| 第164回通常国会 |
| 2006年6月6日 総務委員会 |
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(1)地方6団体が提案する地方共有税構想は分権主義の徹底 (2)竹中大臣や経済財政諮問会議と、地方の意見書との対立 (3)地方からの、正しい地方分権に引き戻したいという思い (4)竹中大臣らの新型交付税案は、削減の手だてではないか (5)地方の意見を置き去りにする、政府や竹中大臣らの動き (6)地方共有税構想は、政府への抗議声明であり問題提起だ (7)諮問会議でも地方共有税構想を正式議案として論議せよ (8)地方議員は名士やお金持ちだけがなっているのではない (9)生活をなげうって議員になる勤労者への老後保障は必要 (10)地方議員への年金は一定程度は民主主義のコストである (11)議員をお金持ちの名誉職にしたら、民意は反映されない (12)共済議員年金の赤字は市町村合併で議員が激減したため (13)地方自治に議員は不可欠。場当たりをやめ将来を見通せ |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 法案に入る前に、地方六団体による地方共有税の提案について若干見解を伺っておきたいと思います。 現行法でも地方交付税は地方全体の固有財源のはずですけれども、六団体案が根本的に違うのは、国に左右されない先取権の明記と、配分についても自治でやるとした分権主義の徹底だろうと思います。今回は十二年ぶりに地方自治法に基づく意見書として出すものでありまして、内閣は速やかに回答するように定められているわけですね。 この地方六団体の提案の概要と総務省の評価について、まず述べていただきたいと思います。 ○政府参考人(瀧野欣彌君=総務省自治財政局長) 六団体の方が新地方分権構想検討委員会を設けまして、中間報告をまとめたわけでございます。 その内容といたしましては大きく三点ございまして、国の一般会計を通さずに地方共有税につきまして直接特別会計に繰り入れること。それから、財源不足を解消するために法定率の引上げを行うとともに、地方税法に定める税率の変更も行うこと。それから、三点といたしまして、配分額の調整並びに決定について、地方が参画の上、責任を持って行える仕組みを検討すること。こういった内容かと思います。 これらにつきましての我々の考え方でございますけれども、現行の交付税制度につきましても交付税特別会計への直接繰入れにつきましてはかねてから地方制度調査会の答申などで御指摘いただいているところでございまして、我々も、地方共有の固有財源であるという交付税の性格を明確にする見地から、特別会計への直入と、これは望ましいものと考えておるところでございます。ただ、これにつきましては、御案内のとおり、国の財政当局の方は、特別会計に入りますと一覧性がなくなるのではないかというような反対意見のあるところでございます。 また、法定率の引上げにつきましては、現行の交付税法におきまして、大幅な財源不足が続く場合には交付税率の変更等を行うべきだと、こういうことでございますし、現在、平成十八年度におきましても八・七兆円もの大幅な財源不足を抱えているわけでございますので、基本的には交付税率を引き上げるべきではないかと我々も考えておるところでございます。 それから、配分額の決定に対する参画でございますが、現在でも交付税法に基づきまして地方団体から意見の申出ができるようになってございますし、昨年から総務大臣と六団体の会合ということもセットいたしましてその中でのいろいろ議題になっているということで、いろいろ推進を図ってきているところでございます。 今後も、こういった制度、議論の場を活用しながら、地方団体の理解を得ながら算定を行っていきたいというふうに考えております。 ○又市征治君 地方共有税という提案は、戦後、地方自治が憲法で定められて以来、学者などから度々出されておったわけですが、なぜ今のタイミングで地方六団体から出されてきたか。それは報道が一致してコメントしていますように、竹中大臣あるいは経済財政諮問会議の進められている地方交付税改変案がこの政府の六月ないし七月の骨太方針に盛り込まれては困ると、正しい地方分権の方向に引き戻したいという思いからだというふうに私は思います。 例えば、共同通信は、意見書は新型交付税などを盛り込んだ竹中総務相の私的懇談会の提言と一致しない部分も目立つ、経済財政諮問会議で優勢な交付税削減論とも対立している、こういうふうに解説をしています。 この竹中さんのビジョン懇と一致しない点というのは、具体的には、例えば北海道新聞が、三十日の全国知事会での知事たちの発言として、竹中大臣らの新型交付税の案について、交付税総額を削るための手だてではないか、導入されると地方は立ち行かなくなると、異論や注文が続出したと報じていますように、政府や大臣の進める動きが地方の意見を置き去りにしている、こういうふうに見ているんではないかと私は思います。 そこで、大臣、具体的に一つだけお答えをいただきたい。 今ほど、お手元に、五月二十二日付けで兵庫県知事の井戸さんから新型交付税批判の文書が出されているわけですが、お配りしました。これがまさしく地方共有税を今改めて提案した理由でも端的に表していると思いますね。 その第一項で、総務大臣提案の新型交付税は、交付税総額の確保については触れられていない、こう断言をして、そして人口、面積が良いとか悪いとかという前に、別途交付税総額が国の裁量に左右されることなく確保される仕組みが必要だ、こういうふうにその一項目めで明記をされているわけです。 私は、この知事の主張というのは、指摘というのは当たり前だというふうに思うんですが、この件について大臣の見解を伺いたいと思います。 ○国務大臣(竹中平蔵君=総務大臣) 私はいろんなところで申し上げているんですが、国と地方合わせたプライマリー赤字を解消するために、削れる歳出はしっかりと削っていかなければいけない、これは国も地方も同じ努力をしなければいけないと思います。 しかし、歳出歳入一体改革といいますか、量の議論と仕組みをより良いものに変えていくという議論は、もちろんつながりはするんですが、それを同時に議論すると、これはもう全く建設的な議論にはならないというふうに思っております。その典型が、新型交付税は量を削減するための手段であるという誤った考え方を述べられる方がいらっしゃるし、それをまた吹聴するジャーナリズムが一部にあると。これは、そもそもこういう議論をし出すと本当に改革なんか何もできなくなってしまうと私は思います。 これ繰り返し言いますけれども、私、諮問会議でも、この場でも発言をさせていただいておりますが、量の議論と仕組みの議論というのは、これはやはり入口においてはしっかりと分けて議論をしていかなければいけない、そのように考えているところでございます。この新型交付税についてのいろんな御意見の中で、見ようによってはやはり今の御指摘も、量の議論とやっぱり私は一緒にしないでいただきたいということは是非申し上げたいと思います。 もちろん、しっかりとした財源を確保することはこれは必要であります。そのための努力はそのための努力としてしっかりと行っていく。だからこそ、交付税削減を目標にするような議論の仕方は絶対やめてくれということを私は繰り返し申し上げているわけです。地方の歳出というのは社会保障の歳出であり、人件費であり、公共事業であり、そういうものを一つずつ国とのバランスでしっかりと削減できるものについては削減していく。しかし、中間支出である交付税について、その量の問題を直接の政策のターゲットにするというのは、これは政策論としては誤っているということを繰り返し申し上げているつもりでございます。 ジャーナリズムは面白おかしく一致しない点を取り上げておりますが、検討委員会の中でもこういう簡素な基準に基づく交付税というのは提言をされております。そこの点は私は大きな方向としてはそごはないというふうに考えておりまして、これはしっかりと、しかし地方の皆さんの意見も伺いながら、理解を得ながら着実に改革を進めたいと考えております。 ○又市征治君 今の御答弁、私はいろいろと意見があります。余りこれ議論していたら本当に今日の本題が入れませんから、ただ、もう少しだけお伺いしておきたいのは、政府全体の対応についてであります。 神戸新聞は社説で、議論は専ら経済財政諮問会議や財務省の財政制度審議会など政府の省庁レベルで進められ、中央主導の様相である、六団体の意見提出権の行使は、そうした上からの分権改革に地方の側が異論を突き付けた、こういうふうに鋭く指摘しています。中国新聞も社説で、地方交付税の削減は骨太の方針に盛り込まれる見込みだと憂慮し、地方抜きで話合いが進むのを懸念した地方の対案は十分検討に値すると評価をしています。 私も、六月一日のこの委員会で、大臣は何が何でも諮問会議、そして六月の骨太に間に合わせられるようにビジョン懇で進められ、歴史ある地方制度調査会への諮問をないがしろにされるんではないのかということでこれは指摘をいたしました。 地方共有税構想というのは、当面、緊急の抗議声明であるとともに、地方財政制度の中期的なやっぱり問題提起でもあるし、そういう意味では今年と言わず、少なくとも一年程度はじっくり地方の提案を聞いてという、こういう呼び掛けでもあるんだろうと思います、私は。 したがって、夏には地方制度調査会も発足するんでしょうから、私は、この意見書が出る以上、総務大臣としては六、七月の骨太方針へ新型交付税等々の提起はやっぱり見送って、総理に対しても、これから地方とじっくり話し合ってまいります、その間財務省等の提案も今年の骨太方針には盛り込まない、こういう方向にしたいということをむしろずばりと具申をされるべきじゃないか、地方とやっぱりしっかり話し合うべきじゃないか、こう思いますが、この点について端的にお答えください。 ○国務大臣(竹中平蔵君) 改革をするときに、改革が遅い、すぐにできることをやれという御指摘がある一方で、じっくりと議論しろという御指摘、これはもう五年間常にいろんな違う方向からの御指摘をいただいてまいりました。これ、しっかりと議論すべきは当然議論をしなければいけないと思っております。 しかし、これ、やはり合意できるところについてはこれは当然のことながら合意をさせていただいて、合意できないことは合意をいたしません、もちろん。その上で、方向をしっかりと見定めて、制度設計に入れるものは速やかに制度設計に入っていきたいと考えております。 今いろいろ議論されております財政審や諮問会議の一部の意見というのは、私は御指摘のように大変偏りがあると思っております。それをしっかりと正すのが、正していくのが総務大臣としての私の役割であるというふうに思っております。その上で、合意できることはしっかりと合意をして、地方の意見をよく聞きながら、取りまとめられることについてしっかりと取りまとめを行いたいと現状では私は考えております。 ○又市征治君 残念ながら、納得できません。 しかし、私は、今日ここの委員会、与野党問わずに私申し上げている点はかなりの共鳴をいただけるのではないか、こう思います。 少なくとも、六団体の地方共有税構想に真っ正面からやっぱり向き合って、少なくとも政府の各種の諮問会議でもこれを正式の議案としてやはり論議をいただきたい、このことを強く求めておきたいと思いますし、今後もこの問題については、極めて重大な問題でありますから、私自身も是非論議をしてまいりたい、このように思っています。 そこで、時間がなくなってまいりましたが、本題の地方共済議員年金の問題であります。 技術面での議論は既に出そろっておるようでありますが、私は、この問題で忘れてならないのは、そもそも地方議員にはいわゆる地方の名士やお金持ちだけがなっているわけじゃありませんで、いろんな様々な層の人々が今日これの選挙に立候補し当選されて、地方自治あるいは住民福祉というものを様々な角度から論議をされているわけであります。 サラリーマンや主婦等の一般勤労者が自らのやはり生活基盤をなげうって立候補して、むしろそういう人の方が一番熱心に一生懸命住民の声を聞きながら、というのは先ほどから同僚議員から出ているとおりでありまして、議員をむしろ唯一の職業として活動していく場合に、その議員の老後をどう保障していくか、このことは非常に大事なことです。その意味で、私は、議員年金というのは民主主義のコストなんだという認識というものを私たちは持たなければいけないんではないか、むしろそのことを広げておかなければいかぬのじゃないか、こういう気がいたします。 私は、真っ向から、さきの国会議員の年金問題については、これは議員年金そのものを廃止することには賛成だけれども、本来やっぱりきちっとした二階建ての年金制度というものを、年金を全体統合する、一元化の中に収れんをすべきだという立場から、あれには反対をいたしました。何かしら世論が大騒ぎして、議員なんて年金要らないんじゃないか、ボランティアでやったらいいじゃないか、そんなことを言われたら、それにわあっと乗っていってしまう、私は非常に危険な傾向だ、こういう気がいたします。 そういう点で、とりわけ、この地方の議員の皆さんのこうした議員年金というのは一定程度やはり民主主義のコストだという、こういう認識というものが非常に大事じゃないかというふうに私は思っていますが、この点について大臣の御見解ありましたら、お答えいただきたいと思います。 ○国務大臣(竹中平蔵君=) 今、又市委員御指摘のように、サラリーマンや主婦の方が議員になって、いわゆる普通の方が議員になって、そして普通の方の意見をしっかりと政策に反映させていくということは民主主義において極めて重要なことであると思います。いわゆる資産家、ブルジョワジーだけが民主主義に参加していたというような時代に戻ってはこれはならないわけでございます。その意味で、そういった議員の方々の生活基盤をしっかりと持つということは、やはり健全な民主主義の一つの基礎であろうと思います。 同時に、やはり国民一般の方々の視点というものは、これはこれでやはりしっかりと重視しなければいけないと思います。要はそこはバランスということになろうかと思いますが、私は、全体として国民の厳しい目があるということを現状としては踏まえながら、必要な制度改革は行っていかなければいけないと考えているところでございます。 今回お願いしております法律改正は、その意味では最低限の、この現行制度を持続可能にしようというところでございますので、これはやはり最低限是非やっていかなければいけないことであると思います。その上で、より中期的な観点から議員の活動、特に分権の時代でありますから、地方の議会の議員の活動をどのようにサポートしていったらよいのかと、これは幅広い議論を私たちもしていくつもりでございます。 ○又市征治君 私は、今大臣からもお話ありましたように、そうした民主主義のコストとしての面というものを非常に大事にし、また住民にもそのことを啓蒙していくというべきか、そういうことが大事だと思うんです。今本当に残念ながら、国会議員から地方議員までの全体的に議員の質というか、そのことに対しての非常に間違った批判が横行している、こういうことがあると思うんで、そういう点は非常に大事に、我々自身も身をしっかりと処して頑張らにゃいかぬことだろうと思いますが。 そこで、今回の提案のうち、私は高額所得者への制限とか年齢の上限の見直しということについて、これは私賛成です。しかし、今述べた理由から、とりわけ既裁定者への支給の引上げについて私は断固反対であります。このような措置が毎回繰り返されていくということになっていくならば、今おっしゃったような、普通の人、サラリーマン等やあるいは一般の商店あるいは農業者、こういう人々が将来をなげうって地方議員に立候補する、そういう可能性というのはどんどん狭められて、幅広い民意が反映しにくくなって、むしろ金持ちが名誉職に化していくという、こういう状況に逆戻りしていくという傾向はこれは否めないわけでありまして、正にそういう意味では地方自治は活性を失い、ゆがんでいくという、こういうおそれは非常に強くなっていく、こういうことを申し上げざるを得ないと思うんです。 このたび赤字推計が急に加速したのは、先ほど来から出ていますが、政府のやっぱり政策による半ば強制的な大合併によって議員数が物すごい勢いで減った。そこにもう一つ輪を掛けて、合併したところも物すごく議員数が減っているんだから合併しなかったところはもっと減らそうという、これは輪を掛けている。ひどいところはもう議員の数が十人を割るような議会が出てきている。それに総務省も悪乗りしたとは言わないけれども、そういう格好だから、委員会が成り立たないから複数のところにも参加できるようにしましょうなんていうこの間法案も出てくる、こういう実は格好になってきているわけですね。これはもう地方自治は本当におかしくなってきている、こういうことがあるんだろうと思うんです。 しかし、国はこの合併特例法により必要な措置を講ずるとされているけれども、基本は全部自治体の責任ですね。一方でそれはどんどん推進して減らしておいて、それで片一方ではそれは自治体がやんなさい。まあ基本はそうでしょうよ。だけれども、国の政治的及び財政的責任というのはやっぱりそれなりに果たされるべきだと、こう思うわけでして、現状及び激変緩和措置についてどのようにとっていくのか、その点について述べていただきたいと思います。 ○政府参考人(小笠原倫明君=総務省自治行政局公務員部長) 今般の改正では、市町村合併特例法の趣旨踏まえまして、公費負担金につきまして、市町村合併の進展による議員数の急減に対する激変緩和措置行うこととしております。 具体的には、市町村合併の進展に伴いまして、年金の受給者数が現役員数を大きく上回ることなど、当面の十年間、公費負担率で四・五%相当の時限措置を行い、その後五年間でこれを漸減させることとしております。 この地方公務員共済組合法に基づく負担金でございますが、これにつきましては現在、地方交付税措置をしているところでございまして、今回の制度改正に伴う公費負担時限措置についても必要な措置を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ○又市征治君 まだ幾つか申し上げたかったんですが、もう時間がなくなりましたから。 いずれにしましても、先ほど来出てますけども、議員数が減りました、分母が減りました、したがってこれは減らさざるを得ません、だから掛金も上げます、給付も下げていきます、既裁定者も下げています。ひどいのは前のときに下げられた人たちですね。この既裁定者、大変な状態ですよ。 やっぱり私は、これは行き当たりばったり、出たところ勝負という、こんな格好にしかなってないんじゃないのか。そこらのところはもう少ししっかり先を見通して、財源計算だけを何か二十年先って、前のときもそう言ったんですよ。それがやっぱりみんな狂ってしまったわけで、いや、それは大合併があったからだという、そんな理屈になっている。 私は、これではいけない。そのことをやっぱり厳しく申し上げ、もう少しそういう先を見通しての、やはり地方自治を本当の意味で、一方ではこの議員というのは地方自治の立場にとってみては非常に大事なわけですから、これだけ減らされていく、減っていっていいのかどうかという問題も、本気に総務省としても考えなきゃならぬ問題なんだろうと思うんです。そのことを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。 |
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