| 第156回通常国会 |
| 2003年5月23日 決算委員会 |
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| (1)産投特会と、国民の資産を喰い散らかす天下り官僚 |
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| ○又市征治君 社民党の又市でございます。 前回に続きまして、産業投資特別会計について質問をいたしたいと思います。 二〇〇一年度決算において、出資先の二十七機関全体で六千百九十五億円の欠損が出ていた。その中でも代表的な不良債権先であった基盤技術研究促進センターは、今年四月一日付けで括弧付きの倒産、つまり解散をし、つぎ込まれた財政のうち二千七百七十億円の出資はなかったものだと、こういうふうに処理をされたということですね。 というよりも、一九八五年にNTT株の政府保有義務が決まったときに、以後、その配当、毎年約二百六十億円ですけれども、これを経済産業省と総務省の関係で使おうと計画をしたのが、この基盤センターの設立と毎年の出資という名の補助金だったんだろうと思うんです。これは当時の報道でもそんなふうに言われていました。 そこで、財務省に先にお伺いをしてまいりますが、国有財産法第二条一項第六号に定める出資は補助金とどう違うのか、特に同法の十条、十一条の管理、処分の扱いについて説明をいただきたいと思います。 ○政府参考人(寺澤辰麿君=財務省理財局長) お答えいたします。 国有財産法第二条第一項第六号に言います出資による権利というのは、国が一定の政策目的を達成するために、特別の法人等に対しまして、その財産的基礎を付与すべく法律に基づいて出資をして得た権利でございまして、これは残余財産分配請求権とか利益配当請求権といった財産的権利を有しておりますので、国有財産として国有財産台帳に記載をいたします。主務大臣が原則的にこれを管理し、財務大臣が総括をするということになっているわけでございます。 一方、補助金につきましては、一般に国が一定の政策目的を達成するため、反対給付を求めることなく交付される金銭的給付でございますので、ただいま申し上げましたような国有財産としての位置付けはないということで、各省大臣が、補助金を交付いたします各省大臣が補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づいて管理をするということになっているものでございます。 ○又市征治君 今、御説明あったように、出資金は、そういう権利を伴う、したがって補助金とは会計上全く性質が異なるということですね。 国の出資金が毀損することはあってはならない。だから、会計検査院も、十二年度は基盤センターについて、また十三年度は更に広げて産投特会全体について毀損の警告をしたわけですね。 前回、塩川大臣は答弁で、出資金あるいは基金の在り方を検討する時期には来ていると、こんなことを言いながら、この種の出資金は初めから元本すらも当てにしなかったような口ぶりだったんですが、これは大変、今おっしゃったことからいっても大変問題がある。 返ってこないことが分かっているなら、百歩譲って、今おっしゃったように初めから補助金として計上すべきだったんではないかと、こう思うんですが、財務省の考え方をお聞きしたいと思うんです。 ○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。 先日の財務大臣の答弁の趣旨でございますが、国が産業振興のために行います基盤センター等に対します出資、これは御指摘のように、出資金の回収期待という問題のほかに、成果技術が民間企業へ波及いたしまして国際競争力が高まることを想定しながら政策目的の実現を目指したものであると、そういう意味で、通常、民間で行われております配当を期待した出資とは必ずしも同一の性格の出資ではないと考えているということを答弁されたというふうに認識しております。 産投から基盤センターへの出資がなぜ行われるかということでございますが、これは基盤技術に関する試験研究というリターンが期待できるという一方で、民間では十分にリスクを取れない政策分野、これに対しまして、得られた技術の活用により国民経済の発展の基盤を形成するという政策目的に従って実施されているというふうに考えております。 ○又市征治君 国有財産法の、先ほども話がありましたが、第十一条には、「常時その状況を明らかにして置かなければならない。」と、こういうふうになっているわけですね。 ところが、少なくとも三年前にはほぼこの欠損額が知られておりましたけれども、産投特会の帳簿上は、欠損はどこにも示されてこなかった。で、十一条の公表の義務に関する財務省は、そういう意味じゃ怠慢だと言われてもこれはしようがなくなるんじゃないのかと、こういうことがあるんだろうと思うんですね。いや、だから、出資という扱いを続けてきたために、こんな大きな欠損が倒産直前まで覆い隠されてきた。この点からも出資という扱いはやっぱり見通し違い、この当初の扱いですよ。この出資という扱いは当初の見込み違いであったり、やっぱり誤りがあったんではないかと、こう私は言わざるを得ぬので、この点は改善される意思があるのかどうか、この点をお聞きします。 ○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。 御指摘のように、国有財産法第十一条には、財務大臣は、「国有財産につき、その現況に関する記録を備え、常時その状況を明らかにして置かなければならない。」と定めております。この趣旨は、財務大臣が国有財産につきまして総括事務を遂行するということから、各省各庁のいわゆる所管大臣が管理いたします国有財産台帳とは別に国有財産の現況に関する記録を基礎的資料として整備すべきことを規定したものでございます。現在、政府出資法人について財務大臣が持っております記録といたしましては、各政府出資法人の出資者、出資額、沿革、役員、機構等を記載いたしました政府出資法人要覧を整備しているわけでございます。これはそういう意味で、非常に簡易な記録ということでございます。 なお、先生御指摘の出資財産の現況に関する中身はちゃんと見ておらないのではないかということにつきましては、財務省といたしましては、各政府出資法人が行政コスト計算書として作成しております民間企業仮定貸借対照表、この計数を集計いたしまして、この民間企業仮定貸借対照表におきましては、企業会計原則にのっとって、出資金につきまして減損処理がなされております。この範囲で出資した会社の財務状況を把握し、これを公表しているところでございます。 ○又市征治君 説明だけあるけれども、私はどう改めるというんですかと、こう聞いているんです。そこのところが全然。 ○政府参考人(寺澤辰麿君) 一般論として申し上げますと、出資をしたその法人の財務状況は適宜把握しておりますけれども、それではその時々の状況で減資をするかという御趣旨だと思いますけれども、それぞれの根拠法におきまして減資規定があるものとないものがございます。ほとんどないと思いますが、これはその研究等が継続されております限りにおいて、あるいは画期的な成果が出てくるかもしれないというようなこともあって、最終的にはその時々の状況は把握しておりますけれども、法律に基づいて減資をしているということでございまして、今回も法律の規定によって減資をしているということでございます。 ○又市征治君 どうもこの間から聞いておって、特別会計を見直さにゃいかぬとか、こういう出資金や基金の問題は見直さにゃいかぬと、こう言っていながら、どうもここになると財務当局はえらい保守的ですね。検査院からも行革事務局からも出資は駄目だと、こう、さんざん言われているわけですよ。ここのところをどう改めるのかと、こう私はお聞きしているんで、これはしっかりと後ほどまたお答えいただきたいと思いますが。 そこで、先ほど平沼大臣にこの産投、今の基盤センターの問題、出資をして配当も考えてきたけれども、そういうのはもう限界に来ておった、したがってそういう意味で解散処理をしていくということのような趣旨をお答えになったわけですね。したがって、先ほども申し上げましたが、これを解散して出資はなかったものという基盤技術円滑化法の改正を行って、そういう処理を行ったわけですね。で、今後は出資をやめて委託にすると、こういう格好になっていますね。しかし、いわゆるバイ・ドール方式だから、出た成果、知的財産権はすべて企業に渡すと、こういうことですね。 つまり、これは事実上の補助金という扱いになっていくんだろうと思う。本当の委託ならばまた逆に成果は国に帰属してこなきゃならぬ、こういう理屈になるんじゃないでしょうか。行革本部もNEDO等からの孫出資について、出資は全部廃止をし、補助金に改めよと、こう言っているわけですよね。 私は、この出すお金の内容には賛成じゃありませんけれども、財政ルールとしては補助金の方が明瞭になるのではないのか。それを補助金と呼ばずに委託と呼ぶのは、いかにも政府にまだ権利があるかのような、こういう装いを持ち、本当の意味で国民に対して丁寧な説明をするという、こんなことになっていないんではないのかと。この点、どうお考えになるのか、少し御見解をお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(中村薫君=経済産業省産業技術環境局長) お答えいたします。 まず、この基盤技術センターの出資制度については、委員御指摘のとおり、特許料収入から配当によって資金を回収するという手法には限界があるということで、十三年度からNEDOに、その制度を廃止して、今、委託契約制度に移行したわけでございます。 考え方として、私どもは技術について大体どういう考え方でやっているかということでございますが、一番企業に近いところといいますか、それについては補助金でやっております。これは本来企業がやる、やってもうけるところを国がプッシュするという意味で、実用化研究のところなどはやっております。例えば福祉機器であるとか、ああいうものについては補助金でプッシュしております。それから、他方で、基礎的な研究といいますと、これはNEDOの制度にもありますが、やはり学者、余りはっきり言って基盤、非常に基礎的なところでございますから、これは委託契約でやっております。 今般、ただ、この基礎から応用に移る部分、そういう部分については、今までやっていたのは、経産省は基盤センターで出資という形でやっていたわけですが、これは要するに余り実効が上がらないと。今般やろうとしているのは、委託でやると。ただ、この委託というのは、委託と補助金でどうして差を付けたかということでございますが、非常に、何というか・・・ ○又市征治君 簡潔にしてください。 ○政府参考人(中村薫君) 要するにあれでございまして、まず補助金はもう向こうに行きっ放しだと。委託の場合は、これはあくまで権利は国が持っていると。ただし、バイ・ドールによって相手方に特許権は渡すことができる。ただし、こいつが使わなければ、また戻してほかのやつにも渡すことができるということで、あくまでこの制度においては基本的な権利は国が持っていると、国がといいますかNEDOが持っているという考え方でやっております。 ○又市征治君 ちょっと意見がございますけれども、時間の関係で次に移ります。 ところで、この基盤センターは、先ほど申し上げたように、倒産というか解散したんですが、同じく産投特会から出資を受け、これに次いで多額の欠損を出しているのが経済産業省所管の情報処理振興事業協会、略称IPAですね。 今日、私の方から資料をお配りさせていただきましたが、ちょっと一番上の数字が間違っていまして、これは六百八十一億、六百四十一億となっていますが、六百八十一億の誤りですけれども。 資料をごらんのとおり、検査報告によれば、産投特会から六百八十一億円の出資残高があり、それに相当する欠損額は五百八十一億円。このほか一般会計からの出資がもっとあって、両会計合計では三千二百二十五億円ですけれども、これも欠損になるんではないか。会計検査院が、機関の解散などによって国の出資が毀損するおそれがある、こう警告している中の恐らくこれが二番手になってくるんだろうと私は思います。 調べてみますと、役員六名おられますけれども、役員六名調べてみたら何と、通産省の元審議官、特許庁長官、工業技術院研究所長、大蔵大臣官房審議官、会計検査院、工業技術院総務部何とか審議官、役員全部天下りばかりじゃないですか。 そして、産投からこのIPAへの出資金六百八十一億、こうなっているわけですね。これ、回収見通し、どうですか。これも出すことに意義あるということで、回収、全くないというんじゃないでしょうね。ちょっとお聞きをいたします。 ○政府参考人(林洋和君=経済産業省商務情報政策局長) お答え申し上げます。 産投会計からの出資金六百八十一億円の回収見込みでございますが、これにつきましては、独立行政法人になることを踏まえまして、継続することが困難と思われる事業については終了して残余を国庫に納付することとしております。 独法後も継続する事業については、事業スキームの見直しを図り、収益の改善に努力してまいる所存でございまして、外部の専門家の意見や評価を入れてやっていきたいと思っておりますが、ちなみに、具体的に終了する事業、高度プログラム安定供給事業、効率化プログラム事業、地域教材開発事業、この三つでございます。 ○又市征治君 このIPAに対して行革本部は二〇〇一年八月の見直しで何と要求しているか、ちょっと二、三紹介をします。 プログラム開発事業はもはや幼稚産業ではないから、新規の研究は凍結をする、出資金は廃止し、重点配分の上、補助金に置き換える、費消された国からの出資金について実態を公開をする、出資等収益の還元が予定されているものについては収支の公表と改善策を取れと、その他合計十四項目が指摘されているわけです。何のことはない、ほとんど破産宣告ですよ。これに対する経済産業省側の回答の方も、IPAに限れば、十四項目のうち、御指摘を踏まえ検討しますというのが六項目もある。その他の項目もほとんど反論なさらず、ほとんど白旗を揚げたような回答ぶりに思います。 だから、これももう、先ほどの松井委員の話じゃありませんけれども、解散という措置を取った方がいいんじゃないですか、これは、六人の天下りポストは減りますけれども。ここら辺、大臣、やっぱり僕はここはもう決断をする時期だと思うんですが、この点について、またずらずらと引っ張っていくおつもりなのかどうか、この点をお聞きをいたします。 ○国務大臣(平沼赳夫君=経済産業大臣) 又市先生御指摘のとおり、このIPAについては、平成十三年八月の段階では、行革事務局より御指摘のような考え方が示されているということは事実でございます。 当省といたしましては、このような指摘も踏まえまして、我が国ソフトウエア産業の競争力強化のためには何が必要かという観点からIPAの在り方について検討を進めてきたところであります。 御指摘のプログラム開発事業は、もはや幼稚産業ではないか、こういう点でございますけれども、確かに広く一般に使われる商用のソフトウエアについては民間企業による提供が十分行われるようになってきており、商用プログラムの量的な支援という面での国の役割は終了したと、このように思っております。しかしながら、我が国は年間約九千二百億円のソフトウエアを輸入している国でございます。残念ながら輸出は九十億円にとどまっておりまして、我が国のソフトウエア産業の競争力を強化するための問題は正に山積をしていると、こう言っても過言でないと思っております。したがいまして、IPAとしても引き続き積極的な役割を果たす、このことは必要だと私ども思っております。 いろいろな検討を踏まえまして、IPAについては、先ほど答弁をさせていただきましたけれども、独立行政法人化することとし、平成十四年の十二月に関係の法律が成立をいたしまして、十六年の一月に独立行政法人となることになっております。 この組織体制の変更に当たっては、行革の事務局の指摘も十分勘案をいたしまして、先ほど局長から御答弁をいたしました三つに絞って事業の見直し、そして活用を行っていくと、こういうことでございまして、解散すればいいではないかと、こういう御指摘でございますけれども、まだ、このソフトウエアということを考えてみますと、まだまだ果たすべき役割があり、御指摘を踏まえながら、国民の皆様方に本当に疑念を抱かれないようなそういう体制で私どもはしっかりとやっていかなければいけない、このように思っております。 ○又市征治君 時間がなくなりましたので、意見だけ申し上げて終わりたいと思います。 確かに、この後、二〇〇二年、二〇〇三年度の予算を見ますと、反省をされて大幅に予算が縮小していますね。しかし、私が指摘した問題の本質は次の三つの点でどうも変わっていないように思うんです。 一つは、政府つまり国民の出資、三千二百二十五億円が何ら形ある資産としては残っていない。当事者は初めから、実際は補助金なんだ、ノーリターンでいいんだと、こう開き直っておる、こういう状況がある。このまま解散すれば、前回の基盤センターと同様、国民の資産が毀損される、こういうことになるわけ。出資を続けてきた担当大臣のやっぱり責任というのは重大だと、こう言われざるを得ないと思うんです。 二つ目に、行革事務局が一番問題にして、もう幼稚産業ではないから廃止しろと、こう言った特定プログラム開発事業を見ますと、ここだけはほとんど減っていない。国家情報戦略を担う中核機関どころか、しっぽにくっ付いて無駄な利権をむさぼっていると言わざるを得ない。もっと徹底した、やっぱり監査が必要だろうと、こう思います。 そして、最後になりますが、天下り官僚による国民の資産の食い散らかし、こういうメカニズムの一つに使われている。今、国家公務員法の改正問題出ていますけれども、特権官僚制度は温存し、それどころか天下りの規制緩和をしよう、こうなっているわけですが、今ほど申し上げてきたように、二千億、三千億という国家資産があちこちで毀損をする、こんなことを企画している、こういう天下り官僚を許していくというわけにはいかない。 今後とも、当委員会としても、こうした特別会計をしっかりやっぱり監査をし、そして参議院の使命というものを果たしていかなきゃいけないんではないか、そんな決意も申し添えて終わりたいと思います。ありがとうございました。 |
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