第159回通常国会

2004年5月31日 決算委員会



(1)竜頭蛇尾になる政府の特別会計見直し原案
(2)特別会計を削減し、年金財源などに充てよ
(3)不信の高まる年金改悪法案は一旦撤回せよ


○又市征治君
 社民党の又市です。
 総理は、特別会計の問題ですが、三月八日の特別会計の在り方に関する私の質問に対して、これはこれまでの年金の運用の在り方、特殊法人、財投等の運用の在り方に警鐘を鳴らしているんだ、そして財務省も真剣に受け止めなきゃならぬと、こう答弁されました。先週、二十八日の諮問会議では、特別会計については中期的な抑制目標を設定する、こんなふうにあります。
 しかし、この今出されましたこの原案見ますと、抑制目標を作るのは関係府省、こうなっているんですね。結局、そんな格好で行くと、今までどおり竜頭蛇尾になってしまうんではないか、私はそのことについて大変心配をいたします。
 私は、この一年余り、この決算委員会で一貫して特別会計の見直し、改革問題についてずっと具体的に指摘をしてまいりましたけれども、この今度の要請決議の案でも特別会計問題、今日もかなり多くの委員が述べられましたが、要請決議も挙げられると、こう言っておるわけですが、抑制目標のこの設定について総理自身の政治判断と具体的なやっぱり考え方についてちょっと述べていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 特別会計、多岐にわたっていますので、きちんと見直すように指示してありますので、財務大臣に答弁させます。

○国務大臣(谷垣禎一君=財務大臣)
 委員がもうこの問題は大変闘志を持って今までも御議論させていただきまして、大変敬意を表しております。
 それで、今総理からこの骨太の中にそれぞれ省庁で中期的な抑制目標を作らせるという御発言がございまして、私どもも当然その意を体してやらなければならないと思っております。具体的には、先ほど何人かの委員の答弁でも申し上げましたけれども、やっぱり具体的な事務事業をきっちり見直して、効率化、簡素化をしなきゃならない。それから、一般会計からの繰入れとか、そういったものをできるだけ抑制していく。それから、場合によっては、やっぱりそれぞれ特会で、特別な一つ枠組みを作ることが妥当かどうかというようなことも考えながらやっていかなきゃならないということで、総理の御指示を体して一生懸命やっていただきたいと、この委員会の議論にもこたえられるようにしていきたいと思っております。

○又市征治君
 ただ、財務大臣そうおっしゃいますが、これまでの流れを見てみますと、歳出純計で二百兆余り、そのうち今年度は、頑張ったと言うけれども(見直し・削減は)五千億円程度ですよね。会計の数、統廃合も三十一特会、一つ減っているんですが、六十四勘定があるわけで、どうも、せいぜい一つ、二つしか減らさないんじゃないかというふうに私は思えてしようがないんです。もちろん私は、もちろん国債の償還がどんどんありますから、そういう点で、整理特会でも、事務的あるいは技術的な増額まで同率に論ずるつもりは全くありません。
 総理の政治判断として、この特別会計の簡素化あるいは透明化にどのような点でもっと真剣に取り組む必要があるというふうにお考えになっているのか。細目は別にして、総理の得意な三兆円とか四兆円といった、国民が分かりやすい、そうした大まかな削減の数値目標を示すべきじゃないか。こんなことをお聞きしているんですが、総理の決意はどうですか、そこら辺。総理の決意を聞いているんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 もう私の指示に基づいて具体的な整理が進んでいますから、私の指示どおりに今財務省始め各省連絡取りながらやっておりますので、これは時間掛かります。
 数値目標は私の口から言うべき問題ではないと思います。

○又市征治君
 私はこれから年金問題もちょっと触れてまいりますけれども、これだけやはり不信がある中で、特別会計の歳出純計が二百七兆あるいは一般会計の純計がほぼ三十五兆余り。こういう格好ですから、自らやっぱり政府がそこをやっぱり節減を図る。あるいは、いろんな意味で無駄や多くの問題点があると、これはもう随分と出ました、この決算委員会で。私もそのことをずっと指摘をしてまいりました。そういう中から、やはり削減目標を示して、その分はむしろ、今、年金問題で、財源問題ですよね、そうしたときに、やはり国庫負担三分の一を二分の一に引き上げると約束をしてきた、そこの分ぐらいに回すんだというぐらいのことを、こういう目標を示すのは総理得意のようですから、私はやるべきじゃないか、そのことを御指摘申し上げておきたいと、こう思います。

 次に、これは厚生労働大臣にお伺いしますが、年金に対する国民の信頼の喪失を象徴しているのがこの国民年金の納付率低下なわけですね。当委員会で厚生労働大臣も、私の質問に対して、その一因となったのが社会保険事務の国の一元化であったと、こうお認めになったわけですが。
 そこで、二つお伺いをするわけですが、まず、国民年金は千九百人の推進員程度の配置では無理だ、これもお認めになった。収納率低下はやっぱり避けられない
 とすると、やっぱり地域の実情、義務者の実情をよく知った何万人もの職員を有する市町村にやっぱり再度移管をすべきだ、私はこんなふうに思います。しかし、それがすぐできないとしても、部分的にも市町村に協力をやっぱり求め、改善策を打ち出すべきではないかと、これが一つです。
 二つ目に、一昨年度以降の義務者の激増あるいは納付率の急降下の直接原因となったのは、学生などの無収入あるいは低収入者や、あるいは新たにリストラなどで収入を失って国民年金の義務者になった、こういう人々なんですね。これらに対してもっときめ細かい猶予措置なども拡大をしなければ、これ、信頼なんかやっぱり取り戻すことはできないと思うんですね。
 ここらのところについて、どんなふうに御検討されていますか。

○国務大臣(坂口力君=厚生労働大臣)
 前回にも委員からこの御質問いただいたというふうに思っておりますが、確かに国の方がこれをお引受けをしたということでうまくいかなかったその一因であるというふうに、私も率直にそこはそう思っております。
 しかし、これ、平成九年の地方分権推進委員会第三次勧告というのですね、これで決まってきた経緯があるわけで、それで、だから、それもうまくいかぬからもう一遍元へ戻せというふうにおっしゃっても、そう簡単な話でもここはないわけでございます。
 そこで、今、私も何が一番問題かということをよく見ているわけでございますが、市町村がおやりいただいているときに、市町村の職員の人たちがそれぞれずっと歩いていただいておるというのが皆そうであったかといえば、それもそうではなかった。それは、そういうケースもそれはあったとは思いますけれども、全部が全部そうじゃなくて、自治会だとか婦人会だとかそういう組織にお願いをしていただいて、そしてちゃんとやっていただくと。そこのところの、そこがこの国の方がよう引き継いでいないということがあって、もう一度そういう地域の皆さん方にお願いをしてここはいこうじゃないかというのが実態で、もう時間ありませんからそれだけにしておきます。

 それから、あとは、今おっしゃいましたように、この免除者、この免除してきた人が、今まで多くの人を免除してきた、市町村によってその基準にも違いがあった、だから国の方が引き受けましたから、この免除者を少し抑えたと、抑制をしたと。その皆さん方が未払になっているということもございますし、いたしますので、その辺のところはこれはよく御相談をして、謙虚にその皆さん方に対応していきたい、そういうふうに思っております。

○又市征治君
 最後に、総理の政治的な判断をお伺いしたいと思うんです。
 この年金資金の管理が非常にずさんで、株による六兆円余りの損失だ、あるいはグリーンピアなどの福祉施設の赤字垂れ流しから、果ては公用車だの香典だのへの流用支出、そして閣僚や国会議員の中から未加入だ、未納者がたくさん出た。その説明も不十分だ。
 そして、今回の政府案の本質、保険料は上げ続ける、給付は下げる、これはひどい中身だということが国民に広く知られてきた。現在、年金に対する国民の関心はかつてないほど高まっているわけですが、それは、皮肉にも実は年金運用と政治に対する不信が爆発した結果、実は関心が高まっている、こういうことだと思うんですね。
 そこで、やはり国民の六割から七割以上の人が反対をしているこの法案を強引に押し通して、未納率が四七・八%にも上っている現状を解消できるというふうに本当にお思いなのかどうか。むしろ、この法案の制度設計そのものさえも根本的に崩れてしまうんではないんですかと。こうした法案というのは、改めて総理は、私はもう国会の審議はもう煮詰まってまいりました。そういう点では党首会談を開いて、むしろいったん撤回をして、国民的な論議を踏まえながら出し直す、そういうやっぱり決断をなさるべきじゃないか、この点をお伺いして、終わりたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 一日も早くこの政府案を成立させていただいて、今国会の審議を踏まえて、ようやく与野党で年金一元化を含めた社会保障全体の議論をしていこうという合意ができたわけですから、建設的な議論に導くように与野党協力していっていただきたいと思います。

○又市征治君
 終わります。