第159回通常国会

2004年5月18日 総務委員会(討論)


市町村合併関連三法案への反対討論
(1)自治体間の対等・協力関係を崩す合併強要
(2)政治的中立性を欠く合併促進だけの法制化
(3)地域コミュニティーとかけ離れた無意味な合併
(4)特例債など目先の利益で釣る姑息な合併推進策
(5)政府の「住民主権」の認識の欠落による混乱


○又市征治君
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、市町村合併関連三法案に対し、反対の討論を行います。
 小泉内閣は改革と称して地域住民と自治体職員に様々な犠牲を押し付けてきましたが、市町村合併はその最たるものです。その耳ざわりの良い文句とは正反対に、その背景には、合併によって四兆円から五兆円の国費、具体的には地方交付税交付金を削ろうという魂胆が見え隠れしています。本当に自主的な住民からの自然な合併を奨励するなら、不自然に期限を定めて尻をたたいたり、自治体共有の財源である交付税を使って、合併するところとしないところとで区別するべきではありません。
 以下、具体的な改正案の問題点を申し上げます。

 第一に、これらの法案は、本来、都道府県と市町村は対等、協力の関係であるにもかかわらず、都道府県知事の役割を強化して、合併に関する構想の策定や構想に基づく合併協議会の設置に関する勧告、あっせんなどを法文化することで上からの合併強要を促していることです。

 第二に、政府があれほど頑固に否定してきた住民投票を今回は導入するといいますが、全く一面的に合併促進の方向に向かう場合だけを制度化するのは政治的中立性を欠き、およそ法理として成り立たないものです。また、政府の代表民主制基本説が変わらぬ限りは、住民投票の結果を議会の議決とみなすという条項は自己矛盾の極みと言わねばなりません。

 第三に、いわゆる地域自治組織についてです。一般的な制度として地域自治区を設けるのはともあれ、合併特例区の方は、現在の市町村の区域がそれなりの生活圏として実体を持っていること、また合併後もそうであることを否定できないための苦肉の策であり、大慌ての合併そのものが意味の薄いことを象徴しています。何よりも行政の下部機関的色彩が濃く、本来の地域コミュニティーからは大きく懸け離れています。

 第四に、現行の不自然な誘導措置である合併特例債や交付税の合併算定替えを我々は支持するわけではありませんが、今回改正案は、これらを間もなく廃止や段階的に縮小するぞと定めることによって、住民の間の十分な論議なしに、目先の利益で駆け込み合併に走らせる姑息な手法と言わねばなりません。

 最後に、合併政策そのものについてです。従来、これだけの誤った差別的措置をそろえて、あめとむちの政策をやってきても、現場では新しい市役所の場所や名称を始め紛糾が続出し、法定協議会の解散や凍結が相次いでいます。初めから官主導、国と府県主導でお膳立てされ、住民こそが主権者であり、自治の主体だという正しい認識に欠けていることの当然の結果です。

 今、全国の自治体で合併強要論の暴風に耐え、小さいながらも我が町、我が村の個性を大切にし、活性化していこうという草の根の動きが強まっています。それぞれ歴史的な経緯、文化、風土、自然・地理的条件等を持つ市町村の多様性、住民の意思を最大限尊重すべきことを訴え、反対討論を終わります。