第161回臨時国会

2004年10月26日 総務委員会



(1)新潟県中越地震の被災者支援には「予備費」では足りない
(2)「特別の需要」という主旨に従い特別交付税で措置せよ
(3)寒冷地手当見直しで懸念される福祉関係の給付への悪影響
(4)市町村合併の無理な推進で地域に起こる亀裂


○又市征治君
 社民党の又市です。
 あらかじめ、委員長、お断りしますが、質問通告やった後に新潟(県中越)地震だとかちょっと新たな事態が幾つか出てまいりまして、通告していない問題も含めて御質問したいと思いますので、ちょっと公務員制度の問題にかかわる答弁者の皆さんお忙しい中ですから、今日そこまで行きませんので、御退席いただくことをひとつ、委員長、お許しいただきたいと、こう思います。

○委員長(木村仁君=総務委員長)
 はい。

○又市征治君
 実は、私も昨日、一昨日の夕方から新潟へ行きまして、我が党の福島党首とともに新潟地震の長岡、小千谷、ここを視察をしてまいりました。これはまあ皆さん方全部御承知のとおりですが、映像で見られるとおり、高速道路がもう波打っている、亀裂が生じている、断裂が起こっている。高速道路でそんな状況ですから一般道はもうずたずたの状況、すごい状況になっているわけでありまして、それで七百回も余震が続いているという状況の中で、おっかなくて家へ入れない、こういう事態が起こって、例えば行きました長岡では、二十万人の人口のうち、もう五万四千人ぐらいの人がもう怖くて家に入れない。あるいは小千谷へ行きますともっとひどいんで、四万人のうち二万四千人ぐらいが避難所暮らしで、なお、このあと車の中で生活をしている人の数は分からない、だからもう七割五分ぐらいの人々がむしろ家へ入れないという、こういう状況なんです。もう墓石が飛んでいるぐらいですから、もう大変な状況で、おっかなくて家へ入れないということで、かなり長引くんだと思うんですね。したがって、こういう大変な事態が起こっておる。あるいは一方では、兵庫県豊岡市始め、連続する十個の台風による被害も回復しておらないで、これを含めて早急な対応が求められているんだろうと思います。

 私は、この場を借りて、新潟中越地震で亡くなられた皆さんに対する衷心からのお悔やみを申し上げると同時に、被災された皆さんにも心からお見舞いを申し上げるわけですけれども、政府としても、細田官房長官が補正予算は一月の国会でいいんじゃないかというふうに発言されているわけですが、既に予備費、今の状況から見ただけでももう予備費は不足することは明らかでありますから、是非、総務大臣、ここのところは、もう実力派閣僚と言われているんですから、少しやっぱり内閣の中で早急にそういう措置を取って国民に安心感を持ってもらう、こういう努力を一つはお願いをしておきたいと、こう思います。
 もう一つ大臣にお願いしたいのは、多分、新潟の場合でも激甚災指定になると思います。当然のことだと思いますが、しかし激甚災指定をしてみたって、これは公共土木施設の復旧であるとか農地の復旧作業だとかということに対して、言ってみれば八割、上限八割ぐらいの補助に対してこれはまあもう少し、二割ぐらいまではかさ上げをしましょうよということですよね。ところが、新潟行ってみまして、毛布は足りない、あるいは食料が足りない、水がない、医薬品がない、トイレットペーパー、簡易トイレがない、こんな問題が、これから寒さに向かっていく。これらは、ソフトの問題は、激甚災指定されても(補助が)ないわけですよね。そうすると、やっぱり本当の意味でこれはやっぱり地方交付税法の特別交付税などというのが、むしろこの中でしっかりと手当てをされていくということであろうと思います。
 行きまして、両市役所ともに、もう現地の皆さんはもう、市長なんかはやっぱり、何とかしてほしい、水害に遭って、台風に遭って、そこへもって今査定に入ろうとしたところへこれが来た、もう困り果てている。不眠不休で今頑張っておいでになるわけで、ここらのところをやっぱり特別交付税措置や、さらに、こういったソフト面の問題の手当てが法的にはできてないと思うんですね。ここのところ、大臣、その前向きな姿勢を是非お示しいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 今の御指摘はもっともでして、昨日、閣議が終わりました後、総務省に対して、総理大臣から総務大臣への指示ということで、他の分野でも幅広く応援が必要になると予想されるので、都道府県や市町村に積極的に協力していただくよう総務大臣から地方公共団体に指示という話を受けまして、昨日、事務次官並びに消防長官名において、今後、被災者の生活支援や被災地の復旧が本格化していく中で、食料、水、医薬品、日用品等の物資の提供のほか、上下水道の復旧にかかわる土木技術員や家屋の危険度を判定する職員並びに心のケアに対応するための専門官等の派遣が必要となります。これらの点について、被災地の団体と十分な連絡を取りながら強力な支援を取り組んでいくようということで、各都道府県知事と各政令都市の市長にこの話を、支援の要請をいたしておりまして、貴都道府県内の市町村に対して同様の要請をしていただくようお願いをしますということで、全国六団体の事務総長あてにも同じような内容のものを送っております。
 実際問題といたしまして、既に農水省からは乾パン、乾パンなんという言葉はあなたの世代には通じるね。若い人は後で聞いてください。乾パンとか、厚労省からは医者の派遣、また通産省からはスーパーマーケットで自動的に出せという話を、いろいろな話を既に関係省庁でしていただいておるところでもありますので、さらに仮設住宅の建設等々いろんなことが、今までは人命救出が優先していましたけれども、これから先はちょっと、家屋等々その他別の方向に移っていくと思っておりますので、それに伴いまして、被害が甚大ということでありますので、取り急ぎ応急対策、復旧対策ということになりましょうが、当然のこととして財政負担が生じるということになるのは必須であります。今日の閣議でも、補正予算を組む必要に追い込まれることは必須だと思いますので、予備費で三千七、八百億だったと思いますので、とても足らぬと予想されますので、補正につきましてはという話が財務大臣から閣議で発言があっております。
 私ども総務省といたしましては、これはちょっと、積み上げ方式ですから、事情は、どれぐらい被害が、報告が上がってこないと何とも言えないんですが、少なくとも今お話がありました交付税、地方債等々いろいろな財政処置を講じまして、いわゆる財政運営に支障が生じることのないようにいたしたいと思っております。

○又市征治君
 いろいろとおっしゃっていただきましたが、いろんな対策が要ると思いますが、特にやっぱり、私は、特別交付税などというのはそういうための措置だと、こう思いますから、早急なそういう手配などというものを大臣の方で御手配いただくように要請をしておきたいと思います。

 そこで、幾つかはしょらざるを得ないんですが、このことだけでも大分時間たってしまって困っているんですけれども、ちょっと寒冷地手当の問題についてお伺いしますが、寒冷地手当、先ほども出ていますけれども、北海道以外は廃止という線引きが初めにありきのような、こんな格好になって言われておる。しかし、山間部の市町村は面積が広いために、平地にある役場で測れば雪は少ないけれども、山の中にある学校だとか事業所は長年にわたって八十センチ以上積もっていますよと、こういうデータが蓄積されておる地域がたくさんある。これは御承知のとおり。
 そこで、基本となる気温や積雪量について自治体が独自の判断を行った場合、これは総務省はどうするおつもりなのか。自治権立法の範囲内でこれは、それは認めていくという立場なのかどうか、その点をお聞きします。

○政府参考人(須田和博君=総務省自治行政局公務員部長)
 お答え申し上げます。
 お尋ねの地方公務員の給与でございますけれども、これは国家公務員の給与に準ずることが地方公務員の給与の基準を定めております地方公務員法第二十四条の規定に最も適合すると私ども考えております。
 その意味で、今回の地方公務員の寒冷地手当につきましても、具体的には地方公共団体の条例で定めるべきものでございますけれども、その支給地域、支給額、支給方法など、基本的には国家公務員の寒冷地手当に準じる形で定めるべきものと考えているところでございます。
 したがいまして、各地方公共団体におかれましては、今回の国における見直しの趣旨を踏まえまして、国と同様に支給地域等の見直しを行っていただきたいと考えております。

○又市征治君
 えらい四角四面な話なんで。じゃ、条例というのは何のためにあるのか。条例に基づいてということなんだと思いますから、そういう意味では自治権という問題もちゃんとやっぱり考えておかなきゃいかぬのだろうと、こう思う。その点だけ申し上げておきます。

 そこで、この寒冷地の問題に伴って、二つの問題お伺いをしますが、これはあくまでも今度の縮小は職員の手当に限定したものであって、一般の需要に係る交付税算定上の寒冷補正、積雪地の補正については縮小するものでないということだと思いますが、その点はひとつイエス、ノーで明確にお答えいただきたい。
 あわせて、これはせっかく厚生労働省からもお見えいただいていますが、公務員の給与だとか手当の引下げというのは、えてして様々な民間福祉関係の給付にも影響を与えるケースが多いんですが、これについて生活保護費に係る冬季加算の問題までこれは引き下げるという考えではないんだろうと思うんですが、その点の確認をお願いしたいと思います。

○政府参考人(瀧野欣彌君=総務省自治財政局長)
 交付税の関係について、まずお答えいたしたいと思います。
 今回は寒冷地関係の給与についての見直しが行われるわけでございますが、そのほか、寒冷地関係につきましては、寒冷度と積雪度に応じた補正を行っておるわけでございますが、これは給与の関係とは別の級地区分で、別の制度でございますので、今回の見直しの対象外というふうに考えております。

○政府参考人(小島比登志君=厚生労働省社会・援護局長)
 お尋ねの生活保護の冬季加算でございますが、これは冬季に生ずる暖房費など生活需要に対応するものとして、十一月から三月までの五か月間、最低生活費に上乗せして支給されておりまして、その額は都道府県ごとに異なるものの、寒冷地だけでなく全都道府県において適用されております。保護の基準は一般国民、特に低所得の世帯の方々の消費水準を基礎として設定されておりまして、民間の賃金と適正な均衡を確保するということを基本とします国家公務員の給与とでは基本的に設定の考え方が異なります。生活保護の冬季加算につきましては、寒冷地手当の見直しに連動して改定するということは考えておりません。
 なお、冬季加算につきましては、現在の一般世帯の消費実態との均衡や地域区分の妥当性等について今後検証を行うこととしておりまして、必要があれば見直しを行わなければならないと考えております。

○又市征治君
 次に、市町村合併の問題について若干お伺いをしておきたい点がございます。
 実は、これは大臣に率直にお伺いをしたいと思うんですが、私、富山県の出身でありまして、富山県の婦中町というところがあるんですが、ここで合併の住民意向調査をやりました。随分とすったもんだ、いろんな意見がある。結果は、その住民調査をやる前に町長はこういうことを言ったんですね。この投票、意向調査によって、もし一〇ポイント以上差が付いたら、それを、当然住民の意向ですからそれを尊重してやりますと、こういうことで公約をしたと。
 投票をやった結果、この合併に反対というのは五九%、賛成が三五%、何とそれこそ二四ポイントも実は開きが出たと。ところが、投票後、町長は前言を翻して、住民の意思に反して合併強硬路線を走る、こんな格好になったと。議会は、この姿勢をめぐって十対十に割れて、議会三回開いたけれども三回とも流会。こんな格好になって、それじゃということで、新聞社の皆さんなんかは、そういう場合どうするんだということで総務省にも問い合わせしているんでしょうけれども、専決処分でやるんじゃないかという話が出たり、そんなことも報じられている。住民感情はもう大変なところへ来ています。
 どう考えたって、こんなこと、公約したんだから、公約したことをこんな格好でやるなんというのは、これは町長の言動は理解し難い。どうも、国が大変な圧力掛けておるんじゃないのか、県が圧力掛けておるんじゃないのか、こういう格好で町民の少なからずの人たちがそういうふうに受け止めている。だって、常識で考えられないことなんですから。約束に反している。
 そこで、こういう、まあそんなことは私はないんだろうと思うけれども、大臣その点も、いやそんなことを指導しましたなんということは絶対ないと思いますが、その点もお聞きをしますけれども、こうした明示をされた住民の意思を、これを認めない首長の態度について、これはもう合併の賛成とか反対とかという域を超えて、民主的な地方自治の運営の基本にかかわる問題ですね。この点について、明快な大臣としての御見解を是非お聞きをしておきたいと、こう思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 普通、富山県というのは、なかなかこの種のこんがらがった話は起きない常識的なところだと、私どもはそういう間違った考え方を持っていたんですけれども、この婦中町はちょっと全国でも珍しいです、これは。これはまあ全国で物すごく珍しい例で、今、はしょられましたけれども、その投票が行われた後に、今度は合併賛成派が、この五八・五%の反対、八千五百二十六票を上回ります合併賛成の一万人の署名を集めたんですね、一万飛んで何百だか。
 こうなると話がえらい込み入りまして、議会に対して合併推進の請願を出しておられて、九月の二十三日には今度はまた一票差で、前回一票差だったので、今回また一票差で九月二十三日に町議会において合併推進決議が可決ということになっておるから、今言われたように、前回は否決、今回は可決となったから話がえらいこんがらがってきたというのが今の実態なんですが。
 いずれにしても、最初の御質問ですけれども、総務大臣が圧力を掛けたかというほど、それほど総務大臣暇じゃありませんので、そんなことはありません。
 それから、期日が迫ってきておりますので、私どもとしては、これは間違いなくその婦中町の話なんで、ちょっと私どもとしては、これはちょっと、どっちにするんだか、それはそっちで、正に地方自治の話ですので、そういった意味では予定日が迫ってきておりますので、早急に結論は、これは町議会で出していただかぬとどうにもならぬということだろうと、私どもはそう思っております。

○又市征治君
 時間が来ているんですが、ちょっと流れがありますから。
 そこで、今起こっている問題は、町長のリコールと実は議会の解散直接請求運動と、こうなってきているんですね。だから、問題は、この町長の姿勢の問題を私はお聞きしたので、そこはうまくすり替えて、擦り抜けてしまっているわけで、こういうばかなことがならないように、やっぱりもっとしっかりと目配り、気配りしないと、合併推進をやったわ、こういう問題で住民が亀裂を起こす、後々の地域運営が大変だと、こういう問題が起こっている。このことを是非、総務省もしっかりと受け止めてもらいたい、あちこちで迷走ぎみですから。
 その点を申し上げて、終わりたいと思います。