第164回通常国会

2006年4月25日 総務委員会



(1)変化してきている国民のプライバシー意識
(2)住民基本台帳の4情報は「知られたくない」個人情報
(3)住基4情報の犯罪への悪用を招いたずさんな運用実態
(4)今回の住基法一部改正案だけでは情報流出は防げない
(5)閲覧しやすく悪用されるおそれがある選挙人名簿
(6)閲覧手数料の引上げ・目的の制限により閲覧が激減した例
(7)プライバシーを守り、不当な閲覧に対抗した役所の担当者
(8)当該市町村以外の役所による個人情報利用に大幅な制限を
(9)住基4情報だけでなく全ての情報提供の規定を洗い直せ
(10)自衛官募集のために国が母子家庭・健康状態まで把握
(11)地方交付税の削減は制度的にも政策的にも間違っている
(12)地方交付税は国の中間的支出ではなく地方の固有の財源


○又市征治君
 社民党の又市です。
 大変お疲れだろうと思いますが、私とあとは長谷川さんですから、ひとつ是非よろしくお願いをします。今日は共産党さん、やられないんですかな。

 そこで、内閣府の世論調査によりますと、個人のプライバシー意識が一九八九年と二〇〇三年のこの十四年間で随分と変わってきた、こういう格好に出ていますね。他人に知られたくない情報のパーセンテージがどの項目についてもすごく伸びておる、こういう格好であります。例えば他人に知られたくない個人情報として、住所、電話番号というのは、平成元年の場合は一一%だったのが、今は四三%、四倍以上に増えている。生年月日についても、六%だったのが二八%に増えている、こんな格好ですね。
 このようにいわゆる住基四情報についても知られたくない項目になってきているわけでありますけれども、こうした状況の変化、理由というのはどういうふうに認識をされていますか。

○政府参考人(高部正男君=総務省自治行政局長)
 一つは、社会生活の変化の中でプライバシーを重視する価値観といったものが強まってきたということではないかと、まあ問いにそのまま答えているような答えになるかもしれませんが、一つはそういうことがあると思うんですが。もう一つは、情報通信技術の著しい発展といったものが、いろんな情報が出るという形の出方に随分影響を与えているといったようなこともあるのではないかと。それからまた、いろいろ御指摘もございますが、昨年四月に個人情報保護法が施行にもなりました。こういったようなことでいろいろ取り上げられているといったようなことも背景にあるのかなというふうに思っているところでございます。

○又市征治君
 さっきからも出ていますが、この法案のきっかけとなったのは昨年三月の名古屋の事件ですね。これでは正に四情報の公開性が悪質な母子家庭の子供をねらった刑事犯罪という形で使われた。住基四情報が悪用されるメカニズムというのは、市町村におけるずさんな運用実態にあるわけです。
 まずは、今朝の参考人の一人である三木さんたちが昨年二月までに行った市町村に対する実態調査です。雑誌「都市問題」の昨年十二月号にこれは載っていますが、いわく、市区町村に閲覧リストをどのように並べているかを聞いたところ、住所順ないし世帯順に並べていると回答したところが九十七件中七十六件、つまり七八%もあった。閲覧情報には生年月日も含まれているから、これにより容易に世帯構成、家族構成が推測でき、単身女性世帯、高齢者単身世帯、高齢者二人世帯なども容易に分かり、いわゆる社会的弱者の情報を含む個人情報を市区町村が広く民間に流出させていたことになる。こういうふうに書かれています。

 そこで三木さんがコメントしているのは、住民基本台帳そのものは個人ごとに作られていても、管理が世帯ごとだから、漫然と運用すれば、リストは住所順ないし世帯順になる。運用の違いは、そのまま住民の個人情報保護に対する市区町村の意識の差でもある、こんなふうに述べています。

 そこで、総務省も昨年五月一日現在で、全国全市町村の調査をされまして、そこでは住所順、世帯順に並べている自治体が五二%、こういうふうに集計されています。市民団体の調査の時点よりも減ったわけですけれども、その間名古屋の事件が起きたのに依然として五二%もあったということは、やはり自治体側のこうした人命尊重であるとか人権感覚、これにやっぱり幾らか欠けるのではないのか、怠慢だというふうに指摘されてもこれはしようがないんではないのか、こういう気がしてなりません。
 総務省は現時点でこれをどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。

○政府参考人(高部正男君)
 住民基本台帳の抄本の閲覧、厳格な運用に努めなきゃいけないということではございますが、取組に地域による差というのはあるのかなという気もいたしているところでございます。
 御指摘いただいた並べる順番の問題でございますけれども、いろいろ問題事例があって、いろんな対応、緊急の対応として取られたんだろうと思いますが、私どもといたしましても、例えば当面の対応ということで、悪用されないように、必要な部分のリストを別に作成して閲覧に供することも考えられる旨といったような情報提供もしたところではございます。
 ただ、今回、この閲覧の制度をどうするかということに当たりまして、これも先ほど来申し上げております検討会でいろいろ御議論をいただいたところでございますけれども、きっちりとした閲覧の制度をつくるということを前提といたしまして、やっぱり住民基本台帳については住所順が基本ではないかということを御報告いただいているところでございます。それが基本となるのではないかと思っているところでございます。

○又市征治君
 法律というのはだから怖いんですね。いったん作られると、それでそのとおりやってりゃいいんだという格好で、今申し上げたような事例というのはどんどん出てくる、時には無神経に機械的にやられていくという、こういう問題をはらんでいるということでもあるわけで、いろんな、どうやって個人のプライバシーを守っていくか、様々な工夫がやっぱり求められるんだろうと思うんです。

 そこで、大変、お座りになっておって、大臣、お疲れでしょうから、大臣に一つお伺いをいたしますが、これはまあみんなの意識の変化の問題でもあるんですけどね、現行法については、元総務大臣片山さんも、この当委員会で繰り返し、氏名など四情報については公開であると、こう言って、随分とそういう見解を述べてこられました。
 しかし、新しい法案が成立したときには、そうした考え方自体の修正が迫られるということになるわけですね。つまりは、片山さんが間違っていたと私言っているんじゃなくて、時代とともに法律の概念、プライバシーの範囲も変化をして当然でありますし、そういう意味では今回の改正だけでは、この四情報の野放し、そこから芋づる式な情報漏えいという、名古屋事件を生んだ欠陥というのは直らないんではないのか、そういう疑念も私は持っているわけです。
 そこで、大臣、今後は四情報についても基本的には保護されるべきだという考えで、先ほど来から申し上げてまいりましたように慎重に、これらの情報が出される場合は慎重に対応していくんだ、こういう考え方に今度は大きく転換をしたんだ、こういうことの認識でよろしいんですね。

○国務大臣(竹中平蔵君=総務大臣)
 先ほどからもいろんな質疑の中で申し上げてきたつもりでございますけれども、いわゆるこの住民基本台帳の意義とか、存在意義とか、社会的なその必要性そのものはやはり引き続き極めて重要であるというふうに思っております。
 今回は、そういうことを前提とした上で、つまり、これそのものを否定的に見る見方もあるわけですけれども、決してそうではなくて、やはり有用に活用していただこうと、しかし不特定多数の者に関する情報が商業目的等でいたずらに大量閲覧されることを防ごうと、今回の改正の目的は正にその点にございます。
 この四情報については、各種行政サービスの基礎として活用される必要がある、住民の増進を図るため、世論調査等の調査研究のうち公益性の高い場合等に関しては閲覧を認めているわけで、その意味では今の枠組みに関しては従来と変わるものではないわけでございますけれども、繰り返し言いますが、不特定多数の者に関する情報が商業目的等でいたずらに大量閲覧されないようにする、そのことを昨今の個人情報保護に対する意識の高まりの中で我々としては実現をしたいというふうに考えているわけでございます。

○又市征治君
 今朝からの論議、あるいは参考人の質疑の中でも幾つかあるんですが、次に選挙人名簿の閲覧について、これ禁止論も述べられているわけでありますが、理由は、候補者等、あるいは政党、政治団体について定義がないので、だれでもそのように名のれるし、選挙運動又は政治活動というのもそうだと。したがって、住民基本台帳の閲覧よりも緩やかであり、悪用されるおそれがある。現に二〇〇四年に埼玉で詐欺に用いられた際、数万人分の選挙人名簿からと見られるデータが押収された例などがある。こういうのは随分とあちこち例がたくさんありますね。

 また、今後は住基の閲覧ができなくなる分だけ、政治活動に名をかりて選挙人名簿の方に流れてきて、こちらの閲覧が増えるのではないのかという危惧される向きもあるわけですね。
 悪用されるようであれば、制度としても、プライバシーというより、より大きな公益のために閲覧禁止ものまなきゃならぬ、こういうことになるんだろうと思うんですが、選挙人名簿独特の緩い閲覧規定を廃止をして、住基と同じく原則禁止とすべきなのかどうか、そこら辺のところは総務省はどのように考えているんですか。

○政府参考人(久保信保君=総務省自治行政局選挙部長)
 確かに御指摘のような懸念というのも私どももございまして、再三この場で出ております、昨年省内に設置をいたしました学識経験者などによります検討会、これも、住民基本台帳の閲覧制度の見直しだけではなくて、それと併せて選挙人名簿抄本の閲覧制度の見直しについても御検討をお願いをいたしました。
 検討会におきましては、選挙人名簿の閲覧、これは現行では運用で行われておりますけれども、三つのケース、登録の有無の確認、それから選挙運動や政治活動で利用される場合、そして政治、選挙に関する世論調査など、この三つで現行ではほとんどのところで閲覧をさせておりますけれども、こういったケース、これすべて民主政治のやはり健全な発展にとって重要な意義を有しているということである、そして、これを廃止をすることは適当ではないだろうという議論をされております。ただ、不当な目的による閲覧を排除するためには、その手続の厳格化など、これについては是非とも行うべきである、こういう報告をいただきました。
 そこで、私ども、この検討会の報告を受けまして、この通常国会に、選挙人名簿抄本の閲覧制度の見直しを内容といたします公職選挙法改正案、これを提出をいたしまして現在御審議をいただいておるところでございます。
 この改正案におきましては、まず、選挙人名簿抄本の閲覧が認められる場合、これは先ほど言いました三つのケース、これを法律上明確に規定をいたしまして、それ以外の閲覧は認めないということにいたしました。そしてまた、偽りとかその他の手段による閲覧でございますとか、目的外利用、あるいは第三者への提供などにつきましては、住民基本台帳の閲覧と同等の制裁措置、罰則でありますとか過料、これを新設をするということにいたしております。さらには、閲覧を行います際には、申出を行っております者の氏名とか利用目的、閲覧事項を取り扱う者、これを明らかにさせるといった形で厳格な手続、これを導入をしております。
 私どもといたしましては、これらの措置を講ずるということによりまして不正閲覧などが相当程度は防止できるんじゃないかというふうに考えております。

○又市征治君
 今、かなり規制も厳しくするということなんですが、相当程度規制されるだろうということなんであって、やはり、この間、三鷹へ行きましたけど、話をお聞きをしたら、三鷹のように厳しく、住基情報は厳しくなってるんだけども、だからといって選挙人名簿の方に流れてきているという状況はないという話がありました。しかし、これは常に見直していかにゃいかぬ問題だろうと思いますから、そこらは留意をいただいていきたい、こう思います。

 そこで次に、この閲覧手数料の問題についても出ておりますが、三鷹市が二度にわたって条例を改正をして、二〇〇五年六月からは三十分間で三千円プラス一人転記ごとに二百円という二重の料金体系に改めたのを始め、全国で高額な料金設定に改めるところが出てきました。三鷹の例ではこれだけで閲覧が半分に減った。
 さらに、昨年ですか、十二月の条例で目的などを制限をして閲覧の仕方も厳しくした結果、一挙に〇・九%にまで減ることになったということが言われているわけであります。
 もちろん、そういう、こういう法改正をしてほしいという意味も含めて厳しくこういう格好でやられてきたということが言われているわけですが、私は、これは、実務の当事者であり不当な請求に日々向き合う中で住民のプライバシーを守るべき立場にいる市役所などにとって、法律及び総務省の立法の不作為に対するむしろ当然の対抗手段だ、こうともやっぱり読めるんではないのか、厳しく言えばそういうことになるんではないのか、こういうふうに思います。

 総務省として、この三鷹市の措置については法律上困ると考えたのか、それとも自治体の先進事例と考えて注視してきたのか。私は、当然のこととして、これは市町村の自治事務の中身ですから、市町村が住民のプライバシーを守るために必要な措置であり、自治権の範囲内だというふうに思うわけですけれども。そういう点で、この法律が成立したからといって、料金その他、自治体が住民を代表して行うプライバシーの自衛措置に対して総務省が何か、こんな値段は下げろとかどうとかという考えはもちろんないんだろうと思いますが、その点について何か考えがありましたらお聞かせをいただきたい。

○政府参考人(高部正男君)
 それぞれの団体でそれぞれの地域の実情に応じて、いろんな状況の中で御判断されたものだというふうに思っているところでございますが、地方自治法の規定上の原則論から申し上げますと、手数料というのは条例の定めるところにより決めるということになっているわけでございますが、事務処理に必要な経費を徴収するという考え方で制度ができているところでございます。
 基本的な考え方、地域の実情、いろいろあろうかと思いますが、基本的な考え方といたしましては、今回法改正をお認めいただければ、このことによって閲覧の制度というものが厳格に運用されているという状況の中におきましては、事務処理に要するのに必要な額というのが基本になるのではないかというふうに考えているところでございます。

○又市征治君
 次に、この住基ネットワークという形で全国の市町村、国の機関をつなぐことについては、我が党はその基本から大変多くの懸念があるということで反対をしてまいりましたけれども、今回の改正の趣旨からすれば、当該市町村以外の役所による個人情報の利用というのは今後大幅に制限されるべきではないか。先ほど来からもこの点については、公用といいながらも、ここらは厳しくされるべきでないかという意見が出されています。保有者たる自治体は、相手側の行政機関に対して、必要ない部分は見せないということを従来以上に徹底をする、具体的には要求の範囲をより厳密に明示させる、こういうことにしていくべきだというふうに理解をするんですが、それでよろしいですか。

○政府参考人(高部正男君)
 住基ネットから本人確認情報の提供につきましては、情報提供を行います行政機関等の範囲及び利用目的を法律で限定する、また、住基法で限定された事務の処理に関し行政機関等から求めがあったときに限り情報提供を行うこと、さらに、受領した本人確認情報を住基法で定められた事務の処理以外の目的のために利用、提供することを禁止しているところでございまして、住基ネットからの本人確認情報の提供については今の制度でも既に厳格に行われているというふうに認識しているところでございます。
 今回の改正と住基ネットの関係、直接的には関係ないものだと私どもは理解しているところでございます。

○又市征治君
 現在もやられていると、こうおっしゃいますが、検討会報告では公用閲覧についても無条件に認められるわけではないとしているわけで、最悪の例としては、自衛官募集に際して、長年にわたって住民情報を、四情報どころか、家庭環境、母子家庭とか健康状態まで調べていたわけですよね。自衛隊法で包括的に市町村側の情報提供を定めているからこうなったわけですよ。
 今後、こうした他の法律によって、住民情報提供の規定はむしろ全部洗い直して、個人情報保護を法理念の優位に置いて住基法で規定し直して、その際プライバシーに触れるものは排除をする、そういう措置が必要なんじゃないですか。

○政府参考人(高部正男君)
 先ほど申し上げましたように、住基ネットの本人確認情報の提供については、法律で行政機関等の範囲、利用目的等を限定するといったような仕組みになっているところでございまして、現在でも厳格に行われているというふうに考えているところでございます。

○又市征治君
 高部さんね、私、今具体的に自衛隊の例を挙げたんですよ。これが適正だということの意味ですか。

○政府参考人(高部正男君)
 御指摘ございました自衛隊の例につきましては、私ども直接的に把握してございません。市町村長から自衛隊の地方連絡部への適齢者情報の提供は、あくまでも自衛隊法を根拠としているというふうに聞いているところでございます。
 なお、現在におきましては、市町村長から自衛隊地方連絡部へ提供されている適齢者情報につきましては、氏名、生年月日、性別及び住所の四情報に限定されているというふうに聞いているところでございます。

○又市征治君
 だから私は申し上げているんで、現実問題として、四情報どころか、家庭環境や母子家庭とか健康状態まで聞いている。これは自衛隊法で包括的にこうした市町村側の情報提供を定めているからこうなっていると、こう申し上げている。問題は、四情報だけだというふうにおっしゃるならば私もこんなことは申し上げない。ですから、こうやって法改正をやるわけですから、他の法律による住民情報提供の規定も全部洗い直していかなければ、何のために作ったのか分からぬ、法改正やるのか分からないじゃないか、こう申し上げているわけで、その点はやはり点検をして、改めるものはきちっと改めてもらって、プライバシーに触れる、こうした、それこそ皆さん方も個人情報に関する意識が高まりが出てきたと、こうおっしゃっておりながら、こんなことが野放しにされたんじゃ全くざるになってしまうわけですから、この点の措置を求めたいと、こう申し上げておる。

 つまり、申し上げたいのは、さっきからも出てるんですが、行政同士には非常に甘い、こうなってるんではないのかということを申し上げているんですね。この点は前から批判があるわけです。今回の改正の趣旨からして、行政機関に対しても利用目的や範囲というのは厳密に厳しくやられるべきではないか、こう申し上げているわけで、この点について、大臣、今お聞きになって、どうお思いになりますか。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 我々は、住民基本台帳に関する枠組みを議論をしていただいて、そしてそれをしっかりと執行していく立場にございます。
 今まで申し上げましたように、個人情報保護に対する意識の高まり等々を背景に、今回、今申し上げたような観点からの整備を行っているわけでございます。しかし、今委員がちょっと御指摘になられました話は、これは自衛隊法の話でございます。自衛隊法そのものは、これは全く別の観点からの国益に根差して議論がなされた上で、これは国会の御審議で自衛隊法を定めていただいているわけでございますので、その中身について私どもが政府を代表してどうこう申し上げるということは、これはちょっと無理だというふうに思います。
 いずれにしましても、住基、住民基本台帳と自衛隊法がかかわりがあるというのは事実でございますが、これはある一つのインフラを使って自衛隊法の枠組みの中での議論でございますので、これについて、私どもとしては先ほど局長が答弁した以上のことはちょっと申し上げられない立場にあるというふうに考えております。

○又市征治君
 いやいや、だから私が申し上げているのは、じゃ何のためにこの法律作るんですか、現実にそうやって自衛隊法に基づいて市町村に要求したら、市町村は四情報だけじゃなくて他のものもみんな出してるじゃありませんか、そういう流れがあるとすれば、それを点検をしてもらって、規制をすべきものは政府内で調整をしてもらったらどうですかと、こう申し上げている。そのことについては努力していただかないと、皆さん方は総務省の管轄だからこれだけやりゃいいんですというだけでは済まないんじゃないですかと、こう申し上げているんですよ。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 私も閣僚の一人でございますから、内閣全体として連帯して責任を負う立場から、自衛隊法を含めて自衛隊に対してはしっかりと議論をしなきゃいけないというふうに思っております。そういう意味で、しっかりと内閣の一員として連帯して責任を負えということでございましたら、これはそのようにしっかりとこれは対応させていただかなければいけないというふうに思います。

○又市征治君
 是非その点は、この法律がせっかく改正されたんですから、ざるにならないように御努力方を要請しておきたいと思います。

 ところで、ぱっと話が進んでまいりましたから、話を、話題を変えまして、四月十一日の日にこの委員会で大臣に交付税問題についてお聞きをした段階で、一番最後になって大臣から大変長い御答弁をいただいたものですから時間切れになりました。この点について、若干時間があるようですからお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、大臣は、地方交付税を減らすことを念頭に置いた議論は政策論としては間違っている、こういうふうに御答弁をいただきました。この点は私も全く同感であります。というのは、政策ではなくて制度論として減らせないというのは、もうこれは当然のことでありまして、国税五税の三二%、あるいは消費税の二五%なりを地方共有財産に回す、なおかつ需要額に足りなければ何とか工面して保障する、これは政策というより制度でありますから、政府・与党がどうしても減らしたいと思えば法改正や制度をいじくるしかないわけでありますけれども、ただいま現在、そんなことを言うものなら大反対でありまして、制度改正は言える状況にはないと思うんですね。
 そこで、政策論、つまり国の支出削減の目的から交付税を何兆円減らすべしという論議ばかりがまかり通ってきたわけでありますけれども、また現に過去六年間で五・五兆円もこの交付税が減らされてきた。地方税の減収の時期にあったにもかかわらず、そういう格好が進んできたということですね。だから、ここへ来て大臣の削減は政策として間違っているという発言は、自治体の立場からは大変心強く映ったはずであります。
 もう一度、大臣自身、交付税を減らす政策は取らない、こういうふうにおっしゃっているわけですが、この点について御確認いただきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 今日改めて御質問をいただきまして、私、確かに政策論として誤っているというふうに申し上げました。政策論として誤っているというふうに申し上げたことの真意といいますか、自分なりにもう一度整理してみますと、私が申し上げましたのは、政策を考え、政策を論じ、政策を決定するときの姿勢として誤っていると、そのように申し上げたかったわけでございます。そのことの意味をあえて申し上げますと、政策というのはやっぱり解決すべき何らかの問題がそこにあるわけです。その問題を考えるに当たって、その問題の解決策にちゃんとなってるかどうかというのがまず一つのポイントだと思います。
 もう一つ、政策を議論する際には、やはり守らなければいけないルールのようなものがあると思います。それは、例えば、幾らある目的のために、目的を解決するためにすばらしい政策であっても、それが他の人の人権を損ねるような、もっとオーバーに言うと別の法律に触れるような、憲法に触れるような、そういうものであるならば、それは政策としてのコンシステンシーを欠くわけでございます。その意味では、政策としての枠組み、コンシステンシーをしっかりと持って、かつ問題解決になっているかどうか、その二つのことがしっかりと位置付けられていなければ、これは政策論としては誤っているということになるんだというふうに思います。そういう趣旨から申し上げたかったわけでございます。

 ちょっと長くなりましたけれども、要は、交付税を減らすという議論は、これは国庫、国の財政を良くするという観点からだけ考えると、これは一つの解決策であるわけですけれども、しかしそれは、じゃそのときの地方の財政との関係はどうなるのかというようなことを、かつ地方のその財政の歳出には社会保障があり、人件費があり、公共事業があり、その他があるわけですから、そういう観点からすると、実はさっき言ったコンシステンシーを欠いているわけです。
 そういう意味で、そういう議論そのものは非常に非生産的であって、私は政策論として誤っているというふうに申し上げたわけでございます。

○又市征治君
 ありがとうございました。
 それじゃ、もう一つ、この間の答弁の中で、交付税は中間的な支出だという大臣の言い方について、私はこれはもう異論があるわけです。中間的支出というのは国側から見た言い方ですね。自治体にとってみては、中間でも何でもない、スタートというか、スタートを決める主要な収入の一つですね。
 税源移譲が将来どんどん進めば別ですけれども、今の現実は、交付税を大幅に削られれば予算編成もできない。これが二〇〇四年度にも自治体側に起きた、あちこちでもう悲鳴が起きたということでありまして、そういうことになるわけです。
 税が先だからと言いたいんでしょうけれども、現実に税だけで財政、予算を決められる自治体は東京都ぐらいなものでございまして、大臣の先日の試算でも、交付税が減るには大幅な税源移譲がなければならない、さもなければ地方財政、サービスの縮小だと、こう示されております。

 ここは是非、自治体の立場を代表して、この中間的という話じゃなくて、言い直していただいて、交付税は現在主要な財源だと、こういうことでおっしゃっているんだろうと思いますが、その点の御確認をいただいておきたい。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 私も注意をして発言しているつもりなんでございますが、これ、過去の答弁を見ていただきますと必ず出てくると思いますが、これ、コインの両面のようなものであって、国から見ると中間的な支出である、そしてしかし、地方から見るとこれは明らかに固有の財源であると、そのことは明確にこれまでも申し上げたつもりでございます。
 しかし、そういうそのクッションが途中であるわけですね。それであるがゆえに、なかなか制度が理解されていないという面がございます。そのことを時々申し上げる手っ取り早い方法として、これは国から見た社会保障とかと同じような意味での歳出ではなくて中間的なものなんだと、そしてそれは、コインの両面、コインの別の側から見ると地方の固有の財源である、このことはもう明確に申し上げておきたいと思います。

○又市征治君
 まだまだ論議したいことはありますが、時間の関係でこれでやめたいと思います。
 いずれにいたしましても、今日、国、地方を通じて、この地方交付税問題、大変大きな問題でありますから、引き続きまた議論をさせていただくことを申し上げて、今日の質問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。