| 第156回通常国会 |
| 2003年6月2日 決算委員会 |
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| (1)黒部川出し平ダムの大量排砂問題 (2)電源開発促進対策特別会計は利権の温床 (3)自治体に協力を強いる立地交付金の発電実績型算定 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 私は、今度の決算委員会では特別会計の問題点をずっと取り上げてまいりましたが、今日はさきに取り上げました、初めに関西電力の黒部川ダムの、黒部川の出し平ダムの大量排砂問題、これについて引き続きお聞きをしたいと思います。 一九九一年に関西電力が富山県の黒部川の出し平ダムで大量の排砂をして、ヘドロが下流の海にまで大量に流れて漁業被害を起こした。今も海は回復していないという状況にあるわけです。これの反省をどうしたかということなんですが、地元と協議会を作って、以後円満にやっているというわけですけれども、実際は漁業者が昨年六月に富山県公害審査会に提訴をして、国土交通省と関西電力はその調停を実は拒否をしたと。その結果、昨年十二月から訴訟になっているわけですね。 問題は二つあるわけで、一つは、九一年の関西電力の補償、これは現在も続いているらしいんですけれども、これが大変不明瞭で、かつ違法ではないかという点。それからもう一つは、訴訟のさなかに今年また排砂を行おうとしておるわけで、これは大変住民、被害者の側が不信を抱いておる、こういう問題です。 そこで、まず初めに、電力会社を所管する経済産業省にお伺いをしますが、第一に、漁業者は補償金などが不明瞭だと、こう言っている。関西電力は漁業振興費というものを県漁連に、県漁協に支払っているようですね。電力会社として、補償ではなくて、こうした漁業振興費名目で年間八千万円も払っておるということは経理上適正なのかどうか、これが一つ。 第二に、それを含めて経済産業省は関西電力のダム推進のためにこの補償なり振興費について何らかの助言をされたのかどうか。この二点、先にお伺いをいたします。 ○政府参考人(肥塚雅博君=資源エネルギー庁次長) 御指摘の漁業補償契約の内容については、富山県漁業協同組合連合会と関西電力の両当事者間の関係にかかわるものでございますので、当省としてコメントするべき性格のものではないというふうに認識しております。 それからまた、個々の補償契約の内容についても助言や指導を行うといった性格ではないというふうに考えております。 ○又市征治君 えらいそっけない話でありまして、大変にこれは後々問題の点がたくさんあるんですが、今日全部やれるかどうか分かりませんが。 そこで、次に農水省にお伺いをしますが、昨年四月の農水委員会で、武部、当時の農水大臣が、こういうことが起こる以前に国土交通省等の関係機関に対して特段の配慮を払うようにしなきゃならぬ、しっかり申入れをしてきた、こういうふうに答えているわけですね。してきたという時点はあいまいなんですが、農水省、これはいつどういう申入れをされたのかというのがまず第一点。 それから二つ目に、この昨年の四月の農水委員会で、関電としての補償はともあれ、漁業振興費というのは違法ではないかという質問が出されて、これに対して水産庁長官は、改めて富山県に問い合わせると、こう答えられたわけですが、どういうことになったのか、これが二つ目です。また、武部農水大臣は国土交通省、関電、富山県に事実関係を確かめた上で視察を考えたい、こういうふうに答えられたんですが、これについてはどうなったのか。 以上、三点お願いいたします。 ○政府参考人(海野洋君=水産庁資源管理部長) お答えいたします。 当時の武部農林水産大臣の申入れを行っていきたいという答弁の趣旨は、排砂により漁業への影響が想定されるような場合には、関係機関に対して、漁業への支障がないよう特段の配慮を求めていく必要があるという基本姿勢を述べたものと認識しております。具体的な申入れとしましては、平成十三年七月に、黒部川宇奈月ダムに関する操作規則の策定について北陸地方整備局長から協議を受けた際に、排砂を行うに当たっては、今後とも関係機関等の意見を十分踏まえつつ、漁業への支障がないように特段の配慮をお願いする旨の申入れを行っております。 それから、二つ目のお尋ねでございます。富山県への照会でございますけれども、昨年の四月十八日、水産庁から富山県庁及び富山県の漁連に対しまして、関西電力から支払われた金銭の内訳について改めて確認を行いました。その結果、漁業被害補償のほか、漁業振興費に係る金銭が含まれていたという報告を受けております。 三点目、大臣の視察の件でございます。当時の武部農林水産大臣は、でき得ることならば現地を見たい気持ちはあるがと、その気持ちを答弁しておられますけれども、現実には諸般の事情により視察は行われなかったというふうに承知しております。 以上です。 ○又市征治君 大変問題が起こっているわけですが、今年も七月になればこの関西電力は出し平ダムの、そしてまた国土交通省は宇奈月ダムをこれ連携して排砂をするわけです。両ダムの排砂を一緒にやりますと、これは訴訟のさなかにこういうことをまたやるということで、ますます事態を悪化させる、こういう状況が明らかなわけですね。ダムという手法が大変限界に来ている、排砂という後始末の難問も出てきている。こういう状況は全国的にも出ているわけですから、実際に被害を受けている地元住民とよく話し合って、漁業や環境と両立できるように、例えば排砂ダムゲートの常時開放など、ダムの運営を是非研究していただくように強く求めておきたいと思います。 次に、関連して、電源開発促進対策特別会計について伺ってまいりたいと思います。 これについては毎年のように検査院報告で指摘されてまいっています。二〇〇〇年度は柏崎刈羽原発の地元で交付金の不正使用があって返還がされたわけですが、それに絡んで、国の交付金の膨大さと種類のおびただしさ、迷路のような金の流れ、それらが多数の特殊法人の利権になっている実態が明らかに実はされました。また、原発立地の交付金を市町村を通じて住民にばらまく際に、受取拒否者のブラックリストが出回っているというこんな問題まで実は明るみに出てきたわけです。 二〇〇一年度の会計検査院報告はこの電発特会を特定検査対象に指定をしまして、毎年多額の剰余金が新たに積み上がっていることを厳しく指摘をされています。ところが、政府は今年三月に法律を変えて、剰余金を名称だけ「資金」というふうに変えてしまった、こんな状況ですね。しかし、これじゃ、検査院が指摘をしたこの本質は変わるかというと何も変わらない。検査院報告も、その結びで、MOX燃料のデータ改ざん事件、JOCの臨界事故、原発の自己点検記録の不正など様々な問題が生じていると述べて、今後の原発立地を非常に悲観的に述べていますね。 災い転じて福となすと、こう言いますけれども、多額の剰余金、改めて資金というふうにしていますけれども、そして様々な腐敗を生んできた原発のためのばらまき会計システムであるこの立地勘定そのものをこの際抜本的に見直して、住民ともやっぱり共存できる自然エネルギーや、あるいは燃料電池などへ転換をやっていく、こういうふうに努力をされる考えはないのかどうか、お伺いをしたいと思います。 ○副大臣(西川太一郎君=経済産業副大臣) 又市先生に御答弁申し上げます。 私どもとしては、ただいま先生から厳しい御指摘がございました部分について十分に反省もしながら、過去のそうしたことについては誠に遺憾に存じております部分も多々ございます。率直にまずそのことを申し上げたいと思います。 その上で、私どもとしては、この電源立地三法につきましては、通常の工場立地などの補助金に比べますと、工場立地の手法などに比べますと発電所というのは雇用の面などでは地域にそんなに大きな貢献ができないと、こういうメリットの少なさを感じておりまして、これを補っていくという意味では、今後この交付金制度の改正につきましては、複数の交付金制度の一本化でございますとか人材育成でございますとか地場産業の振興、福祉サービスへの提供といったソフトな部門へも範囲を広げていって、ただいま先生御指摘の、地域と共存できる、そういう制度に変えていくということで、会計検査院の御指摘を謙虚に受け止めて、私どもとしては、社会的に必要なものである、こういう御理解をいただくように努力をしていきたいと思っております。 それからもう一点につきまして、新エネでございますが、これにつきましては大変、エネルギーのソースをそういう石油一本やりではなくていろんなところに、環境面からも広げていくということは大変重要だと心得ております。 風力、太陽光、バイオマス等々ございますが、これは大体、今、先生御案内のとおり、全エネルギーの石油換算にして一%程度でございます。これを大体十年後ぐらいには三%を超えるものに、これは申し訳ありません、平均でございまして、多いものは一五%ぐらいになるものもございます。風力などはかなり高くなります。平均として三%でございますが、鋭意、先生の御指摘を踏まえ努力をしてまいりますことをお約束させていただきたいと思います。 ○又市征治君 そこで、そういう努力をされているということですが、今年の法改正問題で更にもう一点お伺いをいたします。 自治体に対する立地交付金が、従来は発電所の能力、つまり出力だけで決めていたのを、今度は実際の発電実績による方式に改めるということにされたわけですね。これがどういう矛盾を生むかは、衆議院で我が党の大島議員も追及をしたわけですが、つまり、事故があったり市民が納得しなかったりして原発が止まった場合、交付金が下りないことになるんではないか。これはペナルティーというか、露骨な協力ノルマ制ではないかということを衆議院でお聞きをしました。 これに対して、岡本資源エネルギー庁長官の答弁は、安全上の理由で、つまり電力会社の都合でということですが、止める場合は運転しているとみなして交付金は払いますと。一方、住民が、つまり自治体が拒否した場合、それは駄目だ、動かしちゃいかぬと、こうした場合は御理解のための手順を尽くします。その状況を見ながら判断をする、こういうあいまいなことで、どうもノルマで釣るという、こんな格好とも取れるような答弁になっているわけですね。 そこで、伺いますが、長官のこの交付金の限度額の設定を通じて運転を強行するような交付金運用がなされないよう算定方式を、方法を決めるという、こういう答弁はこれどういう意味なのか、お答えをしっかりいただきたいと思います。 ○政府参考人(肥塚雅博君) 交付金の限度額算定に発電電力量の実績を加味する際には、今、先生お話がありましたように、発電施設の事故やトラブルへの対処、それから安全性の確認など、安全上の問題を解消するために運転が停止している場合については運転を行っているものとみなして発電電力を計算いたします。 それで、この計算方法については、先般、長官が大島先生の御質問に対して申し上げましたように、明確に交付金の交付規則に書きまして新たな制度を運用していきたいというふうに思っておりまして、これによって安全の確保がおろそかになる、おろそかにして発電所の運転を迫るというようなことに決してならないように制度を運用していきたいというふうに考えております。 ○又市征治君 どうも、まともな返答じゃなくてよく分からぬのですが。 どうも、この間から、やり取りいろいろと事前にしていますと、改正した地元交付金制度は発電実績、つまりノルマ部分を少なめに抑えて、固定給の部分を十分大きくするから全体として運転強行にはならないんだ。どうも、こういう弁明のように聞こえてしようがない。ここら辺のところは本当に厳密にしっかりやってもらわぬと、大変なことだろうと思います。 ともあれ、相変わらず算定基準の数が従来とほぼ同じ十数項目あって、とても住民や市町村には算定プロセスをフォローできる代物じゃありません。不透明で政治加算の余地の大きいシステムだというふうに言わざるを得ません。したがって、今後もこれは注視をしてまいりたいと思います。 さて、再度、決算に戻って支出先を見てまいりたいと思いますが、電発特会の立地勘定、多様化勘定ともに、歳出の九割が補助金、委託費、出資金なわけですね。つまり、典型的なトンネル会計だというふうに言わざるを得ません。ここで見過ごせないのが特殊法人核燃料サイクル機構への出資だというふうに私は思います。 同機構の出資金が三兆百六十一億円、このうち一兆四千六百九十億円を多様化勘定から出資をしていて、一般会計からの一兆四千五百三十五億円と合わせると、資本金の九七%が政府出資ですね。 ところが、同機構の貸借対照表だと、この正味資産は六百四十二億円しかないわけで、資本金の七九%が現実にはもう毀損している。政府出資分でいうと、二兆三千五百億円余りが実質上消えている、こういう実態になっているわけです。 この点をどういうふうに御説明をなさるのか、二〇〇二年度以降、何か変更をされるようですから、これはまあお聞きをしましたからいいですから、二〇〇一年度決算ベースでこの問題についてお答えをいただきたいと思います。 ○政府参考人(白川哲久君=文部科学省研究開発局長) お答えいたします。 核燃料サイクル開発機構の貸借対照表上、多額の資本金が毀損しているのではないかとの御指摘でございました。 核燃料サイクル開発機構のような研究開発法人が行います研究開発につきましては、その成果が将来にわたり、国民の有形無形の資産として残り、国民の経済社会の発展に寄与するものであることから、研究開発に出資金が充当されてきたものであると理解をしております。 核燃料サイクル開発機構は、旧動燃事業団時代を含めまして、高速増殖炉やウラン濃縮あるいは軽水炉燃料再処理などの核燃料サイクルに関する研究開発を実施してきたところでございますが、こういった原子力等の最先端の研究開発を行います場合に、研究開発の成果の実現には長期を要し、その成果が直接には、直ちには収益に結び付かないということがございますので、通常の企業会計原則に従って経理をした場合、すなわち、先生御指摘の貸借対照表上は、形の上での欠損金が累積することとなっておると、こういうことでございます。 ○又市征治君 この間から何回か他の特別会計も取り上げてきたときに、この出資金の問題、これは財務大臣、前にも申し上げたんですが、この電源開発促進費、促進税でやっても、電力会社が払うと言えば電気料金に含まれている、実際は国民の負担になるわけですね。それを特定財源として囲って原発造りのためにばらまくという、こんな仕組みになっておるわけですが。 あるいはまた、特殊法人等への出資という名目、これ大臣、是非お聞きをしたいんですけれども、つまり国民の財産を何兆円単位で、こういう格好で、毀損という格好で出てくる。出資金という、今も話がありましたけれども、この出資金という言葉自身がおかしい。だから前回、私は、これは補助金なら補助金にするんならする、明確に変えるべきじゃないか、こう申し上げた。今度は他の会計でいうと委託費だとかという言葉に変わったり、今度はここの場合は資金というふうに名前が変わっていく、こういう格好であるわけですが、やはりこういうのを本当にしっかりと言葉も含めて国民に分かりやすいようにしてもらう、こういうことが大事なんだろうと思います。検査院の指摘は、これらを改める非常に良い機会なのじゃないか。 どうもこの臭いものを、逆に法改正をやって、ふたをして分からなくしてしまう、このような格好がどうもあるわけでありますから、公共サービスの本旨に沿った行財政システムに改めるように、これは是非強く求めたいと思いますが、最後に、せっかく締めくくりですから、財務大臣、この間から申し上げてきたような出資金というこの制度そのもの、ここらのところについて本当にしっかりと実態に合ったものに、出資金だから、何か回収されてくる、利益が還元されるような錯覚を起こすようなこんな格好になっている。補助金にするなら補助金にするという、こういう形を含めて改めるということについていかがですか。 ○国務大臣(塩川正十郎君=財務大臣) これはなかなか民間のセンスと、言わば公共の金の支出のセンスの違うところが、もう明確で、私も実はこういうことについては非常に疑念を持っておりますが、しかし出資金をしたということは、やはり将来に財産的なものを有形無形に残していこうという趣旨がやっぱりその機構の中にはございますので、あながちこれは補助金だけでやるべきものでもないと思ったりいたしますが、そこらの支出の支払については今後とも十分研究させてやってまいりたいと思っております。 ○又市征治君 終わります。 |
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