第164回通常国会

2006年6月13日 総務委員会



(1)地方6団体が提出した地方財政自立のための7つの提案
(2)交付税の直入・法定率引上への支持を竹中大臣も確認を
(3)竹中大臣が言う「諮問会議などの偏りがある意見」とは
(4)官民人事交流は評価するが天下りと似通った問題がある
(5)交流の大半は大企業が情報を取るための「受入れ採用」
(6)会社員の身分で公務職場に来ることになる今回の法改定
(7)交流派遣を増やさず、採用の規制だけ緩めるのは筋違い
(8)官民癒着の防止・公務の公平性確保への人事院の措置は
(9)総務省はどのように守秘義務の周知徹底を図ってきたか
(10)官民癒着防止のため交流採用は人事院の一括性にすべき
(11)人事院は頻繁に実態把握し各府省に助言することが必要
(12)仕事量は減らないのに目的化される職員数や賃金の削減
(13)人事院総裁は、低下する公務員の士気をどう高めるのか


○又市征治君
 社民党の又市です。
 法案に入る前に、前回六日の委員会で私が質問しました翌日の七日の日に地方六団体は予定どおり意見書を提出をいたしました。地方財政自立のための七つの提案というサブタイトルを付けて、地方共有税の提案を中心に、地方行財政会議という国と地方の協議の場を法律でつくれなどという内容ですね。今日は、これに関連して大臣に二つ質問を先にいたします。

 一つは、意見書の内容に対する六日の局長の答弁で、総務省の評価としては、一つに、地方交付税を交付税特別会計に直入すること、これは望ましいことだ、二つ目に、交付税の法定率について、基本的には引き上げるべきだ、こういうふうに述べております。

 この二つは、長年にわたって地方団体と積み上げの中で到達をした総務省としての基本的な答弁だろうと、こう思うんですが、この点について大臣も当然御確認いただけるんだろうと思いますが、確認の意味で御回答いただきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君=総務大臣)
 二点でございます。
 まず、交付税特別会計への直接繰入れ、直入の話でございますけれども、これはもう既に地方制度調査会の答申等においても御指摘をいただいているところでありまして、総務省としては、地方共有の固有財源であるこの交付税の性格を明確にするという観点から直入の実現を図ることが望ましいと考えております。私もそのように考えております。しかし一方で、これも局長から答弁させていただきましたが、財政当局との合意が非常に困難であるという、その事実は行政としては今直面している問題としてございます。
 法定率の引上げについて、これも、これはたしか今国会の最初に又市委員からもいろいろ御議論賜ったところでございます。大幅な財源不足が続く場合には、これは制度の改正又は交付税率の変更を行うこととされておりまして、基本的には交付税率を引き上げることが望ましい、こういう状況であるという認識を私も持っております。ただ、これも今の財政状況の中で財政当局との合意は得られていない、そのような状況でございます。

○又市征治君
 もう一つ、前回私が、意見書が出るようだと、国の懇談会等で地方抜きに勝手に決めるなと、地方がストップを掛けた以上軽々しく地方交付税の削減を骨太の方針に盛り込むことは控えるべきではないかと、こう申し上げたのに対して、大臣は、合意できるところは合意させていただいて合意できないことは合意いたしませんと、何言われたのかよく分からなかったんですが、抽象的な答弁だったわけです。
 ただ、続けて大臣は、財政審や諮問会議の一部の意見というのは私は御指摘のように大変偏りがあると思っております、それをしっかりと正していくのが総務大臣としての私の役割である、こう述べられておるわけで、これは私は立派な決意表明だというふうに思うし、評価をいたしておりますが、ただ、いかんせん抽象的なわけでありまして、それらのどういう意見が偏りがあって正していくおつもりなのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君)
 偏った意見はたくさんございますが、特に二点、私としてはしっかりと申し上げなければいけない点があると思います。現実にこの七か月、八か月、そのことを随分諮問会議等々では申し上げてきたつもりでございます。

 第一の点は、よく社会保障費が大きい、人件費が大きい、そして地方の歳出が大きいと、地方交付税が大きいというふうに言って、だから歳出削減の観点からそれを削れという議論があるわけです。これは現実にそういう議論をされる方いるわけですが、私は、その社会保障費等々とそして交付税を並べて比べること自体が間違っているということを常に申し上げているつもりでございます。それは、交付税というのは中間的な支出です。支出として見る限り中間的な支出です。地方の支出には社会保障費、人件費、公共事業費等々あるわけで、それとその地方税との差額を交付税で埋めるという形になっているわけでありますので、その中間的な支出を減らすターゲットにするというのは政策論としてこれは間違っていると、この点が第一の点でございます。

 第二に、ずっと申し上げてきたのは、よく国と地方のバランスということが言われるわけですが、そのバランスが偏っているというふうに私には思えます。つまり、一般的な議論としてよく諮問会議などでも出てきますのは、国はプライマリー赤字を抱えている、地方は基礎的財政収支が黒字であると、だからもっと国に対してお金、資源を回さねばならないかのような言い方をするわけですが、これは実は非常に私はバランスを失した議論であろうかと思います。なぜならば、国と地方では自由度が違うからです。課税等々を通じた資金調達の力も違うからです。それをさも同じであるかのようにして、こちらの方が今大変だからこちらに資源を持ってこいというような議論は、これはやはり偏った議論であると。
 このことをずっと申し上げてきたんですが、先般の経済財政諮問会議で全く同じことを総理が発言をされました。是非これは議事録で御確認をください。国と地方のバランスと言うけれども、国と地方は自由度が違うんだと、地方には自由度がないんだからその点をちゃんと考えなきゃいけないんだということを総理が明快におっしゃってくださいました。これもいろいろ申し上げてきた一つの結果かなというふうには思っておりますが、引き続きそうした議論に対しては十分注意を払って、しっかりと主張してまいりたいと思います。

○又市征治君
 今おっしゃった二点の問題については全く同感でありますから、是非しっかりとお取り組みいただきたい、こう思います。

 そこで、法案に入りますが、幾つか懸念についてただしておきたいと、こう思います。
 官民人事交流、これ自体は良い構想だというふうに私どもは思います。しかし他方で、天下りと非常に似通った問題があります。高級官僚の天下りが利権、癒着を生んで税金の無駄遣いになっているということは、防衛庁やあるいは防衛施設庁、道路公団などの官製談合など具体的な事実があって、枚挙にいとまがありません。官民人事交流もこの点には細心の注意を払うべきなんだろうと思うわけでありますし、後で附帯決議でもこれは提案をされてくると思いますが、この点に留意しつつ質問をしたいと思います。

 まず、府省によって交流実績に大きな差がある、先ほど来から出されています。交流派遣はゼロか少数で、ほとんどが言ってみれば受入れですね、受入れ採用の方が多いわけですね。先ほども出ていますように、国交省が一番目、二番目に外務省、三番目が経済産業省、こういう格好ですが、ここにやっぱり大変疑念が生じる。企業が情報を取りたいからむしろここの三省に来ているんではないのか、こういうふうに思われてしようがない。外務省といえば、総理が職員数が少ないといって自慢をされている官庁ですけれども、実態は企業の社員に外交特権を与えて国費で企業のために情報収集させている疑念なしとしない、これはさっきからも出ているところであります。
 しかも採用は銀行を始めとした大企業からが圧倒的でありまして、つまり、企業が海外情報も含めて役所のインサイド情報を取る手段になっていないというふうに言い切れるのかどうか。この点についてどういうお考えですか。

○政府参考人(戸谷好秀君=総務省人事・恩給局長)
 お答えいたします。
 官民人事交流、御案内のとおり、交流を通じて民間の機動的かつ効率的な業務運営や柔軟な発想を学び、人材育成と行政の活性化を図るものでございます。
 交流に当たりまして、先ほどから申し上げておりますが、人事院が交流計画を認定し、所管関係、契約関係にある企業との交流に一定の制約が設けられています。また、交流状況等の国会等への報告が行われており、効率性、中立性の確保を図っているところでございます。また、職員につきましては守秘義務など国家公務員法上の服務が課せられているという形でございます。また、企業へこの情報提供につきましても、平等な情報提供となるように工夫しているというところがございまして、官民人事交流制度が企業の役所側の内部情報を収集する手段となっているというふうには承知しておりませんが、このような、先ほど申し上げましたようないろんな手だてがございますので、そういう手だてを十分に駆使していただきまして、国民の疑念や不信を招くことのないよう制度の適切な運用を図っていきたいというふうに考えております。

○又市征治君
 まあ紋切り型のそういう答弁出るのは分かっているんですけれども、さっきから出されているように、幾つか一か所のところに何で三人も連続でやるとか、繰り返しませんけどね、そういう問題が起こっているじゃないですか。だから疑念があると言っているんです。そういうのを正しなさいと言っているんですよ。そんな紋切り型の話を聞いているんじゃないんです。

 それから次に、公務員に民間の経営感覚やコスト意識を学ばせるというんならば、交流派遣こそ増やさなければいけないんじゃないですか。ところが、今回は改正で少ない方の派遣を増やす手は打たずに、採用について規制を緩めるというのは、これはどうも私納得できないんですが、納得いく説明をしてください。

○政府参考人(鈴木明裕君=人事院事務総局人材局長)
 官から民への交流派遣が進まない理由につきましては、むしろ制度的な面での障害というよりも、若手職員が薄い状況にあるとか、民間企業においても厳しい経営の中でなかなか受け入れるのが難しいとか、そういった各府省や民間企業の事情によるところが大きいというふうに考えております。しかしながら、交流派遣についても更に推進する必要があると考えておりますので、引き続き総務省とも協力して、民間企業にも各省にも働き掛けを行ってまいりたいと思います。

○又市征治君
 何を答えているのかちんぷんかんぷん、分かりませんね。何でその交流に、こっちのを増やさなきゃいけないんじゃないのと、何で今度は採用の方だけを増やしているのと、採用ばかり多いから、これを交流と言うんならおかしいんじゃないのと、こう言っているのに、全然意味分からぬじゃないですか。もう一遍答えてください。

○政府参考人(鈴木明裕君)
 交流派遣が進まないのは、制度的な障害であるよりは……

○又市征治君
 そんなことは聞いてないよ。

○政府参考人(鈴木明裕君)
 ということで、今回は制度的な面からの改正をお願いをしているわけでございます、交流採用につきましての制度的な改正をお願いしているわけでございますけれども、交流派遣の制約になっております各省や民間企業の事情も十分考えながら、各省、民間企業に対して一層働き掛けをしてまいりたいと思います。

○又市征治君
 あんたと議論しておると何か訳分からなくなっていくから、時間ばかりたっていくからね、次に進みますよ。
 今回の改正では交流元企業からの雇用継続を認める、つまり会社員のまま来ると。そうなると、役所の情報をよこせといった企業からの具体的な指令を、その社員は、こっちへ派遣された人はこれ拒めるのかどうか。非常にそういう意味ではひも付きの懸念というのがあるんではないか。単に倫理の問題だけで済むのかという問題あるわけ。
 そこで、人事院は、この官民癒着の防止であるとか公務の公正性を確保するために、どういうこれに対しての担保する措置を講じられる予定なのか、お聞きをしたいと思います。

○政府特別補佐人(谷公士君=人事院総裁)
 現在におきましても、交流元企業と密接な関係にある官職に就くことを禁ずる官職制限、それから契約関係による交流制限を設けておりますし、また具体的な交流に当たりましては、人事院による公募、それから交流計画の認定、変更の認定、それから状況についての国会等への御報告というような措置を講じておりますが、今回この改正のお認めをいただきまして、交流元企業の雇用関係の継続を認めるということになりました際には、今申し上げた手続に加えまして、各府省が交流元企業との間で締結する雇用に関する取決めにおきまして賃金の支払を行うことを内容として定めてはならないということで、そういった給与支給の関係は絶ってしまわなきゃならないと考えております。

 それから、交流採用職員につきましては、任期中、雇用に関する取決めに定められた内容に従って交流元の企業の地位に就く場合を除きましては、当該企業の地位には一切就いてはならないということ、それからいかなる場合におきましても、これは現行と同様でございますが、交流元企業の事業、事務に従事してはならないということで、給与の支給、それから事務への従事を一切禁止いたします。
 それから、国会等への御報告につきましても、交流元企業で占めている地位を含めて御報告するというようなことを追加して定めていきたいと考えております。

○又市征治君
 次の質問にまでお答えいただいてしまいましたから、次に総務省にお聞きしますが、企業が役所から取りたい情報は幅広いわけであって、それが守秘義務事項であるとは限りませんけれども、最低限守秘義務については、前回附帯決議でも守秘義務の徹底を図れと、こうされておるわけですね。
 では、これまでどのようにこの守秘義務の周知徹底を図ってこられたのか、さらに改正後は身分が社員のままというふうになるわけですけれども、これはどのように厳守をされていくように考えておられるのか、この点についてお伺いします。

○政府参考人(戸谷好秀君)
 交流採用職員につきましては、国家公務員法の守秘義務を始め服務に関する諸規定が当然適用されるわけでございます。これにつきましては、この制度の運用に関する基本方針で国と民間企業との間の人事交流に関する基本方針というものを定めておりまして、各府省が万全を期するということで、それをいろんな会議の場等において徹底を図ってきているところでございます。
 今後、先生御指摘のように、この点について一層の徹底を図れというお話でございます。基本方針も新しい目で見直すとか各府省との連絡会議の場の活用などということはこれまでと同様にやっていきたいと思っています。新たにどのようなことができるかにつきましては、また人事院とも相談しながら、私どもとしてできる限りのことをしたいというふうに考えております。

○又市征治君
 その点は是非しっかりと対応いただきたいと、こう思います。
 人事院総裁にお伺いをいたしますが、人事院は、官民の癒着を予防し、行政の公正な執行に疑いの持たれないためには交流採用を人事院の一括制に変える、こういうことなどを行うことも検討すべきではないのか。
 いずれにいたしましても、もっと頻繁に実態を把握をして、問題があれば各府省をしっかりとやっぱり助言をする、こういうことが必要ではないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがですか。

○政府参考人(鈴木明裕君)
 交流採用の一括採用の点だけちょっとお答えさせていただきたいと思いますけれども、交流採用の場合は、各省に配置されて仕事をすることになりますので、人事院で一括採用というのはなかなか難しいのではないかなというふうに思っております。

○又市征治君
 実態把握の問題を。

○政府特別補佐人(谷公士君)
 この制度につきましては、是非推進していかなきゃならぬと思うわけでございますけれども、しかし守らなきゃならないこともいろいろあるわけでございます。私どもの把握する能力にも限りがございますけれども、いろいろ御指摘もいただきましたので、実態につきましては更に把握に努めまして、必要に応じた措置を講ずるよう努めてまいりたいと考えます。

○又市征治君
 最後にこれは人事院総裁に、通告してないんですけれども、お伺いしたい。総裁になられてから、私こういう場面で、残念ながら初めてなもんですから是非見解を承っておきたいと思うんです。

 今日、一部の公務員の官製談合の問題であるとか、天下りによる癒着の問題だとか、不祥事幾つか起こっています。大変腹立たしい。これはもうここにおいでの方、皆さんがそうだと思う。
 そういう問題はもう論外として、他方で非常にまじめに多くの公務員が一生懸命働いている、大変肩身の狭い思いをしながら働いている、こういう状況があるんだろうと思う。

 そういうことに輪を掛けて、仕事量が現実問題として減ってもいないのに、どんどん人は減らしなさい、これが目的化をしたり、賃金をどんどん下げるという、こういうことが声高に叫ばれる。こういう状況で、私は、どうもこの今の状況の中で、公務員の士気の低下と言うべきか、そうした志がやっぱりそれで低くなっていく、こうしたいい優秀な人材が集まらないんじゃないか、こういう感じがしてならない、そういう気がします。

 これらについて、今のようなこの状況について、総裁もかつて公務員であられたわけですけれども、そうした今の状況について、どのように公務員の士気を高めていくべきか、そのことについてもし所感がありましたらお述べいただきたいと思います。

○政府特別補佐人(谷公士君)
 いろいろ公務員、公務の部門にも人材を確保する、そしてその人材にふさわしい処遇をする、いろいろ必要なことはあるわけでございますが、しかし、公務の世界もまた世の中一般から離れて存在するわけにいかないわけでございまして、いろんな制約があると思います。

 人事院として与えられました使命、公務員の制度の運用につきまして、これから更にいろいろな面で努力してまいらなきゃならぬというのは当然だと思いますが、私は、ちょっとそれから外れますけれど、個人として考えておりますことは、やはり多くの公務員がその使命を自覚し、誇りと志を持って公務にいそしんでいくためには、やはり何といっても幹部職員が率先して公務部門の責任者としての仕事への取組姿勢を示す、それから公私の別をはっきりさせる、そのことを職員に自ら示すということと、そのことによって国民の公務及び公務員に対する信頼を確保していくということが、若干回り道になるかもしれませんけれども、最も本質的な道筋ではないかというふうに考えております。

○又市征治君
 終わります。