から実施されております恒久的な減税に伴う地方税の減収対策に係る地方財政措置の一環として行われたものでございまして、個人住民税及び法人事業税の減税による影響額を補てんいたしますために、その全体の四分の三は、たばこ税の移譲であるとかあるいは地方特例交付金の創設に加えまして、法人税に係る交付税率の引上げにより補てんすることとされたところでございます。 この法人税に係る交付税率の引上げの考え方でありますけれども、法人事業税の減税額が確定いたしまして、この減税額による減収額のうち、交付団体相当分につきましては法人税に係る地方交付税率の上乗せにより補てんすると、こういう考え方を取りました。したがいまして、恒久的な減税実施後の法人税収額に占める恒久的な減税に係る法人事業税の減収見積りの八割相当額という形で計算をいたしますと、この三五・八%という率になったわけでございます。 ○又市征治君 というわけで、交付税財源の三税の一つである法人税だって現に動かしているわけでありまして、そもそも国税分については、国の政策に左右されないように国税収納会計から一般会計を通過せずに交付税特会へ直接入れるべしという交付税会計直入論ともいうものもあって、これはかなり学説的にも支持を得ているわけだろうと思うんです。このことを今日は申し上げて、昨日、当委員会において地方財政の拡充強化に関する決議がなされましたけれども、この諸点の実現に向けて、大臣始め一層の御努力を要請しておきたいと思います。 そこで二番目に、先ほどは公務員制度の出口の話がございましたが、ちょっと入口の話を私はさせていただきたいと思います。 公務員制度改革は、今やILOの勧告が出て、労働基本権の回復をどういうテーブルで協議するかに課題が移っている感がありますけれども、今日のところは、国民の目から見て忘れてはならない身近な問題として、公務員の中立公正性についてもちょっと取り上げてみたいと思うんです。 国民にとって、この採用試験は公務員になる権利の行使ということにもなるんだろうと思いますね。これを大綱路線では内閣が握るんだと、こういうふうに言われておるわけですが、しかし採用の一方の当事者である内閣が企画立案するというのはどういう結果になるかと。 私は、十九年前の古い話で恐縮ですけれども、リクルート事件、当時の藤波官房長官が、リクルート側の請託を受けて国家公務員の採用試験の合格発表を暗に時期を延ばせと、こういうふうに人事院に圧力を掛けた、こういうことが明らかになりまして、これは有罪が確定をしたわけですね。このとき、もし試験が内閣の権限であったとしたときに、その大番頭たる官房長官の圧力に一体だれが、公務員が抗することができるのか、こういう問題があるんだろうと思うんですね。国家公務員採用試験の信頼が崩れかねないところだったんですが、もちろんこれは人事院の所管でありましたから第三者機関、これは跳ね返したということなんですけれども、そういう格好で何とかこの体面は保たれた。 仮に採用試験の企画立案を内閣に移したとして、長官や政治家の意を受けた上司から指示が下りた場合に、部下たる担当職員がどうやってこの圧力を防げるのか。ここのところ、根本副大臣、どうお考えですか、これ。 ○総務副大臣(根本匠君) まず私は、今回の公務員制度改革がどういう考え方で改革をしたいのかということから、その哲学から申し上げたいと思います。 今回の公務員制度改革におきましては、国民に対して行政運営の責任を有する内閣が、機動的、効率的に行政を運営を執行するために、主体的な人事制度の設計、運営を行う仕組みとすべきではないかと、実はここが考え方の出発点であります。 したがって、先生の今の御指摘の公務員の採用、この公務員の採用についても、これは基本的な考え方でありますが、各府省がそれぞれ抱える行政ニーズに対応し得る有為な人材を確保していきたいと。要は、やはり各省庁がそれぞれの行政を責任を持って担っているわけですから、やはりそれぞれの省庁がどういう人材が欲しいかと、ここを重点にして機動的、効率的な行政運営をしようではないかと、こういう考え方ですから、内閣がその行政運営の一環として主体的に取り組んでいくことが重要なんで、公務員の採用の試験制度の企画立案についても現在は第三者機関である人事院が包括的に行っているわけですが、この制度を改めて、各府省の行政ニーズに即した人材を確保する、こういう観点から内閣自らが行うこととしたものであります。これが実は今回の考え方の大きな基本であります。 もとより、先生が今御指摘がありましたような公務員の採用に関して中立性、公正性を確保すること、これはもとより重要でありますから、当然内閣が採用試験の企画立案を行う場合におきましてもこの公正中立性の確保、これは内閣が責任を持つということが私は当然のことだと思います。 ○又市征治君 ちょっとそれでは私が申し上げたことについて必ずしもお答えになっていないと、こう思わざるを得ません。 国では人事院がやっていますから国では起きていないけれども、採用試験に関する不正事件、地方公共団体において、とりわけ人事委員会も持たない市町村で随分起こっているわけですね。 ちょっと調べてみまして列挙してみますと、 十三年四月の岡山地裁判決で、寄島町の町長が三人の採用につき、百万、百万、五十万の請託を受け、一次試験の成績を逆転させて合格させた事件。 同じく十三年十二月の甲府地裁の判決で、山梨県一宮町長が合格の謝礼として百万円を受け取ったほか、大相撲やゴルフの接待を受けた事件。 同じく十二月、奈良地裁判決で、天理市長が職員採用に百万円の収賄、点数の改ざんまで命じて、判決で市長の行為は採用の基準である成績主義、能力主義を根本から覆すものであると、こう断罪をされています。 十四年三月に鹿児島地裁判決、垂水市の助役が二人から百万円と五十万円の収賄事件。 これらの、こういう問題は起こり得る。だからさっき、私、一番冒頭にリクルートの問題を申し上げたんですが、こうした原因は、やはり人事院がなかったり、採用が政治権力から独立していないということが問題じゃないか、こう申し上げているんですね。だから、そのことをどうやって排除をしていくかということが大変問われているわけでありまして、だとすると、公正中立な人事やるのは当たり前ですとおっしゃるけれども、現実にそういう政治的な任用という問題について起こり得る、こういう可能性を非常に強く持っているから、ここのところをどうするのかと、こう申し上げているわけであって、私は逆に、今、中立公正な第三者性というものをしっかりと堅持をして、逆に人事院に対して内閣の側からいろんなことを御注文をなさったり協議をなさって、あくまでも人事院でやっていくことがいいんではないのかと。 もっと逆に言うならば、この中立的機関の意義あるいはこれまで果たしてきた役割、こういうものを廃止するほどの積極的な根拠とは何か、ここのところを明確にされないと、私は、そういう意味では政治任用からの中立性というのは、政治家を長とする機構、内閣でやっぱり無理がある。さっき申し上げた天理事件の判決でも、政治任用は受験生に対する背信行為で、公務員制度の信頼も失墜させたと、こう批判をしているわけで、今回の政府案もやっぱり、ちょっとやっぱり私は無理がある、ここのところをもう一度やっぱりしっかり考え直すべきだろうと思います。 この間も、一次合格者を四倍も出せと、こう言って、受験生を忘れて採用サイドの都合だけおっしゃっている。特に、こういう将来に禍根を残すような方針というのは困る。是非改めていただくように、今申し上げた点、わっと、時間がないものですからざっと申し上げましたが、もう少し何か大臣、副大臣の方からありましたらお聞きをしておきたいと思います。 ○委員長(山崎力君) 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。 ○副大臣(根本匠君) ですから、私が申し上げましたように、今回、積極的に位置付ける意味は何かということは、今回の公務員制度の採用というのは各府省がそれぞれ抱える行政ニーズに対応し得る有為な人材を確保していく、こういう観点から行うものであって、内閣が主体的に取り組んでいくことが重要であるということから、今回のこういう制度にしたいということであります。 ○又市征治君 終わります。 |
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