| 第165回通常国会 |
| 2006年11月29日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 |
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(1)国外での不在者投票の拡充は自衛隊員など一部にだけだ (2)一般の在外民間人に拡大しなければ選挙の公正さを失う (3)在宅障害者は郵便投票などがなければ選挙権行使は困難 (4)官民差別を廃し一般有権者にも在外投票権を拡大すべき (5)NPO・青年海外協力隊に郵便投票の適用で機会拡大を (6)当事者も交えた、障害者の参政権保障の研究会を設けよ |
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| ○又市征治君 社民党の又市です。 この法案(地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例)に関する法律案そのものには異論がないことを申し上げ、関連質疑をさせていただきたいと思います。 まず第一点は、在外投票権についてお伺いをしてまいりたいと思うんです。 そこで、まず確認ですが、在外在留邦人は約九十六万人、うち推定有権者は約七十二万人、この人たちは在外投票制度で在外公館での投票又は郵便投票によって国政選挙に参加できる、これが来年の参議院選挙から選挙区選挙にも適用されるようになったわけですね。 過去、実際の在外投票者数や率はどのぐらいだったのか、まずこの点お伺いをします。 ○政府参考人(久元喜造君) 直近の十七年九月十一日の衆議院選挙では、この在外選挙制度に登録された登録者数は八万三千人弱、実際の投票者数は二万一千人強、投票率は二五・八二%となっております。その前の十六年七月十一日の登録者数は八万人強、投票者数は二万一千人弱、投票率は二五・五二%。ちなみに、その前の衆議院総選挙、これが十五年十一月九日でありますが、このときは七万三千人強の登録者数、そして投票者数が一万二千人弱、投票率は一五・九三%ですので、このときから前回の衆議院の総選挙に向けては投票率はかなり上昇しているということが言えようかと思います。 ○又市征治君 そこで、どうやってこの投票率を上げていくかということでいろんな御苦労もなさっておるわけでしょうが、そこで、前回六月の議員立法による改正では、国外の一時滞在者のうち、自衛隊員など一部の人たちに新たに国政及び地方選挙について国外での不在者投票権が認められることになりました。しかし、極めて特殊な条件を課しておりまして、大部分の在外有権者に同じく不在者投票の道を開いたものではなかった、こう言わなきゃならぬと思うんですね。 そこで、この自衛隊員などと同様に、住民票を残して外国に出ている人については、どのように推定し何人ぐらいと見込んでおられるのか。六月に聞いたときは入管統計での総数しか答えられなかったわけでありまして、その後もう少し正確に推計がされているんだろうと思いますから、お聞きをしておきたいと思います。 ○政府参考人(久元喜造君=総務省自治行政局選挙部長) この海外滞在者数を把握することというのは大変難しいですので、やはり帰国した方の数でもってこれを推計するしかないというふうに考えております。 これは平成十七年の出入国管理統計年報を使うわけですけれども、平成十七年の一年間に海外から帰国した日本人は約一千七百万人、このうち在外選挙の対象となり得る三か月以上の長期滞在者を除きますと約一千六百万人、それから、これは六月には把握しておりませんでしたが、未成年者をこれから除きますと約一千五百万人であるというふうに承知をしております。 ○又市征治君 それはちょっと過大なんじゃないですかね。十日以内の人であるとか六か月以上の人、未成年者を除いていきますと二百万余りじゃないんですか。 まあ、いずれにしても、その数値、なかなかつかみにくいということなんですが、いずれにしましても、この人たちにも自衛隊員と同じく不在者投票権が与えられてしかるべきだと、こんなふうに前回も私は主張をしました。 その中で、この六月の議員立法がなぜ千四百人程度の海外派遣の自衛隊員などにだけ不在者投票を認めたのか、私はいまだに腑が落ちぬわけです。たまたま派遣部隊が山形県とか兵庫県の出身者で、提案した議員の地元だったという話も聞くわけでありますが、あのとき理由とされたのが、自衛隊員なら施設つまり駐屯地に固まっていて、そして投票管理者、つまり部隊長がしっかりしているからだと、こういう説明だったんですね。 それならばということで、私は逆に、民間商社の海外支店に属して、有能な支店長の下でまとまっている商社マンだってやれるんじゃないのと、NPOで、長の下にまとまっている在外ボランティアの人たち、あるいは青年海外協力隊員なども投票をきちっと管理できるんじゃないですかと逆に提案申し上げたんだが、明確な説明はありませんでした。法律で特定組織と定めているからという答弁がありましたけれども、これは循環論法でありまして、論理が全く通らない、こう言わなきゃならぬと思うんです。 どうやって運ぶんだと、こう聞いたら、自衛隊機でも協力すると、こうおっしゃったわけで、しかし自衛隊員以外にも適用するとは言わないわけで、これではお手盛り選挙で、投票の自由も投票権の平等も何もあったもんじゃないということで申し上げた。これが前回の鳩山邦夫さんや大野元防衛庁長官からの提案者の答弁であって、本日その方々おられませんから、総務省としてはもう少し公正なやり方を考えておられるんだろうと思いますが、今後、一般の在外民間人に拡大をしていかなければ選挙の公正さが損なわれるんだろうと思いますね。 そこで、一般の不在者投票の歴史を少し振り返ってみたいと思いますが、現在は期日前投票という名で、厳しい理由の制限もなくなって緩やかに認められておりますけれども、ここに至る経緯について簡単に説明してください。 ○政府参考人(久元喜造君) 非常に複雑な経緯ですので、ごくかいつまんで申し上げさせていただきたいと思いますが、不在者投票制度は、大正十四年の衆議院議員選挙法で創設されたものでありまして、当時は船員、軍人が対象になったというふうに承知をしております。 昭和二十三年のこの衆議院議員選挙法におきまして、不在者投票事由として、選挙当日の職務、業務に従事すること、やむを得ない用務、事故のために郡市区域外に旅行中であること等の事由が法定をされ、そして昭和二十五年に公職選挙法が制定されましたときに、病院に入院中の者、監獄又は少年院に収容中の者にもこれらの施設における不在者投票が認められ、そしてその後も不在者投票事由が拡大されて、平成九年には旅行等の私用であっても不在者投票ができるようになったというふうに承知をしております。その後、さらに洋上投票の制度が不在者投票制度の一環として議員立法によって創設をされ、さらに、今委員御指摘のとおり、平成十五年には期日前投票制度が導入されていると。そしてさらに、さきの通常国会で議員立法によりまして、今御紹介がありましたような投票制度が更に拡充されている。 大まかに言いますと、そのような経緯ではないかというふうに承知しております。 ○又市征治君 そのとおりで、大きく拡大をしてきたということですね。特に二〇〇三年の改正で名称も期日前投票と、こういうふうに変わって、言わば遊びに行くためでも投票ができることになったわけです。また二〇〇四年の改正では、要介護五度の人が郵便投票に加えられました。 こうした中、今年の七月に最高裁判決がありました。引きこもり、対人恐怖症で外出できないある青年の選挙権保障に係る損害賠償訴訟だったんですが、裁判長が裁判官の一人として補足意見述べられているわけですが、不在者投票を認めず、他の方法も講じていない公選法は違憲の状態にある、こういう意見ですね。在宅障害者には郵便投票などによる不在者投票の措置を講じないと選挙権行使を保障したことにならない、こういうふうに指摘をしているわけです。 このときの判決は、損害賠償は認めなかったけれども、彼の投票権を法律上制限したのは国会の裁量であったとして、またこれまで国会でほとんど取り上げられなかった、だから今後国会で十分検討されるべきだと、暗に国会の不作為を批判をしているわけですね。 ましてや、投票の権利は国家の特定の組織に属しているかといった官尊民卑で差別すべきものではもちろんありません。海外での自衛隊員だけに不在者投票を認めたけれども、一日も早く海外の一般有権者にも私は認めるべきだろうと思うんですね。 そこで大臣に伺いますが、さっき申し上げたようなNPOだとか青年海外協力隊だとかということなどの海外の例、二つ目にはこの最高裁の今の引きこもり問題の例などについて、不在者投票や郵便投票の適用によって権利を拡大をすべきじゃないかと、こう思うんですが、御意見をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(菅義偉君) 今御指摘の二つの点についてであります。 海外滞在者の方々に不在者投票を認めると、そういうことにしますと、選挙権の有無の確認や成り済ましや二重投票など、こうした防止策など、一つ課題があります。また、引きこもり等による外出が困難な方々に郵便投票を認めることには、その対象の範囲、これをどのようにするのか、公的な認定方法をどうするかなどという問題があります。 しかし、こうした問題は確かにありますけれども、現行制度で投票できないこうした皆さんにどのような形で投票機会を拡大していくかということは、極めて私ども重要な問題だという認識をいたしております。それと同時に、やはり各党会派でもこの点について御議論いただきたいと、こう思います。 ○又市征治君 是非、余り国会にばっかり振らないで、所管する総務省としてしっかりとやっぱり取り組んでもらいたい。 今申し上げてきた問題、三番目になりますが、障害者の参政権拡大問題について触れたいと思うんです。 高齢化が進む現在、障害者問題は高齢者問題ともダブっております。現在不自由を感じていない人たちも将来参政権を阻害されるおそれが十分にあるわけですね。障害を持つ人が参加しやすい選挙というのは、お年寄りや体の不自由な人などすべての国民にとって参加しやすい選挙になるわけであります。 一例として、聴覚障害者は、七十歳以上の二人に一人が難聴と言われています。聴力の減退若しくは喪失した者は年々増大をしているわけでありまして、身体障害者手帳を持たない人も含めて全国で約六百万人の難聴者、中途失聴者がいるというふうに言われています。 長い間、街頭演説や政見放送で立候補者が何を言っているのか分からない状態に置かれ、文章の苦手な人は公報も余り読めないために参政権を行使できない状態に置かれてまいりました。最近は政見放送に手話通訳を付けるなどの情報保障が少しずつなされるようになってまいりまして、大変いい傾向なのですが、この政見放送研究会報告書では、当時指摘されたマンパワーの確保は可能か、また地域による偏在はといった問題、課題は、その後の技術の進歩あるいは通訳士の数の増加などでクリアできつつあるんではないかと、こう思いますけれども、さっき申し上げた自衛隊員の例を言うならば、障害者だってまずはできる地域からやっぱり開始をする、試行錯誤を重ねていくという発想があってもよいんではないか、このように思うんです。 そこで大臣に伺いますが、こうした課題について、当事者であるいろいろな障害者の参加も確保して、障害者の参政権保障、これにかかわる研究会を設けてはどうか、こんなふうに提言したいと思いますが、御見解あればお聞きしたいと思います。 ○国務大臣(菅義偉君) 今委員御指摘のこの手話通訳士の確保の可能な地域から段階的に導入することについては、選挙ごとに政見放送の取扱いが異なることとなっておりまして、こうした観点からも検討が必要であるというふうに思いますし、今申出のありました研究会、私ももうできるだけ多くの方に投票していただきたい、その努力をすることは当然のことであると思っていますので、考えさせていただきたい、こう思います。 ○又市征治君 今の大臣の答弁、是非しっかりと実現いただくようにお願いをして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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