第159回通常国会

2004年3月22日 決算委員会


(1)複数年度予算は民主主義の否定
(2)複数年度化に似た明許繰越しの監視の在り方
(3)特別会計の乱脈システムの改善に向けて



○又市征治君
 社民党の又市です。
 両参考人には、今日、本日は本当にありがとうございました。
 時間の関係で、富田先生に二点お伺いをしたいと思います。
 今日の御意見でも、あるいは事前にいただきました著作でも、先生は、複数年度化は戦前の軍事予算と同じ仕組み、民主主義の否定だ、だから新憲法がこれを禁じたんだと、こういうふうに御指摘なさっております。大変貴重な観点だとお伺いをいたしました。
 その上で富田先生は、実態として複数年度化に似ているのが明許繰越しだと指摘をされておりますね。その繰越明許が額でも率でも多いのがこの実は公共事業でありまして、例えば平成十四年度の決算の道路特会では二七%にも上りますし、治水特会のうちの治水勘定、これについては三二%にも上る、こういう状況にあるわけですが、そこで、この改善方法、あるいはもう少し大上段に言うと、官僚独裁を防ぎ、憲法に沿って民主的な予算、決算、そして議会や国民の監視の在り方についてもう少し御指摘いただく点がありましたら、これをまず第一点としてお伺いをしたいと思います。

 二つ目に、そのこととも絡みますが、富田先生は財政審議会の特別会計小委員会でも委員長として御活躍をいただいたというふうにお伺いしておりますが、例えば原発絡みの電源開発特別会計も巨額の使い残しをため込んで会計検査院が前から厳しく指摘をしていますし、私もこの決算委員会で何度もこの問題を追及してまいりました。先生がこの小委員会のところでとどめを刺していただいて改革が始まっておるというふうに思いますけれども、この特別会計、全体的に見ますと、さきの塩川財務大臣が、一般会計は母屋でおかゆをすすっているけれども、特別会計はつまり離れですき焼きを食ってドンチャン騒ぎしていると、こう言って有名になりましたが、富田先生はこれをもじって、地下室でビフテキを食べているというふうに御指摘をなさったようですけれども、これは独立行政法人のことも含めておっしゃっているんだと思いますが、この原資を出すこの特別会計そのものについて、先生の改革論ございましたら簡潔にお述べいただきたいと思っています。
 以上です。

○参考人(富田俊基君=野村総合研究所研究理事)
 最初のその繰越しの問題でありますけれども、公共事業費は単年度で事業が終わるかどうかという問題もあって、非常に限定的に行われているというふうに理解しておりますが、先生御指摘のようなケースになっておりますので、これはやはり公共事業については、とりわけその事前評価としても費用便益分析を行うなどして、できるだけ効率的な箇所を選定して行うということが大事だろうというふうに存じます。基本的にこの繰越しが前提になった仕組みではないというふうに私は理解しておりますので、そういう範囲内での繰越しだというふうに、またそういう範囲内に繰越しをとどめねばならないというふうに存じます。
 それから、特別会計の問題ですけれども、特別会計の仕組みそのものに問題があるかどうかというよりも、これまでやはりその事前統制も一般会計に国民の耳目が集まり、国会でも集中的に議論がなされるということでしたので、ちょっとコントロールが利きにくかった面があったかと思います。しかし、特別会計そのものを変えれば良くなるかということでもないように私は思います。やはり、議会におけますその事前統制と、それから先生御指摘のような決算の審査における問題点の指摘ということを行っていくことが特別会計の問題においても極めて重要だというふうに存じます。
 やはり問題点の発見の手段としては、巨額の不用額とそして繰越額といったものから、それが果たしてそういう仕組みがいいのかどうかといったところから議論を始めるというのは極めて重要な点であり、先生御指摘のその電源開発促進の特別会計といったところを集中的にやはり議論させていただいたという次第でございます。