第156回通常国会

2003年6月5日 総務委員会


(1)現行も問題が多発する委託・三セク
(2)住民の目を遠ざける地方自治法改悪



○又市征治君
 社民党の又市です。
 今度の(地方自治法一部改正)法案では、公の施設の、管理の問題になっているわけですが、現行の委託でも問題が多発をしていますけれども、更に今回の改正で受託者の権限を強めて住民の監視を遠ざけることになるんではないか、こういう懸念を実は強く感じるわけです。
 この提言の基は、先ほど来、評判の悪い地方分権推進会議が提案の基ですけれども、片山大臣に言わせると分権推進の名に値しないと酷評されましたけれども、分権とは名ばかりで地方自治を破壊させるような、こんな提案が多くやられているという問題もあるんですが、それはともかくとして、現行法の下でさえ、委託の実態を見ますと効率化どころか、裏に首長の利権ばらまきやら赤字のしりぬぐいやらと、こういう実態も見られるわけです。そして、直営と違って住民による監視が極めて困難なのが実態になっています。

 そこで、今日はちょっと具体例を挙げてお聞きをいたしますけれども、中国地方のある市では今年の四月に特産品センター会社を作って、あ、これは今年の四月じゃない、これ変えたのは四月なんですが、赤字三億円がたまっていたわけですが、それを隠すために今年の四月に総合サービス会社に定款変更した。赤字は市が損失補てん、補償するように議決をして、これを担保に銀行から借りた。新会社には清掃工場、図書館、学校給食、斎場、生活バスなど、業務委託も管理委託もごちゃ混ぜにして何でも請け負わせていると、こういう実態なんですね。
 バスについては、この三セクに切り替えたためにもめて、それで慌てて新路線だけ無料にしてしまった。市民は混乱をして、連日新聞報道されて、市長は自分を含めて幹部を処分した、こういう格好になっていますね。
 サービス会社は現在百二十人ほども雇っているわけですが、市の下で働いていた人たちを賃下げして再雇用した、こういう実態であります。利益を上げて返済するというわけですけれども、つまりはこの人たちからのピンハネで稼ぐという形になっているわけですね。

 これは、今回の法案以前の、現行法上での管理委託可能な出資会社です。いわゆる三セクで起こっておる問題ですけれども、それですらこういう乱脈経営が起きているわけです。
 そこで、こういう状況について総務省も、もう御存じだろうと思うんですが、どのように見ておられるのか。また、この例の場合に、三セク化の前に何か事前に相談に乗られたのかどうか、お聞きをしたいと思います。

○政府参考人(畠中誠二郎君=総務省自治行政局長)
 先生御指摘の事例、私どもは詳細には承知しておりません。したがいまして、事前に相談があったかどうか、ちょっと確認しておりませんが、多分私のところには来ていないということは、そういう具体的な相談はなかっただろうというふうに思います。
 ただ、先生御指摘の点、先ほども申し上げましたように詳細には存じ上げませんが、どうも制度の問題よりかはその運用、当事者の運用の問題ではないかというふうにお聞きしておりまして、やはり議会とか住民のチェックというのが大切であろうということでございまして、そのような問題が生じた場合には地方公共団体において適切に解決が図られるべきものというふうに考えております。

○又市征治君
 もう一つ例を挙げます。
 このリサイクルプラザですが、契約は管理委託、所長は会社の側、しかしその元の有資格の破砕リサイクル管理責任者は市の職員、現場は指示命令及び共同作業を市の職員でやって、その下で共同作業をやっておるわけですね。これは一体管理委託なのか、業務委託なのか。どんなふうに見ておられますか。

○政府参考人(畠中誠二郎君)
 これも詳細に把握したわけではございませんが、ちょっとお聞きしたところ、公の施設なんですね、市の職員がおられるのは。公の施設に市の職員がおられて、その市の職員がやっておられるのは市の業務と、委託じゃなくて、管理委託業者に委託した仕事じゃなくて、市の業務をやっているというふうに聞いております。

○又市征治君
 どうもそのように認識されておるようですが、現場では全く区別はできない。これは市の業務これは民間の業務と、これはなかなか区分けができない。
 市が第三セクターの債務を肩代わりすることは、これは下関の住民訴訟判決で否定されておりますし、そういう意味では正当ではないですね。また、随意契約で出すことも、平成十一年度の病院給食についての検査院の是正要求を始め、違法性が明らかなわけです。
 現行法による限られた委託でさえ、今、局長答えたように、首長による公然たる違反行為、あるいは運用の間違い、こういうものがあって住民が被害を、損害を受けている、こういう例が多発をしているという状況なんです。
 ですから、総務省は、この新しい法案よりも、まず現行法下の第三セクターや民間への委託の実態をもう少し把握をして、そして是正勧告なり是正方針というものを出すべきじゃないのか、そのことを強く申し上げたい。と同時に、よく実態を把握しておりませんがというお話ですが、今取り上げた例、是非現地調査をしていただいて、少し調べて報告いただくようにお願いしたいと思いますが、どうですか。

○政府参考人(畠中誠二郎君)
 先生御指摘のような、調査をしろという御指摘でございますが、全国的に調査するということも、先ほど申し上げましたように、そもそもが地方公共団体の責任において対処すべき事柄というふうに考えておりますので、ちょっと適当ではなかろうかというふうには考えますが、ただ、そういう事例があるということにつきましては、例えば会議の場でそういう御指摘があったことを伝えて一般的に注意を喚起し、適切な運営を図るようにというようなことを助言するというようなことは考えてもいいというふうに考えております。

○又市征治君
 何か歯切れ悪いですな。問題がこうやって起きて具体例を挙げているわけですから、それはちゃんと調べてもらって、そしてそれをまた全国のこういう事例、どこどこの市とかそんなこと言う必要ないんですよ、問題を調べてもらってやっぱり適切な助言を、あるいは指針を出していくということが求められるわけですから、是非そのことを強く求めておきたいと思います。

 この改正案で、指定管理者となれば権限は強まるわけですが、住民の監視は企業秘密を口実に極めて難しくなっている、こういう現実があろうかと思うんです。最後の歯止めはやっぱり監査請求と住民訴訟になるわけですね。
 そこで、幾つか確認をしておきたいと思います。
 二百四十四条の二の新九項から十一項、ここで首長や職員が指定管理者、つまり企業や団体ですよね、ここに対し調査や是正の指示をすべきですけれども、それを怠る場合、住民は損害を受けるわけですから、当然、二百四十二条で監査請求はできますよね、これは。まずこれが第一点。
 二つ目に、この場合、相手は首長や職員というふうにならざるを得ぬわけですけれども、監査の対象業務は指定管理者の受託部分にも及ぶというふうに理解をしていいかどうか、これが二点目。
 それから三点目に、したがって、指定管理者は受託部分の経理というものを社内で他のものと独立をさせておく必要があるんではないかと、こう思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(畠中誠二郎君)
 住民の監査請求についてのお尋ねでございます。
 まず、指定管理者制度通った場合におきましても、公の設置者、公の施設の設置者は地方公共団体でございますので、その財産である公の施設の管理が違法又は不当と認められるときは住民監査請求を行うことができるというふうに考えております。
 さらに、次に、その指定管理者自身は直接には住民監査請求の対象にはなりませんが、地方公共団体から指定管理者への委託料などの公金の支出については当然住民監査請求を行うことができるというふうに考えております。
 第三の区分経理の問題でございますが、指定管理者が公の施設の管理代行部分について区分経理を行うかどうかにつきましては、これにつきましては、毎年度終了後、地方公共団体に対して事業報告書の提出が義務付けられておりますので、当然のことながらその当該の管理を代行した部分についてを取り出してその経理を報告するものになろうということで、当然のことながら区分経理を行うことになろうというふうに考えております。

○又市征治君
 先ほど来から、時間がありませんから端的にお聞きをいたしましたが、現在の三セクでさえも大変問題がある。この点については本当にしっかりと、やっぱり全体的な調査をし、是正をしていかないと、さっき大臣がおっしゃったように、住民のサービスが良くならなきゃいかぬとこう言っているのに、結果的にむしろ住民が被害を受けている、こういうケースが起こっていますから、混乱が起きていますから、是非そのことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。