2004.4.28

1. 自民党は来年11月までに憲法改正草案をまとめると今年1月の大会で決めた。小泉首相は、「憲法を尊重し擁護する義務」(第99条)など端から無視し、第9条を改正して自衛隊を軍隊として明記すべきだ、集団的自衛権の行使は憲法改正で解決を図ることが筋だと繰り返し述べている。
また民主党も06年までに憲法改正案をまとめるとし、自衛隊とは別に国連待機軍を創設し多国籍軍などへの参加も可能にすべきと主張している。
つまり今日の憲法改正論議の焦点は、間違いなく第9条「改正」問題である。

2.  国連憲章は、自衛の場合か安保理決議がなされた場合を除き、武力行使を禁止している。したがってこれに該当しない米英のイラク攻撃は、国際社会の支持を得られなかった。ところが小泉内閣は、「査察継続」という国際社会の主張に背を向け、「大量破壊兵器の廃棄」という米国の言い分を鵜呑みにして逸早く武力攻撃を支持し、5500億円もの莫大な援助を約束し、かつイラク特措法を強行採決してまで戦闘地域であるイラクへ復興人道支援と称して自衛隊を派遣し、米英の占領支配に加担しているのである。
この現実に合わせて憲法第9条を変えようというのであるから、それは、小泉首相が言うように、自衛隊を軍隊に改め、いつでも海外派兵できるようにすること、集団的自衛権の行使を可能にすることにあることは明らかだ。

3.  今日、改憲論を唱える政治家の中には「環境権や知る権利、プライバシー保護などが現憲法の規定にないから」ともっともらしい主張をする人々がいる。しかしその人々は、おかしなことに「環境基本法やプライバシー保護基本法を制定しよう」という提案には見向きもしない。それどころか、第20条に違反する小泉首相の靖国神社参拝を擁護し、21条に違反する通信傍受法を強行し、25条の生存権規定に抵触する年金制度のさらなる改悪を推し進め、28条の労働基本権を踏みにじって知らぬ顔である。つまり彼らの新しい権利規定の主張は9条改憲のダシでしかないのである。

4.  今日必要なことは、歴代自民党政権の下で積み重ねられてきた違憲状態に合せて憲法を改悪することではなく、違憲の現実を憲法の規定に沿って改善することである。特に、第9条を改悪して「戦争のできる国・する国」へと突き進もうとする策動を食い止めるために有事法制反対やイラクからの撤兵を求め、また人間らしく働き生きる権利が保障されるように労働諸条件や社会保障制度の抜本的改善を求め、今こそ闘いを強化しよう!
以  上