第156回通常国会

2003年6月16日 決算委員会(2)


(1)三位一体改革は税源移譲を中心に
(2)乱脈・不透明な特別会計
(3)三位一体・特別会計改革を丸投げするな



○又市征治君
 社民党の又市征治です。
 初めに総務大臣にお伺いをしたいと思います。
 今日も、締めくくり総括と、こういうわけで、午前中、私は、三十二本にも膨れてきた特別会計の問題点と改善についてただしておりました。塩川大臣が、過日、母屋と離れに例えて特別会計のぜいたく三昧、ずさんさと、こういうことを批判された、この話であります。
 しかし、この母屋と離れを合わせて国のお屋敷だとすれば、私は、地方財政というのは、むしろ残念ながら、あばら家とでも言うべき、こういう逼迫した情勢にあるんじゃないのか、こう思うんですが、だのに本家の方は、そのあばら家からまた布団まではぐっていくような、こういう主張をされている、こう言わざるを得ない。
 つまり、この十一日の閣僚協議で、補助金削減を先行させて、税源移譲は頭から七掛けに落とそう、つまり、三割カット。ちょっと言い過ぎたかなと、財務大臣、そう言っていましたが、これに対して片山総務大臣は激しく反対をされたと、こうマスコミに随分伝えられています。
 そこで、総務大臣にお伺いするんですが、あなたの主張なさっておるこの要点、これをひとつ明確に、明快に説明をいただきたい。また、あわせて、今後どのように税源移譲を中心とした三位一体改革を進めるおつもりなのか、その点についてもお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(片山虎之助君=総務大臣)
 何回も申し上げておりますけれども、三位一体は、税源の移譲と、国庫補助負担金の縮減、整理合理化と、地方交付税の見直しですね。それは、関係の省庁も多いわけですから、まず国庫補助負担金の整理合理化をどうやるか、大体大筋では調整が進みつつあるんです。
 そこで、縮減ができた場合に、それに見合う税源をどう移譲するかなんですが、私が言っているのは、頭から七割は根拠がないと言っているんです、私は。だから、同じ仕事を、今も国の補助事業でやっているものを、補助制度を変えるなり単独事業にした場合、同じことをやるんならそれだけの税源は認めにゃいかぬ。補助事業のときは十割でできて、財源の内訳変わったら七割でできるなんて、これは手品の話ですよ。そんなことはあり得ないよ、同じ仕事なんだ。ただ、物によっては補助金をやめることもあってもいいし、補助金のやり方、補助事業のやり方をスリム化する、合理化する、効率化することによって、十割じゃなくて八割でも、場合によったら九割でも七割でもいいですと。それらを検証せにゃいかぬですよ。具体のこの補助金やめる、この補助金のやり方をどうする、こういうことで。その上で、地方も納得できる、国も納得できるような仕組みを作るのが一番いいと、こういうふうに言っておるわけでありまして、私は余り無理言っていると思わないんですよ。頭からやるというのは、それは、そこをみんな文句言っているんですよ、今、地方の連中は。
 そこで、余り財務大臣と違わないんですよ、ちょっと違うだけです。よろしくひとつ。

○又市征治君
 大臣、その進め方が抜けているじゃないですか。

○国務大臣(片山虎之助君)
 そこで、これは工程表を作りまして、総理の指示で、十六年、七年、八年度でこうやると。補助金の具体的な、ここは今回の骨太方針では固有名詞までなかなか私出ないと思うけれども、そういうものを作って、それに合わせて税源をどういうふうにしていくか、三年の工程表。しかし、三年でも場合に終わらないものがあれば直していくと。
 補助金を一遍にやめられても、地方も困るんですよ、それは。だから、やめるものはやめてもらうんだけれども、やめれない場合にはできるだけ弾力化して、地方の使いやすいような、使い勝手のいい、自律性、自主性を考慮したやり方をやってもらえりゃいいんです。そこは各省と十分話し合って、財務省ももちろん御一緒でございますけれども、やってまいりたいと、こういうふうに思っております。

○又市征治君
 しっかりとこのことをやっていただいて、地方の、本当に自治体の首長さん方、困り果てているというのが実態、正に逼迫状態、こういうことですから、しっかり取り組んでいただきたいと、こう思います。
 次に、総理にお伺いをいたしますけれども、今も申し上げましたが、私は今期の決算委員会、常会中に十回と、こういうことでやりましたが、私、毎回、特別会計の乱脈ぶりを問題にしてまいりました。実は、財政審議会もこの四月から特別会計の小委員会を設けて検討を始められたわけですね。私は、この決算委員会で指摘をしてまいりました特別会計の問題点が、ほぼこの小委員会ですべてと言っていいぐらい実は委員の意見として出されておるのが記録されています。
 例えば、産業投資特別会計がNTT資金を国の出資としてばらまいているが、相手先の複数の特殊法人等で三千億円あるいは四千億円という単位で欠損になっている。しかも、それが特別会計上には現れない仕組みだ。あるいはまた、電源開発特別会計でも同様に、出資先の核燃料サイクル機構だけで二兆三千億円の資本の欠損を計上しているなどなど、こういう格好で出ているわけです。これは、実は会計検査院からも今年、二〇〇一年度の問題として厳しく指摘をされている問題でもあるわけです。
 こうして国民には国の財産や事業全体の現状がどうも見えない、こういう格好になっておって、特権官僚のやり放題で、その財源、おまけに天下り先まで保障している、こういうシステムが一部の特別会計にあることは総理も御案内のとおり。
 そこで、総理、前回にお伺いしたときに、やはりこの特別会計、やっぱり改革せにゃいかぬと、こうおっしゃった。これは改革をやられる場合に、小手先の事業、会計操作の見直しではなくて、やっぱり各特別会計のそもそもの存立意義まで踏み込んでこれは実は整理をすることが必要じゃないか、私はこのように一つは提案を申し上げたいと思います。
 例えば、このNTT株の配当をなぜ技術開発だけにつぎ込むのか、そのためになぜ特別会計を一つ立てておかにゃいかぬのか。全くこれ必然性がないわけです。特定の税目や配当金を抱え込んで、既得権のように、他のものには使わせないこういう特別会計というのは、正に塩川大臣が言ったように、母屋、つまり一般会計、ここではおかゆをすすっているけれども、実は離れ、すなわち特別会計はすき焼きを食っている、こういう状態を実は作ったと。これは大臣が言ったんですから。
 こういうことがあるわけで、国民にやっぱりしっかりと説明責任を果たせる簡素で明快な一般会計及び特別会計に改革をして、数を減らすべきじゃないか、こんなふうに私は主張してまいりました。是非、この特別会計の改革、非常に大事だと思います。そういう点で、この提案について総理の見解を承っておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 まあ塩川財務大臣特有の例えで、一般会計、特別会計の問題点を指摘されたんだと思います。
 私は、一般会計に比べて特別会計については、事業等が余り厳しく国会でも審査されないんじゃないか、あるいは透明性に欠けているんじゃないかという御指摘もっともだと思います。
 そういうことから、この特別会計の見直しをすべきだと思いまして、財務大臣にもよく見直すように指示しておりますが、財務大臣は非常に積極的であります。積極的であるがゆえに、あのような、離れですき焼き食べているというような発言をされたんだと思いますが、これはいかに問題が多いかという表現だと思いますし、この塩川財務大臣の意欲的な、特別会計に鋭いメスを入れようという意欲を私は高く評価しておりまして、今後の構造改革の一環として、歳出改革、これは一般会計だけじゃない、特別会計当然だという、この財務大臣の意欲に沿う形で全面的に見直しを指示しておりますので、決算委員会での御指摘も踏まえて、より徹底した見直しに向けて政府挙げて努力していきたいと思います。

○又市征治君
 是非、そういう意味では、財政制度審議会で論議をしているからという格好で後送りじゃなくて、是非そのリーダーシップをお取りいただきたい、このことを申し上げておきたいと思いますが。
 もう一つ総理にお伺いしておきますが、先ほど片山大臣から三位一体改革についてお話がございました。是非そういう意味で、新聞に躍っておるのは、首相の真意不透明、三位一体なお不透明とこうなっていますから、余りこれを丸投げしないで、しっかりやっぱりイニシアを発揮いただきたい、こう思いますが、是非この三位一体改革についての総理の決意をお伺いをしておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 新聞で私を批判する人は何でも批判しますよ。各大臣、担当大臣がいるんです。その役割を飛び越えて総理がいつ出るか、それは見守らなきゃいけないんです。各大臣の役割、各大臣の自主性、意欲、これをどうやって引き出すかというのが総理大臣の務めでも大事なんです。潮どきが来れば、私の出番だと思えば私が出るし、私が出るまでもなく、私の意向を体して改革に取り組んでくれれば、それでいいと。
 私は、今まで補助金、交付税、税源、みんなできないできないと言ったのを、一緒にやろうというんですから、これは実現に向けて確実に一歩踏み出すような、目に見える改革に向けて、時期が来ればはっきりとした具体策を示していきたいと思います。

○委員長(中原爽君)
 又市先生、時間になりました。

○又市征治君
 お伺いしましたが、私はもう今、潮どきなんだろうと、こう思います。
 問題は、今月中にまとめようと、こう言っているわけですから、もう総理のイニシアを発揮していただきたい、このことを申し上げて、終わりたいと思います。