第156回通常国会

2003年6月16日 決算委員会(1)


(1)小泉内閣の経済失政
(2)ずさんな特別会計の実態
(3)特別会計を一般会計に移し透明化を



○又市征治君
 社民党の又市です。
 今日は締めくくり総括と、こういうことでございますので、財務大臣にいろいろとお尋ねをしてまいりたいと思いますが、先に、今日の採決案件であります二〇〇一年度の決算の赤字に伴う決算調整資金からの組入れについて、それ自身の金額はまあ五億円余りという小さいものです。しかし、これには、二度の補正をして、なお歳入欠陥を作ったということもありますし、しかも、それは税収見積りの技術論だけではなくて、小泉総理は就任以後、十分に時間があったのに、公共事業偏重の歳出構造が改められずに失業や雇用対策を怠って景気をますます悪化させたと、そういうことの結果も背景にあるわけでありまして、この点は初回の審議でさんざん私も指摘をさせていただきましたが、今日はその点は省略をいたしますけれども、そうした理由でこのことについては反対だということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。
 そこで、具体的な質問に入りますが、今期の決算委員会を通じて、私は、特別会計の形を取った各種の会計操作が財政の実態を覆い隠し、どうも巨額の国費の損失あるいは国民への損害を許してきた、こういう実態というものを毎回指摘をいたしてまいりまして、同僚議員からも何人か出ておりました。政府部内の大きな無駄遣い、特別会計を通じた国費の乱費システムというものをやっぱり抜本的に改めるべきだろうと、こう思います。
 今ほどもお話がございましたけれども、財政等審議会では、特別会計小委員会を設けて、四月以来五回でしょうか、順次各省所管の特別会計をヒアリングされていますね。公開された議事要旨を読みますと、私がこれまでの決算委員会で主張してまいりました意見がほとんどすべてその委員たちからも出されているわけですね。すなわち、産業投資特別会計、電源開発特別会計、治水特別会計などなど、また、特殊法人等の出資という名の、巨額の国家資金の毀損についても触れられている。
 そこで、財務大臣にお伺いをするわけですが、あなたがいみじくも、「母屋でおかゆをすすっているのに離れはすき焼きを食っている」と、こう言われたほどひどいこの特別会計の乱費と不明朗な経理について、あなた自身、どのように具体的に改善をされようとしているのか。来年度の予算編成に向けて、この特別会計の数の整理あるいは一般会計への統合、そしてまた特定財源の囲い込み的独占の解除、こういったことが幾らかできそうなのかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(塩川正十郎君=財務大臣)
 私は特別会計に不正があるとか不当があるとかということは申しておらないんです。要するに、もう少し効率的に、しかも有効な使い方と同時に、規格であるとか様式であるとかいうのはもう単価を見直してもらいたいと、こういうことを要請しておるんです。
 本会計の方では、一般歳出予算の方では非常にそれはきめ細かくやっておりますけれども、特別会計の方は個々の事業の執行状態等につきまして十分な目が行き届いてなかった。そこで、まず財政審に特別会計の言わば透明性とそれから分かりやすさということを、これをどうしてやっていくかということについて一度御意見をまとめていただきたいとお願いしておるのでございまして、まだその経過中でございますので、これをどう生かしていくかということはまだはっきりした方針もございませんけれども、何はともあれ、そういうことによりまして今、特別会計担当の人たちが細かくに今予算の内容を、自分ら自身の特別会計の内容をもう一度検討しておるということは、これは非常に私は予算編成、十六年度予算のときに有効に働いてくるのではないかと思っておりまして、それをまた一層に激励していきたいと思っております。

○又市征治君
 どうもせっかく母屋と離れの話までなさった大臣の答弁としては少し後退だなと、こういう感じがしないではありません。
 財政法第十三条二項で特定財源が分かるよう区分経理せよ、というふうに言っているのは当然だろうと思いますが、ただ、それが三十二本もの特別会計を乱造する言い訳になったり、一部で利権化しているということは、これは周知の事実ですよ。事業別の特定財源の明示は、特別会計でなくてもできるはず。現に、例えば地方の方は、昔から、それこそ自治省、今の総務省の厳格な指導、助言、こんな格好の中で皆一般会計の中で明示をしているわけですね。
 で、大臣、改めてお伺いしますけれども、特定財源を口実にした財源囲み型の、囲い込み型の特別会計、例えば道路だとか治水だとかのこの五つの特会ですね、産業投資特会あるいは電源開発特会などは、これはもう廃止したらいいんじゃないですか。少なくとも、財政審でもこれだけ問題だと、こう言っているわけですから、少なくともこの方向ぐらいはお示しになって、むしろもう来年度予算からでもすぐに取り掛かるべきところはやっていく、こういう努力をされるべきだろうと思うんです。まあ保険事業会計は別であると思いますが、その点、もう一度お伺いしたいと思います。

○国務大臣(塩川正十郎君)
 目下、財政審でそういう点につきましては検討中でございますから、私からその結論が出るまでは財政に対しましていろいろと申し上げることではないと思っております。

○又市征治君
 何かどこかへ丸投げという言葉がよくはやっていますが、そんな感じがして、大臣自身、自ら御指摘なさっておって、だから少し後退だというふうに言わざるを得ないわけですが、少なくともそこらのところは改善をいただきたいと、こう思っています。
 次に、技術開発へのいわゆる出資についてですが、こうした名目で、倒産した基盤技術センターで約二千八百億、核燃サイクル機構で約二兆三千億円など、国の出資が毀損しているわけですね。その点で、会計検査院からもここは厳しく指摘をされている、こういうことにあるわけです。無数のベンチャー会社を作って、そこに孫出資しては数年でこれをつぶす。実態はそこに出している大企業へのばらまきだ、こういうふうに言わざるを得ません。こういう点についてもあの小委員会の中でも懸念が表明をされている、こういうことです。
 本当に必要な開発かどうか、このことも当然問わなきゃならぬし、我々も国会の中でこれは是非チェックをしていかなきゃならぬ問題ですけれども、最低限、財政ルールとして、大臣、これはやっぱり出しっ放しの補助金なら補助金だ。そういう、出資金でまた返ってくるなどという、そういう誤った認識を持たれるようなことについては、最低限これはやっぱり改めていく、こういうことで、補助金なら補助金に整理をすべきものは最低限あるんではないのかと。この点、一つですね。
 それと、今度、その財政審の中で、特別会計における新たな財務書類の作成に係る中間報告、試作基準というのが出されましたね。この中で国の出資の強制評価減を打ち出しておられるわけですけれども、言わばこれは不良債権処理、こういう部分に当たるわけだ、そういうことだろうと思います。
 こういう形で実情を開示するのは、隠すよりもそれはまあ当然いいんですけれども、当然、責任者である、こういう格好で毀損をしていくなどということを起こしておるその現場の責任者、こういう幹部についても当然責任を問うていく、こういう方向に考えていくんでしょうね、大臣ね。
 これ今二つお伺いしたので、是非お答えいただきたいと思います。

○副大臣(小林興起君)
 前も委員会で産投出資のことについて御質問をいただいたわけでございますが、やはりここには、できるだけうまくやってそして収益を得たいという考え方が入ってやっておったものがありまして、事実、そういう形でリターンが返ってきている事例もございますので、これをにわかに補助金にしてしまって、はい、終わりということについては、やはり財政の考え方からいってもったいないということもあるわけでございまして、産投出資についてはできるだけやっぱり返すことを考えるというふうに当局としては考えておるところでございます。
 ただ、もうきちっと、駄目になったものについては、これをもう減資しろとか清算しろというお話はもちろんあるわけでございまして、そういう中で、今お話ございましたとおり、大きく毀損したものについては、三割以上毀損したものについてはここですっきりさせるということは取り組んでいるわけでございますが、ただ、こういうことを明らかにすることと、今言われました責任問題が直ちに結び付くということはいかがかということもございますので、責任問題は責任問題、そしてディスクロージャーして明らかにするもの、清算するものは清算するものと、こういうことは一応は分けて考えるつもりでございますが、もちろん責任等の問題についても別途考えていきたいとは思っているところでございます。

○又市征治君
 しつこいようですけれども、小林副大臣、やっぱりこの二千七百七十五億円だとか三千二百二十五億だとかというのを毀損をして、そして会計検査院からも厳しく指摘される、財政審からも指摘をされているそういう問題について、そして後は別の法律を作って、これ出資なかったものにしますと、こんなこと国民に理解できますか。こんな格好でやっている問題について、やはりその責任を問うということをはっきりさせないからそんなことが次々続いて、さっき申し上げたように、そういう孫出資を次々やって数年でつぶしていってしまう。そして、それは実は出資金なんでと、こういうのは、どう考えてもそれは理解できませんよ。
 だから、そういう性格なら性格をきちっと整理をして、そしてやっぱり出していく。だから、それは補助金にすべきものは補助金にすればいいし、本来的出資という性格のもの、これは私、いい言葉だとは思いませんけれども、委託だとか、そういういろいろなことがあるわけでしょう。そういうものはやっぱり直ちに、そういう意味で何か財政審の、そこから答申が出てこなければできないという問題じゃなくて、これはやっぱりやっていくべきじゃないですか。その点、責任も、それは直ちに問うのはいかがなもんでしょうかと言っているから、こんなことずるずる起こっているわけですよ。
 私、せんだって、ある県の知事さんとお会いする機会があって、言っていますよ、地方は知恵も出し汗も出し血まで流して行革をやって一生懸命に、もうつらいつらい、財政は予算が組めないという、こんな状況にある。知事会でもそんな話よく出ている。国は何だ。特別会計なんというのはもうずさんもいいところじゃないか。非常にそういう怨嗟の声が出ていると、こう言っているわけですよ。そういうときにこんな程度の話じゃ、ちょっと納得できませんよ。
 改めてもう一遍そこのところを御答弁願います。

○副大臣(小林興起君)
 先生のおっしゃるとおりのところございまして、そういう中で、御承知のとおり、研究開発につきまして、一般会計で出資していたようなことについては、できるだけこれは補助金化するというようなことで、その出資を補助金に切り替えているのは御承知だと思うところでございます。
 ただ、まだ産投会計の方は、元の財源がNTT等のたまっていたお金で、そして産投という名前のとおり、産業関係に出してリターンを得たいという、こういう気持ちでやってきて、見込みのあるものもございますので、そこについては、一応まだ現段階におきましては出資という形でリターンを求めるということにして、少しでも回収を図らせていただきたいと思っているわけでございますが、それから先のことにつきましては、これから先いろんな問題もございますので、今、大臣が言われましたとおり、この特別会計の見直しというのは、非常に大きな、これからの日本の財政を考えますときに、先生がおっしゃるとおり、また大臣が言われましたとおり一番大きなテーマでございますので、したがって、やはりいろいろな御意見を賜るということでこの小委員会の方で議論をしていただいておりますので、大臣があえて今御自分の意見を述べておられませんけれども、それはそれで固い覚悟を持って、小委員会の意見を踏まえて、これから大きく財務省としてこの特会にも切り込んでいくという決意でございます。

○又市征治君
 小委員会だけのことを尊重じゃなくて、国会でやっぱりこれ審議しているんですからね、この委員会でもやっぱり出たことをちゃんと踏まえていただきたいということを申し上げながら。
 そこで、道路だとか治水など、公共事業の特別会計が五つあるわけですよね。決してこれ、特定財源だけでやっているわけじゃないですよね。税金、つまり一般財源、むしろ一般財源の方が多いんですよね。三分の二ぐらいが一般財源ですよね。そして、産投特会からも入っている、地方自治体の負担金も取っている、こういう格好で複数の財源でやっているということになるわけです。何も特別会計にして国民の目から、そういう意味では、見えなくしてしまうという、こういうのはない、そう思います。それに、元来、資産を貨幣換算するのが無理な分野でもあると思います。事業の評価は、お金ではなくて別の基準、公益性で測る、こういう必要もあるんだろうと思います。
 一般会計の一事業に移して、そしてやっぱり透明化すべきではないかと、こんなふうに思うんですが、中で特定財源だけを明示すれば済むんじゃないか、こんなふうに思うんですが、その点をお伺いして、終わりたいと思います。

○委員長(中原爽君)
 時間になっておりますので。

○副大臣(小林興起君)
 今言われました特に公共事業につきましては、国の直轄方式でまた長年にわたってやっているということがございますので、やはりある面からこれを全体的にはっきりさせよう、あるいは収支状況、そして受益と負担の関係、そういうものを明らかにさせよう、事業者が負担している部分もある、地方自治体からいただいている部分もある、そういうことを全体的に見るのに、こういうものこそ今のところ特会でやる意味もまたあるということを御理解いただきたいと思うところでございます。

○又市征治君
 終わります。