第159回通常国会

2004年3月16日 総務委員会


(1)地方に犠牲を強いる交付税・補助金削減
(2)税源移譲で地方の自由度を高めよ
(3)地方単独事業の削減は不合理
(4)「朝令暮改」の小泉首相の郵政民営化論
(5)全国500以上の町村で銀行がない。郵貯・簡保を守れ


○又市征治君
 社民党の又市です。
 初めに、大臣、地方財政について伺ってまいりたいと思います。
 三位一体改革問題、予算委員会やあるいは先ほど来からの議論にも随分出ていますけれども、この二〇〇四年度の予算では、地方のマイナスが国庫補助あるいは負担金削減で一兆三百十三億円、地方交付税等の削減が更に大きくて、臨時財政対策債を含めて二兆八千六百二十三億円、こうなっておりまして、これに対してプラスはわずかに税源移譲の四千五百七億円、正に地方にばかり犠牲が強いられる結果とこうなった、こう多くの方が指摘をしている、こういう状況にあります。
 基本であるこの三本の制度、この中で収支バランスが全く成り立っていないわけですから、三位一体改革というスローガンそのものは、もう崩れてしまったんじゃないのか、こう言わざるを得ないと思うんですが、大臣の見解を簡潔に伺いたいと思います。
 この際、いや、地域再生債などの、そういうのがあるよ、なんという話は、これは私は問題外だと思うんですね。是非、大臣の見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 今、又市議員の御質問に関しましては、基本的には今回の中でやっぱり地方自身としても、国も同じですけれども、ある程度の行政改革、財政改革をある程度やっていただかないと、今のままでという前提になりますとそれは今おっしゃるとおりになるんですが、いろんな意味でこうやって地方自治法も変わって、アウトソーシングをできる部分もできてみたり、いろんな形で経費の、経費を削減しやすいようになりましたし、また今コンピューターというか、ICTというものを使っていろんな形でコストの削減が図れるような状況になっておりますのも御存じのとおりなんで、そういった意味では地方もある程度スリム化に努力をしていただくという前提がないと、今のまま、そのままと言われ、で補助金というのがなくなるとか、交付金がなくなるという話ですと今おっしゃったとおりになりますけれども、ある程度不要のものは少しとか、またできるものは外に出してアウトソーシングしていただくとか、いろんな形での努力も併せてお願いをしていかぬと、少なくとも累積二百四兆円を超えます地方財政の赤というものはなかなか、今後ともずっとたまっていくことになりかねませんので、そういった努力は、国もするけれども地方もお願いせにゃいかぬと、両方お願いしてお互いで努力していかないとなかなか難しいものなのだと思っております。

○又市征治君
 少し具体的に、じゃ伺ってまいりますが、補助金と税源移譲の関係についてですけれども、片山前総務大臣はいわゆる片山試案というものを出して、五兆五千億円の税源移譲案を示されておりました。また、知事会からは八兆九千億円などの具体的な提案が出されておるということは大臣御承知のとおりですけれども、もちろんこれらは、片山大臣の発言も含めて、これ一方的な補助金の削減ではなくて、税源移譲による補てんを大前提にしたわけですね。
 その税源移譲への振替ですけれども、今大臣おっしゃいましたが、事務的経費は十割を見ようと、その他は地方でも努力をいただいて八割に、ぐらいにせざるを得ぬのじゃないか、こういう話だったと思うんですね。だとしますと、大枠では一兆円削るということであれば、その十割と八割の中間、つまり九千億円程度が税源移譲になるんじゃないのか、これはだれもが、地方自治体もみんなそう思った、こういうことだと思うんです。
 ところが、税源移譲は暫定の交付金を含めても六千五百億円しか戻ってこないと、こういう格好になっておるんですね。で、その中身見ると、公共事業の削減は振替率ゼロでもよいから、こんな格好になっているんじゃないですか。大臣、本当にそういうふうに判断をされているのかどうか。地方にとって必要な事業でもやむを得ないんだと、こういう程度のことでやむを得ないんだと、こうお考えなんですか。

○国務大臣(麻生太郎君)
 基本的には今言われましたように、まちづくり交付金一千三百億入れた上で約、今おっしゃいましたように六千五百億という数字になるんだということを言っておられるのだと思いますが、そのほかにもいわゆる財政再建債で八千億とかいろんなものが出てきておりますし、事実、国全体で見てみますと補助金もいろんな形で、細目をお持ちなんだと思いますが、そこを見ていただきますと最終的なバランスのところはそれほどむちゃくちゃな形に、数字になっておりません。細かく言うとあれですけれども、思っておりませんので、おっしゃるように結構厳しいことになったというのは事実だと思いますし、またこういうことになるであろうということをあらかじめ予測して対応してこられた等々、知りません首長さんとそうでないところとは随分差が出てくるところだと思っております。
 そういった意味では、私どもとしては義務教育だ、それからいわゆる国としてきちんとして一〇〇%しておらなきゃいかぬ部分以外のところが問題だと言われるところなんだと思いますけれども、その点につきましては公共事業等々、ある程度減らしていただく部分もお願いしましたし、これ個別にいきますといろいろ人減らしもお願いしたり、いろいろしておるところでもありますので、私どもとしては、何というのかしら、みんなが満足しておられるというはずはないと思っておりますけれども、ただ先ほど申し上げましたように人口五万以上の町では総じて今回のあれは良かったというのが、この間共同通信で出ておりましたけれども、人口五万以上の市町村ということは全人口の約七〇%ぐらいに当たりますので、市町村の数からいきますと約一五%ぐらいなんで、残り八五%の市町村長の首長さんの数からいきますと、そうじゃない方の方が多いという数字に、形といえばなりますけれども、そういった意味では、小さな市町村の方が影響が大きかったではないかという御指摘は私もそのとおりだと思いますので、その点につきましては今後、いわゆる先ほど先生言われました再生債とか再建債とか、そういったもので個別にそういったところを重点的に対応していく必要があると思っております。

○又市征治君
 今出ましたこの公共事業を含めまして、地方財政計画ベースで地方の歳出額を一方的に一兆五千億円減らすということになった。他方で、地方一般財源の減額は、大臣、せんだって予算委員会でも御答弁になっていましたが、二兆二千億円と、こういうことですね。この二つの数字比較しますと、事業費の削減額以上に一般財源が減っている、つまり自治体の自由度が非常に下がっている、こう見ざるを得ないわけですね。
 麻生大臣、一生懸命この三位一体改革の目的の一つ、三つ挙げられておりますけれども、その中の一つに地方の自由度を上げていくんだと、こうおっしゃっているわけですが、今のこの事実でいいますと、全く逆の結果にこれなっているんですね。単に五万以下のちっちゃなところというだけじゃないですよ、これは。
 大臣が本当に自由度を言うんなら、正に今からでもいいですから一般財源、具体的には税源移譲をどう増やしていくという、こういうおつもりなのか、その具体の方針をもう少しやっぱり国民に明確にする、自治体に明確にしてもらいたい。片山さんは実行には至らなかったけれども、五対五にするんだと、こういう格好でおっしゃっておった件ですけれども、大臣のそこら辺の見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 今おっしゃいましたように、平成十八年度まででやっぱりこれ計算、考えていただかぬといかぬところで、初年度というところと三年目と大分少し違ってくると、私どもとしてはそう思っております。
 それで、今言われましたように、基本的には地方財源にどれぐらい出るのかよく見えぬ、地方に移されるのがよく見えぬと言われるところなんだと思いますが、先ほどの御質問どなたかございましたけれども、私どもとしては、今少なくとも国税と言われます所得税の中から、五%、一〇%、一三%の三段階ありますが、御存じのとおりですが、それを仮に一律五%ということで話になりますと、約三兆ということになります。それはその分だけ増税かという御質問ありましたけれども、いや、それは違うんであって、今の中の国税の部分が減って地方税が増えるということを意味しますので、そういった形になりますと、約三兆の分がそこから出てくる。
 これは捕らぬタヌキの皮算用ではないかと言われりゃそれまでの話でございますけれども、基本的には、今回地方に対するいわゆる譲与税という形で一歩前に踏み出した形になっておりますので、私どもとしてはその方向で、いわゆる予定特例交付金とかいろんな形で、地方税に対して基幹税と言われます中央、国税の方から移ってきている部分がありますので、その流れを確実なものにしていかなきゃいかぬものなんだと、私どもは基本的にそう思っております。

○又市征治君
 少し細かい話に、細かい、私どもは細かいと言うけれども、地方自治体にとると大変重大な問題なんですが、公共事業の補助金削減も四千五百二十七億円に上っております。これがすべて税源移譲の対象外だということで、これは切り捨てられているわけですね。
 しかし、公共事業であっても、引き続き地方が主体となって実施すべき不可欠の事業はたくさんあることは、これは大臣も重々御承知のことだろうと思うんです。これらはむしろ地方単独事業として認知をして、財源と事業決定権限をやはり移譲していくというのが、大臣もおっしゃるように自由度を高めるということの意味なんだと思うんですね。ところが、地方単独事業の方も今回削減をしておるわけでありまして、これは理由が立たないわけですよ。
 当面、過渡的には一つ一つの事業を評価をして、廃止すべきでないものについてはやっぱりちゃんと財源移譲にカウントすべきじゃないのかと、こんなふうに私は思うんですが、そこのところはどうでしょう。

○国務大臣(麻生太郎君)
 本当に必要なものだというのであれば、おっしゃるとおりだと思っております。ただ、基本的には、少々今の時期、二年でやるところをちょっと三年でやっていただけませんかとか、いろんな工夫はせねばならぬ、せねばならぬと、我々もそれから地方の方もしていただかねばならぬところだとは思っておりますけれども、これはどうしても必要なものだということになるのであれば、それは基本的に財源の手当ては国としても行われねばならぬものだという点に関しましては私も全く同じ。
 ただ、流れといたしまして、単独事業につきましては、いわゆるバブルというものが発生いたします、あれ以前のところがわっと増えておりますので、そのバブル以前のところまでに一応戻してはいただけぬだろうかというのが、一応の基準として申し上げているというところです。

○又市征治君
 少しその点での具体論を申し上げますと、例えば道路を取りますと、国道の改良率がちょっと調べてみましたら八九・二%、それに対して都道府県道は五五・八%、市町村道は五一・三%のこういう整備水準、つまり地方の方がやっぱり立ち後れているわけですね。地方の生活道路がそういう意味で立ち後れているわけですから、市町村道をやっぱり分権的に整備できるように、そういう意味で財源の自立を図るべきであって、それにはやっぱり税源移譲による振替が本筋なんだろうと私はそう思いますね。
 その点について、まず一つはお伺いしたいのと、仮に当面、特定財源はいじらないということであるならば、そのうち地方道整備に充当する部分を増やすように、これはやっぱり大臣、是非そういう意味では財務省と掛け合ってしっかり確保していただく、これはそういう意味で地方がこういう点をどんどん削られていくものですから全く進まない、渋滞道路やいろんなことを多く抱えている、こういう問題を持っているわけで、そういう点などについてはやっぱりしっかりと御努力いただきたいとこう思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 おっしゃるとおりだと思いますが、平成十五年度の場合に、例に今引かれているんだと思いますが、このときにはいわゆる国税と言われるところから、いわゆる直轄方式の導入に伴いまして税源移譲が行われて、あのときはたしか九百三十億、九百三十億を地方に譲渡したという形になっております。
 この点につきましても、自動車重量税、自動車重量譲与税というのが、譲与税を最初に使ったのはこれを使ってありましたものですから、今年ちょっとこの名前をもう一回使わせてもらったのが本音のところなんですけれども、そういった意味ではこの言葉を使わせていただいておりますので、基本的には地方の直轄方式におきましては、あのときはたしか三分の一の負担をたしか何分か、四分の一を三分の一に増やす等々にさせていただいたと思いますので、私どもとしては基本的には道路目的税をいわゆる移譲の対象の一つとして考えるというのは、方向としては私どもとしては今後とも言っていかにゃいかぬところだと思いまして、応援のほどもよろしくお願い申し上げます。

○又市征治君
 それじゃ、最後に郵政問題について二点お伺いをしてまいりたいと思います。
 率直に申し上げて、この間からの道路公団改革問題なども極めて大きな問題を持っておる、むしろ破綻をしたのではないか、こう思いますが、小泉総理は郵政民営化だけはもう何だろうと無理やりやろうという、こういう動きにあるように思います。まるで道路公団が一%ならば郵政は一〇〇%だなどということを小泉さんおっしゃって、そのために担当の大臣も置こうかと、こういう発言があるわけですが、私は少なくともこの総務委員会で大変郵政問題、随分議論をしてまいりました。そして、少なくとも四年間まず郵政公社でいきますよと、こう国の方針として決めたわけですね。そして、それをやっぱり踏まえてからどうするかという話ならともかく、去年スタートしたものをもうその舌の根も乾かぬうちに民営化、民営化、民営化と、自分の持論でもってお持ちなのは、それは結構ですよ。だけれども、これは一体全体政府の姿勢としていかがかと。
 まして、今そういう形で、私が申し上げたいのは、大臣にお聞きしたいのは、この四年もたたない先からこんな格好でおっしゃっている問題と同時に、そのためにどうもいかにも麻生大臣がまじめにやろうとしていないからみたいに聞こえるじゃないですか。こういう別の担当大臣を置こうなどということについて、どういうふうにお考えになっていますか。

○国務大臣(麻生太郎君)
 この別の担当大臣を置くという話に関しましては、基本的に私は総理から直接伺っておりませんので、新聞で見た以外はないので、新聞辞令なんていうのはおよそ当てにして、新聞は見ることはあっても読まないことにしていますので、何となくもう一回この種の話はちょっと、私どもとしては直接伺って、私自身としては直接伺っておりませんので、ちょっとコメントのしようがないというのが率直なところです。

○又市征治君
 いや、コメントしようがないんじゃなくてお困りが、ちょっと頭にきているというのが実態じゃないかと思いますが、そこで大臣は就任以来、郵政事業のユニバーサルサービスの確保、これについて積極的な発言を行ってこられましたし、そしてまた発足後の公社自身も、今さきの同僚議員が指摘をしたような、幾つか私も問題あると思います。これは、改めてその点についてはこの委員会でも議論をしたいと思いますが、いずれにしても準公共的な窓口サービスの拡充など大変な努力をしている、この点は私どもも受け止めていきたいと、こう思っているわけですが。
 そういう意味で、私自身もこうした、今、一方で郵政官署、これをしっかりと全部守っていくと、こういうことで麻生大臣も申されてきましたが、そのこととこの市町村合併というのはどうも私は矛盾するという立場で、かなりそういう点ではこの市町村合併問題について批判的な立場でありますが、まあそれは今日はおくとして。
 過疎地におけるこの郵便局の果たす公共的な役割について改めて大臣の見解を一つはお伺いをしたい。ちょっとお待ちください、もう一つ。と同時に、それは郵便事業だけでなくて、国民の零細な貯蓄手段である郵貯や簡保の危機でもあるんではないのかと、こういう気がするわけでありまして、御存じのとおり、全国で五百何十か所、銀行も何もないという町村があるわけでありますし、そんなことも含めて、こうした郵貯、簡保、これは非常に地域にとっても大変大事な役割を果たしておるという問題もあるんですが、この危機でもあるんではないかと、こういう気がいたします。その点も含めて、この二点を御見解を承りたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 又市先生御指摘のとおり、今、コンビニもない、コンビニもないと言う表現はいかがかと思いますが、コンビニもないというところは、約三千三十あります市町村のうち四百十七町村はコンビニもございません。そういった中にあって、少なくとも郵便局というものは簡易郵便局、特定郵便局含めまして二万四千七百というものでありますので、少なくとも自分のところは約平均で一・一キロ以内に一つあるということになっておりますので、そういった意味では、この状況、また四十万の従業員、二万四千七百の支店という組織は、これは最大の組織と思って間違いないと思いますので、ここを基点にいたしましたいわゆる行政サービスというものは、行政手続オンライン化法等々の時代の流れに合わせましても、仮に市町村合併でそこで役場がなくなったにしても、いわゆる通常の手続、例えば印鑑証明だ住民登録だ、いろいろございますけれども、そういったものはその端末できれいにできるような形になり得るものだと思いますので、この二万四千七百のいわゆる郵便局というものは、基本的にはそのサービスとしてはこれは維持されていないと、町村合併した後の影響の方がよっぽど大きいと思いますので、いろんな意味でこの二万四千七百のいわゆる組織網という、よくユニバーサルサービスと言われますけれども、その組織網というのは今後ともきちんと維持されて、かつ能力が上がっていく方向にしていくべきものだと、私自身はそう思っております。

○又市征治君
 郵貯、簡保。

○国務大臣(麻生太郎君)
 郵貯、簡保につきましても同じように、地域において、銀行等々でATMだ何だかんだのお話がさっきあっておりましたけれども、銀行等々で預金の引き出しやら、また預金の預け入れ等々も町村合併することによってそこがなくなる可能性もまた出てまいりますので、そういった意味では郵貯、簡保の事業というものは、これは大変大事な小口金融という意味、点におきましても非常に大事なところだと思いますし、なかなか、預けに遠くまではなかなか行けませんし、また引き出しもなるべく近くのところというのは当然のことだと思いますので、その意味では郵貯、簡保の事業は維持されて、維持されなければならないものだと思っております。

○又市征治君 終わります。