| 第164回通常国会 |
| 2006年4月14日 厚生労働委員会 |
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(1)強い信頼関係に基づく、配置薬の先用後利システム (2)配置薬業の社会的有用性と安全性 (3)薬の副作用の疑い2万5千件のうち配置薬は軽微なもの14件 (4)問題は、離職率の高い、儲け主義のビジネスモデル (5)大規模法人対策として求められる厚生労働省の監視 (6)画一的な試験制度は後継者問題にも影響を及ぼす (7)試験合格者・経過措置者とも恒常的な講習で資質向上を |
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| ○又市征治君 社民党の又市でございます。 しっかりとしたいい薬事法の改正案作ろうということで御努力いただいていることに心から敬意を表したいと思います。 時間的な制約もございますので、先ほど来から問題になっています配置薬販売の経過措置の問題に絞って御意見をお伺いしたいと思うんですが、その関係から、井村参考人と花井参考人に絞らしていただきますが。 まず一つ、配置薬の問題でございますが、私自身が富山県出身でございまして、かつ父親が配置薬をやっておった、こういう経緯がございますから、いささかその問題については承知をしておる、こういう立場で今度のこの法案作りにもいいものをしっかり作っていくために参画をしたいということで、この厚生労働委員会に、ここに参加をさせていただいています。 そのことをまず申し上げながら、したがって、日本の今の古来の置き薬システムというものについて、若干、花井さんの方から出されている、短い文章ですから入口がちょっと違うように思うけれども出口が大体一緒じゃないかと思うんですが、その点について少し誤解があるのか、あるいは認識の違いがあるかなと思いますから、ここらのところをしっかり詰めていきたいと思うんですが。 いわゆる富山の薬屋さんだとか奈良の薬屋さんと、こう言われるんですが、御承知のとおり、山間へき地、あるいは今日都会部でも本当に独り暮らしのお年寄りあるいは独り暮らしの障害者の方、こういったところなども一軒一軒訪ねて、昨日もちょっと申し上げたんですが、地域によればお医者さんとお坊さんと薬屋さんと、こう並び称せられるぐらいにむしろ信頼関係ができておって、年に三回ないし四回家庭訪問を定期的に行って、むしろ座敷まで上げていただいて、いろんな、そういう意味では薬の効能の話はもちろんのこと、家族の健康状態だとか心の健康の問題であるとか、あるいはちょっとそんな状況ならばお医者さん行ったらいいよという、そういうことまで含めていろんな様々な話をして、最後に薬を入れ替えて、そしてその問題は次回にはお金をいただくと、こういうシステムですから、まかり間違ってここに何か間違いがあれば、お金をもらうどころか、もう商売が成り立たないという、こういうものを長年ずっと続けてきている。こういう業者が今全国で約一万人、もし仮に五百戸ぐらい平均で回っておられるとするならば、これ大変大きな話で五百万世帯、こういうことになるわけでありまして、大変な役割を、社会的な有用性を果たしている、こういうことだろうと思います。 そういう努力を一方でやっている。片や、私は、この業界、こっちはけしからぬ、こっちはいいと言っているんじゃなくて、一方で町のドラッグストアはどうか。これは、この法案作るためにいろいろと、薬剤師がいないではないかとかといろんなことを言われてまいりました。私もその指摘は前に申し上げたことあるんですが、もちろんきちっとしているところも多数あるんでしょうけれども、しかし、町のドラッグストアで、実際行ってみれば、薬剤師を置くと定められているけれども、薬剤師さんいない。いないだけではなくて、いても、単に店員の人が対話もないまま店頭に山積みされている薬を、これを欲しい、そのまま、はい、どうぞという格好で売っている。こういう格好もこれまた存在をする。 もう釈迦に説法ですけれども、薬は効能効果と一方でリスクを持つ。ひどい話が、昨日のお話じゃありませんが、食間にと言ったら、食事食べている最中に飲むのが食間だと間違っている人もいたり、風邪薬には少し睡眠薬が入っているから、風邪も引いていないのに眠るために二服も風邪薬飲んで寝ますなんという若い人がいたりと。こういう問題がやっぱり起こっちゃいかぬわけでありまして、そういう意味では、やはり薬は対面指導販売というのが原則だということなんだろうと思うんですが、こういう点で、むしろおっしゃっていることは、この対面指導販売をもっときちっといずれにしてもやるべきだというふうにおっしゃっているんじゃないかと思うんですが、花井さん、そして井村さんの方から、それぞれこの、今のこうした配置薬の現状と、さらにドラッグストアなどのこういう状況というものを含めてどのようにお考えか御意見をお伺いしたいと思います。 ○参考人(花井十伍君=全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人) 大変深いお話だと思うんですね。又市先生おっしゃられること、非常によく分かります。対面指導販売というのは非常に重要であると。で、現行法においてもそれは求められているが、実際はならないと。 この配置販売の実態を理解する上で、今おっしゃられたような配置販売業者については、実はおおむね、むしろ今すべてのこの資質ですら定量化し、そしてその定量化した上でレギュレーションを決定すると、こういう制度に依存せざるを得ないのが今の日本で、例えば職人の伝承、若しくはそういった文化的な良いものはなかなか定量化せずに、やっぱり一つのレギュレーションというルールでやってしまうというところの問題というのは十分理解しているわけであります。 したがいまして、そのいい伝承とかそういう文化というものの中で担保されている安全性というのは本当は非常に重要だと考えております。で、私どもが懸念しているのは実はそうではなくて、むしろそれを利用した、ビジネスモデルとした例えば都市部で企業に、企業の事業所に薬箱を置いて、しかもそこで採用する営業マンを大量に採用し、さらにその営業マンは離職率が非常に高かったり、次々入れ替わると。こういうことにこの経過措置が大きな影響を及ぼすんではないかというのが私どもの懸念でありまして、先生御指摘のようなところとはいささか私どもの問題意識はやっぱり異なっているということを申し上げておきたいと思います。 ○参考人(井村伸正君=北里大学名誉教授) 私も配置に関しましては、今の花井参考人と全く同じような見解を持っております。 それで、先ほど片やドラッグストアはというお話がございましたんですけれども、そういうそのドラッグストアの現実の姿が今回のこの法案改正の出発点だというふうに私は理解しておりまして、実際に努力義務が課されているにもかかわらず、実態としてはほとんどそれが非常に行われていない状態であるということであれば、それがもっと対面販売という意味で行われるようにしていこうではないかというのがスタートラインだったというふうに理解しております。 ○又市征治君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたが、置き薬業者というのは今約一万。まあ、従事者含めて二万、零細な話だと思うんですが。片や薬局、薬店、薬種商、約七万六千ぐらいだろうと思います。 今回の試験制度の導入に際して、先ほどから出ておりますように、長年の一定の経験を持った既存の業者については経過措置が取られて、そのまま仕事を続けることができるような仕組みができていると、混乱を避けるためということなどございまして、ただしその販売できる内容は旧来の二百七十成分と限定をする、こういうことにされておりますね。 で、先ほどから井村参考人からもお話がございましたけれども、平成十六年の医薬品による副作用ではないかという疑いを持った届出がされた件数が全体で二万五千件あるようでありまして、そのうちの一般薬の副作用の問題についていえば三百件と。こういうことの中で、配置薬に起因しているんではないかというのが十四件であった。これは昨日も報告がございました。いずれにいたしましても、それは軽微で、全部全快をしたという御報告があったわけでありまして、そうすると、この二万五千との関係でいうと、むしろ、そういう点でいえば大変懸念をされている問題があるわけですが、非常に少ない、こういうことになるんだろうと。そういうふうに、大変少ないんだろうと思うんです。 問題なのは、私は、いずれにいたしましても、配置薬であれ薬局であれ、あるいはお医者さんであれ、どうであろうとも、やっぱりしっかりと薬の安全性の問題の徹底検証というものが元々一番問われている、こういうことが一番問題なんだろうと、こう思うわけであります。 そこで、先ほど花井さんからもちょっと出ましたけれども、個人の事業者、先ほど私申し上げたような業界の実情から、余り問題はない、そんなにないんだと。問題なのは、今度の制度を利用して、大きな法人などが悪用して無期限に無資格者を雇用吸収して、対面指導販売ではなくて事実上の売り込みと。訪問販売でもうもうかれば何でもいい、こういうやり方を取ることをどう規制をするか、ここのところが非常に大事ではないかということで、私もこのことについては全く同感でありまして、昨日もこの点については、厚生労働省は具体的にやっていく場合に、このことの規制は、指導はしっかりすべきだ、この点を申し上げておるところでありますが、この点について、改めてもう一度、花井さん、井村さんの方から。 ○参考人(花井十伍君) おっしゃるとおりでございます。制度設計ですから、まあ私どもは制度設計上は素人なんですけれども、例えば、ある資本額とか従業員数とかで区別してもいいですし、まあ法人か個人かになりますと、法人かというのは、小さい法人もありますから難しいかもしれませんが、そこは行政官のいろんな知識をもってすれば、今おっしゃられたところだけをクリティカルに整理して、経過措置をある程度限定的にするということは十分技術上可能だと思うだけに、どうもそれができない理由というのはちょっと分かんないという、こういうことでございます。 ○参考人(井村伸正君) 今の配置の販売員といいますか、配置者の問題でございますけれども、それが法人であろうと個人であろうと、私はそれは、その辺の事情は余りよく分かりませんが、だけれども、とにかく薬を販売に行って、そしてその購入者と相対する人というのは、それはやはりある特定の、一定の資質を持っていなければ困るだろうというふうには思います。 したがいまして、たとえ経過措置が今取られてこのまま先に進むといたしましても、先ほどもちらっと申しましたが、国としては、この配置の旧法に従ってこれからも販売ができるという人たちではあるけれども、その人たちの資質をやっぱりこれから先担保していくという、そういう政策を是非取らなきゃいけないだろうというふうに思います。 で、これは絶対必要なことで、私は今薬剤師の生涯研修の仕事にも携わっておりますけれども、およそそういう薬にかかわる人たちというのは、生涯勉強をしていなければ恐らくその仕事ができないはずだというふうに理解をしておりまして、その配置の方々も研修を是非お受けになると。で、努力義務が課せられておりますから、法人であろうと個人であろうと、業者は努力義務があるわけでございますから、是非その研修を企画されましてやっていただきたいと。それに対して国は、それが本当に実際に行われるようにという、そういう支援を是非これから先考えていただきたいというふうに思っています。 ○又市征治君 ありがとうございました。 実は私もその点は昨日も申し上げて、大臣の方から答弁もございましたが、現実に置き薬業界では、今度新しくやられるとすれば、試験合格者も、あるいはこの経過措置者も含めて、都道府県とやっぱり密接に連携をして、恒常的な講習によって販売員の資質の向上を図っていくと、このことをやらなきゃいかぬと、また現実にやられていると。昨日も四十七都道府県でやられていると、こう報告がありました。私は、だから、逆の意味でいうと、運転免許でさえ三年に一遍ちゃんと講習を受けなきゃ免許は更新されないのであって、先生おっしゃったように、本当にきちっと、ずっと資質向上の努力は、新しいまた副作用の問題が起こってきたり様々出てくるわけですから、そういう知識をしっかりと身に付けていく。そういうことでいかなければ、それはもう社会的な要請だ、業者の皆さん方の自助努力というのは大事だということは申し上げて、この点は厚生労働省もしっかりやるべきだ、こういうふうに申し上げているわけで、できるならば、言ってみれば、そういう業界でもあるいは都道府県でも、そうした定期的な、恒常的な講習システムというものをつくり上げて、そしてその中で、それを受けていれば試験も受かっていく、そして試験が受かったからそれで終わりではなくて、ずっとその後も講習はちゃんと続けれるような、こういうシステムをつくっていくということが非常に大事ではないかということを実は昨日私も申し上げました。 ただ、そこで、経過措置の問題について、これを何か、年数か何かで区切るというのは、私これは無理があると思うんですね。 ということはどういうことかといいますと、これは私の経験で申し上げますと、先ほど一番冒頭に私、父親が置き薬屋をやっていたと言いました。その後を継いだのは私の兄でありまして、この兄が途中で突如として心筋梗塞で亡くなりました。だれも後を継ぐ者がいない。これは富山の売薬さんなんてそういうこと結構あるわけです。家族で伝承していく、こういうのが随分あるわけです。 じゃ、そうすると、この試験制度の問題で、そのまますぐにやりなさいと言われたらどうなるかと。現実にそこで途切れてしまう、こういう問題が持ち上がります。 そうすると、結局、今現実的にやられている問題は、その息子さんなら息子さんが、あるいは親戚の人が後を継ぐという場合に、他の同業者に助けを得ながら、指導してもらいながら一緒に回っていく、そういう格好の中で一定の資質を上げながら自立していくという、こういうことがあるわけですね。そういうことというのは家業的に継いでいるという、こういうケースが多いですから、そうするとやはりこういう経過措置というのは必要だと。これを何か年限切って全部、あるとき突如として試験に全部切り替えろと言ったら、そういう人たちはもう家族じゅうが路頭に迷うという問題が起こってくると。 こういう問題が実はこの業界にはあるわけでありまして、私自身も大変に困って、自分自身で仕事辞めて、兄の家族の面倒を見にゃいかぬかと、そんなふうに思ったら、私の弟がその後を継いでくれるという状況がありましたからこれは私自身はその道を継ぎませんでしたけれども、そういうことがこの業界にはあるということを御承知おきもいただきたい。 ただ、問題は、さっき花井さんがおっしゃったように、私は一番の大事なことは、対面指導販売というこの原則が崩されて、単に対面だと称して各戸軒並みに薬の売り込みに行くという、こういうやり方が取られることはこれは避けるべきだし、このことは厚生労働省はしっかりと監視をすべきだと、そのことを府県と協力して監視すべきではないかと、こんなふうに思っているわけでして、この点で花井さんと余り違いがないんではないかと思うんですが、そこのところを最後、御意見をお聞きをしておきたいと思うんです。 ○参考人(花井十伍君) 制度設計上の総合的な議論はもう私はちょっと超える話ですので。 ただ、一つだけ指摘しておくとすれば、やはり国が責任を持って資質向上に努めるとおっしゃっているわけですね。この資質向上をすれば実は試験に受かるんじゃないかという語義矛盾があるんじゃないか…… ○又市征治君 そうですよ。 ○参考人(花井十伍君) そうですよね。 ですから、本当の意味で、国が資質向上した結果、最終的には新制度の資格を取れていくようにするんだということをまず前提としていただけたらと。昨日までの国の答弁、ちょっと私も傍聴で聞いている限りは、どうもそこはかなり控え目な御答弁をされていて、そこが非常に懸念を持っていたわけであります。 したがいまして、やはり資質向上というときに、本当にそれを国が、例えばそういうのは比較できないですけれども、昔の司法修習制度は、国が試験を受けるために例えば弁護士をやるという感じでありますけれども、まあそこまで極端ではないにせよ、そういうふうに国がそこまで責任持つのかどうかという問題はやはり言えるんじゃないかと。 それからもう一点、やはり先ほどから先生ともうこれは全く問題意識が共有していますが、法人事業者で大規模でそれによってビジネスモデルとして考えているということをやった場合の、これについては、やはり期限を設けることが困難だということとの整合性を取った上で、制度設計十分可能ではないかというふうに考えるわけであります。 ○又市征治君 両参考人、ありがとうございました。 終わります。 |
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