| 第164回通常国会 |
| 2006年6月15日 総務委員会 |
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(1)国会で確認した交付税の直入・法定率引上げを堅持せよ (2)法律上の機関でもない諮問会議の重用にこそ問題がある (3)地方からの声や歴史ある地方制度審議会は軽視する政府 (4)地方自治法に基づく自治体からの意見書は最後の宝刀だ (5)意見書の7項目について地方とじっくり意見交換すべき (6)議題であるNHKの04決算は承認できるものではない (7)NHKに攻勢をかける総務大臣の私的諮問機関・松原懇 (8)1993年にラジオ第二放送削減案を止めた視聴者の声 (9)NHK会長の、番組改変裁判の証言者への報復人事予告 (10)進行中の裁判に人事をちらつかせるのは職員への束縛だ (11)不当な干渉の排除とは、トップと口裏を合わせることか (12)良質な番組編成・国民の信頼回復によるNHKの再生を |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 今日は今国会最後の総務委員会でありますので、NHK決算に入る前に、地方六団体の地方共有税構想などの意見書について竹中大臣に一点お伺いをしておきたいと、こう思います。 一昨日のこの委員会で、大臣は、六団体の主張する国税のうち地方交付税相当分は交付税特別会計への直入にせよという点については総務省として同じ立場だというふうに御賛同されました。また、交付税の法定率を引き上げよという点も望ましいというふうに御確認をいただいたわけでありますが、是非この立場を堅持をいただいて、七月に延期とも伝えられます経済財政諮問会議に臨んでいただきたい、こういう思いであります。具体的には前回言いましたから詳しく申し上げませんが、法律に定める六団体の意見書が出た以上、この夏に政府だけで交付税について何か決めるんではなくて、まずは地方とのテーブルに着くことが相互信頼のためにも非常に大事なことだろうと、こう私は思います。 諮問会議の場で六月七日に一度六団体から意見書の中身を聞いたのでしょうけれども、あれだけ交付税を目の敵にしてきた一部の委員から何の反応もその後聞こえてこないわけでありまして、どうも聞きおいただけで無視して交付税削減の既定路線で走ろうとしているんではないかという、こういう疑念さえも出されておる、こういう状況があります。 考えてみますと、本来、諮問会議というのは法律上の機関でも何でもないわけであって、ここで重要事項を事実上決めてきた小泉内閣のむしろ政治手法にも問題があるわけですが、他方で、歴史ある地方の代表も発言を保障されている地方制度審議会については全く軽視されている、こう言わざるを得ない状況に私はあるように思うんです。こうした時代だからこそ、自治体は地方自治法に基づく意見書という最後の宝刀を抜いた、こういうふうに見ざるを得ないわけで。 そこで、大臣は財政当局の合意がなかなか困難だということをこの間おっしゃいました。地方の声を背景に、それを是非克服していただきたいという、これは地方六団体の皆さんの共通の声だろうというふうに思います。内閣として正式に、あるいは少なくとも総務大臣として、この意見書について、じっくりと七項目について逐条的に六団体と意見交換を是非されるべきではないだろうかと、このように思いますし、以上申し上げた点について、大臣の決意を含めた見解をお伺いしておきたい。 ○国務大臣(竹中平蔵君=総務大臣) 十二年ぶりの意見書でございます。意見の申出でございます。これは地方の決意というのを非常に重く受け止めて、我々は対応するつもりでございます。先般、閣議で私の方からそのような申出があったということを閣議報告をしております。政府全体として、この申出に対しては適切に対応してまいらなければいけないと思っております。 加えて、いろんな形でのテーブルに着いて話し合えと、これはもう御指摘のとおりだと思います。諮問会議の運営は内閣府、内閣官房でいろいろやりますので、私は要望する立場でございますけれども、要望すべきことをしっかりと要望してまいりたいと思います。また、六団体と総務大臣の協議等々もタイミングを見て是非しっかりと対応していきたいと思っております。 ○又市征治君 是非その点強くまた改めて要請をしておきたいと思います。 さて、NHKの二〇〇四年度決算についてですけれども、この年は、既にもう多く出されているように、チーフプロデューサーによる横領が発覚をし、受信料支払保留・拒否が急増する、こういう中で、一九五〇年の設立以来初めての前年度割れと、こうなって、NHK監事からも極めて憂慮すべき事態だとされた内容でありますから、これはもうこの決算、承認しかねるというのは、これはもう冒頭に申し上げておきたいと思います。 それとは別に、今日も出ておりますが、今NHKについては総務大臣の私的諮問機関である通信と放送の在り方に関する懇談会、以下松原懇談会というふうに略させていただきますが、猛烈な攻勢が掛けられているというふうに言われております。 これについて我が党の重野衆議院議員が衆議院で質問をいたしましたが、橋本会長は、NHKはBBCやドイツなどと比べて保有する電波の数も財政規模も特に大きくはない、こういうふうに答弁をされました。先ほどもそういう御答弁ございました。また大臣は、受信料の義務化について、国民は今のままでは受け入れない、納得できないと思う、これも御答弁がございました。この二点は、私はいずれも正しい事実あるいは冷静な判断である、こんなふうに思います。 そこで、チャンネルの内容の面から、以前の経験を会長にお伺いをしておきたいと思うんです。たしか一九九三年ごろだったと思うんですが、NHKはAM第二放送を削減する案を出された、こういうふうに記憶をします。このときの視聴者の反応はどうだったのか。そして今継続をされているわけですが、この点について少し紹介をいただきたい。あわせて、現在のこの松原懇のNHKチャンネル削減論に対する会長のお考えも併せてお伺いをしておきたいと思います。 ○参考人(中川潤一君=日本放送協会理事) 先生御指摘の件は、平成五年二月にNHK将来構想というものを発表しましたけれども、その中で、メディアを取り巻く環境も大きく変化してきており、今後の音声メディアの進展、技術開発の動向などを十分見極め、現在の音声三波を再編成し、一波削減する方向で検討するというふうにこの中で申し上げました。 これは、当時いろいろな拡大ということが言われておりまして、メディアの拡大路線をこれ以上求めないんだということで、できるだけスリムな経営を目指したいということで、ラジオ第二放送を一波削減したいというふうにいたしまして、そういう考えでございました。ただ、これを発表しました後、視聴者から様々なあるいは大変多くの反響をいただきました。例えば語学番組や株式市況、それから気象通報といったものをラジオ第二放送ではやっておりますけれども、こういったものを廃止するのかということで、困るという非常に多くの声が寄せられまして、NHKとしましては、そういった不利益が生ずることであれば、まだ当面は一波を削減する状況にはないというふうに判断いたしまして、二年後の平成七年一月に公表しましたNHK中長期経営方針で、当面は音声三波によるサービスを継続するというふうに改めて方針を変えて御提示しました。 現在、それから十一年がたっておりまして、いろいろなデジタル化も進んでおりまして、放送通信の環境も大きく変わってきております。例えばインターネットから様々な音楽をダウンロードするということもできますし、それはもちろん語学でも利用できます。そういったことの中で、今年一月に私どもが発表しました三か年の経営計画、この中でも、視聴者の方々の御意向を十分踏まえて、あるいは実態を踏まえた上で今後検討してまいりたいというふうに申し上げたところでございます。 それから、波の削減でございますが、これにつきましては、今いわゆる松原座長の懇談会で、報告書で話題になっておりますのは、テレビの方は衛星放送の波を一波残してあとは削減したらどうかと、こういうことでございます。 これについては、衛星放送そのものは、例えば衛星一が衛星放送の普及の役割というのがございます。衛星二は難視聴解消の役割がございます。それからまた、ハイビジョン放送はハイビジョン放送の普及という役割がございます。こういう放送普及基本計画の上での役割を十分踏まえまして、例えば衛星一は内外総合情報波というふうにやっておりますし、それからハイビジョンはできるだけ高画質、高音質の優れた…… ○又市征治君 中身はいいです。 ○参考人(中川潤一君) はい。ということをやっておりまして、そういうことでありますので、私どもとしましてはできるだけ、さっきラジオのところでも申し上げましたような、視聴者の方々の意向も十分踏まえながら今後検討されるべきことだというふうに思っております。 ○又市征治君 分かりました。 NHKとしては幅広い意見を聞いて、社会的に必要な番組は、例えばそれは視聴率が低くても提供すべきで、そのため現在のチャンネル数は維持したいという、こういう方針ですね、簡単に言うと。 こうした意見は、NHK独自に懇談会をつくっても聞かれておりますね。四月のその中間報告の冒頭に、基本的立場の@というところに「公共放送と民主主義」という一節があります。恐縮ですが、五行ほどですから是非読み上げて紹介をしてください。 ○参考人(中川潤一君) 読み上げます。 これは四月に出されました私ども会長の諮問機関としてございますデジタル時代のNHK懇談会というところの中間報告でございまして、その骨子の部分でございます。「「デジタル時代のNHK懇談会」の基本的立場」としまして、その@で「公共放送と民主主義」という記述がございます。 「公共放送は、健全で、多様・多彩な活力のある民主主義社会には不可欠であり、NHKがそうした公共放送として再生することが何より大切である。 外部からの不当な干渉を排し(自主)、みずからを律すること(自律)は、公共放送NHKの生命線であり、組織・制度や職能を明確にするとともに、常に点検を怠らない努力が必要である。」と。 以上でございます。 ○又市征治君 そうしますと、その自主自律というのは理事者が外に対して守るだけのものなのかと、こう聞きたいわけです。 先ほど吉川委員からもお尋ねがありましたETV番組、従軍慰安婦問題への政治家の介入をめぐっては裁判が進行中でありますが、三月三十日のこの委員会で質疑がありました。進行中の裁判に国会議員が触れるというのはいかがか、できるだけ避けるべきだろうと私は思いますが、どうしてもそれに関する会長の発言に私も大変疑念を持っていますから、バランス上、若干お伺いをしておきたいと思うんです。 私は、一社員の法廷での証言に対する経営者の態度について絞ってお伺いをしておきます。 法廷で原告証人となった二人の職員について、橋本会長は、三月三十日、先ほども吉川さんが触れられましたけれども、おっしゃっている議事録を見ますと、大変、根拠がないことについて証言したということに対して大変私、遺憾に思っておりますと答弁された後、続けて、また、この職員についての人事上の扱いについては適切に対処したいと、こう述べられたわけですね。これは大変問題ですよ。 しかし、裁判で証言するのは市民としての権利、義務であって、これは当然だとあなたもお認めになっている。しかも、この二人は犯罪事件の被告でも何でもないわけですよ。仮に偽証があれば、これは法廷が裁く問題。三月の会長発言は、余りにもそういう意味では六月の異動人事を予想させる答弁ではなかったかと、こう疑われてもしようがない。だから、放送関係に詳しい東大教授など三百七十五名から成る抗議声明が出される。このこと自体が大変重大な問題だと思うんです。 職員の法廷での証言に対してトップが人事をちら付かせたということは、今後他の職員などのいろんな部面におけるこうした問題でも大きく束縛することになるんではないのか。外部からの不当な干渉を排し自らを律するという方針は、全職員がトップの意思どおり口裏を合わせて一枚岩たるべし、そういう意味でないわけでしょう、これは。自主自律とおっしゃっているのは。 むしろ職員一人一人に、理事者の意思、意向に反する発言であったとしても、自主自律の市民的権利を保障することで初めて達成できるんではないかと、こういうふうに私は思うんです。 この点について会長のそれなりの御見解を伺っておきたい。 ○参考人(橋本元一君=日本放送協会会長) 御指摘のとおり、私、この自主自律というのは各NHKの中で働く一人一人が心の中に持つ規律だというふうに考えております。当然ながら、そういう意味で、一人一人が自主自律の振る舞いをするという中で、しかしNHKとしての公共放送の組織体というものを動かしていってほしいというふうに考えております。 私も、先般申し上げた、この裁判につきましてはNHKとしてのまとめというものを裁判所に積極的に協力して提出しております。その中の内容と証人の発言というものが一致していない点、この点が私が申し上げている遺憾だと言っている点でありまして、人事の件とは全く切り離して考えております。 人事については、今回、その両名が所属する組織というものが、組織全体の効率的な運用、フラット化の目的、こういう中で組織を改正してまいりました。そこに所属している部局というものが、この二人だけではありません、ほかの人間も含めて、なくなったわけですから、新たに適材適所、異動していただいたということでございます。それぞれ両名の知見、資質を生かした職場に配置してもらったというふうに考えております。 ○又市征治君 これは大変生意気ながらあなたへの忠告ですけれども、議事録を見ていますと、あなたの発言の中に適切に対処するということがよく出てくるんですね。全然適切でないんですよ、これ。そういう意味では、先ほど私が読み上げた議事録のこのくだりからいうと実に適切でなかった。そのことについての釈明を求めようとは思いません。しかし、やっぱりそうしたNHKの事実に対する立場の問題を述べた、その直後に続けて、人事については適切に対処するなんと言うのは極めて適切さを欠いている、こういうことだと思うんです。だから、誤解を得てあちこちから批判を受けていると、こういうことなんですよ。 つまり、私、何を申し上げたいかというと、今日随分と出ました。これは先般から、予算のときも出ました。受信料の保留であるとか、あるいは拒否者の中には、確かにいろんな不祥事に対してまたかまたかと、そういうことで増えていることももちろん事実です。そのことはあってはならないからこれは厳しく批判をされなきゃならぬ。そのために一生懸命なさっているでしょう。しかし、それだけではなくて、こうしたNHKの政治的中立性に疑問を抱いている人々、こういう人たちがいるということもよくしっかりと受け止めていないと、そのために先ほど申し上げたような三百七十五名から成る有識者の抗議文が、抗議声明が出されている、こういうことがあるわけでありまして、これはやっぱりしっかりと対処をしていただかないと、皆さん方の何か不祥事に対することだけの対応では駄目だと、こう申し上げなきゃならぬと思います。 最後にいたしますが、いずれにいたしましても、それはもう行くところどころで皆さん方は今、もう針のむしろに座っているような思いでたたかれっぱなし。大変でしょう。しかし、出すべきうみはしっかりと出していただいて、そして、そのことでNHKをやっぱり再生をする、こういうお取り組みをなさっている、こういうふうに私は確信をいたしております。しかし、その取組が職員を萎縮させたり、あるいは士気を低下させては何にもならない、こういうことだろうと思うんです。 したがって、前にも申し上げてまいりましたが、質の高い放送番組をやっぱり編成をし、国民の信頼を取り戻すことを通じてNHKの再生というのは私はなし得るんだろうと思います。そうした一層の努力を心から私も期待をいたしたいと思いますが、その点について最後に会長の決意を含めての御見解をいただいて、終わりたいと思います。 ○参考人(橋本元一君) 私としても、全NHKの職場、創造力を持って、モチベーションを高めて将来に向けて頑張っていただかないと、一丸となってやっていかないといけないと思っております。私、その意味では先頭に立って職務を果たしてまいります。また、視聴者に対してもそういう姿をしっかりと説明して訴えてまいりたいと思います。 |
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