第159回通常国会

2004年3月11日 予算委員会


(1)六カ国を総合安全保障協議の場へ
(2)アジア諸国に憂慮される米国追随と改憲の動き
(3)膨大な戦時法体系である有事7法案・3条約
(4)すでに米軍艦船に180億円分の無償給油
(5)ACSA改訂で懸念される軍事物資提供後の流用


○又市征治君
 社民党の又市です。
 我が党は、かねてから北東アジア総合安全保障機構の創設並びに北東アジアの非核地帯化という問題について提唱して、特に非核地帯化の問題につきましては、中国や韓国あるいはモンゴル、こうした国々の首脳とも独自に協議もし、ほぼ共通認識にしてまいりました。
 そこで、さきの六か国協議の直前の二月の末に、中国がこの協議を今後の、今後包括的な北東アジアの安保機構、協議の場へ拡大することを検討している、こういうことが報道をされまして、また、日本政府も今回の協議終了後、六か国協議を全般的な安全保障協議の場へ格上げをする方針であると、こういう報道がなされております。
 我が党はこうした方向については歓迎をしたいと思いますが、外務大臣、このような方針は確かなのかどうか、御説明いただきたいと思います。

○国務大臣(川口順子君=外務大臣)
 まず、中国がその報道にあるようなことを言っているかどうかということでございますけれども、私どもとして、その六者会合の将来について中国が、中国政府がそういうことを考えているというふうな認識は持っていないわけでございます。
 それから、我が国としてどうかということでございます。これは六者、これは今、北朝鮮問題に関して六者会合を今やっておりまして、平和的な解決ということで努力をやっているというふうに考え、やっているわけでございます。
 それから、抽象的にといいますか一般的に、北東アジアにおける安全保障の枠組み、これについて六者による対話の場、これを設定していくということについては、地域全体の平和と安定のために有益であるというふうに考えております。
 ただ、いずれにしても、今六者の場というのは北朝鮮の核問題をやっているという場でございまして、これをやっていくということでございます。その場が更に広いものを含む場になっていくというふうには今の時点で我が国はそのように考えていない。これは核についてきちんとやっていくということでありますし、それから、その六者、先ほどより一般的にと、抽象的にと申し上げましたけれども、その六者によってその地域の安全保障に関して対話をやっていくということを実現させるためには、例えばARFですとか、ASEAN地域フォーラムですけれども、それから民間レベルで対話の場、NEACDというのが行われていますけれども、そういった場で、まずその関係国間で対話を積み重ねていくということが重要であるというふうに考えております。

○又市征治君
 是非、これは成功させて発展をさせていただきたいと、こう思っております。
 六月末にも六者協議、更に開かれていくということなんですが、特に、この六か国の仲介者である中国の提案にも耳を傾けるべきだろうと、こんなふうに思います。
 今朝、私、来日中の中国の要人とも会談をいたしましたけれども、その人は、アジアの国々が最近の日本の動き、特に一国単独主義の米国への追随の姿がどうも強くにじむ、平和憲法の改悪の向きをやっぱり憂慮をする、アジアの人々はそう見ている、こういう実は御発言がございました。
 今後の六者協議、あるいは今大臣おっしゃっているように拡大六者協議ということになっていくかどうか分かりませんが、これに臨んでいく外務大臣としての見解をお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(川口順子君)
 我が国として近隣の諸国に対して我が国の基本的なこの地域の安全、平和についての考え方、これをきちんと説明をしていくということは重要であるというふうに思っております。そのための努力はしていくということでございます。現在はその六者で北朝鮮の核の問題、これをきちんと話をするということで、その問題の平和的な解決に我が国として貢献をしていきたいということであり、対話をこの地域の国々の間で積み重ねていくことが重要だと考えております。

○又市征治君
 今度の国会に有事法制の第二弾、七法案と三条約が出されてまいりました。私は膨大な戦時立法の体系が浮かび上がってきたなと、こんな感じを受けています。国民保護法案の問題も今後御議論させていただきますが、ねらいはそれよりも米軍の軍事行動との一体化という問題だとか、あるいは公海上での臨検、発砲、物資の徴発など国全体のやっぱり戦時体制作りというふうに見ざるを得ないと、こんなふうに思います。
 具体的に井上大臣にお伺いをしてまいりますが、ACSA、つまり日米物品役務相互提供協定、これの改定がかかっているわけですが、これを今国会で成立をさせるというのは、イラクやアフガニスタンの米軍に軍事物資や役務の提供を拡大させるということなのかどうか、この点、お伺いいたします。

○国務大臣(井上喜一君=内閣府特命担当大臣・防災)
 委員御案内のように、昨年の通常国会におきまして、いわゆるこの武力事態対処法等三法律が成立をいたしましたけれども、さらにもう一つの側面の国民保護その他の法律につきましては未整備のままでございましたけれども、この武力事態攻撃法の中での二十二条でありますけれども、どういう法律を整備すべきかということが規定されておりまして、それから二十三条で、できるだけ早く計画的、総合的に法律の整備を進めなさいという、こういう規定があるのは御存じのとおりだとも思うのでありますが、その中で、今お触れになりましたようなこと、この法律の目的にはちょっと別のところがあるんじゃないかというようなことでありますけれども、これは正に武力攻撃事態法にのっとりまして私どもが検討し、その上で国会に提出をさせていただいたものでございまして、こういう法律の整備によりまして国民の権利の保護その他が図れるわけでございます。
 これ一括して出しておりますので、何かこう、体系的なものだと、何かおかしな感じもするというような御意見でありますけれども、これはやはり全体を出すことによりまして正にこの全体の像が分かるわけでございまして、これは審議にも資すると、こんなふうに考えております。
 これは、イラクでありますとかその他のことのために出すことではなしに、正に有事、武力攻撃事態あるいはその予測事態に対して米軍との物品等の供与をするということのほかに、これまでずっとこれ懸案になってきておりましたことにつきましても、ACSAの改定がございますけれども、これも別にそういう御意見のようなことではなしに、我が国の平和を守る、安全を守っていく、あるいは国際社会に貢献をしていくというようなこと、あるいは日本の災害に対する、出動していくような、に関連したものでございまして、御指摘のようなそういう意図を持ちましてACSAの改定をしたり、あるいは関連の法律を提出したということではございません。

○又市征治君
 それじゃ、具体的に聞いてまいりますが、まず初めに外務大臣にお伺いしますけれども、三月四日の日経新聞に、クウェートにいる航空自衛隊がイラクへ運ぶものがなくて困っていると、次は軍事物資の輸送にも手を付けざるを得ないと、こういうふうに出ているわけですね。
 今回ACSAを改正しますと、輸送の役務提供という形で米国の軍事物資をイラクで運ぶことが法的にできるようになるんじゃありませんか。

○国務大臣(川口順子君)
 まず、お答えは、そういうふうにならないということが結論でございますけれども、どうしてそうなるかということを申し上げますけれども、ACSAが改正される、そしてそれに基づいて物品役務の提供というのが行われるわけですが、これは現に有効な我が国の国内法に基づいて行われるということでございます。
 ACSAは条約でございます。それが現に有効な、ACSAは手続を定める条約ということでございまして、役務物品の提供は我が国のその国内法、有効な国内法によって行われる。そして、そのイラクの人道復興支援特措法でございますけれども、したがってその範囲内で物品役務の提供を行うということですが、そのイラク人道復興支援特措法の八条六項、これは自衛隊が対応措置として実施する業務には武器、これは弾薬を含みますが、武器の提供を含まないというふうに明確に書いてあるわけです。
 したがって、さっき申し上げたように、やらないという結論になるわけですが、それからそのイラクの場合、このイラクにおける自衛隊の活動は、人道復興支援活動を中心にするという方針に基づきまして、実施要項において武器の輸送は行わないというふうにしているわけです。これは弾薬を含みますが。したがいまして、改正されたACSAに従って武器弾薬の提供、輸送が行われるということは想定をされないということでございます。

○又市征治君
 私も武器弾薬とは言ってない、軍事物資と、こう申し上げたんですが。
 そこで、次に防衛庁長官にお伺いしますが、しかし米国は、米軍は、協定を改定して、イラクもアフガンも含めたんだからこれもやってくれ、武器弾薬だって国内法を変えろと、こう言い出すに私は決まっていると思うんですね。これまでもラムズフェルド国防長官、そういう方向で物を言っているわけですから。
 もう一つ重大なのは、ACSAだと有償で返してもらうけれども、無償供与ならACSAに触れずに、どこにでも幾らでもオーケーということになりますね。一例として、インド洋での米軍への石油提供はこれまでどのぐらいになっておりますか。

○国務大臣(石破茂君=防衛庁長官)
 テロ特措法に基づく活動でございますが、お尋ねの米軍の艦艇に対しましては、平成十三年十二月二日以降本年三月九日まで、速報値でございますが、三十一万三千キロリッター、金額にいたしますと百十八億円相当を提供したということでございます。ちなみに、これは同法第十条に基づいて無償で行っておるものでございます。

○又市征治君
 今出されたこうした無償提供なら今は記録出していただきましたけれども、実際は、役務などについては全く記録に残っていかない、こういうことになると思うんですね。また、ACSA扱いであっても、渡した物資は米軍のものと識別はできないと、こういうことになるわけで、ましてやサービスは、今申し上げたとおり全く無形と。
 で、提供の後、世界じゅうのどこ、世界じゅうでどう米軍が使うか、日本がこれはフォローできるわけじゃないわけですね。例えば、日本がイラクのつもりで提供した軍事物資やサービスを米軍が他の国で流用したり、目的外の行動、軍事行動に使ったら、日本は知らぬ間に敵を増やして国際的な非難を受けるということになるわけですが、この場合、アメリカに抗議をして、提供を中止することになるんですか、外務大臣。

○国務大臣(川口順子君)
 基本的に我が国が行うことというのは、我が国の法令の範囲内で行うということであります。したがって、いかなるものを提供するかということは、すべてその法令で認められている範囲でしか出さないということであります。
 それから、それがどのような目的でアメリカに提供されるかということについては、例えばあるものがイラク特措法あるいはテロ特措法あるいは有事法制に基づいて行われるという、それぞれ法律の目的があるわけでございまして、そういったことに基づいてきちんとお互いに話をして提供するわけでございますから、その目的の外のことに使われるということはないわけでございまして、それはその相互の信頼関係に基づいて法律の範囲内で調整をしていく、したがって御心配のようなことは起こらないということでございます。

○委員長(片山虎之助君)
 又市征治君、もう時間来ていますから。

○又市征治君
 はい。米国が言うからということでそれを信じますということですが、米国がイラクに大量破壊兵器があると言うからそれを信じてやったけれどもなかったと、こういうことになるわけですから、そこらのところは本当にきちっとこれから論議をし、問題点明らかにしていきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。