| 第156回通常国会 |
| 2003年5月27日 総務委員会 |
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| (1)景気回復を阻む労働条件・労働法制の改悪 (2)賃金・退職金のデフレスパイラル (3)不明朗な天下り官僚の退職金の二重取り |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 この法案(国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案)が退職金引下げの根拠とする民間の退職金であるとか、あるいはその基礎になっている賃金や雇用全般の実情はどうか。依然として厳しい賃下げやリストラの嵐が吹き荒れているというのは皆さん御存じのとおりです。 一方で、トヨタ自動車を始めとした一部の大企業が巨額の利益を計上していますけれども、ところがそこの賃金といえども、首切りの脅しを背景に、資本の側の一方的な力によって決定されている。労働者は空前の利益の分配にあずかるどころか、賃下げ、リストラをのまされて生活を脅かされているというのが残念ながら、今の日本の企業の実情だろうと思います。 企業全般を見てみましても、減収増益、つまり売らずにもうけるという、こんな異常な決算というのがざらになっているわけで、じゃ一体、減収で、何で増益になるのか。言うまでもなく、賃金やあるいは退職金の引下げ、さらには過労死に象徴されるような労働強化などというのがこの原因になっているわけですね。 このように、今の賃金、退職金は労使対等の交渉で決められるということにはなり得ないで、企業側の一方的なものが非常に多くなっている、こういう状況にあります。 こうした民間の実情をそのまま横引きして、マイナス五・六%だったから六%下げましょうやというのがこの法案の実は中身ですね。 ところが、一方で政府は、今労働基準法などの改悪によって、企業側からの解雇の自由化を始めとして、有期雇用の乱用であるとかあるいは製造業等への裁量労働制の導入、あるいは労働者の権利を奪う一連の法改悪というのが成立させようとされているわけですが、そこで大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これは閣議で出しているわけですから、景気低迷の政治責任はこの際置きますけれども、この労働法制改悪が更に労働者の、労働組合の交渉力を弱めて賃下げや雇用不安を拡大をしていく、そういう圧力となっていく、そしてやはり景気回復を遅らせてきているし、また遅らせていく、こういうことになっていくんではないのか。このことについて、大変発言力のある大臣として、閣議でこのような問題を閣議決定されて出されているわけですが、ちょっとこの件についての見解を承りたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣) 公務員の場合にはやっぱり官民均衡、民間準拠という大原則がありますからね。給与を下げる、退職金を下げるということが景気に私もプラスだと思いません。しかし、同時にやっぱり国民の納得をいただくということがありますので、景気に必ずしもプラスでないからといって、それじゃ公務員だけがこういう状況の中で今までの既得権として給与や退職金を守っていくというのもなかなか国民の理解が得られないと。 こういうことでございまして、なかなかつらいところでございますけれども、今一生懸命経済活性化のための努力もいたしておりますし、株価対策等も、ここは官庁もおられますけれども、与党で一生懸命知恵を出そう、政府も頑張ろうと、こういうことでございまして、総力を挙げて今の状況を打開していくということが必要じゃなかろうかと。そういう中で公務員の労働環境、執務環境というのも変えていく、こういうことではないかと。答えになっておりませんけれども、ひとつ御理解を賜りたいと思います。 ○又市征治君 民間におけるこうした賃下げや人減らしによる減収増益という、こういう異常な体質、あるいは、そしてそれがデフレ不況を深刻化させているこういう実態、こんなことが放置をされて、その上で更にそれを加速させるような労働法制の改悪がやられる。このことの責任を問う声というのは、あるいはそういう怨嗟の声というのは非常に高いわけですね。 だから、私も、今、大臣がおっしゃったように、退職金といえども民間実態に対応しましてそれは引き下げることもあり得るというのは、それは当然認めますよ。ただ、問題は、今日的なこういう経済状態の中で、民が下がった、だから、はい今度は官も下げます、今度は官が下がったからまた民も下げていきます、こういう賃金やあるいは退職金の問題でもデフレスパイラルを起こしていくという、こういった面で一体全体、日本の景気に与えていく影響その他を含めて、だから私は、この言ってみれば労働法制改悪や今日の景気対策、そういう問題も一体でないかと、こんなことを実は申し上げたかったわけです。そういう点で大臣の見解をお聞きしたかったと、こう申し上げているわけであります。 そこで、時間もございませんので、先ほど来出ています天下りの退職金の二重取り、三重取りの問題、これについて取り上げたいと思うんですが、これはやめると、こうされているわけですね。しかし、どうも高級公務員の過半数が天下りをしているという実態があります。 例えば、調べてみましたら、二〇〇一年八月から一年間、去年の八月までですね、本省課長級以上の再就職者一千八十六名のうち五四・四%が特殊法人などに天下りをしている、こういうことですね。法律で制限されている営利法人への就職が一六・九%ですから、これよりも非常に多い天下り実態、こういう状況になっています。特殊法人などが高級公務員の天下りポストのために作られているんだと、こう言われるぐらいの実態だと。全部が全部そうじゃないかもしれませんが、しかしそのぐらいに言われる実態だと。 そこで伺うわけですが、今回から国へ戻ってくることを条件に法人の方は退職金を払わないことにする、こういうわけですね。ということは、公務員としての定年の前にいったん出てまた戻って全部終わらせるということになるのか。つまり、従来よりもうんと若く特殊法人などに出していこうというこういう考え方なのか。まさかこの人だけを定年を延長したり、形式的に一日在職させて公務員として退職金を払うとかなどということは、これはあるわけはないだろうと思いますが、戻ってから何か月とかあるいは何年とか勤めさせるという、何かそんなことを考えておいでですか。 ○国務大臣(片山虎之助君) 原則、行ったら帰っていただくと、こういうことにいたしておりまして、帰し方で、それは帰ってすぐ辞めるというのは具合悪いですね、一日。それは、運用上ですよ。帰ってもしっかり仕事をしていただいて辞めていただくと、それは退職金払うんですから、通算で。そういう意味では、者によっては今までより早く出向してもらうということはあるかもしれませんですね。 今度、特殊法人という意味では郵政公社がスタートしましたけれども、若い人は五十一、二の理事がおるんですね。だから、こういう人が仮に今までのようにずっとおるということになると、郵政公社も困っちゃうんですよね、理事さんでずっと。 だから、そういう意味では、やっぱり一遍帰っていただいて、こういうのがいいので、そういういい慣行をこれから是非作っていきたいと、こういうふうに思っておりまして、そういうことの中で、出戻りと言うたら悪うございますけれども、出て戻った人にどのくらいどういう仕事をやっていただいて、最終的な退職管理をどうやるか、これは十分研究してもらいたいと思っております。 ○又市征治君 役所の方で答えないで大臣の方に特別振られましたから、衆議院の段階で、大臣ね、うちの重野委員がこれを聞きましたときに、大臣は、法人で二年か四年が目安になるんじゃないかと、こういうふうに答えて、一方では復帰を役所側のローテーションでやるのは良くないと、こういうふうに答えておられるわけですが、このことは確認してよろしいですね。 ○国務大臣(片山虎之助君) 役員というのは、理事さん大体二年か、長いのが四年というのがあるけれども、二期というと四年ですね。大体二年で今行っておりますから、そのくらいが一つの目安になるんじゃないでしょうか。二年で帰ってきていただく場合もあるし、仕事の関係でもう一期という、あるいはその途中ということもあるのかもしれませんが、そういうふうに衆議院ではお答え申し上げました。 ○又市征治君 最後に、公務員制度についてお伺いをしておきたいと思います。 公務員制度問題、随分と今度の国会で議論をしてまいりました。労働基本権を話し合うため、あるいはどこまでが労働条件かという問題など含めていろいろとありました。じっくり協議をしてこの公務員制度の、公務員法制出すのかと思っておりましたら、一部の報道では、またぎりぎり駆け込みで来月の上旬にも法案を国会に出したい。来月十八日に会期末だといっているのに、十日とかに出したいなんて、こんな話が伝わってくる。 これは本当に、坂口厚生労働大臣が今年のメーデーの集会へ行って、四段階、労働基本権問題などについて四段階にわたって提言をして、発言をされたわけですね。これは内閣を代表してメーデーに出ていって発言されているわけですが、これに反する、こういうことだろうと思いますが、ここのところは今現在どういうふうになっているのか。これは大臣なのか事務方なのか分かりませんが、現実お聞きになっているところはどういう流れになり、どういうふうにされていこうとしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(片山虎之助君) 今、事務方は改正案を出すように法制的な検討を含めて準備を進めております。せんだっても閣議の後、四大臣、官房長官に私に坂口大臣、石原大臣と相談しまして、どうするかと。鋭意今までの方針で検討を続けていこうと。ただ、職員団体との話合いも十分やろうと、こういうことにいたしておりますから、基本的なスタンスは変わっておりませんが、いろいろ新しい制度を仕組むものですから難しい点がありますし、職員団体の皆さん、なおいろんな御意見がありますから、その辺は十分時間を掛けて調整してまいりたいと、できるだけ話し合いたいと、こう思っております。 ○委員長(山崎力君) 時間でございますので、おまとめ願います。 ○又市征治君 既に、先月ILOから労働側代表が来まして、内閣官房長官あるいは坂口労働大臣にお会いになっていっている。そのときに政府側から発言されている内容、そして坂口さんがILOの事務局長にお会いになってきてお話ししている内容、こういうものと整合性が取れない格好にならないように、労働組合と十分話をした合意の上でやはり出していただくような努力を重ねて大臣にもお願いをして、終わりたいと思います。 |
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