| 第164回通常国会 |
| 2006年5月15日 決算委員会 |
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(1)漁業権は個人にあり漁協が受けた補償で個人は縛れない (2)山口県上関町における中国電力の原子力発電所建設計画 (3)判決で確認された祝島漁民の漁業権と原発計画の見直し (4)判決を無視してボーリング調査強行をはかった中国電力 (5)控訴し高裁判決を待つとした以上、強行は当然慎むべき (6)電力会社に判決を遵守しトラブルを起こさぬよう指示を (7)現地から伝えられた、生々しい電力会社と住民との衝突 (8)瀬戸内海は調査するまでもなく環境汚染に弱い閉鎖水域 (9)巨大地震の事故災害の可能性を認めた志賀原発差止判決 (10)上関の予定地付近もマグニチュード6前後の地震が頻発 (11)それでも経済産業大臣は、我々は関係しないと言うのか (12)チェルノブイリから20年、今も人々を苦しめる後遺症 (13)欧州有数の肥沃な穀倉地帯を不毛の大地にした原発事故 (14)青森県六ヶ所村の再処理工場で起きた放射性物質の漏洩 (15)瀬戸内という閉鎖水域で同じ事故が起きれば被害は甚大 (16)住民の安全等を考慮し、上関への原発立地を白紙に戻せ (17)中国電力も「上関は過剰投資で単独開発は無理」と認識 (18)電力会社に、無理な原発建設を強いる資源エネルギー庁 (19)原発立地の見返りで無関係な補助金を出すトンネル団体 (20)でたらめなばらまき、無駄遣いはエネルギー行政の腐敗 (21)日本の取るべき政策は脱原発、自然エネルギーの活用だ |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 初めに、漁業権について農水省にお伺いをしておきたいと思います。 漁業法では、漁業権漁業、許可漁業、自由漁業その他を分類をしているわけですね。一般論で結構ですが、それぞれの業態内容と補償の関係はどうなるのか、簡潔に御説明をいただきたいと思います。 ○政府参考人(小林芳雄君=水産庁長官) 今御指摘がございました漁業権漁業ほか三つのものでございますが、漁業権につきましては、都道府県知事の免許を受けまして、特定の水面において特定の漁業を独占排他的に営む権利ということでございます。 御案内のように、古くから沿岸地先で漁場利用関係ございましたけれども、それを近代法制化して戦後の漁業制度改革に再編成されたところでございまして、こういった漁業権による漁業を漁業権漁業と称しております。それから許可漁業でございますが、こちら、独占排他的に営む権利ではございませんが、漁業調整あるいは水産資源の保護の観点から、農林水産大臣あるいは都道府県知事の許可などを受けた者でなければこれを営むことができない、そういった漁業でございます。それから、最後に自由漁業でございます。こちらの今の漁業権漁業あるいは許可漁業に該当しない、言わばだれもが自由に着漁することが許されている漁業ということでございまして、こういった漁業が今、日本沿岸で行われております。 また、いろいろな影響等が出た場合の補償等でございますが、これは基本的にはその具体的な事情によりましていろいろな形で補償交渉等が行われて対応しているという状況でございます。 ○又市征治君 要約して言うと、補償が問題になる場合は許可漁業及び自由漁業の場合は簡単なわけであって、漁業を営む者イコール補償の対象者となる、こんなふうに考えてよろしいですね。 ○政府参考人(小林芳雄君) 漁業補償のことでございますが、一般的に申し上げますと、正に漁業権漁業に限らずに、許可漁業あるいは自由漁業、すべての漁業を営む者、こういった者が補償対象者に含まれ得るというふうに承知しております。 ○又市征治君 つまり、漁業を営む個々人は、補償を直接受けるか又は漁協に権利を委任しない限りは、漁協と第三者との補償契約がなされた場合でも、これが個々人の漁業権まで縛るものではないので、この人たちが補償を断って漁業を続けるという権利は当然にあるということですね。 そこで、去る三月二十三日の山口地裁岩国支部の判決というのが正にそのことを確認したもの、こんなふうに理解をいたします。 山口県の上関町に原発を造ろうとする中国電力の計画は、この山口地裁岩国支部における祝島漁民の漁業権が消滅していないという判決によって大きく見直しを迫られることになったわけです。 ところが、中国電力は、当初、意外な判決だったと、こう落胆していたようですけれども、一か月後の四月下旬から、この判決を無視して、大型ボーリング台船の新たな設置であるとか大型重機などを搬入するための仮桟橋の設置を強行しようとの動きを強めて、祝島の漁民を始め、瀬戸内海を原発汚染から守ろうとする人たちと連日緊迫した事態が今日続いている、こういう状況にあります。 そこで、二階経済産業大臣に伺うわけですが、一体このような中国電力の対応というのは、祝島漁民の漁業権を認めたこの判決を厳正に、厳粛に受け止めて、これを尊重する姿勢があると言えるのかどうか。私は、全くない、こう言わざるを得ないと思うんです。少なくとも、自ら控訴して高裁の判決を中国電力側は待つとしているわけですから、であるならば、地裁判決、すなわち祝島漁民の漁業権を踏みにじって調査を強行するなどという行動は当然に慎むべきだろうと思うんですね。それが公益事業を行う企業の最低の社会的な責任、こんなふうに言われて当たり前だと思います。 そこで、大臣、中国電力に対して、判決を遵守をして、こうした調査の強行、住民とのトラブルを引き起こす、こんなことのないように指示をするように求めたいと思いますが、御答弁を願います。 ○政府参考人(小平信因君=資源エネルギー庁長官) お答え申し上げます。 まず、一般論として申し上げますと、原子力発電所の建設にかかわります調査の停止を含めまして、漁業法上の権利に関します事項は、原則として電気事業者と関係漁業者の間で解決されるべき問題であるというふうに考えております。 ただいま議員から御指摘のございました上関原子力発電所にかかわります漁業補償契約に関しましては、今回の山口地裁岩国支部第一審判決におきましては、中国電力と上関漁協、四代漁協等との間で結ばれました漁業補償契約は有効であり、建設工事及び運転の差止め請求は認められない旨判示されたものというふうに承知をいたしております。 ○又市征治君 じゃ、なぜ中国電力側は控訴したんですか。全く説明が付かないじゃありませんか。個々人の漁業権は、ましてこの漁民の皆さんは、自らこのことについて管理委員会、これを認めないと言って、そういう点では自分たちで拒否しているわけでしょう。中電が何で、じゃ一体全体、控訴するんですか。 問題は、私は、何か都合が悪くなると、一方で原発を推進をする側であなた方やっておきながら、それは企業の側と住民との関係の問題で関係ありませんと、こういう答えをすぐなさる。もう少し本当にその政策に責任を持とうというならば、現地の状況なりこの判決の今持っている意味、こんなことを含めて適切に対処すべきじゃありませんか。 現場でどんなことが起こっているか。四月二十七日夜には、中電の台船を曳航してきた引き船が、抗議する船舶の間に強力なサーチライトで目くらましをしながら、転覆させても構わぬ、そういう勢いで突っ込んできて、大型のいかり二個とコンクリートブロック三個の据付けを強行していることが伝えられています。極めて危険極まる暴挙です。 また、先週十一日の深夜にも、中電側が突っ込んできて、夜じゅう反対派ともみ合った末、仕方なく引き揚げたそうですけれども。しかも、この詳細調査なるものは、中国電力自身が公約していた工法に違反したボーリング調査で、汚水を垂れ流す環境破壊が発覚をして、山口県と住民の怒りを買って中断を余儀なくされてきたいわく付きのものでしょう。 そもそも、調査をするまでもなく、環境汚染に弱い閉鎖性水域である瀬戸内海にあって、万葉の時代から人々の豊かな漁場であり、また海上交通の銀座通りであったこの地域に原発を造ることの危険性というのは十分に推定できたことですよ。 それだけじゃありません。三月二十四日、金沢地裁は石川県の志賀原発二号機について、今日もちょっと出ましたけれども、さきに、巨大地震による原発事故災害の可能性を認めて差止め判決をしたわけですね。 上関でも、原発予定地直近で、明治三十六年にマグニチュード六・二、昭和十二年にマグニチュード五・九、昭和五十四年にマグニチュード六・一の地震があって、今年の三月三十一日には原発予定地から四キロしか離れていない場所を震源とした地震が発生をしています。 以上申し上げたことは大臣も十分御承知でありますし、私も石川県の志賀原発の問題につきましては大臣に直接申入れに行きました。それでも、これはもう我々は関係しないので中電と住民の問題だと、こういうふうにおっしゃるのか、大臣の見解をお伺いしたい。 ○国務大臣(二階俊博君=経済産業大臣) 原子力発電の立地の問題につきましては、ただいま資源エネルギー庁長官から答弁を申し上げたことが我が省の基本的な考え方でありますが、ただいま議員御指摘の件につきまして、今後、安全性が厳正に守られるということが重要でありますから、よく地元の実情等を伺った上で改めてまた御相談をしたいと思っております。 ○又市征治君 今年は、原発事故史上大変な事故であったチェルノブイリ事故から二十年ですね。 被害はウクライナ国内はもとより周辺諸国に及んで、多数の死亡者を出しただけではなくて、多くの子供の甲状腺がんなど、後遺症に苦しむ人々が今日まだ続いています。世界的に肥沃なヨーロッパの穀倉地帯と言われたこのウクライナが、以後、農業や牧畜のできない不毛の大地と化したわけでありますね。 日本でもこの原発に絡む事故が次々と起こっておる。「もんじゅ」の事故であるとか東海村のウラン臨界事故の犠牲がまだ記憶に新しい中、今年の四月十一日には青森県の六ケ所村の核燃料再処理工場で放射性物質を含む水四十リットルの漏えい事故がありました。 瀬戸内海ということを考えたときに、極めて閉鎖性の水域であります。そしてまた、先ほども申し上げたような地震の危険を含めた環境汚染というのは極めて大きな広がりを持ち得る、こういうところでもあります。 沿岸住民の安全であるとか豊かな漁場、あるいは経済生活への打撃の問題を考慮すれば、上関への原発立地そのものを白紙に戻すべきところではないか、こんなふうに思います。 中電自身も、むしろ上関は過剰投資になりそうだから単独開発は無理だというふうに言われているんじゃありませんか。むしろエネ庁の方が一生懸命しりたたいているんじゃないですか。 四月二十六日の現地の集会が開かれて、多くの人がお集まりになったようですけれども、風力発電であるとか太陽光発電であるとか、瀬戸内のこうした環境も生かしながら、できるならばそういう自然エネルギーへの切替えというものも提案を住民の側からもされているわけ、再検討を求めているわけですね。 今大臣の方から、いろいろとそういう状況については把握をした上でというお話でありました。私は、二階大臣は、本当にそうした住民と行政との摩擦、トラブルの問題は、非常に大事に、自ら先頭に立って中に入ってでも解決を図っていく、そういう姿勢をこれまでも様々な行政の分野で取ってこられた方だ、そういう意味では尊敬し得る政治家の一人、こんなふうに思い、せんだっても申入れに行きました。 そういう意味では、大臣、こうした転換案も含めながら、まして中電自身が単独でやっていくにはちょっと無理があるのではないのか、こういうことまで言われているときに、こうした現地の状況なども含め、住民の皆さんがこうした様々な提案をなさっている、こういう問題も含めてやはり再検討する、そんなことについて是非御検討を更に続けていただきたいと思いますが、大臣の見解をお伺いしたい。 ○政府参考人(小平信因君) まず、上関原子力発電所の立地でございますけれども、これにつきましては、中国電力が地形でございますとか地質構造などを踏まえて総合的に判断したものであるというふうに認識しておりまして、現在、中国電力により行われております海上、陸上調査の結果を踏まえまして、原子炉の設置許可申請がなされた後に、国として、耐震の安全性を含めまして、安全性が厳正に判断されるものというふうに考えております。 また、電力需要のお話、新エネルギーのお話がございましたけれども、原子力発電は供給の安定性、それからCO2を排出しないということで、大変地球環境上もメリットがあるわけでございますが、中国電力におきましては、こうした地球環境問題への対応、それから、設備の老朽化によりまして火力発電所等の休廃止が見込まれております。他方、この上関発電所は平成二十七年度に運転開始という予定でございますので、そうした長期の電源の確保ということを踏まえて、中国電力として取り組んでいるものであるというふうに承知をいたしております。 ○又市征治君 地球環境とか、あなた方いつも言うけれども、前に聞いたときに、あなた方は、じゃ将来のこの核廃棄物などの処理にどのぐらい掛かるんですか、そういう問題などということも含めながら言うと、何か答えがろくに返ってこない。そういう意味で、少なくとも、今五十五基原発あるんでしょう。そうしたものが将来的にどんどん廃棄をされていった廃棄物の処理の問題にどれだけ金が掛かっていくのか、そういうことも含めて考えるべきで、平成二十七年がどうとか、そんなことを聞いているんじゃないんですよ。だから転換問題ということを言っているんです。 時間がありませんから最後にしたいと思いますが、政府は、そういう意味で、原発を推進をして、そのために原発への抵抗を減らすために様々なばらまきを繰り返してきました。昨年十月に総務省が出した行政評価・監視結果では、経済産業省が財団法人電源地域振興センター、悪名高きこの振興センターを経由して企業に配った二〇〇三年度の三十六億円余りが改善勧告を受けていますね。同センターといえば、刈羽村のラピカで会計検査院に名指しをされていた悪名高いトンネル団体ですよ。この決算委員会でも度々問題にされてきた。私もこの問題を取り上げさせていただいた。 今回の中身は、原発立地の見返りで一般企業の建物や設備にまで補助金を出しているわけで、その条件が雇用創出ということなんだけれども、総務省によると、その実態は、一として、雇用創出とは関係のないグラウンドフェンスや研修所のプロジェクターについて支出をしている。二として、単に従来からあった建物に補助をしている。三として、二十一の企業が補助金だけもらって従業員をむしろ削減している。中には、工場そのものが撤退したものにまで補助金を出したのがあって、こういうのが四企業ある。まるで詐欺じゃありませんか、これ。こういう格好でばらまきがされている。 原発推進のためにこういうでたらめなばらまき、無駄遣いというのは、正にエネルギー行政の腐敗と呼ぶほかありませんよ。 これは大臣、この問題はこの決算委員会で大変に大きな問題にされてきている問題ですから、この問題について正に経済産業大臣としての反省の弁をお聞きをしたいと思います。 ○委員長(中島眞人君) 二階経済産業大臣。 ○政府参考人(小平信因君) まず、お答えを申し上げます。 今先生御指摘の総務省の指摘等につきましては、私どもといたしましても精査をいたしまして、基本的に要綱には反していないということではありますけれども、そうした点も踏まえまして、電源特会、様々な指摘をされておりますので……(「小平さん、おかしいよ。委員長が指名してから答えるべきだよ」と呼ぶ者あり)あっ、失礼しました。 ○委員長(中島眞人君) 小平長官。 ○政府参考人(小平信因君) 失礼いたしました。 まず、今の先生の総務省からの指摘でございますけれども、これにつきましては、私どもといたしましても内容を精査をいたしまして、補助金の交付要綱には反していない、しかしこの中からこの交付金の内容、交付の仕方等について、効果的でない予算あるいはもっと効率的に支出をすべきであると様々ほかでも指摘をされておりますので、事業の必要性全体として厳しく見直しをいたしまして、平成十八年度の歳出も大幅に削減をしたところでございます。 また、平成十九年度には電源特会の制度改正を行うことといたしておりまして、これによりまして財政規律も更に向上するものと考えております。 今後とも、事業を厳しく精査し、電源特会の適切な運営に努めてまいりたいと考えております。 ○国務大臣(二階俊博君) 基本的にはこの原子力発電は、議員も御承知のとおり、供給の安定性に優れているとともに、地球温暖化対策等にも大いに役立つものであります。 そこで、私どもは、あらゆる新しい新エネルギーも含めて多面的に新たなエネルギーを開発しようということで苦心をいたしておるところでありますが、原子力はやはり我が国の基幹電源として極めて重要な位置付けをいたしております。しかし、その上においては、安全性という問題について二重三重にもこのことに対する配慮をしていかなくてはならないことは論をまたないところでありますし、先ほど来又市議員から御指摘の点につきましても、我々十分念頭に入れて対応していきたいと思っております。 ただいまこの部分での御質問では電源特会についてのことでありましたが、今、大宗は資源エネルギー庁長官から御答弁を申し上げたとおりでありますが、今後、歳出を大幅に削減するなど対応して、事業を厳しく精査した上で電源特会の適切な運営を図ると同時に、その上で私どもは国のエネルギー政策の根幹であります電源立地の振興についてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。 ただし、先ほど来御指摘にありましたとおり、また私もお約束しましたとおり、関係者を一度お招きして、現在の状況、今後の取組等について御相談をしてみたいというふうに思っております。 ○委員長(中島眞人君) 又市征治君、時間が来ています。 ○又市征治君 時間が参りましたから終わりますが、是非、今大臣が最後におっしゃった、そうした裁判が継続されておる、こういう状況ですから、そのときにそういう強行して住民といたずらにトラブルを起こしていくということはかえって信頼を損なうという問題でもありますから、是非その点は善処いただきたい。 ただ、このエネルギー問題について私たち社民党は、日本のエネルギー政策としてやっぱり脱原発だ、少なくとも風力、水力あるいは太陽光、燃料電池、バイオといった自然エネルギーの活用というものが大事だと。引き続き、こうした政策転換が図られるようにいろんな場面でこの点は主張し、政策転換が図られるように求めていくことを申し上げて、今日の質問は終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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