第169回通常国会

2008年2月6日 総務委員会(討論)



(1)政府の見積りミスが招いた税収不足と交付税原資の不足
(2)地方を打撃した年3〜4兆円台という巨額の見込み違い
(3)増収分を年度内に地方に交付せずに繰り越してきた政府
(4)不当な削減を返さぬ国の姿勢は御都合主義と地方いじめ
(5)地方の借金を8兆円も増やしながら責任を取らない政府
(6)責任を地方だけに押し付けずせめて半額は国が負担せよ
(7)不当に削られ続けてきた交付税の復元に向け抜本改革を


○又市征治君
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇〇七年度補正予算にかかわる地方交付税法等の一部を改正する法律案について、衆議院での修正案も含め、賛成の立場で討論を行います。

 さて、なぜこの法案が必要になったかといえば、主に二〇〇七年度当初予算における政府の税収見積りが過大であった結果、九千百六十億円の税収不足となり、それを反映して、交付税原資も二千九百九十二億円の不足を招いたためです。今回に限れば、この不足額は国の一般会計からの加算で解消されるということです。
 なお、法案では、別途、地方債について減収補てん債を当分の間、各年度において可能とする修正が行われました。減収補てん債の今の償還方法である交付税の先食いに我が党は反対ですが、この条項が一時的にでも自治体の年度末の財政運営の不安を緩和する点でやむなしと考えます。

 さて、補正で交付税原資の過不足が生ずる原因は、財務省による国税の見積りが大きく外れるからです。税収の当初見積りと決算のずれが数か年度連続して過小だった例は二〇〇三年度から昨年度までの四年間であって、その過小額は十三兆五千億円、一か年平均して約三兆四千億円と、非常にずれが大きく生じています。逆に、税収の過大見積り、結果として税収不足が最も長く連続した例は一九九一年度からの五か年で、累計二十一兆六千億円、年平均四兆三千億円と、いずれも巨額でした。
 景気変動は資本主義経済の常としても、財務省はこれを反省し、上昇又は下降に転じた後のせめて二年目以降は、内閣府のGDPを過信せず独自の予測手法を拡充強化するなどして、もっと早く修正すべきだったと言えます。

 こうして財務省の見込みが毎年狂った結果、交付税は深刻な影響を受けています。
 まず、前者の四年間の場合、交付税は入口ベースで、二〇〇四年度は一兆一千億円増、二〇〇五年度は一兆三千億円増、二〇〇六年度は実に二兆一千億円増となりました。政府は、これらを本来なら法の条文どおり年度内に増額交付すべきなのに、翌年度の交付税財源に充てるとして繰り越してきました。しかも、この前後に交付税本体は五兆一千億円も削られ、地方からは悲鳴が上がりました。
 そもそも当初算定で需要額が不当に削られていたのですから、増収になったならば、当然再算定して年度内に交付すべきだったのです。また、年度末であっても、各自治体に配分すれば各自で積立てや地方債の償還などにも使えたのです。国の御都合主義、地方いじめとのそしりは免れません。
 他方、自治体に打撃が大きかったのは、見積り過大で税収不足となった場合であって、政府はその穴埋めに交付税特会の借入れ、つまり自治体共通の借金を増やしました。先ほど指摘した一九九一年度からの五年間でいえば五兆円、過去十五年間全体で八兆円も借金が増えました。それに比べて国からの一般会計加算は、同じ五年間でわずか一千億円です。
 このように自治体に一方的に交付税の削減を押し付ける傍らで、政府の過大見積りに伴う減収に対する責任の取り方は余りにも少なかった。今後も見積りミスが避けられないというなら、責任を自治体に転嫁しないよう、例えば半額は国が一般会計で負担すべきです。

 最後に、交付税は、小泉政権の下で、国税が増えた年度ですら三位一体改革と称して五兆一千億円を意図的に減額されてきて、いまだに後遺症があるのですから、今度は計画的に復元すべきで、二〇〇八年度予算のわずか四千億円の復元ではまさに百年河清を待つがごとくです。国税五税からの繰入率を増やすことを含め、抜本改革が今こそ求められているということを改めて強調し、私の討論を終わります。