第164回通常国会

2006年5月10日 決算委員会



(1)随意契約の問題について大臣と官僚との間にある温度差
(2)公共調達での一般競争入札という原則が機能していない
(3)件数ベースで随意契約が90%を占めている国土交通省
(4)随意契約を受注した公益法人の3分の2以上が天下り先
(5)天下り法人への資金供給のルートになっている随意契約
(6)官僚の天下りと随意契約の相関関係をどう対処するのか
(7)ITゼネコンに支配されている国交省の民間の随意契約
(8)寡占状態で不当な暴利がまかり通るIT随意契約の実態
(9)ITゼネコンとの不透明な関係は警察庁においても同じ
(10)警察も公安を理由に聖域化は許されぬ。随意契約縮小を
(11)随意契約の現状は天下り法人が相手の場合だけではない
(12)透明化・入札への切替えこそ真っ先に改革すべき暗部だ
(13)この期に及んでまだ随意契約のデータを隠す一部の省庁
(14)随意契約の問題には全く触れていない行政改革推進法案


○又市征治君
 社民党の又市です。
 道路公団や防衛庁の官製談合事件をきっかけに今公共調達の見直しが始まっておりますけれども、今日、資料をお配りを今いたしておりますが、この資料は、先月衆議院の行革特別委員会に提出された各省庁の資料の中から、国交省の分の二〇〇四年度分で、しかも国交省って非常に数が多いですから、その中の金額一億円以上の、かつ随意契約だけに絞って私の方で企業や団体ごとに名寄せをしてみたものであります。
 前回のこの委員会で私が随意契約をただしたときに、各大臣は問題だと認めるんだけれども、その部下であるはずの官僚の皆さんは違法ではないんだという意識で、大変温度差を感じる、こういう有様なわけですが、そこでまず冒頭、北側大臣、この一覧を見られて御感想をお聞きをしておきたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君=国土交通大臣)
 この内容を見ますと、物品の調達とか調査委託等の役務が大半でございます。
 随意契約というのは、もう言うまでもございませんが、法律上、契約の性質又は目的が競争を許さない場合ということになっているわけでございまして、例外的な場合のみでございます。やむを得ないものに限定することが当然求められなきゃいけないと思っております。
 現在、国土交通省におきましては、公益法人等と締結しました随意契約について今緊急点検を行っておりまして、六月を目途に随意契約見直し計画を作成をしたいというふうに今取り組んでいるところでございます。これらを通じまして、公共調達の透明化、適正化にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

○又市征治君
 まず、先に大体私二問目に質問しようということまでお答えいただいたような感じがするんですが。
 私は、まず指摘したいのは、一億円以上の随契だけでも、今日の国交省の二枚目の資料、この小計を二つ足していただきますと、随意契約だけで六百二十億円もあることでありまして、大臣おっしゃったように公共調達は一般競争入札という原則がほとんど意味を成していないという、こういう事実、これを指摘したいわけですね。
 NHKが衆議院提出資料から独自に集計したという二〇〇四年度分の全省庁データによれば、件数ベースで、国交省は随契が九〇%で二番目に高かったということですね。また、八日付けの東京新聞によりますと、二〇〇五年度の二つのデータを基に独自に集計した結果、所管省庁から随意契約を受注した公益法人等の少なくとも三分の二が天下り官僚を受け入れているというふうに言っているわけですね。国交省所管の法人は八割以上に上り、これも二番目だと、こう言っているわけです。
 随意契約は、省庁の所管する公益法人、いわゆる天下り法人への資金供給ルートになっている、これはもうだれもが承知しているわけです。
 そこで、この天下りと、大臣、この天下りと随意契約の相関の構図というものを大臣はどうすべきだというふうにお考えになっているのか。いや、これはしようがないんだというお考えなのか、その点について見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君)
 随意契約については、先ほど申し上げたとおり、これはあくまで競争入札が原則でございます。例外的な場合に、やむを得ない場合に限り随意契約ということで、今見直し作業をさしていただいているところでございます。

 再就職、天下りの問題でございますけれども、是非、又市委員にも御理解をお願いしたいと思うんですが、民間への天下りもありますし、また公益法人や独法への天下りもあると思うんですが、一つは、独法というのは、独法になった業務というのは、元々これは、元々本省で担っていた職務が独法に移行していると、かなり極めて公益性が高い業務でございまして、そういう独法、また公益法人のすべてとは申しませんけれども、公益法人のかなりの部分を、私はそういう意味では公益性が強い業務を担っているわけですね。
 そういう意味で、本省の職員が再就職に当たってそういうところに行くということについては、一概にすべて駄目だということでは私は決してないんだというふうに思っております。やはり公益性だとか専門性だとか、そうした理由から人事を行うということは、これはその人の持っている能力を活用するという意味でも、それは一定のルールの下で透明に公正にきちんとやるということが大事なんだろうと思っています。

 また、民間企業への再就職の問題もあるわけでございますが、特に、国土交通省は特にそうなのかもしれませんけれども、私もいろいろ調べてみましたら、本省の職員よりも地方の現場の職員の方が圧倒的に多いんですね、地方整備局等々。また、キャリアの方よりもノンキャリの方が圧倒的に多いわけなんですね。という意味で、国土交通省に限って申し上げますと、もちろんキャリアの問題や本省の問題、本省の職員の幹部の再就職の問題、もちろんあるわけですが、数からいいますと、圧倒的にキャリア以外、また、本省ではなくて地方機関の職員の人たちの再就職をどうするかという問題が圧倒的に多いんだということも是非御理解をお願いしたいと思っておるわけなんです。
 そういう中で、この再就職の問題をどうしていくのかということは、これはこれまでにもう何度も議論になっておりますけれども、一つは、定年までしっかりと公務の世界の中で働けれるような公務員制度のシステムにやはり変えていかねばならないと思っております。定年前に早期退職の慣行があって辞めざるを得ないと、そういうふうな慣行というのは見直していかねばならない。そのためには、今も、この早期退職慣行を徐々に見直そうといって見直しを進めている最中でございますけれども、一方で、例えばスタッフの制度をしっかりつくっていくだとか、それから給与体系の問題も、ある一定のところまで行ったら、もう給料を上げるのではなくて、給料についても、場合によっては同じ額、若しくは場合によっては下がることもあるというふうな、そういう柔軟な給与体系にするだとか、そうしたことも総合的に含めて検討していかないとこの再就職の問題というのはなかなか解決が付かないなというのが私の率直な実感でございまして、しっかりと今のこの公務員制度改革の中でそうした問題についても議論をしていきたいというふうに思っております。

○又市征治君
 北側大臣、大変誠実な方ですから真剣にそうお考えなんだと思うんですね。
 ただ、若干意見が違いますのは、現実に天下りとこの随契問題とが密接不可分の関係になってきている、極めて不透明だ、こういう問題があって、随契で非常に高く現実問題としては支出がされている。このことはもうあっちこっちで指摘されている問題、去年もこの決算委員会でさんざん議論してきた問題なんですね。だから、そういう意味で、天下り問題は私も意見がございまして、これもう既に行政監視委員会の時代に随分とこれも決議上げることに私も努力をした一人でありますけれども、その問題は今日はやっているとまた時間がありませんから。

 そこで、大臣が今おっしゃった独立行政法人などの問題と違って、少し民間企業の随意契約に絞ってちょっと今度は伺いたいと思うんです。
 資料をごらんをいただきますと、右端の欄で、ごらんのとおりNTTデータは九件で百億円余り、これは企業分の二六%を占めているわけ。以下、三菱電機一九%、日本電子計算機が一七%など、上位五社の合計で二百九十七億円、七七%を占めているわけですね。いずれもIT関連企業なわけです。ITゼネコンという言葉が生まれましたけれども、国交省の民間随契は、少なくとも本省分は今やITゼネコンの支配するところと、こう言っても過言でない。したがって、IT発注は随契がまかり通っておって、随契によって今度はITゼネコンに無競争の利益を保障するシステムになっている、こういう指摘さえもされる状況にあるわけで、これに天下り問題がまた民間問題としても絡んでおる、こういう傾向が随所に見られているということなんですね。
 そこで、IT調達の不透明さ、無駄な出費は、先ほど申し上げたように、昨年決算委員会でさんざん批判が出て、そして措置要求決議にまで至ったわけでありますが、問題は、古いシステムに限らず最新の案件でも随契によってこのような寡占状態で不当な暴利が許されている、こういう実態があるということなんです。
 そこで、自らの省内部のすぐできる行政改革として、大臣に、ここの点はどういうお考えをお持ちなのか、お伺いをしておきたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君)
 今御指摘の民間のIT関連の企業への随意契約についても、今の見直しの中で一つ一つきちんと、本当にそれが随意契約でなきゃいけないのか、そこはきちんと見させていただきたいというふうに思っております。
 これ、それぞれ見てみますと、システムの性能の向上とか機器の購入とか賃貸借となっておりまして、システムとか機器を継続して使用する際に、それらのそれぞれの相手方以外の者から調達をしますと性格上その使用とか利用に著しい支障が及ぶ場合があるということで、いずれも随意契約にせざるを得ないというふうにしているわけでございます。
 ただ、そうはいうものの、非効率なシステムに対して安易に随意契約が行われているのではないかという御指摘もいただいているところでございますので、古くて効率の悪いシステムにつきましては計画的に刷新の可能性を検討するなど、システムの効率化をしっかり図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 また、どうしてもそのシステムの場合は継続性が必要であるという判断となって随意契約にする場合も、その見積価格や理由等の公表、調達事例の情報提供等を通じて透明化、適正化をしっかりと図ってまいりたいと考えております。

○又市征治君
 それじゃ、同様のことを警察庁にもお伺いをしておきたいと思います。
 これも、警察の問題につきましては三枚資料をお配りをいたしましたが、警察庁の方は、私の方で一億円以上に絞って名寄せをしたものであります。
 一ページから二ページの随意契約で五十二件三百八十八億円、随契の割合は一億円以上の金額ベースで七〇・六%ですから、これまた入札を原則とするというには余りにもほど遠い状況にあることはお分かりのとおりであります。

 随契は、一位の日本電子計算機が百四十億円で三六%、次いで日立製作所、日本電気、ごらんのようにナンバー六と七と八は相手先が秘匿された大型IT案件でありまして、これが五十八億で六・六%ありますから、正確な順位はこれは分からないんですね。ともあれ、四位の三菱電機を含めたIT企業上位四社は、それに秘匿分六、七、八番を加えますと七三・二%を占めることになるわけで、警察庁においてもIT調達が随契の主流であって、随契によって役所とITゼネコンとの間に不透明な関係は同じだ、こう言わざるを得ないわけです。

 そこで、沓掛委員長、公安を理由に行政改革からの聖域化というのは許されないわけでありまして、入札の改善はもとよりですが、随契の縮小、透明化にどのように取り組む予定なのか、特にIT調達をどのような公正なものにしていくのか、伺いたいと思います。

○国務大臣(沓掛哲男君=国家公安委員会委員長・内閣府防災担当大臣)
 今IT関連産業における随意契約が非常に多いという御質問でございましたが、警察庁における契約には、警察活動上必要とされる通信機器あるいは鑑識機材や各種システム等の調達について、いわゆるIT関連企業との契約は相当数含まれております。まあ御指摘のとおりですが。

 これは、当初の導入時にはほぼすべてのケースで一般競争入札を行っているところでありますが、しかしながら、これら機器等の導入後の保守点検等については、当初の契約業者のみが有する技術や情報は要不可欠とされるものが多く、そのような場合には、会計法に基づいて、契約の性質又は目的が競争を許さない場合に該当する随意契約といたしておりますが、今いろいろ委員の御指摘もありましたように、今後警察の公共調達における随意契約については、本当に真にやむを得ない場合に限定するほか、随意契約によらざるを得ない場合においても可能な限り複数社から見積りを徴取するなど、透明性、競争性が確保されるよう警察庁をしっかりと指導していきたいというふうに考えております。

○又市征治君
 レガシーシステムの問題は去年随分議論をしたんですが、政府全体で四千億ぐらいだったですかね、それをいろいろとやりますと九百五十億円ぐらい節減できると。結局、やっぱり国会でこうやって問題になっていろいろとやってみたら、それだけでも約四分の一ぐらいは節減できるという数字が出てきたわけですね。だから、そういう点でやっぱりこれは厳しくやるべきだろうと思うんです。

 そこで、時間がなくなってまいりましたから、これまた決算委員会で毎回ずっと一番多く出席時間数でなさっている野上政務官に伺ってまいりますが、ごらんのとおり、随契の現状は決して天下り法人を相手とする場合だけの問題ではなくて、むしろITゼネコンに対しても多大な無競争による利益をもたらしていると思われるわけです。透明化と入札への切替えというのは抵抗が大きくて困難な問題ではあるでしょうけれども、これこそが真っ先に改革すべき行政内部の暗部、暗い部分ですね。やはり今国民がやっぱり注目しているところですよ、これは。

 五、六月には公益法人向けの随契の緊急点検が終わって改革案をまとめる予定だと思いますけれども、一つは、どこをどう絞っていくのか、財務省の考え方、まずお聞かせいただきたい。二つ目に、その際、民間企業向け随契だって見直し基準は同じであるはずでありまして、実情は今日私が示したとおり、公益法人以上に独占、無競争がはびこっている、こういう状況にあります。こちらは一体どうするのか、これが二点目。あわせて、これは、今日はそこまで言いませんでしたが、この期に及んでデータをまだ提出していない省庁がある、あるいは理由を付けて秘匿するという一部の態度というのは、これは改革のモラルに著しく低下させているわけであって、そういう意味では、会計情報の公開の拡大について改めて財務省の模範見解も示してもらいたい、こんなふうに思います。
 以上三点、御質問したいと思うんです。

○大臣政務官(野上浩太郎君)
 国の調達につきましては、これは一般競争入札によることが原則でありまして、例外として随意契約による場合であっても透明性、効率性の確保されたものでなければならないということでございます。国と公益法人との間の随意契約につきましては、現在、各省庁において緊急点検の結果を踏まえて一般競争等に移行できないかといった見直しを行っているところでありまして、又市先生御指摘のとおり、六月を目途に公表すべく作業を行っているところでございます。

 一方、御指摘のとおり、民間企業との間の契約を含む随意契約全般につきましても、これは透明性、効率性が確保される必要があることは、これは当然であるというふうに思っております。
 財務省といたしましても、昨年二月に各省庁に対して通知を行いまして、随意契約の公表対象の大幅な拡大ですとか内部監査の重点的実施等の措置を行ったところでありまして、これを受けて今各省庁においてホームページによる随意契約の公表等の措置がとられているところであります。

 今お話のありましたIT調達に関する随意契約につきましては、これは情報システムに係る政府調達府省連絡会議が取りまとめました情報システムに係る政府調達制度の見直しにつきまして、これは平成十六年の三月に改定をされておりますけれども、情報システムに係る政府調達につきましては原則として一般入札によることとされまして、例えば複数年にわたる契約につきましても国庫債務負担行為の活用ですとかライフサイクルコストベースでの価格評価を導入をすることとされております。
 こういうことを踏まえて、今各省庁におきましては、システムの新規導入時ですとか、さらに更新時におきましても、これ一般競争入札に移行できないかといった検討が行われておるところでございまして、これは財務省といたしましても周知徹底してまいりたいというふうに思っております。

○又市征治君
 歳出削減には行革だ行革だと大騒ぎをされるわけですが、随意契約の横行とそれにリンクした天下りの問題、国費の無駄遣いが言われ続けて、とりわけ去年、この委員会で相当やったんですね。そういうのに、いまだにこの改革案はまだこれから五月、六月ですと、こういう話なわけでして、さらに今度行革推進法案が一方でかかっておりますけれども、この中に何らこれらの改革案が盛られていない。

 そういう点で言うと、参議院の決算は、決算重視だ決算重視だと言われたけれども、参議院から出されたこの決算委員会からの、そして本会議で決議をした措置要求決議などは非常に軽視されている。このことを厳しく私は指摘して、今日の質問は終わりたいと思います。