第164回通常国会

2006年4月24日 決算委員会



(1)ITゼネコン任せで無駄ばかりのレガシーシステム
(2)IT関連の過大な請求から自治体を守る助言を
(3)随意契約の理由すら書かれていない公共調達の資料
(4)資料の集計・報告は電子データで分かりやすく公表せよ
(5)一般競争入札が原則なのに8〜9割もある随意契約
(6)問題となっている随意契約の見直しすらない行革推進法案
(7)政治家と官僚とで食い違う随意契約に対する認識
(8)随意契約の基準を厳しく見直し、一般競争入札に戻すべき


○又市征治君
 社民党の又市です。
 まず、IT調達について総務省にお尋ねをしたいと思います。
 中央省庁のレガシーシステムについては決算委員会で度々議論もし、決議も上げ、そして刷新可能性調査も行われて、その結果、予算の四分の一、約九百五十億円が削減できるという、こういう見通しになったというふうに報告をされています。
 ITゼネコンと称される一部の巨大業者が、システムの構築、機器の納入から運用まで一貫して請け負って役所に過大なシステムを押し付ける、中には解約を認めない不当な契約で役所を縛るなどという例もあって、行政のIT化を食い物にしていることも昨年来の審議で明らかになってまいりました。公共財産としての行政ITをどう守るか、ITゼネコン任せの無駄な投資にならぬように厳しいチェックが必要であります。

 総務省自身も電子自治体というスローガンでIT投資のしりたたきをやってきたわけですけれども、住民基本台帳ネットワークがほとんど利用されないなど、過大な投資や負担をしょわせてきた、こういうこともございます。自治体のIT調達は約六千億円、大変でかいんですね。同様な無駄、ITゼネコンへの過剰な支出があることが総務省の昨年十二月の調査でも分かったと思うんですが、この概要について簡潔にひとつ紹介をしてください。

○政府参考人(高部正男君=総務省自治行政局長)
 御指摘いただきました調査でございますが、各市町村において現在運用されている業務システムの導入及び維持に要する経費等を把握するために実施したものでございまして、代表的な二十八の業務システムについて調査いたしたところでございます。この調査で、市町村の人口規模別の構築費用でありますとか、人口一人当たりの額が示されているところでございます。
 市町村におきましては、調査結果を活用して、例えば人口や産業構造が類似した他の市町村と経費を比較検証いたしまして、他団体に問い合わせを行うことなどによりまして、自団体のシステムの規模やサポート体制が適正かどうかを分析することや、共同化、標準化の手法などシステムの適正化に資する他団体の取組状況を把握することが可能となるものであります。
 総務省では、この調査をきっかけといたしまして、各市町村間におきます情報共有やコミュニケーションが促進され、各団体の共同化、標準化等の取組が一層推進されることを期待しているところでございます。

○又市征治君
 高部局長から御説明ございましたが、どうもこの結果について総務省として何もコメントを付けていないわけですね。ただ単にデータ集計をされておるということで、他の専門雑誌などが逆にこの調査を使って分析をしているのが流されている、こういう状況があります。
 ちょっとこの中身見ますと、市町村の基本と言える財務会計システムの初期構築で、経費ゼロの市町村から一億円払った市町村もある。何でゼロと一億円も違うのか、こういう問題が起こってきます。調査をやられても、究極的には住民に使われなけりゃ何も意味がないわけであります。

 そこで大臣にお伺いをいたしますが、自治体がITゼネコンから過大なシステム構築費や高額の運用手数料を押し付けられないようにどのようにアドバイスをしていくかが今問われているんだと思います。国の各省で対策を共有したわけですから、そういう意味では自治体に対しても積極的に情報提供をすべきだと思うんです。各省庁のやつはこんな分厚いマニュアルを作られたわけでありますけれども、自治体はやっぱりもっと丁寧に助言、指導をむしろする中で、六千億円というこんなことが使われているわけですから、類団比較とかというのはやられていますけど、これじゃ具体的に相談に乗った、あるいはこれを減らす助言をしたことにならないと思う。この点について、大臣、どういう方向でやるおつもりか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君=総務大臣)
 結論として、積極的な我々が持っている助言の機能をやはり活用しなければいけないと思っております。これはもう地方団体においてもしっかりと効率化を図っていただかなければいけません。
 我々としましては、そうした点で申し上げますと、地方自治体システムに関する主要三事業というのが重要であろうというふうに思っています。
 まず第一は、いわゆる共同アウトソーシングの推進でございます。複数の自治体が共同してシステム運用を実施するということ、これは平成十五年から一応やっておりますけれども、そういうことを更に進める必要があると思っております。そして二番目には、エンタープライズ・アーキテクチャーというふうに申しておりますけれども、組織全体を通じた業務の最適化を図る設計手法の活用でございます。これも平成十七年度から実施をしております。三番目にデータの標準化でございます。
 こういった事業を推進するということが我々としての一つの立場でございますけれども、更に地方自治体と共同しながら、いろんな形での協議の場などを通じて国が進めている最適化計画の成果についても情報交換を行いながら実施をするということを今後も続けていきたいと思っております。
 また、経費等の調査結果、今御紹介いただきましたけれども、そうした分析などを積極的に行いまして、地方公共団体に対し必要な助言や支援を是非行ってまいりたいと思っております。まあ助言に関しては、時々助言に対して大きなお世話だとおっしゃる自治体もあるわけでございますけれども、こういう必要なことはやはりしっかりとやっていきたいと思っております。

○又市征治君
 いずれにいたしましても、交付税なども、もちろんこれ出しているわけでありますから、そういう点でしっかりとこの無駄なものはやっぱり省く、こういう点はしっかりとアドバイスしてほしいと、こう思います。
 私は、国はやった、自治体が六千億、次出てくるのは独立行政法人ですよ、ここのところで約三千億、レガシーシステムなどのこういう問題であるのは。ここらのところもやっぱりしっかり目配り気配りしていく必要があるんだろうと、このように思います。

 次に、公共調達の適正化の問題について官房長官にお伺いをしたいと思います。
 昨年は道路公団の官製談合、今年は防衛施設庁の相次ぐ官製談合、防衛施設庁もずらずら続いているんですね、これ、前から。こういうことが後を絶たないために、政府は二月に公共調達の適正化方針を出されて調査をされたということであります。
 今回、衆議院の要求で提出された五百万円以上の契約五か年分を見ますと、国交省の例だけで挙げてみましても、一年分につき約八十ページ、千五百件ぐらいあるわけでありますから、全省庁のをちょっと見せてもらいましたけれども、段ボール箱二つぐらいあるんですね。莫大な量の公共調達あるんですが、国会と国民の前にこれが一応出されたことは評価をしてもいいと思います。
 しかし、件名、相手方、つまり契約相手ですね、それから金額、契約の種別が羅列されているだけで、名寄せもされなければ焦点となった随意契約の理由も書かれてない、みんな各省庁ばらばらのものが出されている、こういう状況なわけです。
 そこで官房長官にお伺いするんですが、今後何らかの集計、分析報告というのは当然出されますよね。

○国務大臣(安倍晋三君=内閣官房長官)
 お尋ねの資料は、衆議院の行政改革特別委員会におきまして資料要求がありまして、先日、十八日、各府省から行政改革事務局を通じまして提出をいたしたものでありますが、充実した審議のためには早急な資料提出が必要不可欠との理事会の御指示によりまして、極めて短い期間に各府省が可能な範囲で提出をいたしたものであります。提出された資料の集計につきましては、ある程度時間をいただければ、各府省に協力をさせ、適切に対応をさせることとしたいと、こう考えております。
 なお、政府としては、現在各府省において随意契約の緊急点検、見直しを行っており、その結果については六月を目途に関係省庁連絡会議に報告をし、公表することといたしております。各府省は、自ら締結した随意契約について、その内容について十分分析、検討の上、見直しを行っているものと、こう考えております。
 いずれにいたしましても、各府省は国民に対してしっかりと説明責任を果たすよう努力をしていかなければいけないと、こう考えております。

○又市征治君
 いずれにいたしましても、官房長官の責任でまとめていただくということでありまして、先ほど来からも出ていまして、竹中さんからもこれについては六月までにというお話がございました。委員長からもこれらの資料をしっかり出していただくようにということは要望ありました。
 問題は、出させてみたら、さっき申し上げたように、相手方と名寄せができたり、契約者ごとにずっと並べ替えができたり、それからやっぱり電子データで公表してもらわにゃ困るんですよね。我々自身がそういう意味では分析をしたりなんかすることができなきゃ意味は成さないということがあるわけでありまして、落札率であるとか、あるいは随契の理由だとか再委託の有無など、やっぱり世論が求めるデータの書換えがそれぞれちゃんとできるようにこれはお出しをいただきたいというふうに求めておきたいと思います。
 ちなみに、そこで官房長官、これは通告していませんが、今度の行革推進法の中などでこうした、行革を言うならば初歩の初歩ですよね、これ。こうした言ってみれば随意契約がべらぼうに多い、こういう問題などについてはどこかに、この見直しなどというところは法案の中でどこか入っているんでしょうか。あったらちょっと御紹介いただきたいと思うんですが。

○国務大臣(安倍晋三君)
 突然の御質問でございますので、法案をもう一度よく精査をしてみる必要があるわけでありますが、基本的には一般競争入札でというのが基本的な方向であると、つまり特別な理由がない場合は一般競争入札であるということでございますが、法案にちょっとどういう対応をしてあるかということにつきましては後ほどお答えをさせていただきたいと思います。

○又市征治君
 多分入っていないと思ってお聞きしたんですが、そういう点では、これだけ問題になっているわけですから、これだけ論議しているときに、私はできたらこの種の問題もむしろ修正をして入れるぐらいのこんな決意を持ってもらいたいと思うんですが、その点は御相談いただけますか。

○国務大臣(安倍晋三君)
 いずれにいたしましても、今日はちょっと行革担当大臣も来ておりませんので、よく、その法律をよくもう一度精査をさしていただきたいと思います。

○又市征治君
 ちょっと通告外のことを申し上げて官房長官もお困りでしたし、恐縮でしたが、随意契約が非常に多いということで十八日に出されたものをNHKが独自に集計をした結果、二〇〇四年度、我々が今ここで論議をする二〇〇四年度決算の分ですけれども、環境省で九二%、国土交通省で九〇%、金融庁が八四%、内閣府と経済産業省がそれぞれ八二%で、これがワーストファイブだと、こういうふうに報道されているわけです。
 そこで、幾つかの府省だけ急いで二〇〇四年度分の集計をお願いをしたんですが、まず内閣府ですけれども、入札と随契の比率、相手方が会社か公益法人か、落札率又は随契の理由はどのようなものか、随契のうち二月の会議で精査を指示された再委託の案件はなかったかなどの集計結果、これについて簡単に御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(山本信一郎君=内閣府大臣官房長)
 お答えいたします。
 内閣府が平成十六年度に発注しました五百万円以上の契約、全部で六百四十四件、三百三十五億ございます。うち随意契約五百二十七件、二百七十億円、比率は件数で八二%となっております。この随意契約の中にはいわゆる企画競争というものなどでやっているものもございまして、これを除きますと比率は七三%ということになるわけでございます。
 随意契約の相手先でございますが、独立行政法人が十二件、それから所管いたします公益法人が九十七件、その他民間企業等が四百十八件ということになっておるところでございます。
 随契の理由は、これはもうケースによって様々でございますけれども、一、二申し上げますと、例えば食品添加物のリスク評価に関する調査研究など専門性が必要なもの、あるいは景気ウオッチャー調査など、これまでの成果を基に複数年度にわたるようなもの、あるいは全国交通安全母の会などへの事業推進といったようなふさわしい団体に委託するようなもの、こういったものがございます。
 以上でございます。

○又市征治君
 続いて国土交通省に伺いますが、おたくは余りにも多過ぎますから、一億円以上の超大型案件八十三件について是非紹介してほしいということで要請をいたしましたが、その点の御回答をいただきたいと思います。

○政府参考人(春田謙君=国土交通大臣官房長)
 今お尋ねいただきました一億円以上の本省の発注契約の件数でございますが、平成十六年度で全体で百十六件でございました。そのうち随意契約の占める割合は八十三件、七一・五%になります。
 契約の相手先につきましては、民間企業が五十六件、それから公益法人が十七件、特殊法人等が十件でございます。
 随意契約の理由の大半は、会計法の第二十九条の三第四項のうちの「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、」ということになります。
 例えばどういうものかと申しますと、例えば地価の調査、地価調査というものを実施しておりますけれども、非常に専門的な内容を含む体制的な能力、そういったものが、専門的なものが必要だということでこういった契約をしているというような例がございます。また、航空機の、航空の中でも飛行検査機の部品を購入するというケースがございますが、日本におけるいわゆる取り扱っている事業者が一社に限られるというようなことで購入をしているケースがございます。
 また、「競争に付することが不利と認められる場合」というのが会計法でございますが、これに当たるというようなものとしては、例えば航空路のレーダー情報処理システムの中央装置の性能向上というようなときに、実際にそのプログラムを最初に設計をいたしましたところに頼むということが、契約上、他の業者にいわゆる契約をする場合に不利であるということで随意契約を結んでいるという例がございます。

○又市征治君
 時間がなくなってきましたから、経済産業省もお聞きするつもりだったんですが、これ二〇〇四年度の分で経産省でいえば、私の方で勝手に言いますが、百七十一件の中で随契が百四十件、八一・八%、こういうことだろうと思うんですね。

 どうもさっきからお話聞いていると、政治家が言われることと官僚の皆さんがおっしゃることはもう全然食い違うような雰囲気なんですね。政治家の皆さんはこれは何とか見直さにゃいかぬと、こうおっしゃっておる、大臣はお二人とも。官僚の皆さんは、随意契約をやっているのはこういう理由でこういう理由でこういう理由で、理由がいかにも正当であるように主張なさっている。
 少なくとも、これは一般競争入札が原則なんでしょう。随契が八割も九割もあるというのは全くこの原則が踏みにじられているということの表れじゃありませんか。このことを、確かにそれは会計法の二十九条の三の四項だとか五項だとか、あるいは対政府調達の対象になる場合とかというのはありますよ。しかし、これがみんなそうですか。まるででたらめじゃないか。だから、あなた方は現実になぜ随契にしたかという理由は出していないじゃないですか、十八日の報告に。こういうむちゃな話というのは私はないと思う。

 そこで、一体全体これをどういうふうに直していくのか。以上、三つの府省の大変に比率の高いところの随契分、十六年度分だけ申し上げさせていただいたわけですが、この随契の基準を厳しく見直すというだけではなくて、原則である一般競争入札に戻すべきだろうと思うんですね。だから、そこで今、行革の全く初歩中の初歩の問題ですから、さっき官房長官にも、それならば、そんなことを是非この今の議論の中に修正をするなり何か加えるなり入れてもらいたいと、こう申し上げたわけです。
 そこで、一体全体、こうした見直しをやっていこうということについてあるわけですけれども、これを各府省にどういうふうに徹底をされていこうとしているのか、これはもう具体的には財務省がおやりになるんだろうと思いますが、是非、これは私の同郷の、同じ学校卒業の野上政務官からひとつお答えをいただきたいと思います。

○大臣政務官(野上浩太郎君=財務大臣政務官)
 同郷の高校の先輩からの御指名でございますので、心して答えさせていただきたいと思いますが、今、又市先生から御指摘のとおり、随意契約の透明性、効率性を確保することは極めて重要なことであると認識をいたしております。
 先日、二月二十四日には、これは内閣官房副長官補を議長といたします公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議におきまして公共調達の適正化に向けた取組が取りまとめられたところでございますが、その中では、これは随意契約の緊急点検、見直しによりまして不適切な採択が行われている随意契約を排除をすると。また、各省庁のホームページにおける随意契約の公表内容を充実させるなどの措置を講じることとされているところでありまして、こうした措置をしっかりと実行して、公共調達の透明化、適正化に政府を挙げて全力で取り組んでいく必要があると考えております。
 さらには、四月十一日の閣僚懇談会において総理から、随意契約の見直しについて各大臣自らがしっかりと取り組んでもらいたいとの御指示があったことを踏まえまして、これは財務大臣からも関係閣僚に対しまして、公共調達において随意契約は真にやむを得ないものに限るべき点について、各大臣が自ら、自らです、事務方を指導し、厳正な点検を行うようお願いをしたところであります。
 今後においても、各省庁における随意契約の見直しが十分に行われるように適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

○又市征治君
 終わります。