第164回通常国会

2006年2月22日 決算委員会



(1)特殊法人以上に税金を浪費する独立行政法人
(2)独立行政法人も経営責任を明確にせよ
(3)独立行政法人で行なわれる職員の非公務員化
(4)非公務員化で懸念される土地・建物・知的資産など国民の資産の流出
(5)天下りの温存とそのための国費注入
(6)無理があった拙速で画一的な独立行政法人化


○又市征治君
 社民党の又市でございます。
 今日はお忙しい中をおいでいただいて、貴重な御意見ありがとうございました。

 私は、まず北沢参考人にお伺いをしたいと思います。
 二点ありまして、一つは、北沢さんが、独立行政法人は特殊法人よりもっと悪い、国民の税金や財産の浪費になっていると繰り返し指摘されておりますけれども、全く同感でございます。その対策の一つとして、評価を総務省に一本化するとも述べられておりますけれども、それでもいささか心もとないんではないかと、こう私は思うんですけれども。私は、評価結果は所管省庁の官僚の個人責任までやっぱり問わねば駄目なんではないのか、個々の独立行政法人ごとに所管省庁側に局長級ぐらいの責任者を定めて経営責任を最後までやっぱり取らせるのも一方策ではないかと、こう思うんですが、この点どうお考えだろうかというのが一つ。

 もう一点は、第一次で独法化した機関のほとんどが今回の法案では非公務員型に変えられますね。五年前に公務員型にとどめたのは、政策判断ではなくて、隠された非公務員型のワンステップであって猫だましにすぎないんじゃないかということを私は指摘したことがございます。
 非公務員化すれば、みなし公務員規定は残るとしましても、経営陣の自由裁量、営利的経営を今よりもっと認めることでもあるわけでありまして、それはまた、土地、建物、先端研究開発の機材であるとか知的成果といった国民の資産の流出に行き着くおそれも強くなると思うんです。
 また、御指摘いただいたような高給与の天下りの温存とそのための国費の注入という問題もございます。ひどいのに至っては、二千八百億円を毀損して廃止した独立行政法人の例もあるわけですね。

 北沢さんが不要な事業は廃止と、こう言われるその前に、この財産の費消、散逸を食い止めるためにむしろ独立行政法人の再国有化が必要なものもあるんではないのかと、こういう点を、今日は具体例は挙げませんけれども、そういうものもあるんではないかというふうに私は思う独立行政法人がございますが、その点についてはどのようにお考えだろうか。
 この二点、北沢さんにお伺いします。

 あわせて、次に山谷参考人にお伺いをいたしますが、いただいた資料を見ますと、独立行政法人に対する行政評価について、国立美術館、国立博物館の例を挙げられて、評価委員は政策の論議には介入せず、法人の組織のマネジメントの効率化とサービスの充実、経費削減状況を対象に論議するだけだ、したがって、効率化の議論をするなという批判は独法化を決めた文部科学省、政府に向けるべきだというふうに述べられていると思うんですけれども、しかし、先生が例に挙げられたこのケースというのは、東京芸大の学長でもある平山郁夫さんなど、だれもが認める第一級の文化人で管理の経験もある人たちが独立行政法人化自体について国の文化政策の危機だとして発言をされた、それゆえに社会的影響力も大きかったのではないかと、こう思うわけですけれども、私は、五年前の第一次独法化以来、一瀉千里で政府が画一的にやってきたこと自体に無理があったんではないのかと、こう考えております。
 別の例を挙げますと、総務省は今度の国会で独立行政法人消防研究所の解散を実は法案として出しているわけですね。解散とありますけれども、国家機関としての意義を認めて、むしろこれ総務省の中に再統合する、こういう内容なわけで、私はこの再統合は正しいと思います。むしろ、この拙速な独法化そのものが誤りであった実例としてむしろあるんではないのか、こんなふうに思うわけです。
 したがって、政策は終わった、今はもう評価の段階だとするのではなくて、評価委員であれ、外部の専門家や、あるいは世論、マスコミであれ、政策、つまり独法化の可否にまでさかのぼって論議をすることはむしろ大変必要なことではないか、こんなふうに私は思うわけですけれども、その点について改めて山谷さんにお聞きをしたいと思います。
 以上です。

○参考人(北沢栄君=東北公益文科大学大学院教授)
 お答えします。
 最初の御質問、御指摘ですけれども、責任を取らせるという、局長それからその上の大臣に、これを通則法に盛り込んでやるというのは賛成ですね。これは、エージェンシー制は、ちょっとそこに簡単に書いておきましたけれども、ちゃんと責任が明記されているのに対して、通則法ではそれがあいまいです。このあいまいなゆえに無責任体制になって、いいとこ取りしちゃう、給料の面とか、そういうのがあると思いますので、ここは立法府としてきっちり通則法を変えるというのが重要かと思います。

 それから、二番目の非公務員型にしたなどの問題ですね。そもそも国有化を含めての論議、必要じゃないか。これは、実際にすごく、相当なスピードで独法化しちゃいましたよね。その結果、確かに、造幣局とか国立公文書館なんかはどうするんだという問題は当然出てきているわけですね。ですから、造幣局、これはお金ですから、大丈夫かというのはありますよね。それから、更に今度、年金もやるでしょう、年金。これは相当問題ですよね。それから、郵便貯金、簡保やりますから。だから、これを含めて、独法化でいいのかを含めて、独法化がそもそもいいのかというのがまず前提にあって、それで、独法化されている、今実際に走っているものに対しては、これは今の、決まるまでは今の土俵できっちり評価して、対策を、事業化をどういうふうに、どういう形でやるのかを決めるべきだと思うんですね。
 はい、終わります。

○参考人(山谷清志君=同志社大学・大学院教授)
 非常に貴重な御指摘でございます。
 おっしゃるとおり、独立行政法人という制度を入れた途端にいろんなものが独立行政法人になっていったと。結果として、ある種混乱状況があると思います。
 最大の問題は何かと考えますと、やはり各省が自分の中に独立行政法人を抱え込んでいるところがございまして、であるとすれば、それはもう一度、では各省の行政の責任の及ぶ範囲の中にもう一回戻すと、消防研究所もおっしゃいましたが、そのとおりだと思います。ただし、先ほどから繰り返していますが、もう既に政策的にはこれはもう歴史的な使命が終わったのではないかとか、あるいは別に公的な機関でやる必要がないのではないかというふうなものも多々あると思います。そこのところの仕分をもう一度議論し直す、その機会が必要なのではないかというのが、私考えております。
 今の独立行政法人の評価の仕組みというのは、いろんなイメージを持たれていると思いますが、実は独立行政法人通則法というあの法律の中に規定されている、その視点で評価をせざるを得ないというのが法の趣旨でございますので、正に国立美術館とか国立博物館の議論のときにいろんな偉い文化人の方々からお手紙をいただきますが、あれはちょっと的外れではないかなという感じでおります。
 というのは、独立行政法人を評価する視点はもう既に決まってますので、文化的に日本の財産として非常に大事だという議論をされても、それは独立行政法人の評価の議論にはならなくて、むしろ政策判断になろうかと思います。とすれば、それを議論していただくのはここの場所でやっていただくというほかはございません。
 以上でございます。

○又市征治君
 ありがとうございました。
 終わります。