第164回通常国会

2006年1月25日 本会議



(1)特別会計問題での内閣への警告決議
(2)省庁の財源囲い込み特別会計を国民の立場で白紙から見直せ
(3)増税や負担増を言う前に、貯め込み財源を一般会計に回収せよ
(4)社民党案では、10年間にわたり毎年6兆5千億円を捻出できる
(5)この財源を一般会計に入れ、増税や福祉切下げを回避すべき
(6)真に国民のために数値目標を掲げて特別会計改革に取り組め


○又市征治君
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、内閣に対する警告決議に関する政府の対応について質問をいたしたいと思います。
 その前に、昨年末からの大雪で大変御苦労なさっている国民の皆さんに、私も雪国の一人として、お見舞いと激励を申し上げたいと思います。

 さて、参議院では、この三年、全会派一致して決算審議の充実を図り、これを来年度予算に反映させるべく努力されてまいりました。私も、この観点から、この三年間で三十五回決算に関する質疑に立ってまいりました。
 まず、財務大臣に伺いたいと思います。
 二〇〇三年度決算審査の結果として、昨年は十二項目にわたる内閣に対する警告決議が全会一致で採択をされました。その第二項では、特別会計について、透明性の欠如、不要不急の事業、多額の不用及び剰余金、予算と執行の乖離、政府出資法人等への支出に係る問題等は看過できないと警告されたところであります。
 まず、この警告が来年度予算などにどのように反映されたのか、政府を代表して財務大臣から国民に分かりやすく説明を求めます。
 第二に、財政制度審議会も、昨年十一月、特別会計について提言をいたしました。個々の会計ではなく制度全体を白紙から見直せ、また、官僚制内部にとどめず国民の立場に立て、こういう提言は傾聴に値をいたします。
 これをまつまでもなく、特別会計を口実とした各省庁による巨額の財源囲い込みは目に余るものがあり、私も委員会で何度も指摘をしてまいりました。財政再建と称して増税や老人医療の負担増や地方交付税の切下げを言う前に、このため込み財源を適正に一般会計に回収すべきでしょう。
 そこで、具体的に伺います。

 まず、年間四百十一兆円、純計で二百五兆円もの特別会計、それから除外されている積立金及び資金と呼ばれる財源が六百六十九兆円もあります。例えば、財務省所管の財政融資資金特別会計の三百八十九兆円や外国為替特別会計の百十兆円、原発偏重と濫用で問題となった電源開発特別会計で八百八十一億円などです。これらの縮減と一般会計への還元はどの程度行ったのか、まず伺います。
 また、道路整備特別会計など公共事業五つの特別会計は、税から多額の繰入れをしているにもかかわらず、いったん予算化をされると、執行残を出した場合でも一般会計に戻されずに特別会計で繰り越される。例えば二〇〇四年度の道路特別会計決算では、繰越額と不用額で一兆九百二十八億円、予算の二三%も繰り越されている。財政審の小委員長は、戦前の臨時軍事費みたいなものだと批判をしています。
 政府は、道路関係財源の一般財源化を探っているようですが、より根本的な改革として、これら五つの特別会計を廃止し、一般会計で透明な経理をし、繰越しではなく、その事業が本当に必要ならば翌年度に改めて計上すべきではありませんか。

 さらに、その他の特別会計も、会計や勘定の数と金額、とりわけ一般会計からの繰入れを減らし、できる限り一般会計で透明に経理すべきことは、説明責任の理念からも当然のことであります。こうした特別会計の正常化により、我が党の試算では、前述の件も含め、向こう十年間、毎年六・五兆円の財源を捻出でき、一般会計に繰り入れることが今すぐにでもできるとしております。
 これにより、一連の増税や福祉切下げを回避することができるはずです。それこそが政治というものだろうと私は思います。二〇〇六年度は、特別会計からどのくらいの金額を捻出する方針ですか。
 以上、財務大臣から考えを伺います。

 最後に、総理に伺います。
 私は、三回にわたってあなたに、本気で特別会計を改革するなら、ほかの分野で発言されていると同様、分かりやすい数値目標を示して改革すべきではないかと申し上げてまいりましたが、総理は官僚のペーパーどおり、特別会計はそれぞれ性格が違うから数値目標は言えない、こういう格好で逃げてこられました。
 しかし、総理、今回、財政審はこうしたあなたの逃げ腰を明確に批判をして、予算も含め数値目標を掲げて特別会計改革に取り組め、こういうふうに提言を し、具体的に二十八の特別会計から十七兆円を当面の検討範囲として挙げているではありませんか。もう先延べは許されません。
 総理、あなたの予算編成は今回が最後でしょう。先延べや偽装ではなくて、真に国民のために数値目標を掲げて特別会計の改革と大幅な縮減というものに取り組む決意のありやなしや、三度目の正直、お答えをいただきたいと思います。
 以上、明快な答弁を求め、私の質問を終わります。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 又市議員に答弁いたします。
 特別会計の数値目標でございますが、私は、議員の御提案に対して、数値目標については特別会計について財務大臣にきちんと見直すように指示しているので、私の口から言うべきことではないと申し上げているんです。その指示に基づいて、今般財務大臣を中心に検討を行い、政府、与党が連携した結果、今後五年間において合計約二十兆円程度の財政健全化への貢献を目指すとの数値目標を含んだ改革案を策定したところであります。政府としては、改革案に沿って、十八年度予算を第一歩として着実に改革を推進してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。

○国務大臣(谷垣禎一君=財務大臣)
 又市議員にお答えいたします。
 最初に、警告決議の平成十八年度予算への反映についてのお尋ねでございました。
 決算審査については、歳出の無駄の排除を徹底する等の観点から極めて重要と考えておりまして、検査報告事項や国会での審議内容を平成十八年度予算に反映させるべきであるとの総理の御指示を受けまして、政府一丸となって取り組んできたところでございます。
 こういう方針の下、警告決議項目については、特別会計について、約十三・八兆円の剰余金、積立金を財政健全化のため活用するほか、特殊法人等への財政支 出を約千九百九十九億円削減し、産業再配置促進費補助金について、政策的効果が低下していることから平成十七年度限りで廃止するなど、適切に平成十八年度予算に反映したところでございます。
 それから、特別会計の剰余金、積立金についてでありますが、特別会計については多額の剰余金等が存在し財政資金の効率的な活用が図られていないといった問題の御指摘がございまして、行政改革の重要方針におきまして、資産、負債や剰余金等のスリム化を徹底するなどして今後五年間において約二十兆円程度の財政健全化への貢献を目指すと、今総理からも御答弁をいただいたところでございます。この方針を踏まえまして、平成十八年度予算におきましては、財政融資資金特別会計の積立金を始めとして、合計十三兆八千億円の剰余金、積立金を財政健全化のために活用しているところでございまして、今後とも着実に改革を推進 してまいります。
 それから、公共事業関係の特別会計と繰越しについての御議論でございますが、特別会計、一般会計にかかわらず、必要な事業として予算計上されたものの自 然的社会的諸条件によって年度内に支出できない場合には、効率的な執行等を確保する観点から翌年度に使用できる繰越しが財政法で規定されており、あらかじめ国会の議決を経た範囲内で限定的に活用しているものでございます。いずれにしても、多額の繰越しや不用が生じた経費については執行実績を十分精査して、 予算に反映するよう努めてまいります。
 なお、今般の特別会計改革におきましては、受益と負担の関係を明確にしつつ、事業間の連携を強化し、事業の効率性を高めることなどにより無駄を排除していくとの観点から、公共事業関係の五つの特別会計を平成二十年度までに統合することとしております。
 以上でございます。