| 第163回特別国会 |
| 2005年12月19日 決算委員会 |
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(1)現地のためではなく日本企業の利益のための開発型ODA (2)米国が行なうべきベトナムの戦災復興を日本が肩代わり (3)草の根無償援助が趣旨を逸脱して使われているイラク支援 |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 三班とも大変どうも御苦労さまでございました。時間の関係でどうしても絞らざるを得ないと、こう思うので、主要には第二班のベトナム、カンボジアのグループの皆さんにお伺いをしたいと、こう思います。 前置きとして、私は以前に当委員会のODA審議の中でも触れてきたんですが、日本のODAは、有償、つまり円借款で日本のメーカーの品物を買わせるという形が非常に多かった。そのため、相手国は返済に苦しんだり、またアフターケアがないために、使い方の指導が足りなかったり、部品や修理ができずに高価な機械設備が宝の持ち腐れになったりしてしまった、こういうケースが多々報告されてまいりました。今日の報告でもそんなことが一つございますね、病院のケース。 また、目的を大きく貧困対策とインフラ整備とに区分をした場合に、日本の前者、すなわち保健衛生、教育、水の供給といった部門への援助は伸び悩んで、後者、すなわち道路であるとか橋梁であるとか、あるいは空港、港湾といった部門ばかりが大きく伸びてきた、こういうケースがあります。これは現地の住民のためというよりも、日本国内で公共事業が頭打ちになった、そのために、形を変えた日本の業界のための救済事業ではないのかという批判が、これは私が言い出したんじゃなくて、当委員会に招いた参考人の発言や論文の中でも指摘されてきたことなんですね。 私は、昨年視察をした中にも、バンコク第二空港であるとかあるいは高速道路といった必要性に疑問のある例がやはりありました。その点、多分皆さん方も幾つか見られてあったんではないかと、こう思うんですが。 そういう観点から見ますと、今回行かれたエジプト、ベトナム、あるいはインドに対しても、金額で圧倒的なのはやっぱり有償協力ですね。これは全部、ちょっと調べてみますと、エジプトでは有償が七一%、ベトナムでは有償が八五%、インドでは九六%が有償援助と、こんな格好になっているわけでありまして、これはさっきから出ているバランスの問題、いろいろとあるんだと思うんですが、おまけに有償の中身がいわゆる開発型の土木事業、これが非常に多いと。そこで、ベトナムの例ですけれども、過去五年累計で今申し上げたように八五%が有償だと。その内容も、例えばタインチ橋に三年で二百七十三億、国道五号線に三年で二百九億、サイゴン東西ハイウエーに四年で四百九億などとなっておりますね。 こうした金額で著しいアンバランスをどのように考えるかということですけれども、先方の政府の要望ということももちろんあると思いますけれども、本当に国民のニーズに合っているのかどうか、これらの事業が合っていたのかどうか。これは向こうの国民の皆さんとお話しする機会がそんなのあったのかどうかということも分かりませんけれども、それぞれ、この後の質問もお三方おいででありますからどなたからでも結構ですが、こうした問題について調査団として見聞しておみえになっての感想をまずお伺いしたいと思います。 ○西田実仁君 御質問ありがとうございます。 大変重要な御指摘で、我々、ベトナムにおきまして今幾つか例を挙げられましたインフラ整備をつぶさにその現場を見させていただいたわけであります。 実際に、私、これは個人の感想だと思いますが、ベトナムには実は議員になる前に、十年前に行って、二度目だったんですけれども、道の整備又は交通の渋滞度合いとかかなり激しく、ひどい状態によりなっているなということは正直言って感じました。それを、そうした交通渋滞あるいは交通事故も大変に多いという、病院に視察行かせていただいたときもそういう話がございまして、そうした交通渋滞や事故等をなくしていくための、様々な橋にしてもあるいは東西ハイウエーにしても、それは多分役に立つんだろうというのは容易に感じました。 ただ、御指摘いただいたように、実際に利用する国民の方々とお話しする機会というのは正直言ってやっぱりありませんので、それを受け止める側がどうなのか、あるいは交通渋滞をなくすためにバスを導入しているということもあるようですけれども、なかなかその利用もうまくいっていないというような実態もあるようでありました。 さらに加えて、今後のメンテナンスと考えていくと、私は重要だと思ったのは、やはりベトナムでも例えば道路台帳とかあるいは橋梁台帳とか、メンテナンスをするのに不可欠な基本的なデータそのものがまず整備されていないということでありまして、そこにも日本のノウハウがこれから生かされていくというお話、お聞きしました。この部分、お金というよりもノウハウであり、また、目に実際に見えないけれども大変大事な、私はメンテナンスにとっての基本的な、そういう意味では文字どおりインフラの整備だというふうにも思いまして、そういったところへも力を入れていく必要があると思って帰ってまいりました。 ○加藤敏幸君 御質問で、少し感想を申し上げますと、同じように近い、委員に近い私も思いで行ったんですけれども、一つそうでなかったことは、例えばベトナム日本大使の方から、今や貸してあげる有償ではなくて借りていただけるという視点も必要だと。そういうような意味で、返済という、そこも考えるならば、ベトナムという国が非常に借りていただけるという国としての資格に今適合しているという、そういう視点も必要だということ。 それから、例えばホーチミン市の高速道路、東西ハイウエーについては、これはキャナル、運河のその周辺には、横にはずっとスラム街があったわけですけれども、それの移転を前提にして、その上に高速道路を建設すると。じゃ、移転した人はどうなったんだと。で、唯一国民の声ということでいえば、その移転先の高層マンション、アパートのところにまで私たち行ってそこの住民の声を聞いたんですけれども、まず、広さは大体同じだけれども、清潔感と快適性ということにおいては非常にすばらしく満足をしておるという、もうこれはそのおうちまで行って声を聞きました。 したがって、インフラ整備といわゆる貧困対策というふうなことが完全な二分法的に現地で分けられるんじゃなくって、それが密接に関与しているという、そういう側面も私はあったということを感想として申し上げたいと思います。 ○又市征治君 そこで、ベトナムの場合、もう一つの視点、戦災復興、つまりアメリカのベトナム侵略あるいは破壊行為に対する償いを日本が代行している傾向があるんではないのかという疑念が私はあります。というのは、この配付資料では過去五年間の国別の五位までにアメリカの援助が載っていないわけですね。もしそうだとすれば、本来はアメリカが行うべき戦災復興の肩代わりを日本がトップでやっているんじゃないのか。そうすると、これはやっぱりODAとしての問題があるんではないかということがありますし、政府はむしろアメリカに対してきちっとこういう点は注文を付けていくということが求められるんだろうと思うんですね。 この点について、まあこんなことを議論なさったかどうかということはあるんですが、何かベトナムの政府関係筋と、人民委員会ともお会いになったようですけれども、こういった問題、あるいは団の中でも何か御議論があったのかどうか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。 ○小泉顕雄君 特にアメリカとのかかわりということについてのお話はありませんでした。そういう情報を聞いたこともありません。 ○又市征治君 これらの点については、来国会からODA特別委員会を参議院には設置をするということが各会派合意になりましたから、今申し上げた問題などというものについてもこれは論議になっていかなきゃならぬ課題、こういうことなんだろうと思います。 そういう観点も含めて次に移りますけれども、どちらも貧困・衛生対策であって、性質の似た上水道あるいは下水道の建設が、これは第一班とも関係あるんですが、エジプトでは無償なのに対してベトナムでは有償になっている。これは一体なぜなのか。土木工事を伴うこうしたプロジェクトは金額がかさむわけですけれども、さきに述べた二つの私区分をいたしましたけれども、はっきりと公衆衛生対策、つまり貧困解消部門であると位置付けるならば、基本的にはこれは無償で行うべきではないかという、こういう考え方も成り立つと思うんですね。少なくとも日本から持ち込む機材であるとか、あるいは技術支援については無償にすることが比較的容易ではないか、こんなふうに私は思います。 といいますのは、現在、今イラクに対して巨額の水道建設や道路など、これを日本は全部、草の根無償援助という扱いで行っているわけですね。 本来の草の根無償というのは一件一千万円以下のNGOに支援をするものなのに、その枠を超えた一件数千万円の、それも形式だけが分割されているわけですが、つなぎ合わせると一件数億円単位の水道や道路のプロジェクトが草の根無償の枠で行われているという、こういう現実があるわけです。これとの比較をどうするか、こういう問題があるわけです。 イラクに対しては、水道どころか道路も無償であります。エジプトに対しては、水道は無償だけれども、ベトナムに対しては、これは今申し上げたように下水道も有償だ。この違いについて、一、二か国だけ訪ねて視察されてきた委員各位に基準を伺うのは無理かもしれませんけれども、この点について、何らか事前に勉強なさっていったり、あるいは御感想でも結構なんですが、一班、二班の関係でもし御意見ございましたらお聞かせいただきたいと思います。 ○加藤敏幸君 委員もおっしゃられましたように、一国、二国の視察の中で今御提起された課題についての所見を申し述べるということには私は至らないというのが事実だと思います。ただ、言われましたように、私は、国別にその国の実情を十分勘案する中での総合的なODA支援ということはあるべきだし、その中において有償、無償の比率の問題、あるいは個々の事業についての議論が起こると、こういうふうに思っています。 ただ、世界を見たときに、ODA支援国のそれぞれの国間のバランスの問題でありますとか手法の問題等については、私は正に言われたとおり、特別委員会ができればその場で、私は国の支援政策の言わば考え方、大綱なり年度ごとの考え方との関係において十分議論すべきテーマであると、そのことは同様に思います。 ○尾立源幸君 私どもエジプトの方を見てきたわけでございますが、こちらは御承知のとおり大変厳しい生活環境ということで、水が人の生命にとって命ということで、恐らくそういった面から無償で行われたのではないかと思いますが、一方、二班の下水道の方は環境整備というようなこともあるのではないかなと思いますが。 ただ、私は非常に気になりますのはこのプロジェクトの在り方でございまして、ちょっと余聞になりますが、個別プロジェクトそれぞれは本当に成功している例多かったわけでございますが、じゃ全体としてはどうかというと、これから申し上げたいんですけれども、一般財政への支援という形で、面でこの援助の在り方を考えていかなきゃいけないと。そのときに問題になるのが、実は一般財政、今、日本が援助することができないような仕組みになっております。なぜかというと、会計検査院法の規定だと聞いておりますが、領収書がもらえないから一般財政として相手国へ提供できないと。こんなことも今後検討していかなきゃいけないかなというふうに思っております。 ○又市征治君 今回、いずれの視察国にも共通していることなんでしょうけれども、技術協力であるとかあるいは無償援助はいずれも金額的には非常に小さくて、また日本の小さなNGOの手によって行われている場合が多いわけですね。そしてまた、これら資金的には零細なプロジェクトの方がより現地社会の住民に深く浸透していて、貧困や保健衛生あるいは教育の改善に役立っているように思います。こんな点は更に伸ばしていかなきゃいかぬのだろう、これは、去年も私もこれは指摘を申し上げたところでございますが、そんな点、引き続きODA特別委員会などの中でしっかりと参議院として論議をしながら充実したものになっていくように、あるいはまた幾つか問題があるならば、これは正しながらしっかりやっていくべきなんだろうと、こんなように思います。これはもう私の感想でございます。 改めて調査団の皆さんに御苦労さまを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 |
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