第162回通常国会

2005年2月1日 総務委員会



(1)税の増収分を地域経済の回復や低所得者に再配分せよ
(2)地方への予算の大幅削減は不当。法律に従って配分せよ
(3)合併推進ではなく災害対策に充てるべき特別交付税
(4)交付税財源を圧迫する合併推進費


○又市征治君
 社民党の又市です。
 今回の補正が主に新潟中越地震や度重なる台風、集中豪雨等の災害対策でありますし、その関連でこの交付税法でもありますから、基本的にこれは賛成をいたしますけれども、幾つか問題点がありますので、その点ははっきりと御答弁をいただいてただしていきたいと、こう思います。
 まず第一に、最大の問題は、今年度当初予算で地方交付税を突然大幅に削られた。二兆数千億円というとらえ方もありますけれども、総務省が認めておられる額だけではマイナス一兆二千億円だということでしたね。結果、多くの自治体で、これではもう予算が組めないじゃないか、大変な反発が出た。これを総務省としてどう反省しているのかということが問われると思うんですね。
 今回の補正で、国税の増収の中から交付税財源になるのが一兆一千六百八十六億円。増収の、じゃ原因は何か、こう見ますと、自動車やIT関連などの一部大企業の増益、この陰には、解雇、賃下げ、あるいは倒産に泣いている多くの労働者や下請業者がいるわけでありますけれども、正にリストラ増益に掛かる分と、こう言っても過言でないんではないか。したがって、この増収分は、私は、一日も早く自治体を通じて雇用対策など地域経済の回復や勤労者、低所得者への再配分に配分すべきではないかと、こう思うわけですが。

 そこで大臣にお伺いをするんですが、当初予算で一兆二千億円も削ったわけですから、今回の増収の一兆円余りは当然、先ほども出ていますけれども、現行法の条文どおりでいけばこの二〇〇四年度分で直ちに穴埋めをして交付すべきだろう、こう思うんですが、今年度分というのはたった約一一%程度、たしか一千三百四十億ぐらいにしかならないんだろうと思うんですね。
 おかしいんじゃないか。少なくともやっぱり、先ほど申し上げた点からいうならば、当初予算で交付税の削り過ぎ、こういう実態があったわけですから、この点を含めるならば、なおのこと今年度分でむしろ配分をすべきではないかと、こう思うわけですが、その点、大臣からお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 今のお考えの方法というのは、これは確かにマイナス一二%の、から、昨年の一二%の話から事はスタートしておりますので、そういった意味ではいろいろ御意見のあるところだと思います。
 二つ目。今回、こういった形で一兆一千の金ができるようになった背景というのは、間違いなく、景気が上向いてきて、法人税、住民税等々が大幅に増えたために地方分が増えた。これに比例して交付税が、地方分が、地方税の分が三十何%増えてくるわけですから、そういった仕組みになっておりますので、その分でかなり補った、この種の一連の予算も組めたという形になっておりますのは、景気が良くなってきたという、伴う税の増収がその裏っ側にくっ付いているというんだと思うんですね。
 そういった意味では、今おっしゃるところは確かに分からないわけではないんですが、一応去年のあのままな形でえらい厳しい中でもそこそこ、皆さん、各地方自治体、特に財政指数の弱いところでは対応を曲がりなりにも一応されて去年スタートして、ずうっとここまで来られてきておりますので、それはとにかく一応そこまで、取り崩されたりなんなりいろいろ苦労されたのはよく分かっておるところですけれども、されておりますので、そういった意味では、今年度たまたまそういった形で増収分がありましたが、来年はどのみちまた何兆と足らぬことは、このままで幾ら税が増えても、税収が増えても、ちょっとそれを補うまで増収するとはとても思えませんので、その分は来年度にということを考えて、やっぱり中期的に見て、そういった形で十七年度分をやらにゃいかぬなというのが私どもの考え方であります。
 手前に全部配っちゃえばいいじゃないかという御意見も一部にあったこともよう知っております。

○又市征治君
 その一兆二千億というのは余りにも大き過ぎるんですよね。だから、そういう意味では、予測ミスということで一律一割増しをしてもいいし、あるいは翌年度の事業を前倒しをするとかということもあってもいいだろうし、先ほども出ましたが、やはり地方債の償還のために基金に積んだりという形もできるわけであって、私は、やはり法文、法の条例、条文どおりにやる努力をするのが総務省の仕事だろうと思うんですね。
 そこで、今ほどもありましたけれども、今年の、五月に大臣は、十七年、十八年度は交付税を前年並みに確保します、こう約束された。つまり、今年度分削り過ぎたということなんですよね。それほど自治体からはもう悲鳴が上がったし、抗議が上がったということだったと思いますよ。
 そういう意味では、何かしら、今のお話聞いていると、二〇〇五年度の財源が保障されたような錯覚を与えられるわけですけれども、実際は単に一年遅れで配られるだけ、こういうことなわけですね。どうも総務省は今年度の早い時期から年度末は増収になることは分かっていたんじゃないか、それを先食いしてこういう公約ができたんではないかと疑われる、自治体の首長の中にそう言う人いますよ、大臣のしている説明に対して。
 さっき瀧野財政局長が言ったけれども、十七年度には、今これ配ると財源不足が起きますと。じゃ、この増収初めから分かっていたからそういう発言になったんじゃないのか、おかしいじゃないか、大臣の、じゃ五月の約束というのは何だったのか、こういうこともまた逆に疑いたくなってくるということです。これは時間がありませんから質問はいたしませんが。

 そこで第二番目に、そういうわけで今年度に交付されるのは法定の特別交付税六%ですね。今回、補正の七百一億円のうち、これ一体幾ら災害対策に回るのか、ここで明らかにできますか、財政局長。

○政府参考人(瀧野欣彌君=総務省自治財政局長)
 今回、補正によりまして特別交付税七百一億円の増をお願いしておるわけでございますが、これは、今年度、度重なります台風被害とかあるいは地震などの被害に対応したいということであるわけでございます。
 ただ、災害に対します需要額につきましては、先ほども申しましたけれども、十二月分で大半を算定する仕組みと、こういうことでございますので、既に十二月分で実際算定いたしました災害関係は七百億円に達しておるわけでございます。
 したがいまして、今回の増額の七百一億円、同じような額で少し混乱するんでございますけれども、今回の七百一億円がそのまま災害対策に回ると、こういうことではなくて、既に十二月分でその部分については算定をしておるわけでございます。今回は、そういった全体の状況も踏まえながら特別交付税の増額をお願いいたしたいというものでございます。

○又市征治君
 つまり、七百一億即災害対策じゃないということですよね。まだ、特交でいえば、今年度分としては八千七百億ぐらいあるはずですよね。
 一体何が多いか。今年の十二月算定でいえば、合併推進が七百二十六億、それから災害対策。そういうことで、七百二十六億で災害対策よりも多いわけですよ。災害については交付税法第十五条でも明記されておりますけれども、本来、合併というのは政府の方針であって予測が付くものですね。なぜ、一体、合併が普通交付税で想定できない特別の財政需要だというふうに言えるのか、この点について、局長、どういうふうにお答えになりますか。

○政府参考人(瀧野欣彌君)
 御指摘のように、市町村合併についてのいろいろな準備経費等につきまして特別交付税で算定しておるわけでございますが、この合併というものにつきましては、実際、そのいろいろな準備をいたしましても、途中で破談になるものがあるとか、なかなか予測の付かない部分があることも事実でございます。また、年度途中でお話が出てくるというようなものもあるわけでございます。そういった状況の中で、非常に個別性の強いものでもございますので、特別交付税の対象ということにして算定しておるわけでございます。

○又市征治君
 これ、ちょっとおかしいんですよ。これ、大臣にお伺いしますけれども、二〇〇二年三月二十日、今から二年前ぐらいになりますが、私、この委員会で、合併関係で特別交付税を使うと、豪雪とか災害とか、個別、特別の需要が生じた自治体に配分すべき額が削られてしまうんじゃないのか、こう質問したのに対して、当時の片山総務大臣は、これは、これというのは合併推進費のことですよね、パイロット事業で呼び水だから特別に見ているんですよと、そんなものみんな出したら見ませんよと、これが今三億、三億ですけれども、五十億、百億になるといったら我々も考えなきゃいかぬ、これが全国的に広がったら特別交付税も、もちませんよと、こう答えているんですよ。
 今、どうです、既に十二月分だけで七百二十六億出しているでしょう。片山大臣の言った限度額の七倍を超えていますよ。これ、片山さんはその場逃れで言ったんですか。こんなむちゃな、二年たたないうちにこういう格好で、前の大臣がお答えになったけれども、現実はこんなに膨らんで、本来、法の趣旨で、特別交付税の中身、支出というのは何か。本当に特別の事情、正に災害やそういうものだったんではないんですか。その点、これは大臣、どういうふうに御説明なさいますか。

○国務大臣(麻生太郎君)
 御質問の趣旨を、御質問をいただきましたので調べてみたんですが、当時、又市議員の御質問に対して、三月二十日、平成十四年三月二十日現在で、片山自治大臣就任時から減っております町村数は六つなんです。当時六つ。その六つという前提という固定概念に基づいてやっておられたので、私は見通しは完全に誤っておられたと、私自身はそう思います。これははっきりしているんだと思いますね。私になりましたときは三千百八十一です、私が引き受けましたときに。平成十五年九月の二十二日現在三千百八十一市町村だったんです、私のときは。今、二月一日現在、二千七百九十七になっております。
 そういった意味では、これはかなりな勢いで、いろいろな意味でやっぱり財政指数が皆悪くなった。そして、各町村、特に指数の小さい、財政指数の弱い町村においては、これは極めて現実的になったと思いますね。私のところの選挙区辺りでも、四年ぐらい前と今言っているせりふ、全く違いますから。
 そういった意味では、これは合併しなきゃいかぬという話になってきて、合併に反対した町長がリコールになったり、いろいろ今、私どもの地元でも似たようなことが起きておりますけれども、合併というのはかなり現実的で、やるなら今というような感じになってきたんだと思っておりますので、こういったのは少なくともあの当時とはもう町村長の雰囲気はごろっと変わったというのが、又市先生、私の率直な感想なんです。

 そういった意味では、あの法律作りましたときに、私、政調会長をしていましたので、片山大臣と何回かしたときに、まあと言って、なかなか進まぬじゃろうという話をしておられましたけれども、現実は一挙に進んだというのがこういった形でこの一、二年間、一年少々の間の物すごく大きな変化なんだと思いますので、おっしゃるように、確かに、この意味においては、見通しは誤っておられたと非難されたら、それは認めるよりしゃあないという感じがいたしますね。

○又市征治君
 私、申し上げたのは、片山さんの見通しが誤ったかどうかというよりも、問題は、この財源を特別交付税で見ることが問題ではないのかということを当時も私は申し上げた。したがって、そういう意味では、片山さんの、これだけ多く進むかどうかという見通しが誤ったかどうかということよりも、当時も特別交付税で、これが五十億も百億も行くということになったらこれは考えなきゃならぬと、こう言っていることが問題だと言っているわけですよ。
 そう言うのに、今は七百二十六億も今年度の特交で見ているではないか、特交の本旨と違うじゃないかと、こう申し上げているわけですよ。そこのところはやっぱりきちっと見ていかないと、全く総務省の一方的な思いだけで、そのときはこうやって進んでいるからと、何でも出してもいいという格好で特交制度が崩れているじゃないですか。そのことを申し上げているんです。
 理念上、全自治体に普遍的に適用される標準的支出が交付税の対象需要のはずだと思うんですね。合併は特定の市町村だけに出すものであって、標準的に算定できないというものであれば、そもそも交付税需要としては適切じゃないわけでありまして、特別交付税でもなく、百歩譲って奨励的補助金としてやっていくべきなんだろうと思うんですね。それが筋だと思うんですよ。普通交付税にしろ特別交付税にしろ、合併に出すことは、その分、交付税財源を圧迫をするし、そして合併しない市町村は標準的でないんだと、こういう格好でむしろ切り捨てるということと同じことになってしまう、こういうことなんだと思うんです。
 そういう点も含めて、やはりここは是正してもらいたい。そのことを強く申し上げて、これもう時間がなくなりましたから、本当は答弁欲しかったんですが、時間がなくなりましたので、一言、いいですか。

○国務大臣(麻生太郎君)
 なかなか、又市先生、特別交付税というのは、特別だから特別なんでしょうけれども、これ正直、私自身も三千百って、幾つまで減るんだと言って、二千ぐらいまで減りますなんて言った役人は一人もおりませんで、実はもう、いや、とてもあと百とかなんとかいう話だったのが、結論もっと進んだみたいな形になりましたので、なかなか見通しを、私のときが見通しが正しかったんじゃなくて、私のときの最初のころは、正直、そんな雰囲気でもありませんでしたので、そういった意味ではこれはなかなか、どれくらいあと町村が合併するかと思ったらなかなか難しいし、自分自身のところでも実は二市八町やろうと思ったら、結果的には全然うまくいかなかったし、自分でやってみたところ見ても、そういう思いがありますので、なかなかちょっと、あらかじめこれぐらいというのができればちょっと、もうちょっとやり方はあるんだと思いますけれども、なかなか難しいがゆえに多分、特別交付税ということにならざるを得なかったのではないかというのが私どもの今率直なところです。

○又市征治君
 議論残りますから、後でまたやらせていただきます。