| 第165回通常国会 |
| 2006年11月9日 総務委員会 |
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(1)大企業は過去最高益、年収200万円以下世帯は19% (2)格差社会の是正こそが内閣の役割であり、国民の期待だ (3)企業収益を勤労者に適正に分配する時期なのではないか (4)企業経営者がもっと賃金を下げるための公務員賃金攻撃 (5)権利剥奪の代償として存在しながら政府に屈した人事院 (6)政治的圧力や財政事情を理由にした給与削減論は論外だ (7)地方公務員の給与を左右する、法律上の「四つの要素」 (8)小自治体でも人材確保のために最低限の賃金水準確保を (9)民間給与の男女格差は57%、官も男女差別をやるのか (10)同職種・同等比較を行うという大原則を今後も尊重せよ |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 小泉改革は大企業に三期連続の過去最高益をもたらす一方で、今日完全失業者は依然として二百八十万、非正規労働者は勤労者全体の三分の一、一千六百五十万人を超える、こういう状況をもたらしております。勤労世帯の収入というのは八年連続で低下をして、年収二百万円以下の世帯が一九%にも上る、こういう事態をもたらしております。 こうした格差社会というものを是正をするのが内閣の役割でありますし、安倍内閣に対する国民の期待でもあるだろう、私はこう思うんですが、そこでまず大臣に、どんな形でやるかは別として、この企業収益を勤労者へ適正に分配が必要な時期に来ているんではないのか、このように私は思いますが、あなたの御見解をお伺いしておきたいと思います。 ○国務大臣(菅義偉君=総務大臣) 私は政治家として、やはり基本的なことは、努力をした人が報われる、そうした社会であるべきだというふうに思っております。そういう中で、大企業であればいいとか、中小企業であれば安いとか、そういう格差が固定する社会というのは良くないというふうに私は思っております。 いずれにしろ、だれでも再チャレンジをすることが可能な、そうした社会の実現に努めていきたいと思います。 ○又市征治君 大分見解を異にしますが、議論になりますから、それは聞いておきます。 そこで、人事院総裁にお伺いをしてまいりますが、企業経営者や与党の一部から公務員賃金攻撃が非常に強まっております。企業の賃金をもっと下げたい、それには公務員と人事院勧告が邪魔だと言わんばかり、こんな感じがします。 しかし、人勧は労働基本権剥奪の代償措置でありますから、これはもうしっかりと守ってもらわにゃいかぬと、こう思います。しかも現在、今も申し上げましたが、一部上場企業は三期、四期連続で史上空前の利益を記録をする、その一端が人事院の調査でも出ているわけでありまして、百人以上の企業の賃上げ平均は四千二百五十二円だったと、こういう報告ですね。 今、この景気回復のために犠牲にしてきた勤労者に分配すべき時期に、今年の勧告は五十人以上の規模まで広げてこの賃上げ分をゼロにしてしまったと。ここに元々五十人にしたねらいがある、こう言わざるを得ない。だから、人事院は政府の圧力に屈した、こういう批判が上がってくるのは当然だろうと、こういう批判が出ているわけですね。 そこで、佐藤前総裁は昨年十月二十七日、私の質問に、人事院の独立、中立性を守るべきというお話、これは私どもも肝に銘じてその役割の重要性を認識しており、今後とも中立、第三者機関あるいは基本権制約の代償機関としての任務はしっかりと果たしていきたい、こう答弁をされております。言い換えるならば、政治的引き算は許さないということなんでしょう。 そこで、谷総裁、政治的圧力や財政事情を理由にした給与削減論を人事院勧告に持ち込まないというこの点、重ねて確認を求めたいと思います。 ○政府特別補佐人(谷公士君=人事院総裁) 私ども、人事院勧告は社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保するものでございまして、これによりまして、御指摘のとおり、公務員の労働基本権制約の代償措置としての機能を有しておると考えております。 それからまた、人事院は勧告の検討に当たりましては、政府の財政状況について承知する立場にもなく、またその財政状況を考慮して検討を行うという立場にもございません。私どもとしては、あくまでも民間の企業の給与の状況を正確に調査をして、それに基づいて勧告をいたしております。 ○又市征治君 そのときに、昨年の質疑の中で私は、非正社員を含めて比較しろという話は身分不安定な低賃金で働かされている方に合わせなさい、平均化しなさいという意図であって、人事院はこれらの圧力に屈することなく、むしろこれ、つまり公務員賃金を国民勤労者のスタンダードとして示していく姿勢こそが求められているとも申し上げました。 これに対して、佐藤前総裁は、今までの官民比較方法の中で、私どもは原則として守りたいというふうに思っておりますのは、まず対象として正社員であるということ、それから同種の職種で同じような仕事内容の従業員と公務員とを比較すること、この二つのことは今後とも守っていきたいと、当然ながらそういう答弁をされております。 また、当然のことながら非正規社員を入れることは毛頭私どもの頭の中にはないともお答えになっておるわけでありますが、これも非正社員の低賃金状態は社会的に問題がある、だから改善すべきだと思うからこそスタンダードとしての公務員の賃金決定に際しては参照にしない、こういう意味で、差別的に非正社員のことを言われたんじゃなくて、こういう意味で言われたんだろうと思いますが、この点についての谷総裁の認識もお聞きをしておきたいと思います。 ○政府特別補佐人(谷公士君) 私どもは、官民比較を行います際に、公務の常勤職員に相当する民間の常勤従業員を対象として比較をするということを基本としておりまして、非正規社員につきましては、昨年の勧告時の報告で言及しておりますように、短期雇用を前提に、時給制が多く、諸手当の支給割合が低いなど、そのことの是非は別といたしまして、雇用形態、賃金形態が常勤職員とは明確に異なっているわけでございまして、同種同等の者同士を比較するという原則の下で、非正規社員を公務の常勤職員との比較の対象として取り扱うということはできないと考えております。 ○又市征治君 そこで大臣に伺ってまいりますが、問題は地方公務員ですけれども、全国の自治体や公企体で民営化や委託化が進んだ結果、建築確認行政の民営化はあの耐震偽装を生み、埼玉県の市営プールの民間委託は、ずさんな管理から小学生の痛ましい死亡事故を招いてまいりました。また、西宮のJRの大惨事の陰には、民営化による競争本位のダイヤ編成と労働者に対する不当な懲罰があったことが明らかになってまいりました。今日、市町村合併と人員削減と住民の負担増で地域の公共サービスは住民からどんどん遠のいている、こういう声が聞こえてまいります。国民は、政府、自治体、公務員に安全と安心を求めておるのであって、何であろうと安上がりを求めているというわけではない、このように認識をいたします。 自治体は、同種同等の民間職種に合わせた適正な公務員賃金を保障しなければ良質な人材は確保できないんだろう、特に、小規模な市町村で単純に地域の賃金に合わせていたんでは、ナショナルミニマムとしての公務員の質は確保できないんではないかと思うんですが、この点についてはいかがですか。 ○国務大臣(菅義偉君) 地方公務員の給与につきましては、国民、住民の理解と納得が得られるように、地域の民間企業の給与水準を適正に反映していくことがこれは基本であると思います。 しかし、このことについては、小規模な市町村であってもこれは変わりはないというふうに思います。市町村単位で民間給与の状況を調査することは、比較対象となるような民間企業が地域間でない場合もあるというふうに思います。そういう場合には、サンプル数が制約されることなどからおのずと限界があるために、人事委員会を設置していない市町村における給与決定の取扱いについては、単純にこの人事院勧告を踏襲することではなくて、都道府県人事委員会における公務員給与の調査結果等を参考にしながら、より地域の民間企業の給与水準を的確に反映する方向で適切な改正を行うように助言をいたしておるところであります。 ○又市征治君 今の御指摘ありますが、しっかりと、総務大臣ですから、地方公務員法二十四条第三項、これをやっぱりしっかりと見ておいていただきたいと思うんですね。四つの要素で地方公務員の給与というのは決まる、こう言っているわけでありまして、一つは生計費、二つ目には国及び地方の公共団体の職員、並びに三つ目が民間事業の従事者の給与、四つ目がその他の事情と、こう言っているわけでありまして、何であろうと、民間、民間、民間と言うだけじゃなくて、民間の問題はトータルとして公務員の質を確保するために人事院勧告なり人事委員会勧告、それは先ほど来から出されている問題でありますから、是非この点はしっかりと守っていただきたいと、こう思っております。 この点について、佐藤前総裁は私の問いに対して、私どもが勧告を行う際に、特に地方経済に及ぼす悪影響について考慮して勧告の内容を決めるということは、私どもとしてはできかねる、地域経済については、やはり政府全体で施策をお考えになって対処をされるのが本来の在り方ではないか、こういうふうに答弁をされました。 ここは総務大臣、正に政府内であなたの責任分野ということだろうと思います。地方公務員の人材を確保する、良質な公務サービスを確保するためには、過疎地を含めて最低限、例えば県庁所在地レベルの賃金水準を確保するようにやっぱりこれ持っていかないと、そういう点では、小さい規模だからといって、そこで良質な公務員が採れない、県庁にすべて集まってしまう、大都市部に全部集まってしまう、こんなことではいかがかということでありますから、この点はしっかりとしていただきたいと思いますが、この点の認識をお伺いします。 ○国務大臣(菅義偉君) 住民に対して公共サービスを適切に提供する上で、地方公共団体における人材確保というのはこれは極めて重要な問題であると思っています。そのためには、給与を含めた処遇という面ばかりではなく、むしろ地方分権を進め、地方公共団体の自主性が発揮できるようにすること等により、地方公務員が働くことの魅力を高めることも重要であるというふうに思います。 地方公務員の給与につきましては、地域の民間企業の給与水準を適切に反映していくことと同時に、過疎地の市町村も含め、住民の理解と納得が得られるものとなるよう、給与情報の徹底をした開示などによって適正に取組を進めていきたいというふうに思います。 ○又市征治君 地方公務員の賃金に対する自民党中川幹事長の誤ったデータに基づく代表質問の問題、前回指摘をいたしました。 私は、昨年も同じデータの問題をこの場で取り上げたわけであります。つまり、厚生労働省の非正規労働者を含めたトータル平均で、その当時でですね、四百五十一万七千円、だが、人事院の同種同等の比較でいえば六百二十一万円と出てくる、しかし、非常にひどいのは、男女の賃金格差が、この厚生労働省の比較で、厚生労働省の実態でいうならば五七%もあるということだと。下げろというなら、もっと極端に言えば民間並みに公務員も男女差別をしなさいよと、こういうことを言うのかと。正にこんなばかなことを言う人はいるわけがないでしょう、こういうふうに私は言ったんですが、残念ながらこんなばかなことを言う人がいた。それが中川幹事長の発言だったということに、これなるわけです、論理的に。 この問題については、もう少し付言して言うならば、昨年の十月十八日の麻生総務大臣、この委員会で同僚議員の質問に対して、よく財務省出されますのは、もう全部一緒に突っ込みで給料幾らという話と、計算方法の根底が大分違っておるのではないか、ましてや、公務員と比較される場合、公務員より、これは民間より地方公務員の方が学歴が高い、地方公務員の方が平均年齢が高い等々の点を配慮しないでの単なる単純比較というのは、かなりこの種の人事というのに関しては不勉強ではないかというそしりを免れません、こういうふうに麻生さんも言っているわけです。だから、そういう意味では、正に自民党内で全然大きな食い違いのことが言われているわけですけれども。 そこで、大臣にもう一つ見解をただしておきたいと思いますが、総務省は毎年地方に通知を出されるわけですけれども、地方公務員についても、人事院総裁が、度々確認しているところの、まず対象として正規社員であるということ、それから同種の職種で同じような仕事内容の従業員と公務員とを比較をする、この二つのことを今後とも守っていきたいと、こうおっしゃっているが、この大原則を尊重して事に当たっていただきたいということについて見解を求めて、終わりたいと思います。 ○国務大臣(菅義偉君) 地方公務員の給与につきましても、国家公務員と同様に同種同等比較の原則で公務員比較を行うと、このことが当然のことであるというふうに私は思います。 なお、この公務員比較を行うに当たっては、民間給与の実態を把握するための職種別民間給与実態調査を人事院と人事委員会が共同で実施するところでありまして、御指摘の点につきましては、改めて地方公共団体に示すまでもなく、現にすべての人事委員会において人事院と同様に実施をされている、このように思っております。 ○又市征治君 終わります。 |
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