| 第156回通常国会 |
| 2003年5月12日 決算委員会 |
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| (1)税を放漫に貸し出す産業投資特別会計 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 今日は、たまたま今朝の朝日新聞のトップ記事にもなっております産業投資特別会計の問題について質問をしたいと思います。 会計検査院が国の出資金が毀損するぞと警告をしていたところ、今年の三月三十一日、それが現実のものになった基盤技術研究促進センターの問題ですけれども、国の損失は約二千七百七十億円にも上る、こういうことであります。ただ、政府のこの出資事業中止という問題については、この報道は二〇〇〇年十二月からあったんですけれども、損失規模が二〇〇一年三月の基盤技術法改正の審議で明らかになっておりました。会計検査院も同年十一月に公表した十二年度の検査報告で、二〇〇〇年度末時点で二千三百八十億円、こういうふうに指摘されておったわけですね。ところが、昨年十一月の十三年度決算報告では、一般論として、機関の解散などにより国の出資が毀損する可能性がある、こういうふうに抽象的な指摘になって、ちょっと私は後退した印象を持つわけです。 そこで、検査院に伺うわけですが、対象とする年次は十三年度であっても、この間に事態は進んで国民の被害が明らかになっているんですから、その後の推移も述べて実態に踏み込んだ報告書にすべきではなかったかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○会計検査院長(杉浦力君) お答え申し上げます。 先生御指摘の話と私どもの検査の視点の在り方が若干違うというところからの御疑問だろうと思っております。 十二年度に報告申し上げました中身につきましては、基盤技術研究促進センターの出資事業において出資金の回収が困難となっている状況を掲記したものであります。一つのセンターの状況について分析して報告したものであります。そして、十三年度の決算報告は、逆に産投会計全般の分析をしたと。そして、その中でセンターも一つの対象として入っておるということでございます。 そして、中身についてちょっと申し上げますと、十三年度の産投会計全般のものにつきましては、出資先二十七機関、三十五勘定につきまして共通の尺度でもって分析しようということで整理をいたしました。その結果が十三年度の報告でございます。そして、十二年度の検査報告は、先ほど申し上げましたんですが、基盤センターそのものを取り上げたと。そして、その出資先の会社、出資先の会社の経営や財務状況をも調べたわけであります。そして、その結果を問題点として指摘したわけでございます。 したがって、その十三年度の全般を分析した中身と若干その記述の内容が違っておるという点でございまして、他意があったわけではございません。お願い申し上げます。 ○又市征治君 我々も参議院改革で決算重視ということに取り組んでいるわけでありますが、過年度の批判、反省をすぐに生かせるように、そういう意味では今の説明は了解いたしましたが、決算報告も時点を現在に、できるだけ引き寄せて、そういう内容にやっぱりしていただくようにお願いをしておきたいと思うんです。 次に、配付をしました資料を参照いただきたいと思いますが、この十一月の検査報告では、産投特会が出資するすべての財投機関の欠損額の合計で、通常の貸借対照表、略してBSと言わせていただきますが、これでいいますと二千八百七十五億円。そこには民間BSと書きましたけれども、企業としてのBSを適用すればその二倍強の六千百九十五億円とあるわけですね。これは会計検査院が出された資料から出しました。 基盤センターについても、検査院は同様に二通りの金額を書いておられるわけですが、今回経済産業省が、この真ん中の欄ですけれども、二千六百八十四億九千四百万円、ここのところを、時点のとらえ方で違いがありまして二千七百七十億円だというふうにお認めになりましたから、そういう意味では、この数字で見てまいりますと、民間BSの方が実態を反映していると、こういうことなんだろうと思いますね。 だから、政府も、今後はこれでやっぱり評価すべきだろうと思うんです。つまり、全体の欠損可能性は、その上の欄、見ていただくと分かるとおり、約六千二百億円、こういう数字が実態なんだろうと思うんです。 これについて、検査院はどう見られますか。 ○説明員(石野秀世君=会計検査院事務総局第一局長) 今お話しの通常BSといいますのは、毎年度、特殊法人等の設置法等の規定により作成されておるというものでございまして、その作成に当たっての会計処理は、昭和六十二年に制定された特殊法人等会計処理基準によるということになってございます。 この中では、例えば、出資により取得した資産というものは取得価格で計上するというふうなことになってございます。これに対しまして、我々も記述いたしましたが、民間BSといいますのは、特殊法人等の業務運営に係る国民負担がどれだけあるのかということを明確にするため、特殊法人等が民間企業と同様の活動を行っているというふうに仮定して、企業会計原則等に従って作成するということとなりました行政コスト計算書の中の一つであります、添付資料の一つであります民間企業仮定貸借対照表と言われるものでございます。 これによりますと、例えば今の出資により取得した資産といいますのは、原則は当期取得価格ということでございますが、その後のその出資企業の財務内容が例えば著しく悪化したといった場合には、その当該企業の実質価格について相当の減額を行うというふうな処理を行って計上するということになってございまして、それぞれ通常BSとは取扱いが異なっているというふうに考えるところでございます。 ○又市征治君 いや、そんなことを聞いたんじゃなくて、現実は六千二百億円という数字を使っていく方がいいんじゃないですかということを申し上げたんです。そういう、今これは財務省、答弁要りませんが、財務省通達では民間BSを参照せよという通達を出されていますから、そういう方向に進んでいるんだろうと思います。 そこで、財務大臣にお伺いをいたしますが、塩川大臣、今お聞きのとおり、大臣お預かりになっているお金が二千七百七十億円、あなたの目の前で雲散霧消したわけであります。総務省や経済産業省は、これは特許権が陳腐化をして特許利用料を稼げなかったとか技術が蓄積されたからいいんだとかという、こういう弁明があるようですけれども、国民の資産を預かる財務当局としてはそれでは済まないんじゃないですか。 第一に、出資金は補助金とは明確に区分をされるわけでありまして、配当を期待できるから出資しているわけですね。その出資金が二千七百億円消えたと。このことについて、財政秩序の上から一体全体どのように認識されているのかというのが一つ。 二つ目に、民間企業なら親会社が子会社をつぶす前に善かれあしかれ一円でもがめつく損失を取り戻してから撤退をする、これは資本主義のシャバですから当然なんですね。しかし、今回の基盤センターの解散に当たっては、産投特会、つまり財務省は何も苦心をされた形跡は私には見当たらない。どうせ税金だし、法改正は済んで、出資はなかったものにされた、出資はなかったことにされたんですね、これ、現実に。で、責任は問われない。こういう無責任さは私は国民から大変指弾されると思うんですよ。その経営陣の一体全体責任というのはどういうふうになされたのか。 この二つ、大臣からお答えいただきたいと思います。 ○国務大臣(塩川正十郎君=財務大臣) この種の産業振興とかあるいは技術研修とかいうのは出資金の形とそれから基金という格好でやっておるのもございますし、いたしますが、要するにこの出資金というのは、民間で言いますところの資本金という、配当を期待した資本金という、そういう感覚とちょっと違うのでございまして、要するに、これ極端な言い方で恐縮でございますけれども、出資金、基金というのは、要するにその金を必要があれば使ってやったらよろしいよという、そういう意味のお金なんでございまして、ですから、技術開発とかいうのは、その起こってくるところのその成果というものが国民に還元されていけばいいという性質のものでございますから、そこから配当を期待するということはなかなか難しい。ですから、最近におきましては、総合科学技術会議等におきまして言われておりますところの競争的研究資金とございますね、そういう方向にだんだんとこれから切り替えていくべきではないかと思っておりまして、その意味において、この出資金あるいは基金というものの在り方を検討する時期に来ておると私は思っております。 現に、経産省関係になるのであろうと思いますけれども、技術関係で、もうほとんど出資金、食ってしまって、マイナスのところがたくさんある。けれども、それじゃ、そのセンターなり技術研究所は何にも国民に寄与していないのかと言えば、いや、そうじゃない。大変な寄与をしておるものがあって、その技術は民間企業に波及しておって、それがために国際競争力に役立っておるものたくさんあるんです。しかし、いわゆる、おっしゃるように、BS勘定だということで見たら、これはもうマイナスでどうにもならぬとありまして、個々の名前を私は挙げませんけれども、そういうところがあるということは事実です。 ですから、おっしゃるように、私は一つの、注目して見るべき一つの課題であるということは思いますけれども、だからといって出資金はけしからぬ、基金はけしからぬということには一概にはならないと実は思って検討しておるところです。 ○又市征治君 大臣、それはおかしいんで、設立の趣旨が、出資をして配当が返ってきますよ、特許を売りますよと、こうおっしゃって、それこそその当時の国会議員に諮って作ったわけですよ。そうでなくなったら、いやこれは、中身は、性格がちょっと違うんでという話されてもこれは困るので、いずれにしても、一体全体、この問題、反省をして、一体この特会運営をどうするのかというのが問われていると思うんですね。 会計検査院も、これは検査報告の中で、そのまとめの中で、特殊法人等に対する国の出資は抜本的に見直すこととされていると駄目を押しているわけですね。利益を上げないところには出資は駄目ですよ、こういう指摘ですけれども、ちょっと大臣の今おっしゃったような格好じゃこれは守られませんよ、これでは。産投特会が出資している二十七機関、三十五勘定のうち大多数が回収不能のおそれの強い不良債権になっているのは、これは検査院の指摘されているとおりなんです。 財務不良の団体には追加出資をしないなど抑制すべきではないか。また、そもそも配当回収見込みのない団体に出資をしない。みんなには、国民には、いやこれはこれだけの金出すけれども、NTTの売却益をここに持っていくけれども、実はそれは配当で返ってくるんですよ、特許を売ってどんどん入ってくるんですよと、こう言ったんですよ。ここのところを、こういう回収見込みのない団体には出資をしないというのが筋じゃないのか。改革の方向としてそのことが一つ。 二つ目に、財源の問題として、三兆八千六百億円の資産がこの特会にはあるわけですね。そのうち四五%、一兆七千三百億円が一般会計から実は来ている、大変な話なんですよ。しかし、財投特会自体は毎年黒字で、二〇〇一年度も八百、約八百三十億円の利益を上げて積立てを増やしているわけです。 一般会計が財政厳しき折、それこそ、財務大臣、この間あなたがおっしゃった、「母屋はおかゆをすすっとるのに離れではすき焼き食っておるやないか」と、こうあなたはおっしゃって、こういうところをみんな見直さなきゃいかぬとこうおっしゃった。 問題、少なくとも検査院が指摘をされているように、最近の一般会計からの繰入れ、これ五千九百八十億円、これは取りやめて、特会を縮小して古くからの資金の枠内でやる努力をすべきじゃないですか。この二点をお聞きをします。 ○政府参考人(寺澤辰麿君=財務省理財局長) お答え申し上げます。 産業投資特別会計は、政策的な必要性に基づきまして、リターンが期待できる一方、民間だけでは十分リスクを取れない政策分野に対しまして、出資という形で政策の実施を行っているところでございます。現時点において、その大部分が収益を納付していないということはそのとおりでございますが、現在政策目的に沿った事業は実施されているということでございます。 なお、出資金額全体について見ますと、十三年度末で御指摘のように三兆七千八百六十四億円の出資金残高がございますが、出資先から国庫納付金等の利益還元額は一兆六千五百四十九億円、出資金残高の四三・七%に及んでいるところでございます。 財務省といたしましては、各機関及び所管省庁に対しまして、出資の実行や決算など様々な機会をとらえまして事業実施についてモニタリングを行い、政策目的に沿った運営が行われるよう要請してきているところでございます。 また、一般会計からの繰入れでございますが、一般会計から、御指摘のように一兆七千三百二十八億円繰入れを行っておりますが、昭和五十五年度までの繰入れ、これが一兆一千三百四十八億円でございます。それから、平成四年度以降の繰入れは、緊急経済対策等に伴う資金需要を対応するためのものでございまして、これが約六千億円弱ございます。また一方、産業投資特別会計におきまして、これまで一般会計に繰入れを、繰り戻すといいますか、行っておりまして、その累計額は七千二百六十八億円になっております。 いずれにいたしましても、産業投資特別会計は投資収益を再び投資に充てるという仕組みとなっておりますので、一般会計に返済することがいいかどうかにつきましては、投資という形での政策推進の必要性と一般会計の状況等を総合的に勘案しながら判断されるべき問題であると考えております。 ○又市征治君 この基盤技術研究促進センター、この三月三十一日で解散をして、残務の一部は総務省所管の通信・放送機構が継承したわけですね。ところが、見てみますと、そこにも、皆さんの資料にもございますように、通信・放送機構だって産投特会から一〇〇%出資を受けて、三つの勘定科目で合計二百五十八億円の出資を受けて、しかし、欠損が二〇〇一年度決算ベースで七十八億円ないし八十五億円出ているわけですね。出資金を経常経費に食いつぶして辛うじて生き延びている欠損団体ですよ、これも。 そこで、財務省にもう一遍お聞きをしますが、言わば禁治産者である法人が自分より大きな禁治産者の負債を相続する、こんなことあるんですか。こんな問題やっていて、何か訳の分からぬ説明なさっている。これは説明つきませんよ、国民には。また、二〇〇三年度予算では、今まで基盤センターに出資した前述の二百六十億円を、何の反省も改革もなくまた同じに通信・放送機構その他の機関に出資して分配しようとされている。こうして何年か後にはまた産投特会はですね、再び出資、回収ができなくなる、こういうことになるんじゃないですか。この点、もう一遍改めて説明してください。 ○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。 御指摘のように、基盤技術研究促進センターの業務により形成された資産で、解散時におきまして整理が終了しなかったもの、これはきちっと管理をしなければいけないということで、基盤センターと類似した業務を行っている通信・放送機構や新エネルギー・産業技術総合開発機構にその資産を承継させて、回収の最大化を図るということとしたものでございます。これは、それぞれの機関に勘定区分を設けまして、適正に管理をする、管理、回収をするということになっているところでございます。 また、新たにこの二法人に出資しているのではないかということでございますが、それぞれの言わば応用研究に至るまでの基盤技術といいますか基礎研究と応用研究の中間辺りの、非常にリスクはあるけれども国民経済的に見て非常に重要な研究は引き続き推し進めていく必要があるということで、この二法人において研究を進めているわけでございますが、従来の基盤センターとは異なりまして、この二法人におきましては研究事業の選定に当たって提案公募制を採用する、またその支援方法として、従来の出資方式を改めまして委託方式、いわゆるバイ・ドール方式を採用するといったような、民間の創意、活力を最大限引き出すことによりまして、研究の効率性を確保し、成果の積極的な活用を図ることとしているところでございます。 ○又市征治君 会計検査院からも指摘を受けている、例えば昨年の八月の行革の中の特殊法人見直しの中でも、通信・放送機構に対しては、産投特会からの出資受け入れであるとか一般会計からの出資受け入れであるとか、それと機構から他への孫出資をいずれも廃止せよ、こう注文されているわけですね。しかし、今おっしゃるような一般論で、何一つ改めるような話になっていないじゃないですか。これはやっぱり国策だと、私、産業投資会計そのものを全部要らぬなんてそんなこと言っているんじゃないんですよ。少なくとも、やっぱり大臣もおっしゃったように、こうした特別会計だとかこういうものはしっかり見直さなきゃいかぬとこうおっしゃっているけれども、現実にこの問題になったら何にもそんなことが出てこぬじゃないですか。国策とか産業投資の名の下においてNTTの株の売却益であるとか、あるいは税金をこんな格好で放漫な貸出しをするというのは問題だ、抜本的にこれは見直しをしてくださいと、こう言っているわけですよ。 そのことを強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。 |
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