| 第159回通常国会 |
| 2004年5月17日 決算委員会 |
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| (1)民間からの有利子借入金がある特別会計の存在 (2)不必要な利子補給として銀行に支払われる税金 (3)環境保全のためにも林業従事者減少をくい止めよ |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 私は、今日は主に地球温暖化防止の目標達成とそれに果たす国有林野事業、林野特別会計の役割について伺いたいと思います。 まず、今、森林総面積が二千五百十万ヘクタールということですけれども、民有林と国有林の割合、また国費が両者に対してそれぞれどのぐらい投じられているのか。加えて、森林の面積自体は最近下げ止まっているようですけれども、国費は随分減ってきているわけですが、これらの実情について、まずお伺いをしたいと思います。 ○政府参考人(前田直登君=林野庁長官) 先生御案内のように、我が国の森林、約二千五百万ヘクタールございます。大ざっぱに言いまして、そのうちの三分の二、これが民有林、三分の一が国有林というような状況になっているところでございます。 予算の方でございますけれども、公共予算ベースで見ますと、約七六%が民有林の方に、国有林の方には約二四%。ただ、非公共も含めまして予算総額で見ますと、大体七割が民有林、国有林が三割と、三一%ぐらいだったと記憶しておりますが、というような状況になっているところでございます。 ○又市征治君 その内、国有林野についてですけれども、一九九八年、平成十年に国有林野事業改革特別措置法が制定をされて、国土保全、緑、水源を保全する公益的な事業へと転換が図られているわけですね。公益目的へ転換して以後、森林整備の面でどんな事業をされてきたのか、簡潔に説明をしてください。 ○政府参考人(前田直登君) 御案内のように、平成十年、抜本改革をいたしまして、国有林の管理経営の方針を、それまでの木材生産軸足から公益機能の発揮ということで大きく転換いたしております。 具体的には、国有林のうちの約八割、これが水土保全ですとか、あるいは森と人との共生というようなことでいわゆる公益林に位置付けまして、残りの二割、これが資源の循環利用というような形で管理経営いたしております。もちろん、それに従いまして、複層林ですとか広葉樹との混交林というようなことをやっておりますが、加えまして近年では、ふれあいの森というようなことでボランティアの森を作ったり、あるいは遊々の森というようなことで森林環境教育に資するというような森作り、そういったことにもいろいろ力を入れておりますし、広くその公益的機能を発揮していくというような観点から各種の事業にも取り組んできているというような状況にございます。 ○又市征治君 いろんな事業に取り組んでおいでになるわけですが、ところがこの特別会計は非常に奇妙な特色が、特徴があります。それは、民間金融機関からの借入金があるわけですね。平成十四年度、今論議をしているこの二〇〇二年度でいうと一千四百八十一億円、林野勘定の歳入の四九・九%、ちょうどもう半分、これが民間金融機関からの借入金、こうなっているわけですね。 そこで、財務省にお伺いします。山下政務官にお伺いをいたしますが、あまたある特別会計の中で、利子の付く金を民間から、しかも収入の五〇%も借りている特別会計というのはほかにあるのかどうか、まずこれが一つ。 それから、利子補給しているのは分かりますけれども、なぜ無利子の資金を国家財政内部で手当てをしないのか。公益目的に転換した林野事業なわけですが、何か特別の事情があって民間から借りているのか、この点、二点についてお伺いをします。 ○大臣政務官(山下英利君=財務大臣政務官) 又市先生の御質問でございますけれども、国有林野事業の特別会計、御指摘のとおり、この国有林野事業勘定の平成十四年度の決算におきましては、民間借入金は一千四百八十一億円ございます。これは、歳入合計二千九百五十八億円の五〇・〇七%となっております。 御質問の最初の点ですが、このほかに民間からの借入金を行っている特別会計、これにつきましては、現在、以下の二つがございます。 最初が、交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定、ここにおきまして、通常収支の財源不足を補てんをするための借入金がございます。このうち民間からの借入金は、平成十四年度決算におきましては十七兆円ございまして、歳入合計六十四兆四千八百八十七億円の二六・三六%となっております。 もう一つは、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計石油及びエネルギー需給構造高度化勘定におきまして、これは平成十五年からでございますけれども、石油及び石油ガスの備蓄基地の建設費用に充てるための借入金がございます。このうち民間からの借入金は、平成十六年度の予算におきましては三千七百八十一億円となっておりまして、これは歳入合計一兆九千三百二十五億円の一九・五六%となっております。 御質問の、これほど高い比率の借入金はほかにあるのかと。手元資料ではこれが一番高いという状況でございますけれども、この林野事業におきます民間借入れを行っている理由につきまして御説明申し上げますと、国有林野事業におきましては、平成十年度の抜本改革で国有林野事業勘定の負担とされた約一兆円の債務をこれは平成六十年度までに返済することとされております。 したがいまして、このため、平成十五年度までの間は要員調整等新規借入金を必要とする状況でございますけれども、平成十六年度以降は新規借入金からは脱却することとされております。したがって、抜本的改革以降の借入金は基本的には債務返済までのつなぎ資金ということでございまして、財政投融資資金には、資金借入れにはなじまない、そういった観点から償還期間の短い民間借入金で活用させていただいていると、そういう状況でございます。 ○又市征治君 今おっしゃったとおり、利子補給と言うけれども、国家財政トータルから外部へその分だけ不必要な利子を銀行に今払っているわけですね。元々償還相手は財投ですよね。こういうおかしげな話というのはちょっとないと思うんです。 翻って、三十二特別会計、三十四の勘定の中には潤沢な原資を自動的に取り込んでいる会計、勘定が多いというのはこの決算委員会で随分と議論がされてまいりました。いわゆる離れですき焼きの状態と、こういう中身。 今も政務官おっしゃいましたけれども、財務省の判断で他の余裕のある特別会計からの無利子融資に是非切り替えていただく、このことを強く私は求めておきたいと思います。正に公益事業にしたわけですから、そういう点をしっかりと、この林野会計というのは非常に厳しい厳しいと言いながら利子をまだ民間に払っているなんてばかな話というのはないと思うんです。是非そのことは強く求めておきたいと思います。 さて、そこで大臣にお伺いをしますが、その林野事業の公益目的といえば、大きくは地球温暖化防止ということになりますですね。京都議定書で日本の森林による二酸化炭素の吸収目標は三・五%、一千三百万炭素トンということで確認をされました。これの達成について亀井農水大臣は、今年の予算委員会で、三月の予算委員会で我が党の福島委員に、現状で推移した場合は大幅に下回っていくんではないかというふうに答弁をされています。 改めて、その見通しの根拠、そしてまた今後の対策について大臣のお答えをいただきたいと思います。 ○国務大臣(亀井善之君) 今御指摘のとおり、森林による二酸化炭素吸収目標三・九%を達成するためにいろいろのことを進めておるわけであります。 そして、十四年の十二月には地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定をいたしまして、健全な森林の整備あるいは保安林等の適切な管理・保全、あるいは木材及び木質バイオマス利用の推進と、これらステップ・バイ・ステップでいろいろ進めていくと、こういうところでございまして、そして平成十四年から十四年の間、この森林整備水準で推移した場合、森林吸収量は三・一%ということでございまして、目標を下回っておるわけであります。 このために、平成十七年から始まる第二ステップ、ステップ・バイ・ステップの第二ステップに入るわけでありまして、今これまでの取組状況、こういうものをいろいろ評価を行っているところでございまして、これを踏まえて適切な森林の整備と保全が図られるように追加的な対策も検討しておるわけであります。 これとあわせて、この対策を実施するためには、何といっても、一般財源はもとより、新たな税源の確保ということを今私ども農水省としてもいろいろ勉強しているところでございまして、これらが実現ができるということになりましたら、この温暖化対策税が導入された場合にはその税収が森林整備に充てられるように積極的に対応してまいりたいと、このように考えております。 ○又市征治君 現状だと目標の今お話あったように三・一%ぐらいにしかならない、大変な努力が要ると、財源も要るということですね。 昨年八月、中央環境対策審議会の委員会では、必要な追加投資額は一兆一千七百四十億円、こんなふうに言われていますが、六か年で割りますと、単年度一千九百五十七億円ぐらいになります。京都議定書の議長国として、また今の国家財政としても、このくらいは出せるんだろうと、こう思います。 例えば、問題の多い道路特別会計、平成十六年度の予算でいいますと、四兆一千七百七十億円に比べたら、その五%にも満たない、四・七%ぐらいなんですね。道路特会は毎年剰余金を出しているわけですが、例えば平成十三年度の剰余金は八千四百五十億円なわけで、その四分の一弱回せば温暖化防止の森林事業ができるわけで、これは一つの例ですけれども。そういう、大臣としても、しっかりとやっぱり財務当局とも話し合い、そういうような努力をいただき、そういう財源対策というものを図っていただきたい、こんなふうに思います。 もう一方の問題は、私は労働力ではないかと、こう思います。林業就業者の現状、また将来試算はどうなっているのか、それと林野事業の職員数はどんな形で減ってきているのか、この点についてお伺いをします。 ○政府参考人(前田直登君) 林業就業者数でございますが、昭和五十年の十八万人から平成十二年には六万七千人に減少をいたしております。そういった中で、現状におきましては、林業生産活動の停滞等もございまして深刻な就業者不足には至っていないというように考えているわけでございますけれども、しかしながら、現在の減少傾向がこのまま続きますと、平成二十二年には四万七千人程度までに減少するというように見込まれるところでございます。 今お話ございましたように、地球温暖化防止、このための三・九%、これを確保するためには、やはり相応の労働力を確保する必要がございまして、今後の機械化や路網整備の進展等もございまして、一概にはなかなか申し上げられないんですが、生産性の向上等も考えますれば、おおむね現状程度の就業者数、この水準を維持することが必要ではないかというように考えている次第でございます。 ○又市征治君 六万七千人、これは官民合わせてですけれども、林野庁の職員だけでも一九六五年までは十万人台いた、こういうことですね。しかし、森林の公益性、環境やあるいは国土の維持発展というのは、この果たす役割というのを余り考えないで、木材が売れない、もうからないからといってどんどん減らしてしまった。二〇〇一年にはその十分の一の一万人にまで落としてしまった。二〇〇三年度末では約七千五百人。 小泉構造改革の一環だからという受け身の姿勢ではなくて、国際的公約である森林の二酸化炭素の吸収目標、三・九%の目標達成、このことにしっかりとやっぱり今踏まえて当たるべきなんだろうと思いますね。大臣が、現状のままでは達成できないと、こうおっしゃっているわけですが、そういう面では労働力の面も大きいことは確かだと思います。 さて、国有林野は猛烈な行革で定員を減らして、定員外職員に切り替えて働いてもらっているという現状があります。定員内と定員外、特に定員外の内訳はどういう人がどのぐらいいるのか、またこういう体制で森林が守れるということになるのかどうか。委託でといっても、委託の労働者は雇用の保障がないわけですから短期にやっぱり下りていってしまう、山を下りていってしまう、こういう現状が起こっているわけですね。こういう点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いします。 ○政府参考人(前田直登君) 今お話ございましたように、国有林の職員、八千人弱というようなことになっているわけでございます。このうち、定員内が、十六年度の職員のうち、定員内の定員ベースで見ますと約五千四百人、このほか、お話ございました現場作業に従事いたします定員外の職員、この方が約二千三百人というようになっております。 この内訳といたしましては、基幹作業職員が正確には二千百五十九人、常用作業員が十二人、定期作業員が百三十一人というようになっているわけでございますが、実は、この平成十年に成立いたしました国有林の抜本改革、こういった中で、今後の国有林の仕事につきましては、いわゆる切ったり植えたりという現場作業、これを全面的に民間委託に持っていくということで、国の職員としては、森林計画ですとか管理、こういったものに純化していくというような形を志向いたしております。 そういった中で、この業務に見合ったというような形で組織につきましても再編いたしまして、相当大幅な組織縮減を行っておりますし、また職員につきましてもそれに見合った形で要員の適正化を進めているというような状況でございます。 こういった体制の下で、今後の国有林の適切な管理、こういったものに努めてまいりたいというように考えている次第でございます。 ○又市征治君 次に、大臣にお伺いしますが、時間がなくなってまいりましたのでお伺いしますが、民間委託の推進などという、こういうふうに言われていますが、もうそういう段階は過ぎたんでないのか、極限まで切り詰められていて、機械化や路網だけではもう無理だ、こういうふうに現場では言っているわけですね。今は逆に仕事が足りない状態だという説もありますが、それは山の現状維持だけを考えている話なんだろうと思うんです。 林業に本当に希望を取り戻されるためにも、取りあえず国有林野事業が先導性を持って、職員数もやっぱり復活をするということをやるべきだろうと思いますね。しかも、できるだけやっぱり定着性のある、保障のある正規職員が必要だというふうに私は思いますよ。さっきもちょっと出ましたけれども、本当に短期間の格好では、訓練をしたりなんかするだけでも大変だ、とてもじゃないけれども間に合わない、こういう話、出ているわけですね。 そういう点で、森林をやっぱり復興して三・九%を達成するためには、今の計画ベースで、官民合わせて年間十万一千人、現状との差で六万人、年平均一万人の林業労働者の育成が必要だと言われていますけれども、今やっている緑の雇用対策も二千四百人では私は足りないと思いますね。 そういう点で、改めて大臣の、国土を守る、そして環境を保全していく、こういう立場での林業労働力の積極的な育成、確保についての決意についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。 ○国務大臣(亀井善之君=農林水産大臣) 地球温暖化の森林吸収源の三・九%を達成する、このためには、生産性の向上等も併せまして、林業就業者数におきましてはおおむね現状程度の水準を維持すると、こういうことが必要、このように認識をいたしております。 そこで、毎年、四、五千人の程度の退職者や離職者があると、一方では新規就業者二千二、三百人と、あるいはまた緑の雇用と、こういう面で二千四百人程度のことを考えれば、ちょうど一つのバランスが取れた、いわゆる退職者等とのバランスが取れるんではなかろうかと、こう思います。 そういう面で、この森林整備を着実に進めると、こういう面で都道府県の林業労働力確保支援センターの取組を支援すると、そして地方財政措置等とも連携しつつ、緑の雇用、この育成対策事業を積極的に進めることによりまして新規就業者の確保、育成に努めてまいりまして、そしてその目的を何とか達成してまいりたいと、このように考えております。 ○又市征治君 終わります。 |
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