| 第164回通常国会 |
| 2006年4月10日 決算委員会 |
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(1)国民年金保険料は今も3分の1が未納という深刻な状態 (2)市町村が税務上の個人情報を外に流すのは大変な問題だ (3)納付率の向上は分母となる対象者が減少しただけのこと (4)一時の対象者増加は、小泉リストラ政策で追われた人々 (5)失業率が回復したと言うが、厚生年金に移行できたのか (6)中高齢者では厚生年金が増えたが、若年層では逆に減少 (7)健康保険証の切替えで脅すなど厚労省の責務に逆行する (8)政府は雇用拡大・正規雇用化で厚生年金への異動を図れ (9)減免や遡及納付などで未納者の納付を助けることが基本 (10)厚労省所管の独立法人で繰り返される企業へのばらまき (11)利潤が出るはずの医薬品開発で国の出資金の回収がゼロ (12)一般医薬品開発こそ国費を投入せず民間の企業に委ねよ (13)一般薬開発への政府出資金565億円が「焦げ付き」に (14)厚労省OBの天下り法人による利権のばらまきを止めよ (15)巨額の不透明な国庫支出は即刻打ち切るべきではないか (16)節約を言いつつ何百億も欠損を出すような制度は廃止を |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 大臣とは初めて質疑をさしていただきますが、よろしくお願いしたいと思います。 まず、国民年金の保険料納付率の問題について伺ってまいりたいと思うんです。 二〇〇四年度末では六三・六%、今年二月末では六五・六%で、二ポイント改善されたように見受けるんですが、そうはいいながらなお未納が三四%台、三分の一が未納だということですから、年金制度の空洞化は深刻だろうと思うんです。 未納者への最終催告状の発送が十五万五千件に増えたそうですけれども、これは市町村の協力を得た結果のようですけれども、今回の市町村の協力内容について簡潔に御説明をいただきたいと思います。 ○政府参考人(青柳親房君=社会保険庁運営部長) 現在、国民年金事業の運営におきまして市町村の協力をどのような形で受けておるかというお尋ねでございます。 まず、これは法定受託事務という形で資格の取得の届けや裁定請求の受理というのは当然受けておるわけでございますが、それ以外に資格取得届の提出時における納付特例あるいは口座振替の促進と、こういったような協力連携事務もやっていただいております。 また、ただいまお尋ねが出ましたように、平成十六年の国民年金法の法律改正によりまして、市町村から所得情報の提供をいただきまして、これに基づき被保険者の負担能力に応じた対応が可能になり、具体的には、保険料の負担能力が乏しい方につきましては免除、あるいは学生の納付特例、あるいは若齢の方についての納付猶予と、こういった形で確実に年金権に結び付けるということ。それから一方、十分に負担能力がありながら納付義務を果たさないような方に対しましては、差押えを含む強制徴収による適切な対応を図るということが可能になりました。 とりわけ強制徴収につきましては、所得情報を磁気媒体でいただくことによりまして、お話が出ましたけれども、最終催告状の発送件数が、平成十七年度十七万件、十八年度は今度三十五万件を予定しておりますが、将来的には年間六十万件を実施したいというふうに考えております。 ○又市征治君 税務データを市町村が磁気データで外へ出すというのは、これは個人情報上大変問題があるんですね。前の坂口大臣が私の質問に対して、国への逆移管というのは失敗だったと、こういうふうに答弁をされたように、徴収そのものを二〇〇一年度以前のように市町村と協力をして行うということが適切なんだと思うんですね。住民に身近な自治体は、不正な滞納者への督促を強化をする面だけではなくて、督促された住民に支払能力があるかどうか具体的に見て対処する、こういう点でもむしろ適格だと、こう思うんです。 もう一つお伺いしますが、納付率が向上したのは実は見掛け上の理由がありますね。分母となる対象者数、まあ納付対象月数、これが減少している。ここのところはどういうふうになっていますか。 ○政府参考人(青柳親房君) ただいま納付率の計算の基礎になっている納付対象月数の推移についてのお尋ねがございました。具体的に数字を挙げて御説明をさせていただきますと、平成十八年の二月末現在という最新の納付対象月数で申し上げれば、対前年同期比で千二百七十七万月の減少という形になっております。 この内容を具体的に整理をいたしますと、まず第一点として、被保険者数そのものが減少していることによりましておよそ二百万月が減少していると、全体の二割程度に当たるものでございます。それから、お尋ねがございましたが、免除者あるいは学生納付特例といったものの増加によりまして約四百四十万月、全体の三割程度の減少がございます。 これらに加えまして、平成十六年に年金改正を行っていただきましたときの改正事項でもございます若齢者の納付猶予制度によるものが約三百五十万月、それから免除申請をさかのぼって適用できるようにしたことに伴うものが二百八十万月ということで、法律改正によります効果が全体の約五割を占めているというふうに分析をしております。 ○又市征治君 分母の人数がしばらく増加した主な理由というのは、小泉内閣のリストラ推進によって正規労働者としての厚生年金から追い出されて国民年金に移った。しかも、最悪の場合は失業者となった状態で移ってきたということですね。未納が増えても当たり前なわけです。 そこで、今は失業率は回復していますけれども、国保の事務者数の減少、昨年比で今お話あったように二百万月、約八十万は厚生年金に移れた人なのかどうか。中でも、フリーター、ニートが多い若年者、また正規の再就職が難しい高年齢層というのはどうなっているんですか。 ○政府参考人(青柳親房君) 被保険者の動向ということでお尋ねございました。 これにつきましては、現在私ども把握しておる一番新しいデータが十六年度末までの数字ということでございますので、平成十五年度末から十六年度末の一年間でただいまの数字についてお答えをすると、厚生年金の被保険者数は約三十七万人増加し、これに対応する形で国民年金、いわゆる第一号被保険者の数が約二十三万人減少しているということがございます。 しからば、これが年齢ごとに見るとどうであるかというお尋ねでございましたが、若齢者、二十代については、厚生年金の被保険者も国民年金一号被保険者もともに減少をしております。他方、中高齢者というところでは、厚生年金の被保険者数が増加し、国民年金の一号被保険者数が減少するという傾向が生じております。 具体的に数字を申し上げれば、五十代の方を取ってみますと、厚生年金の被保険者数は約三万人の増加、一方、国民年金一号被保険者数は約四万人の減少という形になっております。 ○又市征治君 大臣、お聞きのとおりなわけでございまして、やはり大変、そういう意味では国民年金、先ほどから申し上げてきたように非常に、まだ三四%程度の未納、こういうことになります。 最近報じられるように、医者など現役で相当の収入を得ている人が滞納していますなんてこれもう論外なわけですが、しかし、先ほども申し上げたように、市町村の協力といっても、国民健康保険と連動させて、それで健康保険証の短期証への切替え、病気のときには大変なことになるぞと脅かして、それで年金保険料を督促するという方策というのは、私は、制度の目的外使用だ、格差社会を是正する立場の厚生労働省の責務に逆行するんじゃないのか、こう申し上げたいと思うんです。 本来は、雇用の拡大と正規雇用化によって厚生年金への異動を図りながら、そして年金への信頼を高めて、減免や遡及納付などによって未納者の納付を助けることが基本でなけりゃならぬ、こんなふうに思います。 そこで、大臣にお伺いするのは、市町村への委任の復活なども含めて、納付率の向上、八割達成への決意をお伺いしておきたい。 ○国務大臣(川崎二郎君=厚生労働大臣) 先ほど衆議院の行革では、重野先生とこの議論をいたしてまいりました。彼は地方自治に詳しゅうございますので。 私自身は、国の社会保障政策、どういう切り口でやるかというときに、介護保険については市町村が担い手になってもらっていると。これから医療についてはできるだけ県のウエートが高まってくると。その中で、平成九年に行われました整理のとおり、やはり年金は一元的に国が責任を持っていくべきではなかろうかと、このように思っております。 しかし、一方で、先生御指摘のように、しっかりとした納付率にしていくためには市町村との連携をしっかりやらなきゃならないと。具体例を先ほどお示しをさしていただきましたけれども、いろんな形で連携をしていかなきゃならぬと。一方で、市町村も、例えば国民健康保険一つを取り上げましても、やはり経済の影響を受けておりますので、五%ほど下がってきております。 そういった意味では、お互いに苦労をし合わなきゃならないなという立場であることは事実だろうと。そして、社会保障全体が国、県、市、重層的に担い合いながら、しかし、ポイントはどこにあるかとなれば、年金はやっぱり私どもなのかなと、介護はやっぱり基本的には市町村で担っていただく仕事なんだろうかと。しかし、それでも、そういったって、介護だって我々が基本的な設計をするわけですから、そういう意味ではお互いにしっかり連携を取れるようにやってまいりたいと、このように思っております。 ○又市征治君 市町村との連携というのは一番現場が分かっているわけですから、そこのところは是非しっかりやっていただきたいと思っています。 次に、医薬品医療機器総合機構、この独法について伺いたいと思うんです。 私は四年前に行政監視委員会で、認可法人であった医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構について質問をいたしました。まあ非常に長ったらしい名前なんですが。この機構は一九七九年に薬害スモン病の救済基金として設立されて、その後、先ほど話ありましたHIVも扱うようになり、さらに、救済以外の業務も拡大をして今申し上げたような長ったらしい名前になったということでありました。私はそのとき質問したのは、救済というふうに名前、スタートをしているんだけど、全く名ばかりじゃないか、実態は医薬品の研究開発と称して、国費ベースでいうならば九五%以上も実は企業助成に補助金をばらまく、こういう機構そのものは問題だというふうに指摘をしてきたわけです。 ところが、この機構の研究開発助成事業というのは突然二〇〇五年度に消えてしまいました。いや、消えたんじゃなくて、別の独法である医薬基盤研究所へ移管されたわけですね。 そこで、まずこの研究開発助成部門の支出額の機構から研究所への前後五年間の推移を簡単に述べてください。 ○政府参考人(松谷有希雄君=厚生労働省医政局長) 今、先生御指摘の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、長い名前でございますけれども、これが平成十六年に医薬品医療機器総合機構に独立行政法人としてスタートをいたしまして、このうちの研究開発振興事業につきましては平成十七年から独立行政法人医薬基盤研究所というのに引き継がれていると、こういう状況でございます。 これらの研究振興業務につきましては、平成十四年度決算ベースで申しますと約九十五億円、平成十五年度約八十八億円、平成十六年度は約百一億円となってございます。十七年は、医薬基盤研究所は平成十七年四月に設立されたものでございますので、決算はまだございません。 以上でございます。 ○又市征治君 いや、十七年度は、今あなた言わなかったけど、予算でいうと百億円でしょう。そして、十八年度も予算百三億円ですよ。つまり、毎年ほぼ百億円。二〇〇五年度に医薬基盤研究所に移管されても継続をされているわけですね。 四年前、私の質問に対して、当時の石原行革担当大臣は、こうした研究開発を一般会計からの出資金によって行うことは廃止をして、費用対効果分析を実施して補助金に置き換える、こういうふうに答え、また、産業投資特別会計からの出資を受けて実施するこの法人からの出資は収益の可能性がある場合に限定する、こういうふうに答弁されているんです。これは、そういう意味では、この機構の問題で言っていますけれども、全省庁の公益法人に共通の改革のはずでありまして、産業投資会計も今度は廃止になるわけですね。この一般会計の補助金に置き換えると述べておったんですが、実際は、この場合はバイドル委託方式に変えたわけですね。 これは、時間がありませんから私の方で勝手に言いますが、この平成十六年度でいうと、一億円以上のこの件数は、委託をしたのが二十四件、こういう格好になっておるわけですね。もっと正確に言うならば委託は二十三件で、これがバイドル方式だ。あとは助成金交付というのが一件ある。こういうことで間違いないと思いますが、実際上、だけども、名目上、委託先は大学であるとか国立病院となってますけども、その先に行くとみんな製薬会社に丸投げじゃないですか、これ実態は。 私が、出資は毎年出しっ放しで、ノーリターンで、実態は補助金だ、こう指摘をしてきたから、結局はこういうふうに、何のことはない、形だけは変えた、出資というこういうものは変えた、そしてこれは補助金だと言いながらバイドル方式に変えた、こういうことなんですが、結局、納付金が上がってきたのを見ますと、二〇〇四年度分決算審査やろうという、これでいうと、十七件で一億五千八百万、すべてオーファンドラッグ、つまり希少疾病用医薬品の開発だということですね。なぜこうなっているんですか。よく分からぬ。 つまり、患者が少ないので開発利益が見込めない、だけど公益性のために開発を委託しているはずのオーファンで収益納付金が上がってくる、ところが一般的な実用化研究支援事業、つまり利潤の見込める開発の方はリターンがゼロというのはどうも理解ができない。お答えください。 ○政府参考人(松谷有希雄君) 基盤研究所で行っておりますオーファンドラッグ等に対する助成金の対象となる研究は、原則として臨床試験段階の研究でございまして、かつて医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構等において実施しておりました出融資事業が対象としていた研究に比べますと成功確率が高いものを対象とするようになったということでございます。 このため、オーファンドラッグ等に対する助成金の事業の方が収益確保の可能性が高くなり、おっしゃるとおり、一部納付金も発生しているところでございます。 ○又市征治君 納得できないんですね。 大臣にお伺いをいたしたいと思うんです。 オーファンでない一般的な開発は製薬会社がしのぎを削って競争している部門ですから、正にこれは民間にゆだねるべきで、そこに国費をつぎ込む必要がなぜあるのか。これは国民から見て全く納得できませんよ。まして、その出してきた金の累積結果がどうなっているか。二〇〇四年度の機構の貸借対照表で見ますと、開発振興勘定の政府出資金三百五十七億円に対して欠損金が三百十一億円、すなわち政府出資の八七%が毀損している。もう一つ、基盤研究所に移した継承勘定にも二〇〇五年度三百六億円の政府出資金が残っているはずですから、そのうち二百五十四億円、すなわち八三%が毀損している。二つ合わせて五百六十五億円が焦げ付きになった格好になるわけ。これでは、独法だとか企業会計方式を導入するといったって全く絵そらごとじゃありませんか。 この点について、大臣、どういうふうにお考えになります。 ○国務大臣(川崎二郎君) 私もまだ詳細を調べてませんけれども、平成四年当時でしょうか、NTT株を利用して、通産においても郵政においても様々な、基盤研究という形で出資をした。結果として、正直外れが多かったという結果になりました。そこは整理が済んだんだろうと。我々のところもオーファンドラッグということで投資をしてきたけれども、正直言って大きな収益、リターンに結び付くものにはなかなかなり得ないということは事実だろうと。そういった意味では転換を図ったんだろうと思いますけれども。 一方で、転換を図った結果、オーファンドラッグが主流になるのか、今先生が御指摘いただいたように一般薬なのか、ちょっとそれは私の方で調べます、今の御指摘でございますので。そこはよく内容を吟味させます。 ○又市征治君 御案内のとおり、それこそ、最近は出さなくなったのかもしれませんが、長者番付じゃありませんけれども、高額納税者の上位、製薬会社の方々が随分名前連ねているわけですよね。こういうところに一生懸命金出して、さっき申し上げたように出しっ放しなわけですね。だからここは問題だと言ったら、これは実は少し、補助金なら補助金に切り替えます、とりわけオーファンの方に金をつぎ込むんなら分かるんですよ。ところが、一般開発用のところに金をどんどんつぎ込む、これがみんなノーリターンと。こんなばかな制度というのはない。 私は、この背景にやっぱり天下り問題がある、こう言わざるを得ないと思う。現在、機構の役員は、五名中三名が厚生労働省のOB。で、OBのための独法じゃないかと言いたくなる。そんなのあちこちにある。おまけに、製薬会社、今申し上げたように利権ばらまきだと。 おまけに、ちょっと調べてみたら、私は余り、私の立場からいうとこんなこと言いたくないんだけれども、百四十九名の職員の平均給与も対国家公務員一二四・二%、こんなにひどい格好にこの独法はなっているわけですよ。独法に関する政府の方針は矛盾だらけじゃないかと、こう私は言いたい。独法になって利益を上げるなどと言う前に、こうした巨額の不透明な企業へ出しっ放しの国庫支出というのは即刻打ち切るべきじゃないのか、こんなふうに思うんです。 最後にもう一度、この点について、今私が申し上げたことについて大臣の御見解、お聞きをいたしたいと思います。 ○国務大臣(川崎二郎君) 今委員から御指摘いただいたように、オーファンドラッグ等に投資をしていくということについては国策としてやむを得ないだろうと思ってます。しかし、その先が御指摘のようにはっきりしないということなら、私の方から、しっかり吟味をしてまた御報告をいたします。 ○又市征治君 時間が参りましたからまとめますが、いずれにいたしましても、今大臣からここの支出の内容は点検をしてということでお話がございましたが、独法そのものもやはりそういう意味ではかなりメスを入れていただきたい。厚生労働省関係の独立行政法人だけでたしか十五ぐらいあると思うんです。残念ながら、やっぱりOBの皆さんの天下り非常に多い、こういう格好にもなっています。 そういう点も含めて是非きちっとやっていただいて、政府全体がそれこそ何とか節約せにゃいかぬといろんなこと言いながらこういう格好で何百億も欠損を出しておるという、こんなばかな話は一刻も早く廃止できるように御努力いただくことを申し上げて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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