第162回通常国会

2005年3月10日 総務委員会



(1)国が地方財政を縮小させることで冷え込む地方経済
(2)国がルールを破り地方に配分しなかった交付税
(3)税の増収分は法律にしたがって年度内に地方に配分せよ


○又市征治君
 社民党の又市です。
 今日は交付税に絞って大臣にお伺いをしたいと思います。
 平成十六年度の地方予算に対する国の手荒い措置に地方から大きな悲鳴と批判が起こったというのは記憶に新しいわけですが、それは今更言うまでもないことですけれども、補助金削減が一兆円だけ先行して、税源移譲が四千億円と格段に少なかったということもあるし、補助金の改革も、単に補助率カットなどでは地方の自由度を全く高めていないという批判もあったし、あわせて、特に、交付税と臨財債を合わせた実質的な交付税ベースで二兆九千億円、一二%の減という巨額の削減が行われたというのが大きな批判の的だったと、こういうことなわけですが、何ゆえ突然にこの自治体の了解もなくにこんな格好でやられたのか、改めて大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君=総務大臣)
 御存じのように、地方財政、極めて厳しい状況にありますのはもう御存じのとおりでありますので、私どもとしてはそれなりに丁寧に、一応説明はしてあったつもりでもありましたし、事実、来年は厳しいという予想で予算を立てておられた市町村長もいらっしゃいましたんで、それなりに説明はあった、してあったようなつもりではおるんですけれども。
 御存じのように、急に知らされたという御不満が昨年にえらく出ましたものですから、その意味では、平成十七年度の地方財政計画に当たりましては、地方六団体との会合の席におきまして、私どもから三回にわたりまして地方六団体と直接協議を重ねさせていただいて、いろいろ意見をいただいたり、また私どもの方から説明をさせていただき、今回はそのような御不満はなくなった、まあ減ったと思っております。

○又市征治君
 大変、連携が一面では不十分だったということを大臣もお認めなんですが。
 そこで、そうした批判や抗議を受けて、麻生大臣は早々に、昨年四月二十六日時点で麻生プランを発表されたわけですね。その柱の一つは、税源移譲を先行するという点であったし、もう一つの柱が、地方一般財源の総額を前年度と同程度に確保するということを言明されたわけですが、問題はこの地方一般財源の内訳の問題ですね。

 平成十七年度は税の増収を見込める以上、そういう意味で総額の確保はある程度容易だと、こう察せられるわけですが、地財計画を見ましても、専ら地方税の増収、これは一兆円で帳じりが合わされている、こう読み取れます。ところが、計算上のこの財源不足額は、平成十六年度に対前年度比で三兆二千億円、それから十七年度も二兆七千億円、それぞれ縮小されているわけですね。その結果、必要な交付税プラス臨財債の額は十七年度も九千五百五十六億という格好で削減をされている。
 こう見ますと、総務省は、景気、財源のあるなしにかかわらず、需要額の切り込み、地方財政の縮小を自己目的化されている、その手段として、とりわけ交付税システムのこの縮小再生産を計画的に進められているのではないか、こういう批判があるわけです。
 職員を毎年一万人削減していきますよというのもそのしかりだと。結局、国の、地方への義務的支出を減らす目的で地方財政を縮小させているんではないのか、これでは地方の経済は冷え切ってしまうではないか、こういう批判が地方にやっぱりあるわけですね。十分御承知だろうと思うんです。竹中さんが、踊り場、踊り場なんということをよく言うんですけれども、踊り場などと言っている間に、地方は本当に狭い踊り場から転げ落ちている、実はこういう状況になってきている。
 そこで麻生大臣、この地方財政あるいは地域経済をどのように守っていこうというふうな決意で臨んでおられるのか、その所感をお伺いしたい。

○国務大臣(麻生太郎君)
 今御指摘のように、確かに平成十七年度におきましても、いわゆる地方におきましては約七兆円、七兆五千億円の財源不足というのが起きておりますのは、これはいわゆる経常収支分でそういうことになっておりますのは御存じのとおりなんですが、御存じのように、借入金の累積残高が二百五兆ということにもなっておりますので、これはどうしても、このままいきますと地方財政というものも極めて厳しいことになりますので、これは全団体、地方団体、一様にスリム化等々を頑張ってくださいということでいろいろお願いをさせていただいておるのは事実です。これはもう当然のことだと思いますし、国もしておりますし、民間もしておるし、地方団体においてもその例外ではないということだと思いますが。
 少なくとも、地方財政の上から見ますと、人員だけでもう一万二千四百十一人純減ということになっておりますので、そういった形での地方の歳出、いわゆる雇用を止めるとか新規採用を減らすとか、いろんな形で減らしてきているところなんだと思いますが、いずれにしても、歳出削減に取り組む必要があるんだと思いますけれども。
 今言われましたように、ここらのところはどこが一番難しいかというと、減らせばすべていいかといえば、なかなかそうはいかぬのでして、やっぱり必要なところには付けにゃいかぬというところだと思いますので、このめり張りの付け方が、やっぱり、地方において何となく今までどおりみたいな話で、一律何%減なんというようなやり方ではないのではないかと。
 やっぱり交付税につきましても、やっぱり今年度でいけば、やっぱり雪の雪害の多かったところ、いわゆる洪水等々によって廃棄物処理が一挙に増えたところ等々、いろいろ、それにつきましても特別交付税、いろんな形で、地方の経済が完全に疲弊するということのないようにしておく配慮というのは、これは当然しておかねばならぬところだと思いますので、そういった意味では、交付税というものの使い方につきましては、何となく従来と同じようにというやり方よりは、かなりめり張りを付ける形になるというような配慮を今後ともしていかないと、地域によっては、IT産業の多かった、ICTにどんどん移るのがうまくいった、そういったところは、えらく伸びている地域というのが、やっぱり東海地方とかいろいろ言われるんですが、逆にそういうのに全然後れたところというのは、もう非常に厳しいことになってきておるのも事実でもありますので、そういった事情も考えて、私どもとしては地域の経済活性化というのは非常に大事な配慮をしなければならぬところだと、私もそれはそう思います。

○又市征治君
 是非そういう意味で、地域経済などというものを本当に目配り、気配りしながら、そうした、めり張りというお話がございましたけれども、対処いただくように大臣の立場から努力をお願いしたいと思います。

 そこで、ちょっと重大な疑念が一つあるわけですが、さきの平成十六年度の補正において、この交付税の入口ベースで一兆円に相当する巨額の国税の増収が計上されました、全体では三兆円ということになるわけですが。じゃ、この十六年の四月のいわゆる麻生プランを出された時点ではどうだったかということが当然疑問として出てくるわけです。
 率直にお伺いしますが、去年の四月時点で平成十六年度末の交付税原資の増収というものをどのように予測をしていたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 又市先生、あの段階ではまだ地方税が伸びるかなという、景気の回復は去年よりはいいなと思っていました、正直なところ。思っていましたけれども、あれほど行くかなという自信は正直ありませんでした。やっぱり去年は、六月に入って以来、ぐらいから、おお、これは今年は伸びるかなという感じはいたしましたけれども、そういった意味では、まだあの段階ではそれほど確たる自信があったわけではございません。

○又市征治君
 今お話ありましたように、一兆円などというところまでは行くとは思っていなかったというお話ですが、そのことは別として、この十六年度末の、それなりに、今お話あったように、財務省も総務省ともに増収にはなるなと、こういう見通しがあったというお話だと思うんですね。
 そこで、麻生プランの公約が今年になって意外な形で決着をしたんだなというふうに見ているんですが、決着というよりも、私は正直言ってこれはすり替えじゃないのかという批判を持っています。
 それは、補正予算で一兆円に上った交付税原資の増収をこの十六年度で配賦をしないで十七年度の交付税原資に送るという格好になっているわけで、これで十七年度の原資を確保していくんだという格好にすり替えられていると。これはこの間も私、申し上げました。しかし、話はさかのぼりますけれども、十六年度の交付税は実質的交付税ベースでさっき申し上げたように二兆九千億円も無理やり削っていたわけですから、あの一兆円はどんな方法を取ってもやっぱり当年度に自治体に戻すべきだ、こういうことで申し上げたわけですけれども、大臣、余りにもやっぱり便宜主義ではないかと。
 これ、一番最後のときに、この間の議論したときに残った問題なのでもう一度お聞きをしますけれども、余りにもその意味では便宜主義じゃないかと、交付税のルールを中央政府自身が崩したとの批判は免れぬじゃないのか、こういう御批判、地方から随分とあります。その点について、もう一度見解をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君)
 自治財政局長の方から答弁をさせますけれども、これは又市先生、ルール変えたというわけではないんでしてね。元々、特段のルールの変更をしたわけではないんでして、国税収入の増加というものが当然、地方交付税の原資に連動しておりますので、増加するようになった場合においては、この財政需要というようなものを考えて必要な交付税の増額を交付した上で、余ったものについては翌年度にということにしてきたところでして、何も今年だけ変えたというわけではないんです。
 細目につきましては、瀧野の方から説明させます。

○政府参考人(瀧野欣彌君=総務省自治財政局長)
 国税収入が増加した場合、交付税の原資が増加することになるわけでございますけれども、その場合、これまでどういう対応をしてきたかということでございますけれども、今大臣からもお話がございましたけれども、補正予算などによりまして地方団体に追加財政需要が生ずると、あるいは当初の交付税の配分の段階で調整率を掛けていてその全体を配分できなかった部分があると、そういったものについて、増額になった交付税を地方団体に配分するということをした上で、残余については翌年度に繰り越すというのがルールであるというのが今までの考え方でございます。
 今回も、御案内のようにいろんな災害の状況がございましたので、そういった災害に対応できますように全体の六%相当額をそれに対応する分として十六年度交付するようにお願いをいたし、その残余の部分につきましては調整部分を除きまして翌年度に繰越しを行うということでございまして、ある面では今までの考え方に沿いながら地方財政全体の対応としてこういうことを行ったわけでございまして、特段ルールの変更というようなことには当たらないというふうに考えておるところでございます。

○又市征治君
 まあ私、余り疑念が晴れないんですが。
 むしろ、財務省辺りから、この一兆円がなかったら十七年の麻生プランというのは守れないんじゃないかと。地方一般財源確保は守れないんじゃないのか。一兆円を十六年度で配分してしまったら十六年度の交付税、そんな額になりませんよという、むしろそういう言い分が財務省辺りから強かったんではないかなという、私はそういう疑念を持っていますが、まあ済んだことですから、これはこれ以上言いません。
 しかし、地方財政に対する各、まあ財務省を含めて、各方面から更に厳しい注文いろいろと出てくるのはそうだろうし、今年も来年もそうだろうと思うんです。それに対して、地方を代弁してどう守っていくか。これは大臣、これまでも言ってあることですし、また使命なんだろうと思うんですが。
 そこで、具体的にもう一つ、これは局長の方がいいんだろうと思いますが、じゃ、十七年が仮に税の年度末増収で、十六年度末並みに交付税原資で一兆円といったオーダーでの増収があったらどうするの。これもまた来年に、その翌年度に送るんですか。そこの点、もう一度、もう一度お答えください。

○政府参考人(瀧野欣彌君)
 今回御審議をお願いすることになっております十七年度の交付税総額、これにつきましては、十七年度の国の予算案におきます国税収入の見積り、これを前提にいたしまして法定率を掛けて見積もっておるところでございまして、財源不足が、法定率では不足する部分につきましては地財計画の策定を通じて補てん措置を講じると、こういう考え方になっておるわけでございます。
 その中で、御指摘の自然増収といいますか、十七年度の国税が増収になった場合どうするかということにつきましては、現在の段階では、国税の方が経済見通し等に基づいてこういう積算をしているわけでございますので、我々としては、まず予算案の確保ということが必要なのではないかということで、今後の増収というようなことを現在の段階で想定しているものではございません。

○又市征治君
 私の主張は、交付税法の本則に基づいてその年度にやっぱりやるべきだということを主張申し上げているわけでありまして、十七年度、仮定の話はお答えできませんということですから、まあそれはしようがない。
 そこで、問題は、盛んに財務省は、交付税不要論ともいうべき主張をして需要額を切り込めと、こういう主張が強いことはマスコミなどでも随分と報じているわけでありまして、しかし私自身は、この地方自治体の出身者としていろんなところを意見を聞いたりしていまして、需要額の削り込みはもう限界に来ている、こういう意見が非常に強い。こういうところで、少なくとも総務省は、平成十六年度当初のような、あんな抜き打ち的な削減だとかというのは、これはもう大臣のさっきのお話でもないと思いますが。
 また、できるならばやっぱり私、申し上げたように、増収が上がってくるならば一定の、今度もまた十七年度も増収が見込めるんだろうと思うんですけれども、やっぱり本則に基づいてしっかりその年度内に配る努力をしていかないといけないんではないか、こんなふうに思って、そういう意味では、中間で補整を行っていく、普通交付税としてきちんと再計算をするということなどが本当の意味でこの地域経済対策としても非常に大事なことではないか。
 さっき大臣もおっしゃいましたが、一部では非常にいいところもある。だけれども、本当に疲弊をしてきている地域というのはある。こういう格差が出ているわけで、そういう点をしっかり目配り、気配りをしていくべきなんだろうと思います。そして、特別交付税もやはり年度内にしっかりとやっぱり配分をしていく、こういう努力をしていくべきではないかと思うんですが、これは最後になりますけれども、大臣、本当にこういうふうに再算定をする、年度内にやっぱり再算定をするということも含めて検討すべきじゃないかと思うんですが、その点についての見解をお伺いしたい。

○国務大臣(麻生太郎君)
 御指摘のとおり、いろいろこの交付税不要論という話は確かに一部から出てきていることは確かであります。しかし、私どもは、この交付税というのは、仮にこの三月三十一日をもって地方団体が仮に二千ということになると、今、就任いたしましたときは三千百八十一だったんですが、昨日で二千二百四十幾つになっておりますので、あと数週間で二千台までなってくると思っておるんですが、そういった段階まで来たとしても地方における財政指数の格差が二千団体の間に差が付くことは間違いありません。必ず差が付きますので。
 そういったところはある程度の財政、いわゆる行財政サービスというか住民に対する最低限を保障するために、国としてそこの差を埋めてやるという調整機能としての交付税というものは、これは今後とも絶対必要なものだと確信をしておりますので、ここをどうやって確保していくかという、その総額につきましては、少なくとも十八年度まではきちんと少なくとも約束で三位一体の約束の大前提がこれですので、三兆円の税源移譲に見合って補助金、それ埋めるための交付税ということになろうと思いますので、これはきちんと対応していかなければならぬところだと思っております。
 今おっしゃるように、それ以降の話になってくると、これはきちんとしていかなきゃならぬところはやっぱり法定率とか、地方の交付税というのはこれは地方財源の元々のものですから、これは何も分けてやるというようなものじゃないんであって、きちんとした法律でそうなっておりますので、今おっしゃるように、そういった形で私どもは、中期的には法定率とかいろんなもので税の配分の比率をきちんと地方の方により多くという形の方向で進むべき。簡単に言や、今四二対五八か、という部分のところの比率を五対五ぐらいに、そして実際やっております事業は、私どもの方が約六〇、国の方から四〇ということになっておるのが実態ということを考えますと、やっぱり五対五ぐらいにしてしかるべきだと思っておりますので、その線に合わせることによって、少なくとも地方、人口割りにして全人口の三分の一ぐらいは不交付団体のところに住んでいるという形にはしなくちゃいかぬというような形にして、地方はおれたちがこの町を経営しているというような気概というか矜持というかプライド、そういったものを涵養していくのが大事なことだと思っておりますので、御指摘の点よく分かりますので、きちんと対応させていただきたいと存じます。

○又市征治君
 終わります。