第159回通常国会

2004年4月22日 総務委員会


(1)政府は自ら超勤の実態調査をせよ
(2)実態も把握せず民間への行政指導などおこがましい
(3)食糧事務所・林野事業での人減らしは時代に逆行
(4)400名の天下りを生み出した独立行政法人化
(5)総務省が音頭をとってサービス残業削減を


○又市征治君
 社民党の又市です。
 大臣には一番最後にお伺いをいたします。
 まず、この法案(行政機関職員定数法改正案)の改正、定員の削減ですが、既に行われたものの追認ということから、やむを得ないものかなと、こう考えますが、それとは別に、独法化やあるいは郵政の公社化を除いても、定員で二万六百四十三人、増員ポストとの差引きでも六千二百人が減って、十年間で三万六千二百三十人減になっているわけですね。機械的な定員削減も一方では行われて、職場では超過勤務の増大や、あるいは非常勤、アルバイトでしのいでいるという、こういう実態も出てきています。
 そこで、まずお尋ねをいたしますが、この国家公務員の超勤の実態調査はやられているのかどうか、その点お伺いいたします。

○政府参考人(戸谷好秀君=総務省人事・恩給局長)
 お答えいたします。
 超過勤務でございますが、これにつきましては、各任命権者におきまして業務の必要に応じて職員に命ずるというものでございます。したがいまして、この状況につきましては、各任命権者において適切に把握されているものと承知しておりまして、総務省として具体的な把握はしていないところでございます。

○又市征治君
 前提の試算あるでしょう。

○政府参考人(戸谷好秀君)
 ただ、平成十二年度決算に基づく本省職員の一人当たり超過勤務時間数について試算をしたことが、試算結果について取りまとめた経緯がございます。その結果では、職員一人当たりの月平均超過勤務時間二十三・八時間というのが平均的な数字でございます。年にいたしますと二百八十五・三時間という数字がまとめた経緯がございます。

○又市征治君
 今お話があった資料をいただきましたが、財務省などでは月平均で四十八・七時間、つまり一か月四週間ですけれども、この人たちは五週間以上働いている、こういうあんばいになっているわけですが、その他の省庁でも幾つかそんなことが見られますけれども、しかしこれは唯一、データらしきものを、今局長おっしゃったように、これ平成十四年の予算委員会の、資料を出しなさいと言われてそのときに各省調査をしておたくでまとめたわけですね。これが最もデータらしいものですけれども、しかしこれは超過勤務手当の支払実績から逆算した数字ですね。また、それは本省分だけであって出先機関については調べられていない。これも当然調べるべきですよ。
 第三に、最も重要な点ですけれども、管理者が超過勤務抑制の運動をなさっている。それが本当に超勤の抑制になったらいいんですけれども、実際は超勤しているのに超勤手当の申請だけが抑制される。つまり、いわゆるサービス残業、これがやっぱり増えてきているという状況ですね。だから、超勤手当の額からでは本当の超勤の実態というのは分からないというのが現実でしょう。
 以上三点を含めて、やみくもに超勤縮減運動ありきではなくて、まずありのままの超勤の実態調査というものをやっぱりやるべきですよ。政府が自ら実態の把握もやらないで、何かあると民間にあれこれと行政指導でありますなんというのは、これはおこがましい、そう言われて当然のことになってしまうじゃないですか。是非そういう意味でこの実態調査を行って、様々な懸念されている問題などの改善を図るべきではないかと思うんですが、その点についてはどうですか。

○政府参考人(戸谷好秀君)
 繰り返しで恐縮でございますが、超過勤務につきましては各任命権者において業務の必要に応じて職員に命ずるということでございますので、各府省の任命権者において適切に把握されているものと承知しています。
 ただ、お話のように、私どもとしても、昨年九月に「国家公務員の労働時間の短縮対策について」という各省の申合せがございますが、これの見直しを行っておりまして、これに基づきまして幹部職員の超過勤務に関する認識の徹底、あるいは幹部職員による超過勤務の特に多い職員の把握に努めるというようなことを各省とともに取り組んできておるということでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、先ほど申しました状況ではございますが、総務省として各府省とも連携して、先ほどの超過勤務手当の支給実績の中でいろんなことがまた御指摘もいただいておりますので、そういうものは広げてまいりたいというふうに考えております。

○又市征治君
 さっき大臣も言われたでしょう。総務省は、いろんな意味で、各府省から言わせると、時には嫌われてもいろんなことをやらにゃいかぬところがあると、こう言っているわけで、各府省でやられるものと思いますって、そんなもの答弁になっていませんよ。
 問題は、国家公務員の中で、こうした現実問題としてあなた方が調べただけでも全省庁累計で一年間に二百八十五時間残業があるわけでしょう。こういう実態があるのをこのまま放置でいいんですか。これを縮減しましょうやといって現実にサービス残業が増えてきているんじゃないですかと私、聞いているんですよ。だから、そういう実態を調査すべきじゃないかと、こう言っているんですよ。
 これは、そのことについてまともな答弁できないなら最後に大臣にもう一遍改めて聞きますけれども、その点、もう一度答えてください。

○政府参考人(戸谷好秀君)
 超過勤務でございますが、そのときそのとき、いろんな方がいろんな業務を行っておりまして、これをどのようにとらえるかというのはまだまだ私どもとしても勉強すべきものがあるということでございまして、対策の取組を進めていく中で各府省とそれをどういうふうに考えていくべきかという議論はしていかなきゃいけないと思っておりますが、なかなか現時点においてこういうふうにということについてはまだ結論に至っておりません。

○又市征治君
 大臣、今お聞きのとおりでありますから、後ほどこの点についても是非御答弁いただきたいと思います。実態調査やってくれと言っているのに、全然答えていないじゃないですか。
 次に、通常の業務を非常勤職員や臨時職員に依存しており、彼らの存在なくしては成り立たないという、こういう実態が出ています。これも総務省に出していただいた、あなたのところから出していただいた資料を今日はお配りさせていただきましたけれども、先ほど来他の同僚議員からも御指摘なさっていますけれども、非常勤職員は二〇〇三年度で二十三万二千人、一番上の欄に載っていますけれども、そういうことですね。十年前からじりじりと増えて、近年で第二のピークを記録している、こういうことになっています。
 様々な職種がありますけれども、事務補助という訳の分からぬこんなものがありますけれども、これは最も定型的な、本来、正規職員で充てるべき職種だと思うんですけれども、これに約三万四千人、これは十年前の一・三三倍、また教育の一番下の、表の一番下ですけれども、これは非常勤職員も四万七百人で一・四八倍、約一・五倍ですよね。こんな格好でこの十年間で増えてきているわけです。彼らの多くは非常勤という不安定な身分を自ら望んでそうなっているか。そうではなくて、職員定数の枠から締め出されてこういう状態にされている、こういう実態が浮かび上がってくると思うんですよ。こんなことが想定されるから、さっき同僚議員からも出たように、この委員会で決議としては労働強化にならないように、そんなことに配慮してということは決議、満場一致で上げているわけですよ。そんなことに配慮されていないじゃないかと、こう言っているんです。
 そこで、人事院に伺いますが、地方公務員については、先週、短時間勤務制度の法案を可決をしました。十分ではありませんけれども、新しい時代に合わせた職員の多様な働き方にも配慮した内容ということですから私どもも賛成をいたしました。しかし、国家公務員の方は定数からの追い出しばかりがこういう格好で進んでいるわけで、柔軟な対応がなされていないという状況にありますが、国家公務員の短時間勤務制度の導入などについては、人事院としては何か検討されていますか。

○政府参考人(関戸秀明君=人事院事務総局職員福祉局長)
 お答えいたします。
 地方公務員について、先生御指摘のとおり、一定の要件を満たす場合に任期付きの短時間勤務職員制度が導入される、その導入されること等を内容とする地方公務員法等の改正案が提出されるということは承知しているところでございます。
 国家公務員についてでございますけれども、人事院としては、公務能率の向上とか公務員の健康管理、それからさらに育児、介護などへの配慮という、そういう観点から、フレックスタイム制、裁量勤務制、また御指摘の短時間勤務制など様々な形の多様な勤務形態の導入につきまして、昨年の十月に研究会を設けまして総合的な研究というのを始めているところでございます。現在、研究会ではいろいろ議論をしていただいているところでございまして、具体的な施策について、今後この研究会での取りまとめ等も見ながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○又市征治君
 職員団体などの意見もよく聞いていただいて、その研究会にはもちろんそういう方々入っているんだろうと思いますが、いい結論を出していただいて、少し国家公務員にもそうした柔軟性といいますか、そんなことについても是非進めていただいた方がいいんでないか、こう思いますので、よろしくお願いしておきます。
 そこで、次に、この十年間に、先ほども高橋委員からも出ておりましたが、食糧事務所、つまり米の関連で八千人余り、あるいは国有林野事業で七千五百人の人々が減っている、こういう格好になっているわけですが、食の安全であるとか、あるいは森と緑の環境資源的価値がようやく見直しをされる、こういう時代状況になってきているわけですけれども、どうもこの点でいうならば全く逆行した政策になってきたんではないか、長期的な国土政策、この点についての誤りがあるんではないか、私はそう考えるわけですけれども、また独立法人化によって一万八千人が公務員の身分を失っておりますし、国立学校の十三万三千人も同様ですけれども、さらには国立病院等の四万三千人、その他の現業、まあ造幣だとか印刷などになると思いますが、これで七千人は、公務員身分を維持しているとはいうものの、かなりやっぱりそういう意味では厳しい人減らしがやられているという、こんな状況にあると聞いています。
 そこで、独法化された職員の現状を少しお聞きをしますが、公務員型と非公務員型に分けて、まず一つは示してもらいたい。これは国立、学校法人も含めて、ここらのところを公務員型、非公務員型に分けて類型的にお示しいただきたい。それと、これら独法の役員の数、どのぐらいになっているのかということについても併せてお示しいただきたい。

○政府参考人(松田隆利君=総務省行政管理局長)
 お答え申し上げます。
 独立行政法人につきましては、平成十六年四月一日現在で百五法人が設置されております。その内訳でございますが、役職員が国家公務員の身分を有する、特定独立行政法人と称していますが、五十七法人、それから国家公務員の身分を有さない非特定独立行政法人が四十八法人でございます。
 まず、法定役員数でございますけれども、同じく平成十六年四月一日時点でこの百五法人につきまして見ますと、特定独立行政法人の五十七法人で百七十五人、それから非特定独立行政法人四十八法人で二百二十七人、計四百二人の役員が法定されております。
 また、常勤職員数でございますが、この四月から国立病院機構が独立行政法人化され、その役職員は国家公務員の身分を有する特定独立行政法人になっておるわけでございますが、これを含めまして、特定独立行政法人五十七法人で約七万人、それから非特定独立行政法人四十八法人で約四万五千人でございます。
 なお、独立行政法人に類似の制度として国立大学法人が設けられておるわけでございますけれども、八十九法人、それからこの類似のものとして大学共同利用機関法人というのが四法人ございますが、この役職員は国家公務員の身分を有しておりませんが、これらを合わせますと九十三法人でございますが、九十三法人の法定の役員数は五百十四人、それから常勤職員数は十二万六千人ということでございます。

○又市征治君
 お聞きのように、独立行政法人は十五万人の国家公務員から身分を一方では外す、奪うというふうになるのか、そういう一方で、新しい法人の理事者という高級官僚の天下りポスト、現実には四百二、まあ四百人分も生み出したと、こういう格好になっているわけですね。
 そこで、最後に大臣にお伺いしたいというのはここなんですが、本当に独立行政法人の独立を図るというのならば、所管省庁の人事支配からやっぱり独立をして、プロパー職員の昇格によるなどして、高級官僚の天下りをむしろ減らせるはずなんだろうと思うんですね。
 今、さっきもちょっと大臣おっしゃっていましたけれども、行政改革大綱の中で、悪評が高くて、人事院の前の総裁からも世論に逆行していると、こう批判をされたのがお手盛りによる天下り緩和策だった。これは、多くのマスコミも随分とこれは批判をしたわけですね。
 今後、この独立行政法人四百ポストへの役員の天下りをどう減らしていくのか、このことについて大臣の決意をお伺いをしておきたいと思うんですが、適材適所が必要なので、それは役所にいるからなんて、こんなばかな答弁なさるとは思いませんが、是非そこら辺のところを、これはやっぱり本当の意味で重大な公務員制度の問題との絡みも出てまいりますので、ここらのところに非常に重要な役割をなさる総務大臣として、こうした独立行政法人への天下り、この問題をどう減らしていくか、この決意をまずお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 独立行政法人というのは、法律を読んでいただいたらお分かりいただきますように、目標管理はかなり徹底したものになっておりますし、おまけに評価委員会によります事後評価というものがきちっとした形でやることになりますので、権限を与えられていると同時にかなり、経営責任というものがかなり重たいものになっておるのはもう御存じのとおりであります。
 したがいまして、これがうまくいかなくなった場合は、その評価委員会による事後評価はもちろんのこと、いろんな形で、評価を受けるためには、経営、運営をする人としては、単なる下からの繰上げ若しくは天下りだけでそれが運営できるかと言われた場合は、これは御自分で真剣に考えられにゃいかぬところなんであって、そういったことがないと思えば、できる人を外から採ってくる、採用するという権限も自分にもらってきておられますので、そういった意味では徹底してなさるのは、それはその独立行政法人の責任者となるべき方がやられるのが基本だと思っておりますので、そういった意味では、今回、総務省でいけば、情報通信研究機構はこれは長尾さん、全然役所に関係ある人じゃありませんし、有名なところでは緒方貞子も御存じのように全然違う人ですし、理研の社長とか、それから昔でいいます石油公団、これも全然違う民間人ですしということで、いろいろ例はございますけれども、そういった形で、それぞれ各独立行政法人になられたところはいろいろ苦労をしておられるとは思いますけれども、少なくとも自分の責任であるということははっきりしておりますので、そういった意味ではいわゆる評価委員会という、まあ株主総会みたいなものかもしれませんが、そういったものの評価に堪え得るべく、きちんとした運営をする責任を負わされている以上、天下りというようなものを単なる受け入れるというようなことではなかなか運営ができないということになろうと思いますので、その部分のチェックが一番の効果を上げ得るものだと、まずはそこが一番期待されておるところであります。
 なおかつ、それでうまくいかぬというのであれば、それは従来みたいに補助金が出てくるわけじゃありませんから、そういった意味ではそこらのところはきちんとした形で対応していただかねばならぬということになろうと思っております。

○又市征治君
 いろいろとお話しになりましたが、安易にこの四百のところに天下りを持っていくというわけにいきませんよという趣旨を含めて御答弁になったというふうにお聞きをしておきたいと思います。
 最後に、さっき申し上げた点ですが、国家公務員全体で、それも超勤から割り出した分だけで、予算委員会に提出された資料によれば、それも本省分だけですね、二百八十五時間。月に直すと約二十四時間残業がされていると。しかし、現実にはサービス残業が非常に増えている。こういう状況になっているので、私はここらのところを、それは各省庁がやるんですよ、やられるでしょうという話ではなくて、総務省がむしろ音頭を取って全体のものをやっぱり調査をなさる、そうやって幾つかの改善をするところもやっていかないと、この総務委員会でやった、労働強化や超勤がどんどん増えていく、こういう事態は困りますよと委員会で決議上げているわけですから、そのことを、趣旨を、大臣は、当時、片山大臣でしたが、趣旨をよく受け止めてと、こうおっしゃって答弁なさっておることが全然生きてこない。だから、これは調査をやってほしいということでさっきから申し上げているんですが、この点について大臣の決意をお伺いをしたい。

○国務大臣(麻生太郎君)
 過剰なものになって、超過勤務というものは過剰なものにならないようにというところが一番の問題点、労働強化にならないようにというところだと思っておりますので、これは総務省としても、これは引き続き各府省、そういったものが過剰なものにならぬというようなことで、特に予算編成時になるとえらく過剰なものになりましたり、何となく質問がくちゃくちゃと集中したりするとえらく超過にならざるを得ぬところもあったりするところで、私どもといたしましても、これは各省庁、この削減には努めて努力してもらうような話は今後とも引き続き各府省に対して言ってまいりたいと思っております。

○又市征治君
 終わります。